黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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新しい命の誕生の裏側で

現実逃避から立ち直った担当医の雨宮先生とアイの保護者もとい社長の斎藤の二人と私が見つかった現況のアイによって確保された私は取り敢えず診察室で話を聞かれる事になったけど……

 

「それで何処でアイの妊娠を嗅ぎ付けてきた?」

 

「答えられません」

 

「じ、じゃあ、君はマスコミか?いや、それだと若すぎるが」

 

「答えられません」

 

「……だったら何なら答えられるんだ?」

 

「……アイが妊娠する前からずっと住所を引っ切り無しに変えたりする度に居場所を把握して、尚且つたまに何をしてるのか把握してました」

 

「「何この子チョー怖い!?」」

 

雨宮先生と斎藤の二人がアイの情報把握の事を話したら思いっきり引かれた。

 

いや、一応家族の事を常に把握しておく事は組織において常識的な事な筈だし組織に属している事をその家族が知らないのなら尚更、監視する位に見守らないといけないってラムが言ってたもん。

 

私、何か間違ったかな?

 

それにしても質問の殆どが答えられない。

 

だって、情報源が大体は組織の中で作った伝手で手に入れてるもん。

 

もし、うっかり組織関連の事を漏らしたらジンとウォッカがスッ飛んできて私の頭に一発の鉛弾のプレゼントを受け取る羽目になるし、アイ達も危険な状況になる。

 

私や彼女達がそうならない為にも組織の事を勘ぐられたりしちゃいけない。

 

もし、勘ぐられたりしたら……アイなら監禁して、残りの二人は何処かに始末しておこう。

 

うん、そうしよう。

 

「な、何かこの子見てると寒気がするな……」

 

「心無しか視線も冷たい気が……」

 

斎藤と雨宮先生の私への印象が何故か急降下して行ってる様な気がするけどそこでアイが私の顔をジロジロと見てくる。

 

「な、何?」

 

「何でもないけど……やっぱり私達、すごく似てるよね」

 

「この世には似た顔の人が三人いると聞くよ。例えば何処かの国のお姫様と日本の女子高生が瓜二つだったなんて事もあるかもしれない」

 

「何だよその変な例え」

 

私の例えに斎藤にツッコまれてしまった……夢が無いなこの人。

 

「ふーん、そうなんだ」

 

此方は此方で納得しちゃったよ。

 

アイ、貴方はもう少し否定的になった方が良いわよ。

 

「それにしてもユメちゃんは面白いね!まさに正体不明のドッペルゲンガーって感じで」

 

「失礼ね。どちらかと言えばそっちがドッペルゲンガーじゃない?」

 

「私はドッペルゲンガーじゃなくて人気者のアイドルだもんね~だ」

 

アイはそう言ってウィンクしながら笑うと私は一つ、気になる事。聞く事にした。

 

「アイ。貴方は双子の子達を産んでその後、どうするの?」

 

「アイドルを続けるよ。公表もしない」

 

「そんなの無理よ。子育てをろくに知らないのにいきなり双子。多忙を極めるアイドル業でろくな子育てなんて出来ないわよ。……他人の私がとよかく言えないけどね」

 

「大変だろうね~。でも私、家族っていないから家族に憧れあったんだ。お腹にいるの双子でしょ?産んだらきっと、賑やかで楽しい家族になるよね!」

 

アイはそう言って双子のいるお腹を擦りながらそう笑って見せる姿に私はもう何も言えなかった。

 

組織の事を理由に長く、放ったらかしたツケだと思えば彼女に産んではいけないなんて言う資格なんて無い。

 

私はアイとはあくまでも"他人"。

 

決して、"家族"じゃない。

 

「……母親になる事を後悔しない?どんなに辛くてだよ?」

 

「うん。絶対にしない」

 

「なら……もう何も質問は無い。貴方は貴方の家族を作れば良いだけよ」

 

アイの意外な頑固さに私は折れる事にした。

 

とやかく言える立場でもないし、今はアイが双子を産めるのかが問題なんだから。

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あれから私はいつの間にか長期間も滞在していた。

 

結局、アイの事が心配だから陰から見てたらアイに引っ張り出されて私はめでたく出産するまで一緒にいると約束してしまった。

 

出産予定日までアイの気力は有り余りすぎて付近への散歩の時に只でさえ双子を抱えた妊婦なのにクルクルと回ったりするから何度も肝を冷やした。

 

予定よりも長くいたせいでジンから帰還の催促のメールがすっごく来てて私は何度かもう少しだけって返信したりして何とか期間を伸ばしたけど……ジンがよりにもよって、出産予定日の日に直接来るなんて言い出し始めた。

 

私は取り敢えずベルモットに助けを求めたら自分で解決しなさいって返信を返された。

 

このままだとアイ達が冷酷何でも始末マンのジンと遭遇してしまう。

 

私はもう、アイとの約束を放棄してでもジンに謝り倒して帰ろうかと思い立った時。

 

「ユメちゃーん!」

 

「なに?」

 

「二人がお腹を蹴ったの!来て来て!」

 

どうやらお腹の双子がお腹を蹴る反応を見せたらしい。

 

笑顔で手招きして地面に座り込むアイに近づくと手で私に屈む様に促すとそのまま双子のいるお腹に耳を当てさせた。

 

お腹の中で双子が活発に動いているのがよく分かり、私は神秘的なその音に何処か安らぎを覚えてしまう。

 

「二人とも元気だよね。産まれてくれるのが待ち惜しいよ」

 

「……そうね。きっと元気に産まれるわよ」

 

アイと双子の為にもジンを近付かせる訳にはいかない。

 

アイが表の世界で安心して暮らさせてあげる為にも私は此処から離れないといけない。

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遂にアイの出産予定日になり、そしてジンが来る日になった。

 

「大丈夫?アイ」

 

「大丈夫だよユメちゃん。せんせもいるから。あ、せんせお疲れ様」

  

これから一時帰宅する雨宮先生が様子を見に来て私はお辞儀をしておく。

 

「呼んだらすぐ来てよ?」

 

「おう。家はすぐ近くだしな。ユメも帰らなきゃ行けないんだろ?夜だが大丈夫なのか?」

 

「うん。昼も夜でも山には慣れてるからね。それに迎えも来るみたいだし」

 

主に山とかに逃げ込んだターゲットの追跡の時にね。

 

「ま、まぁ夜の山は何が起こるか分からんから気をつけろよ?」

 

「はーい」

 

私は適当に返事をすると雨宮先生は呆れ顔で私を見てくる。

 

「むぅ……ユメちゃん。居てくれるって言ったのに」

 

「仕方ないだろ。親御さんに帰ってくる様に言われてるんだからな。迎えも来るし」

 

此処にジンが来る事を懸念して私は事前にジンに落ち合う場所として近くにある山の中を指定しておいた。

 

アイ達には親が迎えに来ると言ったらアイが只を捏ねたので雨宮先生と斎藤に助けを求めて何とか連絡先を交換する事を条件に了承してくれた。

 

表用の携帯の連絡先だから問題ないし、万が一の時はその表用の携帯を捨てないといけないけどね。

 

私は先に帰る為にアイと雨宮先生と別れの挨拶をしてアイからもし、元気な双子が産まれたら写真を送ると約束してくれた。

 

見届けられないのは残念だけど相手はジンだからなー……はぁ、何でよりによってジンなんだろう……せめてキールを送れ。

 

いや、駄目だ。

 

キールはアナウンサーで有名人だからアイの事もあって呼び出し辛いし、取材関係での面識もある。

 

いや、人の名前をろくに覚えないアイがキールを覚えてるのかは分からないけどテレビのある病院だし、アイドルが出る番組よりもニュースを見てる人の方が多いだろうし。

 

結局、ジンが来ると言う事には変わりなく、私は何を言われるんだろう或いは頭に銃口を突き付けられるんだろうかと思いながら山道に入ろうとした時、後ろから気配を感じた。

 

人が存在するなら本当に確かめる為に耳を澄ませた時。

 

バキッと木の折れる音が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

付けられてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はそれを確信すると歩きながら携帯を取り出してジンにメールを打つ。

 

【跡を付けられてる。自分の顔が原因なのか、正体が露見したのか不明。確かめて万が一に正体の事なら始末してからそこへ行くから待ってて】

 

と書いて送信した。

 

もしかしたら心配した雨宮先生かな……いや、雨宮先生なら知り合いだし、すぐに私の所に来るから付ける。

 

アイはもっとあり得ない……妊婦しかも、出産間近のあの子がこんな所に来る訳がない。

 

斎藤もあり得ないし……なら、誰?

 

~別視点side~

 

一方、雨宮はアイのストーカーらしき男と遭遇し、山道に向かって走って行った男を急いで追跡していた。

 

出産を控えたアイの事もあったが、山に迎えがいると言っていた夜空ユメの安否が心配だったからだ。

 

ユメの顔はアイそのもで、重度のオタクである雨宮ですら間違えそうになる程に瓜二つの顔。

 

そのアイと瓜二つの顔を持つユメが迎えの者と会う前にストーカーと接触なんてしたらどうなるか……。

 

「クソ!何処に行った!」

 

雨宮は息を切らしながら携帯のライトで辺りを照らしながら見渡して男を探す中、そこで見てしまった。

 

パシュッ!

 

何か乾いた様な音が微かに聞こえた雨宮はその方向に視線を向けた時、そこには先程の男が倒れているのとサイレンサー付きの拳銃を手にした夜空ユメがそこにいた。

 

~side終了~

 

やってしまった……。

 

まさか、雨宮先生がこんな所に来るなんて夢にも思わなかった。

 

私を尾行してきていた男はアイのストーカーで、気持ち悪い顔をしながらアイの名前を連呼しつつ私を襲おうとしてきたからそのまま手早く背中に回り込んで力一杯に押さえ込んだ後、頭の右方向に向けてサイレンサーを取り付けた私の最も使う拳銃、ワルサーP99で撃ち抜いてやったらそこに雨宮先生が来た。

 

いけない。

 

このままだと雨宮先生を殺さないといけなくなる。

 

「な、何をしているんだ……!?」

 

「雨宮先生……今すぐにこの場から離れて、忘れて下さい」

 

「何を言っているんだ!これは……人殺し!殺人なんだぞ!しかも何だその銃は!君は一体」

 

「いいから早く!」

 

「おい、何してんだシンフォニー?」

 

動揺する雨宮先生をどうにか離れさせたかったのに……私は一番来られたくなかった人の方に視線を向けた。

 

「ジン……」 

 

「テメェ……何日も油を売ってやがると思ったら尾行していた奴の始末を通行人に見られやがったのか?しかも逃がそうとしていなかったか?」

 

「……いえ、別に逃がすつもりはなかった。貴方が来るって知ってるのよ?疑われる様な愚行はしない。そうだよね?」

 

「……ふん、まぁ良い。なら、とっととやれ。俺の目の前でだ。ウォッカを待たせてんだ……早くしろ」

 

もう庇えない……私は覚悟を決めて銃口を雨宮先生に向けた。

 

「ごめんなさい雨宮先生……アイの事を任せたかったけど……見られたからには死んでもらうわ」

 

「君は……お前は一体!?」

 

「さよなら。雨宮先生……来世では会わない事を祈ります」

 

私はそう言って引き金を引いて撃つとサイレンサー特有の乾いた様な音と共に雨宮先生は胸を撃たれるとヨロヨロと動いてそのまま近くにあった崖に落ちていった。

 

私は死んだのか確認する為に崖を覗くと雨宮先生は撃たれた胸と頭から血を流してピクリと動かない事から死んだと推測出来た。

 

雨宮先生の携帯が鳴っているのが聞こえる……恐らくアイの陣痛が始まった知らせ。

 

私は何であの時、ストーカーの始末なんて手段を選んでしまったの!

 

殺す姿さえ見せなかったらきっと、雨宮先生はアイの元に駆け付けられていた筈なのに!

 

「ちゃんと仕留めたか……次から手間取るなよ?」

 

「うん……分かってる」

 

考え込んでいる内にいつの間にか隣にいたジンも雨宮先生が死んだかどうか確認し、私はジンに連れられて久しぶりに我が家(組織)に帰る。

 

その後、高速道路を走っているジンの愛車であるポルシェ356Aの後部座席の窓の景色を眺めていると表用の携帯からメールの着信音が鳴った。

 

私は携帯を開いてメールを見るとそこには無事に産まれたアイの双子の子の姿とアイが泣きながら笑って抱いている姿だった。

 

「良かったわね……アイ」

 

私はそれだけを呟くと表用の携帯をしまった。  

 

人の命を奪った後で新たな命が生まれる……ある意味、不思議で神秘に満ち溢れてるわよね……ベルモット。

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