黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです 作:黒っぽいアイドル擬き
外から爆破音が鳴り響き、私は先ず考えた事は車やバイクが破壊された事だった。
「な、何だね今の音は!?」
「やられた……!」
此処は山奥にある館……逃げるにしても徒歩では何時間も掛かるし、何の準備も無しに山の中を動こうものなら遭難して死ぬ。
まさに陸の孤島……私達は天然の牢獄に閉じ込められた事になる。
恐らく道中の橋もやられてる……逃げるに逃げられない筈。
それよりも重大なのは……私のDR-Z400SMを破壊しやがったチクショウ!!。
気に入ってたのに!!。
「案ずる事はない、君達の足を絶ったまでの事……」
「ま、まさか車を!?」
「私はいつも警察や君達探偵に追われる立場……たまには追い詰める側に立ちたいと思いましてな……もっとも此処へ来る途中の橋も同時に落としましたから、車があったとしても逃げるのは不可能だ……勿論此処には電話は無く圏外……そう……つまりこれはその財宝を探し当てた方だけに財宝の半分を与え、此処からの脱出方法をお教えすると言うゲームですよ……気に入って貰えましたかな?」
成る程ね……やってくれるわ……とても気に入ったよ……。
私は笑顔に徹するけど内心、お気に入りのバイクをやられたせいで怒り心頭なんだよ。
絶対に後悔させてやる……そして財宝も全て奪う。
こんな奴に財宝の半分も勿体無いからね。
私がニコニコとしながら笑っていると茂木さんが軽く席を立った。
「ふん……虫が好かねぇんだよ……テメェみてぇな……面を隠して逃げ隠れする野郎は!!」
茂木さんがそう言って勢いよく主催者の覆面を剥ぎ取ったけど私は予想通りの事に溜め息をするしかなかった……。
「さぁ!腹が減っては戦は出来ぬ、存分に賞味してくれたまえ……最後の晩餐を……」
「マネキンの首にスピーカー!?」
何しろ主催者の素顔は黒いマネキンの顔にスピーカーが取り付けられていたんだから。
「くそ!」
茂木さんはそう言って覆面をマネキンに投げつける。
それにしても最後の晩餐か……不吉な事を言うね……。
「だ……誰が……いったい誰がこんな事を!?」
「あら?毛利さんともあろう方が知らずにきたのですの?」
「え?」
「ちゃんと招待状に書いてあったじゃない」
戸惑う小五郎さんに槍田さんの指摘が入ると探偵達からの招待状の主の答え合わせが始まった。
そう……私、そしてラムが導き出した様に各々が導き出した推理を説明した。
「神が見捨てし仔の幻影って……」
「幻影ってーのはファントム……神出鬼没で実体がねぇ幻ってこった……」
「にんべんを添えると仔と言う字は獣の子供……ほら、仔犬とか仔馬とかに使うでしょ?」
「神が見捨てし仔とは新約聖書の中で神の祝福を受けられなかった山羊の事……つまりこれは仔山羊を示す文章……英語で山羊は
「
「な、なに!?」
白馬君が閉めた推理に小五郎さんは驚く。
まぁ、無理もないね……ちょっとした知識がないと解けないもん。
「こう言えばもっと分かりやすいでしょうか……」
「
私は白馬君の出番を飛ばしてつい、言っちゃった……いや、ごめんって……そんなジト目で見ないでよ。
「お、おいまさか……」
「まさかそれって……」
どうやら二人共、差出人の答えに行き着いたみたいだね。
「そう……小五郎さんと蘭さんのご想像通りなんだよ……」
「狙った獲物は逃さないそよ華麗な手口はまるでマジック……」
「星の数程の顔と声で警察を翻弄する天才的犯罪者……」
「我々、探偵が生唾を飲んで待ち焦がれるメインディッシュ……」
「監獄にぶち込みてぇ気障な悪党だ……」
「正体不明で犯罪であっても皆を楽しませる奇術を使う故にこそ周りを魅力する大罪人……」
「そして僕の思考を狂わせた……唯一の存在……闇夜に翻るその白き衣を目にした人々はこう叫ぶ……怪盗キッドと」
そう……今回の主催者は怪盗キッド……の筈。
あくまでも招待状に書いてあっただけ……本人が出した可能性はあるけど過去の犯罪歴を踏まえると……今回の主催の晩餐会は明らかに怪盗キッドのやり口と違い過ぎる。
だからかな……この食堂に気障なこそ泥さんの気配を感じたんだよね~。
どうやらコナン君も気付いてるみたいだね……あら、視線があった。
私は微笑みを返すとコナン君に難しい顔をされた……げせぬ。_________
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長い時間、待ってようやく食事にありつけた。
もうお腹空いて考えたくても考えられなかったんだよね~。
晩餐会らしくフルコース料理で、最初はオードブルのフォアグラのマーブル仕立てトリュフ入りジュレ添えって言う長い名前の料理が出てきた。
……うん、普通の料理に見える……流石は大上さん。
美食家探偵って呼ばれるだけあって見た目から美味しそうだってよく分かる。
「ねぇ、メイドさん?もしかして料理を置く順番も御主人様から言いつけられていやしなかったかい?
「あ、はい……白馬様から時計回りにと……」
「いやね……ゲームは始まったばかりなのに最後の晩餐と言うのが……私には腑に落ちなくてねぇ……」
確かに千間のお婆ちゃんの言う通りだね……指示された置く順番……最後の晩餐の意味……考えられる答えとしては毒の入った料理が紛れている事だけど……。
「ハハハ……毒なんか入っちゃおらんよ!料理はわしが作ったのだから!」
そう……料理はコック不在の為に大上さんが全て作った。
毒を入れる隙は無い……大上さんが金に目が眩んで無ければの話だけどね。
「でもそれを口に運ぶフォークやナイフやスプーン……そしてワイングラスやティーカップも予め食卓に置かれていましたし……僕達はこの札に従って席に着きました……まぁ、彼が僕達の力量を試す笑えないジョークを仕掛けている可能性はあります……自分のハンカチでグラスやフォーク等を拭いてから食べた方が懸命でしょう……」
白馬君の言う通り……別に毒を仕込むなら食事や食材にわざわざ毒を仕込まずに食器類に塗り込めばバレにくい……私が毒で命を狙うならそうする。
指定の席を着かせたのも気になるね……ターゲットは決まっている……そう言う事かな?。
「違げねぇーな……奴のペースで事が進むのも気に食わねぇし……何ならジャンケンでもして席替えするか?」
「し、しかしそれで運悪く毒に当たったら……」
「ふん!そんときゃーそれだけの人生だったと、棺の中で泣くんだな……」
まぁ、茂木さんの言う通り、相手のペースに合わせるのは愚策……一先ず、ジャンケンして席替えをして食器の類いを入念に拭くとかの対策をしないとね。
それにしても……あの人の癖、気になるなぁ……。
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私達はジャンケンをして席替えし、食器を念入りに拭いてから食事を始めた。
私はマナー通りにナイフとフォークを使って口に運ぶとオードブルの味はとても……。
「美味しい!」
流石は美食家探偵って呼ばれるだけあって大上さんの料理は美味しかった。
「こりゃー旨い!」
「ホント……」
「頬っぺたが落ちそうですね!」
皆も満足そうに舌を唸らせる。
料理には毒は無かった……なら、食器の線かな……。
私は料理を味わいながらそう考える。
「どーやら思い過ごしだったようだねぇ……」
「いや……まだ分かりませんよ……」
千間のお婆ちゃんは思い過ごしだったかと考え、白馬君はまだ毒の存在の可能性を疑う……。
「どうかね諸君……私が用意した最後の晩餐の味は……?」
「ふん……おいでなすったな……」
「貴方が用意したと言うよりも大上さんが作ったんだけどね……まともにコックを用意すらしてなかったからね……」
私は取り敢えず皮肉を込めてあげたけど主催者たるキッド仮は無視して話を続けてきた。
「では、そろそろお話しよう……私が何故大枚を叩いて手に入れたこの館を……ゲームの舞台にしたのかを……先ず見てくれたまえ!今、諸君の手元にあるフォーク、ナイフ、スプーン……そして食器類の数々を……」
私はそう言われてナイフを調べて見ると烏の紋章が刻まれていた。
これは……烏丸蓮耶の紋章だね……。
「もうお分かりかな?それは半世紀前に謎の死を遂げた大富豪、烏丸蓮耶の紋章だよ……」
「か、烏丸蓮耶!?」
小五郎さんが驚くのも無理はない……謎多き大富豪。烏丸蓮耶。
彼の経歴とか素性は全て謎……綺麗に消えていた。
只、烏丸が衰退する前は現、財政界の大元締である鈴木財閥なんて目じゃない程の財を成し、栄華を極めた……とか。
「食器だけではない……この館の扉、床、手すり、リビングのチェスの駒からトランプに至るまで全て彼が特注した代物……つまりこの館は烏丸蓮耶が建てた別荘……いや、別荘だった……40年前この館で……血も凍る様な惨劇が起こったあの嵐の夜まではね……」
やっと、惨劇の内容が聞ける……話して貰いましょうか……過去に起こしたとされる惨劇とやらをね……。