黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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惨劇の再演

黄昏の館で起きた惨劇……館中にある血痕を見ればどんな物かはそんなのは察するものだけどね……。

 

「有能なる探偵諸君なら、この館に足を踏み入れた時に既にお気付きでしょう……飛び散った夥しい血の跡に……そうそれはこの館がまだ美しさを保っていた40年前のある晩……この館に財界の著名人を招いてある集会が開かれたのだよ……99歳で他界した烏丸蓮耶を偲ぶ会と銘打ってな……」

 

偲ぶ会……私にとって、最悪の禁句……こればかりは説明の為に必要なワードだから主催者に非はないから怒るに怒れないね……。

 

まぁ、話しを聞いてみたら大方はこう言う事だね。

 

烏丸蓮耶の偲ぶ会の称した烏丸蓮耶の集めたコレクション……それを売買する為の体制的なオークションだった。

 

三日間行われる偲ぶ会のオークション……その二日目の激しい雨の振る嵐の晩に二人の男達がずぶ濡れになって現れた。

 

二人の男達は雨の寒さで震えながら道に迷い途方に暮れていた所をこの館を見つけてやって来た……嵐が止むまでいさせてくれと懇願した。

 

オークションの主催者は体裁の為か嵐で困り果てている二人の男達を館に入れるのを渋っていた所でお金の代わりにと一枚の葉を渡した所で態度が変わった……そう……その葉っぱは恐らくマリファナ。

 

マリファナを見て態度を変えた当時の主催者は勧められるがままに煙草の様に紙に巻いて吸い、陽気になると二人の男達は招いてしまった……。

 

そしてそれを見ていた客達も勧められるままに吸った……後は分かる通りマリファナによる幻覚症状によって大混乱に陥った。

 

ある男は競り落とした美術品も抱き抱えて悪魔から逃げる様に駆け回り、ある女は涙が枯れるまで泣き、またある男は嬉しそうにペンで自分の腕を刺し続けた……。

 

阿鼻叫喚の最中、やがて美術品を奪い合い、名刀や宝剣で殺しあった……。

 

その地獄みたいな状況は終わった時には二人の男達は消え去り、美術品は全て無くなりましたとさ……めでたしめでたし……なんてね。

 

何とも怖い話だね~。

 

「し、しかし何でそんな大きな事件が世間に知られていないんだ?」

 

「恐らくその客の中にいたのだよ……」

 

小五郎さんの疑問に大上さんが答えた。

 

「政界に顔の利く名士か、もしくは一族がな……」

 

「成る程ねぇ……誰が誰を殺したのか分からないその状況にそんか人がいたのなら……」

 

「下手に解明される前に事件をまるごと握り潰した方が得策と判断したのでしょう……」

 

権力者はいつもそうだよね……自分の不祥事や発覚されるのを都合が悪いと判断すれば何でもかんでも火消ししたがるのは……。

 

「確かにだね……あの烏丸蓮耶の偲ぶ会となると単なる金持ちの集まりじゃ済まなそうだしね……」

 

「私もよく分かりませんが……その烏丸蓮耶と言う方の影響力が高いと言うのがよく分かりました」

 

安友子ちゃんにはちょっと難しかったか……まぁ、私ですら産まれる前だしね……私よりも若い安友子ちゃんが分からなかったのは無理もないね……話聞いただけで内容をすぐに把握したみたいだけど。

 

「ふん……それもその二人の男の計算の内だったんだろーがよ……」

 

「全く……食欲のそそる素敵な昔話だわね……」

 

素敵なのかさておき……そもそも何故、二人の男は偲ぶ会に現れ、マリファナをばら蒔いて殺しあいをさせ、美術品を奪ったのか……単純にお金になりそうな美術品を狙った強盗だと考えればそれで終わりだけどね……。

 

まぁ、いずれにせよ……昔の事件なんてどうでも良いね……。

 

私はそう結論を下すとそこへメイドさんが丁度、紅茶を入れてくれていた。

 

「さて、もうお分かりかな?私が何故、この館を選んだかが……それは君達、探偵諸君に再びあの惨劇を演じて欲しいからだ……この館の財宝を巡って奪い合い殺し合うあの醜態を……」

 

「ふん……下らんな……」

 

「ふざけないで下さい!そんな事で私達は殺し合いなんてしません!!」

 

大上さんと安友子ちゃんのその言葉に……また反応しなかった……そうまた……。

 

「まぁ、闇雲に探させるのは酷だから……此処でヒントを与えよう……」

 

ヒントね……。

 

私は財宝のヒントやらを聞く為に耳を静かに傾けると主催者はヒントを言った。

 

「二人の旅人が天を仰いだ夜……悪魔が城に降臨し、王は宝を抱えて逃げ惑い……王妃は聖杯に涙を溜めて許しを乞い、兵士は剣を自らの血で染め果てた……」

 

「そ、それってさっきの……」

 

「苦労しましたよ……この館に残る惨劇に準えて暗号を作るのは……まさにこの館で始まる、命懸けの知恵比べに相応しい名文句だと思わないかね?」

 

確かに……でも、それがヒントねぇ……単語の意味をタイプの暗号となると苦労しそうだね……。

 

まぁ、それよりも殺し合いとなると問題があるし……。

 

「馬鹿ね……殺し合いって言うのは相手もそうだけど……此方もその気にならなきゃ……」

 

「無論このゲームから降りるのは不可能だ……何故なら君達は……私が唱えた魔術に……もう既に……掛かってしまっているのだから……」

 

言葉を遮る形で主催者がそう宣言した。

 

唱えた魔術に掛かったね……何時、どんな言葉か……財宝?惨劇?。

 

いずれにしても……殺し合いは無し……なんて考えない方が身の為か……。

 

私はそう考えながら紅茶を一口飲む。

 

「さぁ……40年前の惨劇と同じ様に……君達の中の誰かが悲鳴を上げたら知恵比べの始まりだ……良いかね?財宝を見つけた方は中央の塔の四階の部屋のパソコンに財宝の在処を入力するのだ……約束通り……財宝の半分と脱出方法をお教えしよう……」

 

主催者がそう言い終えた時。

 

「うッ……!」

 

茂木さんが突然、苦しみの声を……いや、違った……。

 

旗から見たら毒で苦しんでるみたいだけどあれは演技だ……全く……。

 

茂木さんが暫く毒を受けた演技をする様子を他所に私は紅茶を啜るとようやく茂木さんが演技を止めた。

 

「なーんてな……悪いが俺は降りるぜ……宝探しには興味ないんでね……」

 

「で、でも此処からどうやって……」

 

「ふん!此処は海の真ん中の離れ小島じゃねぇ……山ん中を駆けずり回りゃ運が良ければ助かるさ……じゃあ、あばよ探偵諸君!」

 

茂木さんはそう言ってその場から去ろうとした時。

 

「ぐッ!?」

 

大上さんが苦しみ出して唸り声を上げながらその場に倒れてしまった。

 

これは……まさか?。

 

私は席から立ち上がると同じく反応した白馬君と一緒に大上さんの所に駆けつけて見たけど……駄目ね。

 

「おいオッサン!二度目はうけねーぜ?」

 

「違うよ茂木さん……これはマジよ……」

 

「なに!?」

 

私のその一言に茂木さんは驚くと白馬君が脈を計り終えて懐中時計で死亡時刻を計った。

 

「22時34分51秒心肺停止を確認……この状況下では蘇生は不可能でしょう……」

 

「そ、そんな……」

 

晩餐の食卓が大上さんの死で彩られた事で混乱が起きた。

 

何時、どうやって……大上さんは毒で死んだ……しかし、食べ物を口にしても死ぬ事はなかった状況や食器を念入りに拭いて安全確保を行って、更に席替えまでした……なのに大上さんは死んだ……偶然にも運悪く当たったにしてもおかしい……。

 

「唇の色調が紫色に変化するチアノーゼが見られないわ……それにこの青酸ガス特有のアーモンド臭……」

 

「じゃあさっきオッサンが飲んでた紅茶に青酸カリが!?」

 

「うんにゃ……酸化還元反応はないよ……どうやら原因はこの紅茶じゃないようだねぇ……」

 

「だったらいったいどうやって!?」

 

「カップの底に青酸カリが……いや、違う……そうだとしたら酸化還元反応がある筈……食器が念入りに拭かれていたと仮定するとしても矛盾が出てしまいますね……」

 

探偵達は青酸カリによる毒殺のトリックを考え始めているけど……私はもう分かった。

 

大上さんの右手の親指の爪……噛んだ跡が残ってる……恐らく大上さんは癖で親指の爪を噛む癖がある。

 

それが何かの条件と重なって癖が出ると毒殺される寸法……そうだとしたらカップに毒を塗るとしたら……。

 

「取っ手か……」

 

カップの取っ手……親指を掛ける上当たりがベストで大上さんの癖を知る人物と言う事になる。

 

調べてみないと分からないけど……今、こんな所で調べたら大元の犯人に警戒されて出てこなくなる可能性が高まる。

 

何しろこの場の容疑者達は場数を踏んだ名探偵と怪盗しかいないからね……。

 

私はまだ分からないフリをしつつ誰が犯人なのかと考えていると主催者が再び喋り始めた。

 

「さぁ、賽は投げられました……自らの死を持ってこの命懸けの知恵比べを華々しくスタートさせてくれた大上探偵の為にも財宝探しに精を出してくれたまえ……」

 

「てめぇ……ふざけるな!!」

 

主催者のその言葉に怒った茂木さんがマネキンの胸ぐらを掴んだ時、首が取れると共に何かが一緒に床に落ちた。

 

あれは……カセットテープ?。

 

「タイマーにも繋がっているみたいねぇ……」

 

「食事を此処に運ぶ時間も決められていたんですか?」

 

「は、はい……オードブル、スープ、メイン、デザートと細かく……」

 

うわ……だとしたら相当に露骨な犯人だね……それが事実だとしたら……。

 

「じゃあ、犯人は私達の様子を見ながら喋っていたんじゃなく……」

 

「テープの声を流してただけって訳ね……」

 

「これで二つ分かったね……」

 

その声に私を含めた全員が視線を向けると今まで沈黙を保っていたコナン君が口を開いていた。

 

「犯人は最初から大上さんを狙ってたって事……もしかしたら犯人は……僕達の中にいるかもしれないって事が……」

 

そう……コナン君の言う通り……今回の事件は私を含めた探偵、怪盗と言った特殊な面々が容疑者の殺人事件……今回ばかりは手こずりそうだね……。

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