黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです 作:黒っぽいアイドル擬き
ヴェロッキオを暗殺した後、私は悠々と飛行機に乗ってロアナプラから帰還しようとしていた。
ヴェロッキオが死んでから双子はバラライカの姐さんを殺そうと迫ったらしいけど、唯一のアドバンテージを捨てて片割れに分かれた挙げ句、ヘンゼルが死んだ。
その後、高跳びの手引きを引き受けたラグーン商会の船にグレーテルが乗り込んだロアナプラから逃げたらしいけど……残念ながらバラライカの姐さんはそれを許さず、罠を張って、グレーテルを殺した。
まぁ、仕方ないよね……只、暴れるだけの狂犬は誰にも買われないし、手を伸ばしてもくれない。
双子は何れは死ぬ定めだったんだ。
私は双子ことなんて忘れようと読んでた本を閉じて眠りについた。
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羽田空港に着いた私は久しぶりの日本だとおもいながら背伸びをした。
勿論、今の姿は空港を通り抜ける為に日本人の眼鏡の女性に変装してるからユメでも、エミリーでもない。
どっちも出国してないからね……タイから出てきたら怪しまれる。
「真城 未琴さんですか?」
「ん?……あ、そうです。すみません、今日はね」
声を掛けてきたのは組織の幹部、バーボンだった。
確か……迎えを寄越すってラムが言ってたね。
「それにしても久しぶりですね。……雰囲気が変わりましたか?」
「そう?そんな事はないと思うけどね」
私はそう言って軽く否定すると腕時計で時間を確認する。
「……次の仕事まで時間があるね。ほら、迎えに来てくれた次いでに送ってくれるんでしょ?急いで」
「分かりました。お嬢様」
「ふざけないでくれる?」
バーボン……全く、変な冗談はよして欲しいものだね……
私はバーボンの冗談を他所に次の仕事への準備をする為にバーボンと空港を後にした。
~別視点side~
その頃、九州の宮崎では事件が起きていた。
宮崎の田舎の山奥で雨宮吾朗の白骨死体が発見されたのだ。
発見者は江戸川コナン、星野アクア、ルビーの子供三名と保護者として付き添っていた毛利蘭だ。
「嘘……だよね……先生……!」
ルビーは死体が雨宮吾朗の物だと知って酷く悲しみ、泣き崩れ、後から知らせを受けたアイも動揺していた。
「現場の近くにはもう一つ死体が……男の物と思われますが身元は……恐らく、犯人はこいつで自殺かと」
現場には身元不明の白骨死体が転がっており、頭を横から撃ち抜いた様な状態で発見されていた。
宮崎県警は身元不明の男を犯人とし、殺害後に自殺した物と判断した。
小五郎も状況的にあり得ると考え、深く追及せず終わる中、コナンはアクアを見る。
「大丈夫かアクア?」
「あぁ……大丈夫だ……分かっていた……真実は歪められて終わる事は……」
アクアのその言葉にコナンは何も言えない。
今、此処で真実を白日の元に去らしても良いがその場合は組織が全てを隠蔽しようと動くのは明白だった。
夜空ユメを始めとした幹部達による隠蔽……流石のコナンでも防ぎ切れないし、防ぐ術もない。
あの船の一夜で散々思い知らされたのだ……知恵はあっても力が無ければ打ち勝つ事は出来ないのだと。
知恵比べよりも力付くで挑まれたりでもすれば終わる……コナンは拳を強く握りしめた。
「では、雨宮さんは出産予定日の日に一度帰宅を?」
「はい……暫くしてアイさんが産気付きまして……雨宮先生に連絡を入れたのですが出なくて……まさか死んでいたなんて……オタクで仕事の時でも患者さんの病室でアイさんの出ているテレビを見ている人でしたが優しい人でした……」
雨宮と仕事をしていた看護婦は悲しげにそう言い、雨宮の事を知る同僚達も分かっていたつもりでいたがいざ、死んだと聞かされると悲しげな雰囲気に包まれた。
「アクア……ルビー……」
アイとルビーは雨宮が殺された事にショックを受け、人前で泣く姿を見せる事はなかったがアクアとルビーを抱き締める姿に小五郎達も何も言えなかった。
ルビーも少なからずショックを受けたのか事件発覚後、泣きわめき、アクアが落ち着かせるなど悪影響が多かった。
恩人に会うだけの旅行は恩人が殺されたと言う最悪な結果で終わってしまった。
~side終了~
私は空港を通り抜けた変装を解いてエミリーの変装へ戻るとバーボンのRX-7に揺らされながらラムと連絡していた。
《よくやりましたね。ブランデーの死は此方にも届いていますよ》
「まぁ……殆ど自滅だったけだね。それよりも次の仕事だよラム。二つ目の任務を頂戴」
《良いでしょう。では、次の任務ですが……黄昏の館と言う場所を知っていますか?》
「……知らない。何なのそれ?」
《かつて、あの方が保有していた別荘ですよ。あの方はそこでちょっとした余興を行いましてね……あの方が黄昏の館を手放して長い年月が経ちますが余興で使われた財産が見つかっていないとか……貴方には黄昏の館にてその財宝を見つけて貰います》
「何の為に?組織の財産は十分だと思うんだけど?」
《確認ですよ。未だに見つからず、そこに眠るだけの物など価値はありません。あの方は人知れず回収されたのではと考え、確認の為に人員を送るつもりだったのです。そこで貴方が行くのです。勿論、答えは教えません……自力で探しだして未だに財宝が眠っているかどうか確認をするのが今回の任務です》
つまり、あの方の行った長い余興を終わらせろ……そう言う事らしい。
見つからなければ余興は終わらない。
あの方も流石に飽々していると言った所かな?。
「分かったよラム。探し出して報告する」
《良い返事です。あと……どうやらその黄昏の館ですが今の保有者で更なる余興をする様ですね。世界に名だたる探偵を集めて何やら行うようです》
「探偵を?……やっぱり、財宝の事かな?」
《伝わっていてもおかしくありません。財宝を探しださせる為に探偵を集める……古典的な手ですね。その財宝探しに貴方にも招待状が届いている様ですよ?》
私はそれを言われるとラムとの連絡に使っていた端末の画面に確かに黄昏の館の招待状があった。
| 貴殿の叡智を称え、我が晩餐に御招待申し上げます
神が見捨てし仔の幻影 |
洒落た招待状の内容が書かれていた。
これって……。
「ラム……まさかと思うけどさ……」
《えぇ……そのまさかですよ》
「……神が見捨てし仔の幻影。幻影はファントム。仔は子供は子供でもそれは獣……神が見捨てたとなると新約聖書では神の祝福を受けられなかった山羊。つまり、仔山羊となる」
《そして英語で山羊は
そう、つまり答えはこうなる……
怪盗キッドとなる。
「まさか、怪盗キッドがあの方の財宝を?」
《それは分かりません。別にくれてやっても良いとあの方も言っていますから気にする事は無いでしょう》
「……そう。分かった。本当に怪盗キッドが動いているのかどうかも注意するよ」
怪盗キッドね……またその名前を聞くとは思わなかったよ……やれやれ……怪盗なんかに付き合うとろくな事にならないのは常なのに。
それにしても余興を終わらせる為に余興の謎を全て解く事が任務達成の条件か……まぁ、どんな謎にしろ、名だたる探偵が集まるんだから余裕で終わるでしょ。
私はそう楽観的に考えながら黄昏の館の任務の事を考える。
……それにしたもバーボン……見つめ過ぎじゃない?。
気付かないと思ってるのかな……。