黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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探り合い

大上さんが目の前で毒殺された……食器や食べた物、飲み物すらも同じ筈なのに大上さんだけが死んだ……。

 

このトリックは単純に大上さんの親指を噛む癖を利用したものだと分かったけど肝心なのは犯人が誰なのかと言う事。

 

主催者のマネキンは録音を使ったマネキンを通して会話している様に見せかけて録音した声を流す高度なトリックを使っていた……だとするとコナン君の言う通り……。

 

「言われても仕方ないよねぇ……」

 

「諦めんなよ……らしくねぇな……」

 

「仕方ないよ茂木さん……だってさ……考えてみてよ?あれが録音で声を流してただけなんて事になると隠しカメラで様子を見ながら話してたなら分かるけどさ……録音だけだったら犯人はどうやって私達の様子を見てるの?」

 

「そうですよね……犯人は録音だけして然り気無く私達に紛れ込んだ……そう考えると辻褄が合いますね……」

 

「そうだよ!この中の誰かが前もってテープを仕掛けておいて、ご飯を食べながら皆と一緒に聞いてる振りをしてたかもしれないでしょ?」

 

私達はテープの録音は私達に紛れ込む為の仕掛けだと考えが纏まった。

 

次は毒がどうやって仕込まれたのかになるけど……流石にすぐに言う訳にもいかないよねぇ……警戒させちゃうし。

 

素人相手ならまぁ、何とか追い詰められるけど相手は歴戦の探偵と怪盗……簡単にはボロを出さない。

 

まぁ、この面子ならトリックをすぐに見破れると思うけど……保険が必要だね……どう言った保険を用意するか……。

 

私は次の一手を考えていた時、ふとメイドさんを見ると親指を噛んでる仕草を見せていた……え、ちょっと……まさか……。

 

「メイドさんメイドさん……あんまり爪噛むのはよくないよ?」

 

「あ……す、すみません……動揺してしまいまして……」

 

はぁ、全く……メイドさんまで死んだら大混乱だよ……それよりもメイドさんも大上さんと同じ癖の持ち主か……この繋がりは偶然?。

 

「おい、聞いてんのか?」

 

「え……?」

 

私は考える事に夢中になってたら茂木さんに声を掛けられた所で視線を戻したら探偵達からのジト目を貰った。

 

「エミリーちゃん……貴方も探偵なら人の会話には耳を傾けるべきだと思うわよ……」

 

「そうですよ!皆で考えているんですからしっかりしてください!」

 

「しっかりしてくれるかしら?」

 

「たく……」

 

「まぁ、誰にでも考え事をして周りが見えなくなる事はありますよ……探偵なら尚更ね……」

 

ぐッ……皆して言ってくれるね……ちょーとボーとしてただけなのに……。

 

私は拗ねた素振りを見せつつも気になってた事を言う。

 

「事件解決も大事だけどさ……車とか見に行かない?」

 

「ふん……そうだな……本当に俺達の車が吹っ飛ばされたか見に行くか……」

 

「賛成だわ……もしかしたら爆発を免れた車があるかもしれないし……」

 

「そうねぇ……さっき聞こえた爆音は……ハッタリだったかもしれないしねぇ……」

 

ハッタリだと願いたい……いや、抜け目のない犯人の事だから車は全滅させられている可能性が高い……私なら脅しじゃなく、本気でやる……逃げられたりしたら嫌だしね……。

 

で、でも……万が一と言う事もあるし確認はしないとね……!。

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結論から言うよ……駄目だった!。

 

「燃えてますね……」  

 

「そうだよチクショウ!」

 

私の目の前では茫々と燃える高級車達でその中には小五郎さんのレンタカーと私のバイクも言い訳しようがない程に燃えていた。

 

「俺のレンタカーが丸焦げ……」

 

「私のフェラーリのミディアムね……」

 

「俺のアルファも大上のおっさんのポルシェのパァだ!」

 

「じゃああのベンツは君の?」

 

「いや……僕はバアヤに車で送って貰いましたので……君のでは?」

 

「いやいや!私はごく普通の家庭の高校生なんですよ!ベンツなんて高い車を買うくらいなら自転車を買いますよ!」

 

あれ……それっておかしくない?。

 

人数的に送って貰った白馬君と安友子ちゃんは除くとして……千間のお婆ちゃんはフィアットでエンストしたから小五郎さんに此処まで連れてきて貰ってたし……他の皆の車は私含めて焼き肉ならぬ焼き車にされたし……。

 

「メイドさんじゃないの?」

 

「い、いえ!多分ご主人様の車だと思います……私が朝早く来た時にはもう停まっていましたから……」

 

「だ、だったらやっぱりこの館には私達の他に誰かいるんじゃ……」

 

まぁ、そうなるよね……でも、私としてはあのベンツはフェイクとして停められていたと思う……誰かが事前に此処に来てベンツを停めた後、別の車に乗り換えて再び此処に来た……。

 

……あれ?。

 

だとしたら来たら停めたで徒歩で帰らないと駄目じゃん……車は一台しか運転出来ないし。

 

私は推理を間違えたかと思って考えているとメイドさんから聞き捨てならない言葉が出た。

 

「この分じゃ私の車も向こうで燃えちゃってるかな……」

 

「向こうってメイドさんの車、此処に停めてないの?」

 

「え、えぇ……裏門に停める様ようにご主人様から言われてましたから……」

 

「え?マジ?」

 

運が良いのか悪いのか……メイドさんの車無事説が浮上した。

 

もう……そう言うの早く言ってよね……まぁ、無理があるか……。

 

私達はメイドさんの言う裏門に停めてある車の所に来るとそこには……。

 

「うわ、如何にも怪しい生存した車があるよ……」

 

私の感想としてはそれが適切だと言えたかな……いや、だってさ……他の車両は全部おじゃんにされたのにこれだけ無事って……明らかに罠ですって言ってるじゃん……。

 

「えーと……これに……乗るの……?」

 

「何か怪しくない?この車……」

 

「どーせ奴が爆弾を仕掛け忘れたんっスよ!」

 

「いやいや、あれだけの事して忘れる訳ないって小五郎さん!」

 

全部の車両を爆破してこれだけ忘れて残したなんて私達に都合が良すぎる……。

 

私はこれに乗るのは嫌だからね!!。

 

「一度、入念に調べた方が良いって……」

 

「うんにゃ……それこそ犯人の狙いかもしれないからねぇ……調べたらドカンとくるかもしれん……」

 

「ふん……まぁ、確かにな……俺達が調べるのを見越して……なんて事になるかもしれねぇな……」

 

「でもこれしか車が無いですよね……」

 

私や他の皆は迷いを見せる中、槍田さんがそこで手を上げた。

 

「多数決でもしましょう……乗るか乗らないか……それで意見をハッキリさせた方が良いでしょう?」

 

「そうですね……手をこまねいていても仕方ありませんからね……」

 

白馬君のその一言で探偵の皆で多数決をした結果。

 

「私と安友子ちゃん、槍田さんが反対だね……」

 

「僕と茂木さん、毛利さんに千間さんが賛成で車で橋を見に行くと決まりましたね」

 

反対三人と賛成四人と言う結果になった。

 

「……問題はこの車だけど……定員があるけど……」

 

「それなら私が行こうかねぇ……言い出した以上、乗らないって訳にも行かないからねぇ……」

 

「なら、俺も付き合うぜ……」

 

「それなら僕も……」

 

「俺も……」

 

そう言って賛成組がゾロゾロと車に乗り込もうとした……いやいや、賛成組だからってそんなに乗ったら駄目だって……。

 

「これこれ船頭が多いと船が沈むよ……」

 

「確かに……ファントムシーフならぬファントムシップになりかねませんね……」

 

上手いこと言ってる場合かなんて私は呆れながら見ていたらコナン君が駆け寄ってきた。

 

「じゃあどの探偵さんが行くかコインで決めれば?僕、小銭を丁度七枚持ってるから」

 

コナン君はそう言って小銭を七枚を車のボンネットの上にばら蒔いた……て、七枚って私も参加しろと?。

 

「パスってアリかな……?」

 

「ふん……別に構わねぇが犯人だと言われても仕方なくなるな……」

 

「爆弾がこの車にある事を知っていて乗りたがらない……そう捉える事も出来ますよ?」

 

「うぐッ……分かったよ……やるよ……」

 

茂木さんと白馬君の指摘に私は仕方なくコイントスに参加する事になった。

 

「おチビちゃん気が利くわねぇ」

 

私は明らかな罠に飛び込まない様にズルして避けようと考えていた時、千間のお婆ちゃんの手を見た。

 

……何でわざわざ遠くにある十円玉を取った?。

 

百円とか五十円玉とか近くにあったのに十円玉を取った……十円玉はあそこにあったので一つだけ……そして十円玉は銅……銅ね……酸化還元反応に銅が反応するんだよね……そうか……そう言う事か……。

 

犯行に使われた毒殺トリックと千間のお婆ちゃんの異様な行動。

 

この二つがようやく結び付いた。

 

私は犯人の目星を着けた所で他の探偵達を見てみたら……全員、何処か確信した様な面持ちだった。

 

「本当は嫌なんだけどね……」

 

私はそう言って微笑むと親指に手にした五円玉を乗せた。

 

犯人が次にやる事も分かっている……犯人は……。

 

「行くのは私と毛利さんと茂木ちゃんだね?」

 

あの車に乗る……必ずね……。

 

「よーし!セーフだ!」

 

「そんなに怖いんですか?」

 

「怖いに決まってるよ安友子ちゃん!目に見えてる罠に飛び込む程、無謀な心の持ち主じゃないもん」

 

私はそう言って喜んで見せる。

 

犯人はまだ気付かれてるとは思ってない……次の一手を打つのは犯人が離れてからだね。

________

______

____

 

私達、居残り組は館の中に戻って千間のお婆ちゃん達が戻るまで待ってる事になった。

 

リビングで集まって孤立しない様にしつつ、トランプやチェスで暇を潰す……と言う名目で残ってる探偵で密かに話し合いをする。

 

と言ってもバラバラだけど……。

 

「犯人はこれからどう動くのでしょうか……」

 

「そうだね……もしかしたら死んだ振りとかするんじゃない……?」

 

私と安友子ちゃんはチェスをしながら犯人の次の一手を予測しあった。

 

犯人は敢えて惨劇を再現しようとしてる……殺し合いにならないと成立しない何かがあるのか……それとも私達に必死になって欲しいだけか……。

 

「死んだ振りですか……有り得ますね……死んだ事にすれば余裕が生まれます……高みの見物をしつつバレない様に行動する事が可能です……はい、チェックです」

 

「えッ!嘘!?」

 

推理の話は兎も角、安友子ちゃん強くない!?。

 

私がチェスでこんなに追い詰められたのは久しぶりだよ……ジンとラムにしか負けた事がないんだけどなぁ……。

 

「むぅ……なかなかやるねぇ……」

 

私は黒のルークで防げば……。

 

「この手のゲームが好きなんです」

 

安友子ちゃんは空いた隙から白のビジョップで私の黒のキングを狙ってきた……。

 

上手く逃げたと思ったんだけど逆に追い詰められた……駄目だ……。

 

「負けたよ……私の負け……リザインする……」

 

私はそう言って負けを認めて黒のキングを倒すと安友子ちゃんは一息ついて椅子に深く座った。

 

「厳しい戦いでした……」

 

「なかなかやるねぇ~。私がチェスで負けたのは久しぶりだよ……煙草吸って良い?」

 

「良いですよ」

 

私は安友子ちゃんの許可を貰っていつもの煙草に火を点けて吸う。

 

勿論、手に毒が付着している可能性があったから念入りに落としてある。

 

私は煙をゆっくりと吐き出した所で安友子ちゃんがジーと私を見てた。

 

「なーに?」

 

「その煙草……珍しいですね。それってブラックデビルって言う銘柄ですよね?」

 

「詳しいね。私の好きな銘柄なんだ。カッコ悪い煙草とか言われるけどさ……自分らしさがあるって思うんだ」

 

私はそう言ってまた煙草を口に咥えた。

 

「エミリーさん……」

 

「ん?」

 

「貴方の本当の目的は何ですか……?」

 

安友子のその言葉に私は無言を貫く。

 

「貴方はこの館に来てからの動き……不自然です……今、此処で起きている事件で怪盗キッドや犯人を探そうとする探偵達がいます……なのに貴方の目線は違う……確かに貴方も事件の推理に参加していますが別の物も見ていますよね……?」

 

「別の物……ね……」

 

私は何の事やらとばかりにそう言って微笑むと安友子ちゃんは徐に館の壁の一つに視線を向けた。

 

「私も確かめてみたんです……壁を叩いたら鈍い音が聞こえました……外は石造りみたいですが中は木造……叩けばそれなりに良い音が鳴る筈なんです……ですが木造とは思えない鈍い音……そう……中に何かが仕込まれている様な……そんな感じなんです……」

 

これは驚いたなぁ……安友子ちゃん……貴方は良い才能を持ってるよ……。

 

私は素直に称賛しながら携帯灰皿で煙草の火を消した後で吸い終わった煙草を中にしまった。

 

「エミリーさん……貴方は怪盗キッドを捕まえに来たんじゃありません……この館にあるとされる財宝を狙っているんですね?」

 

「……流石だね……私にチェスで勝っちゃうだけの事はあるよ……」

 

私は誤魔化さずに素直に正解を認めると安友子ちゃんは表情は固かった。

 

「一体……何の為に……?」

 

「それはね……へへ、内緒!」

 

追及する安友子ちゃんに私は誤魔化す様に舌を出してウィンクしてみたけど……駄目だ……ジト目でめちゃ私を見てくるよ。

 

暫くの睨み合い?の中……そこへ槍田さんが来た。

 

「二人共。橋を見に行った千間さん達が戻ったみたいよ。話を聞きに行きましょう」

 

「そうだね。と言う事で安友子ちゃん……話はまた今度ね」

 

「そうですね……」

 

はぁ……助かった……安友子ちゃんは勘が良すぎるよ……まぁ……良いタイミングで槍田さんが来し結果オーライだね。

 

「エミリーさん」

 

私は千間さん達の所に行こうとした所で槍田さんに呼び止められると何かを見せてきた……て、私の携帯灰皿じゃん!?。

 

「落とし物よ。安友子ちゃんは未成年で真面目な子よ……だとしたら持ち主は成人してて煙草の匂いを付けてる貴方しかいない……そうよね?」

 

「あはは……そうだね……ごめんね。ありがとう」

 

私は槍田さんから携帯灰皿を返して貰うとそのまま今度こそ千間のお婆ちゃん達の所へ向かった。

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