黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです 作:黒っぽいアイドル擬き
宮崎から東京へ戻った私に課せらられた事は先ず、滞在していた際に溜まってしまった仕事を全てこなす事だった。
不要になった取引相手の始末、裏切り者の始末、取引を台無しにした愚か者の始末、私達の探る者の始末。
そう、私に課せられる仕事は常に組織に仇なす者の誅殺……言い換えれば始末屋が中心。
その誅殺任務は一年も課せられてしまい、ろくに自由時間も無かった……絶対、ジンの仕業だ。
仕事を大量に押し付けられた事はともかく、たまにジン達の取引の仕事に同行したりするけど大抵は用済みになった取引相手の始末の為に私を連れていくだけ。
何で取引みたいな仕事をくれないのかって聞いたら……。
「テメェはろくに交渉をした事がねぇガキだからだろうが」
「もう少し大人になって色々と覚えて良い物が増えてからね」
「お前はまだガキだろうが。殺しでも十分稼いでんだから文句を言うな」
「別に急いで別の仕事をやる必要もないだろ?あんたはまだまだガキっぽさが抜けてないんだからね」
「同感」
「君が大人になって任せられると確信したら何時でも任せられるのですがね」
ジンもキールもウォッカもキャンティもコルンもラムも全員が私を子供扱いするのよ!
確かに交渉なんてした事ないしどうすれば良いのか分からないけど皆だって最初はそうだったんでしょ!
別に省くのは良いけど子供扱いは止めて欲しいよ全く!
いけないいけない……私ったらつい、戦闘中に考え事をしちゃった。
「くそ!何なんだよコイツは!?」
「ひ、ひぃッ!?た、弾を避けやがるぞ!?」
「撃て!とにかく撃ちまくれ!!」
バカスカと撃ち続けるのはそこら辺の半グレ連中で取引に応じるフリをして組織に対して奇襲を仕掛けようと計画していた事が割れたから組織は私を派遣した。
最初は取引先の廃工場に一人で来たアイ似の私に舐めた態度で来てセクハラしようしたからそいつの指を折ってやって、現在までに続くドンパチをやっている所になる。
私はレーザーポインターを取り付けたワルサーP99で適当に相手の弾を避けながら相手の眉間や首、胸を撃ち抜いたり、近ければ足を撃って怯んだ所を回し蹴りしたり、殴って来ようすればコンバットナイフで半グレの首を突き刺して抜かずに逆手に持ち直してそのまま盾代わりにした。
盾にしていた死体がボロボロになれば捨ててコンバットナイフを片手に切り込み、三人の首を掻き切った後、物陰に隠れて手早くリロードする。
「ば、化物め!」
「ちくしょう!ちくしょう!!」
追い詰めようとした側が逆に追い詰められて焦り、無駄撃ちをする奴等に私は心底呆れた後、焦り過ぎている二人が同時にリロードしようとした所をそのまま私は二人を撃ち殺した。
戦闘が終わって残ったのは血溜まりと硝煙と血の匂い、息絶えた死体と返り血だらけの私。
私は仕事を終えてそのまま帰宅……なんて事はしない。
私はコンバットナイフを手に死体に近付くと確実に仕留めたか確認する為に死体に刃を突き立てた。
一人、二人、三人と確認して四人目となった所で刺した死体が悲鳴を挙げた。
「ひ、ひたい……!たしゅけて……たのむ……!」
「危ない危ない……見逃す所だった。何か言ってるけどまぁ、良いか」
私は懇願なんてそのままコンバットナイフで五、六回そいつ突き刺してやるとそのまま今度こそ死んだ。
返り血を浴びても関係ない。
顔とかに付着した血は拭けば良いし、服装は組織のパーソナルカラーの通りの黒を中心にしてるから血は目立たない。
時間帯的には夜に近く……暗闇に紛れてしまえば近づかれなければ目立つ事もなく逃げれる。
後始末も私が細かい指示を出してその通りに実行させる予定の末端の人達が一方的な虐殺劇から半グレ同士の抗争だったと思わせる様な感じに別のシナリオへと塗り替えたかの様にやってくれるはず。
私はこの調子で確認をしていき、やっとの思いで終わらせた所で。
「また派手にやったわね。シンフォニー」
と、そう話し掛けられて視線を向けるとそこにはベルモットが歩は笑みながら立っていた。
「ベルモット!日本に来てたんだ!」
私にとってベルモットは単なる教育係ではなく自分に人を欺く顔の変え方、立ち回り方、他人を演じる演技力、声の変え方まで教えてくれた変装術の師匠であり、家族のいない私にとっては親代わり的な人。
だから会えて嬉しいし、今すぐに抱き締めたいけど今、血まみれなんだよね……。
戦闘方面はラムの側近の幹部、キュラソーから学んだけど……地獄としか言いようがなかったよ。
銃の撃ち方は良いけど格闘訓練になると的確な攻撃と防ぎ方を教えながら容赦なく顔とかお腹を殴ってきたりするし、気絶しても水を浴びせられて起こしてきたりもされたし……。
キュラソーとの訓練は手加減は無かったに等しいんだけど教え方は上手だったからすぐに覚えれた……けど、もう二度と一緒には訓練したくない。
話してみると良い人なんだけど……粗暴な所があってやっぱり怖い。
「ちょうど女優の仕事が日本であってね。番組で貴方の妹さんに会ったわよ。初めて会ったけどあの子、芸能界でなら何処までも光るわね。確か切っ掛けはこれだったかしらね」
ベルモットはそう言って見せたのはアイのライブ中の動画なんだけど……。
「あ、これって確か
「え?それがこの子達の名前なの?本当に?……若いって怖いものね」
ベルモットが二人の名前を聞いてかなり戸惑っている。
まぁ、無理もないよね……だって明らかにキラキラネームだもん。
アイが一生懸命考えたとしてもこの名前が小学校とか中学校とかに入ってから虐めとかの原因にならないと良いけど……本当に。
でも、この子達のヲタ芸のおかげでアイは一躍、時の人としてモデルやアシスタント、ラジオと多くの仕事が振られ、しかもドラマ出演も少しだけ果した事であの沖野ヨーコと並ぶか押している程の人気だと聞いている。
「まぁ良いわ。帰るわよシンフォニー。貴方のその姿は見られるとマズイから」
「はーい。……あ、待って」
私はベルモットと一緒に帰ろうとした際に気付いたんだけど……。
「私、返り血だらけだけど車に乗って良いの?」
そう私は返り血だらけで、ベルモットがハーレーダビットソンVRSCで来たのなら汚してしまうし、血だから二人乗りなんかしたら乗り物にもベルモットにも血が付着しちゃう。
「捨てても良い車だから大丈夫よ。早く来なさい」
私は言われるがままにベルモットに着いていくと確かにベルモットのハーレーダビットソンVRSCではなく、見慣れない車だった。
ベルモットは当然、運転席に私は助手席……ではなく、後部座席。
暗くても返り血が着いている以上は極力目立つ所に座らせない為の措置と同時に私にこの中で着替えさせる為なのか服が用意されていた。
私は後部座席に乗り込んで扉を閉じるとベルモットは車を走らせて私は後部座席で血の付着した服を脱いで用意された服に着替えていく。
「所で貴方が欲しがっていた情報が手に入ったわよ。聞きたい?」
「欲しがっていた情報?……まさか、見つけたの?」
「えぇ、見つけたわよ。妹さんの双子の子達の父親がね。ただ、急に見つかったから誤報かもしれないし、もしかしたら罠かもしれないわね。今まで散々、探させておいていきなり見つかった……どう思うかしら?」
「五分五分かな。相手にとって予想外な事態が起こったか、本当に罠だと思う。蓋を開けてみないと分からないって感じかな」
私はそう言ったけどようやく見つけたかもしれない男を見つけられた事に嬉しく思えた。
……長い事、アイの様子を確認する為に住んでいるマンションを見張っていたけど全く、それらしい男は現れなかった。
孕ませておいて認知しない腹積もりだと嫌でも分かる……責任一つ取らない奴には報いをくれてやるだけよ。
それに一つだけ聞きたい事もあるし。
「取り敢えず教えてよ。後は私がやるからさ」
「結局、やるつもりなのね。まぁ良いわ……好きに料理なさい。相手の名前は」
私はベルモットからその名前を聞いた時、何故か"鴉"が羽ばたいた様な気がした。
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数日後、夕暮れ時の時間帯に私はとある場所の蛍光灯の光しか無い暗闇の道で一人の男を待ち構えていた。
彼は必ず此処に現れる……何たって抱いた女からの直接のお呼び出しだもん。
そう、私が今やっている事はアイに成り済まして男を待ち伏せしている。
ただ、それだけだと来る所か刺客を送り込まれかねないから来なければ双子を産んだ事、そして父親が貴方だと公に晒すと脅した。
アイには悪いけど……今からやる事をしないとアイは永遠に子供達共々、命を狙われ続ける事になる。
それだけ性根が腐りきった見た目は綺麗でも中身が醜い存在だから。
「脅してまで何で僕を呼んだの?」
ようやく呼び出した相手、カミキヒカルが現れた。
私の事を完全にアイだと思っているの不気味な笑みを浮かべている。
場合によっては直接、手を下して口封じでもするつもりなのか分からないけど此処で吐かせる絶好の機会だった。
「ごめんね。どうしても話さないといけない事があって。貴方との関係を見直したいな~て」
「僕との関係?」
「うん。だって、そろそろハッキリさせないといけないよ?……貴方が良い夫になるのか……始末すべきクソ野郎なのかってね」
私はそう言って星野アイの仮面を外して元の夜空ユメに戻るとヒカルの顔にサイレンサーを取り付けたワルサーP99の銃口を突き着けた。
「そんな物を何処で?」
明らかに戸惑っているその声に私は彼に告げる。
終わりの時だと。
銃口をヒカルの額にしっかりと向け、絶対に仕留める意思をしっかりと握る。
これは……ジンからの教え。
無駄な甘えは捨て、殺すと決めた相手は必ず仕留める。
私が初仕事からまだ日が浅い時にジンとウォッカの付き添いで任務に着いていた。
私は殆ど何もしなかったけど、ジン達が仕留めた標的の子供が逃げてきて当時の私は子供を殺す事に躊躇いを覚えていた。
だから見逃そうと視線を変えて移動しようとした所で見逃そうとした子供が怒りの形相で隠し持っていたのか私に包丁を向けて走ってきた。
刺されると思った時、ジンがその子供を射殺した事で救われた。
その後、ジンは睨み付けながら私にビンタした後に教えられた。
「貴様のその無駄な甘さが貴様自身を危険に晒した。その痛みと共に覚えておけ。無駄な甘さは捨てろ。殺すと決めた相手は必ず仕留めろ。容赦する事は何かを失うと思え」
容赦をする行為は何かを失うと思え。
ジンのその言葉は甘さが抜けていなかった私を変えた。
大切な人を守る為にも容赦はしてはいけない。
カミキヒカルはアイ以外にも間接的に殺人を犯し、それに応じた快楽を得ている殺人鬼。
こんな奴を生かし続けていても……アイ以外にも誰かを泣かすだけ。
「調べは着いてるんだよ。十分に楽しんだでしょ?人を弄んで殺して快楽を得る。さぞ、気持ち良かったんだろうね……そろそろ幕引きだよ?」
「君は……アイじゃないね?」
「私はシンフォニー。アイの双子の姉よ。クソ野郎が。ストーカーを嗾けたのは貴方ね?」
「うん、そうだよ。僕がアイの秘密を教えたんだ。僕にとって、最高の価値のある存在が消えていく重みを感じたくてね」
「ちッ……下らない。そんな事の為にアイを害を加えようなんてね。まぁ、良いわ。もう時間が無いし、終わりにしよう。さようなら……カミキヒカル。二度と生まれてくるな」
「ねぇ、少しはま」
ヒカルは待ってくれと言おうとした所で私はヒカルの額を撃ち抜き、倒れたヒカルに追撃する形で身体中を撃ちまくった。
念には念を。
頭を撃ったからと言って確実に死ぬとは限らないから徹底的に殺す。
もう二度とアイ達の目の前に現れなくても済む様に。
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カミキヒカルの始末を完了させた私は近くの人気の無い歩道地下通路の中に入るとベルモットに連絡を入れていた。
《そう……カミキヒカルを永遠に眠らせたのね》
「それが良かったんです。奴はあまりにも人として救いようがなかった。ヒカルの存在はアイ達を脅かす毒です。そうそうに始末出来て良かったです」
《でも、今回は目立ち過ぎたみたいね。カミキヒカルが銃殺された事で警察は威信を掛けて銃殺犯の特定と逮捕の為の捜査網を敷くそうよ。まだニュースにもなってないけどかなりの大事だってマスコミも騒いでる頃合いよ。貴方がアイに成り済ましたりして電話したみたいだけど会話を録音されていてもアイは間違いなく無実とされるでしょうね》
「それもそうよ。犯行の日時にはテレビの生中継に出演してたもの。しかも現場からテレビ局までは車でも使わないと絶対に来れないし、普通に間に合わない。証人がこの日本中の人達になるんだから完璧なアリバイって事になるって事」
《そのアリバイは妹さんのものとして効力が発揮されるだけ。貴方のアリバイじゃないわ。警察も馬鹿じゃない。いずれは星野アイに似た人物の存在に気付いて貴方を探すわ。今回ばかりは目立ち過ぎたから暫くは日本から離れなさい》
日本を離れる。
その言葉通りなら私は何処かの外国に行かされる事になる。
そうなったらアイ達にもしもの事があっても駆けつけられない……けど、ベルモットの言う事にも納得も出来るから何も反論出来ない。
《妹さん達の事は心配無いわ。貴方にとっての泣き所なんだから日本不在の間は組織も何かあっても見て見ぬ振りなんてしたりしないわ》
「それなら良いけど……肝心の行き先は?」
私は恐る恐るに聞くとベルモットはクスクスと笑った。
《アメリカよ。一度、女優として帰る私と暫く一緒にね。言っておくけど私はともかく、貴方には一時帰国は無いわよ。少なくても五年間は居て貰うわ》
「五年も!?そんな……」
《自分で蒔いた種よシンフォニー。それにアメリカ行きはボスからの直々の命令でもあるわよ。そろそろ色々な経験を積ませておけとね》
それなら仕方ない……ベルモットだけの事なら突っぱねる事は出来るけどあの方のご命令ならどうしようもない。
あの方は組織において絶対。
組織内で逆らうなんてどうかしてるし、逆らうとしてもそれは馬鹿かNOCくらいなものだもの。
だから私は逆らって日本にいるなんて選択肢は無い。
「ボスからの命令なら……受けるよ」
《賢い選択ね。渡航は明日から三日後。それまでに思い残しの無い様になさい。それじゃあね》
ベルモットはそう言って携帯を切ってしまい、私は歩道地下通路の壁に持たれて項垂れた。
五年間もアメリカに行く……アイの事は知れても近くには居てあげられないし、助けにも行けない。
私は思い残しが山程ある中で選んだ事は。
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~別視点side~
カミキヒカルが暗殺されたアイは今日の仕事を終わらせて愛久愛海(略してアクア)と瑠美衣ことルビーと一緒に自宅で寛いでいた。
「ママァ!抱っこしてぇ!」
「はいはい。ほら、アクアもおいで」
「……うん!」
アイはいつもの様に二人を存分に甘やかす様に接していた時、インターホンが鳴り、アイは首を傾げた。
「あれ?おかしいなぁ……社長達、こんな時間に訪ねたりしないんだけど……」
アイはアクアとルビーを下ろすと玄関へと歩き出した。
ルビーはきょとんと見ているがアクアは嫌な予感を感じた。
「(な、何だ……震えが止まらない……!あの玄関を開けちゃいけない……!)」
アクアは普通の子供ではない。
アクアが産まれる前、かつては妊娠していたアイの担当医を勤めた雨宮五郎がユメことシンフォニーに殺された事によって転生した存在でルビーも経緯は違えど同じ転生者だ。
二人は記憶も引き継いでいる為、普通の子供よりも成熟した様な印象を周りから受けたりする。
そんなアクアはインターホンが鳴り、アイが玄関に行ったと同時に過去に最後にシンフォニーに会った時の様な冷たい感覚に襲われ、恐怖を覚えた。
「(まさかそんな筈はない!今までアイと軽い連絡くらいしかしていなかった!でも、まさか……!)」
アクアは予感が的中しないで欲しいと願う中、アイが嬉しそうな顔をしながら戻って来ると同時に一人の少女もやって来た。
「二人共。ママのお友達が遊びに来てくれたよ」
「産まれてから初めましてね。私は夜空ユメよ。貴方達のママと同じ顔だから間違えない様にね」
アイによく似た顔を笑顔にして挨拶してくるのは雨宮五郎を射殺した少女、夜空ユメ本人だった。
~side終了~
思い残しを無くす為に私はあの日以来、一度も会っていなかったアイの所に顔を出していた。
夜だったから迷惑かなと思いながらインターホンを鳴らして待っていたらアイが出てくるとすぐに笑顔になって出迎えてくれた。
「本当に久しぶりだね。連絡はくれたけど一年も何してたの?」
「うーん……仕事かな。溜まった仕事を片付けろって煩くて」
「へぇ……どんな仕事なの?」
「清掃業みたいな仕事かな。これ以上はちょっと言えなくて」
私は他愛ない話をアイとしているとルビーが私をジーと見てくる。
「どうしたの?ママは此方だよ?」
「ユメお姉ちゃんはママと双子なの?」
「「違うよ。似てるだけなんだ」」
「揃ってるよ?双子みたい!」
あらま、またアイと言葉が被ってしまった。
アイはその事にケラケラと笑ってるし、ルビーは目をキラキラさせてるし、あく……もう長いからアクアで良いや。
アクアは何故か距離を置いて私を見てくる。
心なしか何処か警戒されてる感じが……。
「それにしてもどうしたの急に家に来て?」
「それが……私、アメリカに行く事になって。5年程ね」
「え、そうなの?アメリカに5年か……」
アイはアメリカ行きの事を聞いて寂しそうにしてる。
私だって、行きたくないわよ!
アイの事が心配だし、こんなに可愛い甥っ子達とも別れるのも辛いもん!
「アクア!ルビー!アメリカ行きになったお姉ちゃんを慰めて~!」
「うん!良いよ!」
ルビーは素直だね~。
呼んだらすぐに来て私に抱き締めさせてくれたよ。
でも、アクアは……。
「どうしたのアクア。ユメお姉ちゃんが呼んでるよ?」
「ぼ、僕は良いよ……」
「どうして?」
「……嫌だ」
アイの言葉でも頑なに拒否してくる。
何でだろう……何か嫌われる様な事とかしたかな?
「うーん……恥ずかしいのかな?」
「まぁ、いきなり知らない人が来たらそうなるよね。ごめんねアクア」
私はそうアクアに謝るけどやっぱり、ぎこちない。
「そう言えば何時、アメリカに行くの?」
「明日から三日後」
「へぇ~かなり急だね」
「私の働いてる所は特殊でさ。世界の何処かに行けなんて言われたら行くしかないの。でも、五年だから永遠に会えなくなる訳じゃないよ」
「そうだね……あ、そうだ!残りの三日間は私の家にいてよ」
「え、良いの?私、すぐ帰るつもりだったけど?」
「良いよ気にしなくて。佐藤社長もユメちゃんの事を知ってるし、信頼されてるんだよ」
え、意外だ……佐藤じゃない斎藤って私の事を信頼してるんだ。
と言うかアイったら人の名前を間違えてるよ。
「佐藤じゃなくて斎藤ね。意外だね。信用してくれるなんてね。三日間、泊まるのは良いけど取り敢えず私の保護者の人に聞くね」
私はルビーの頭を撫でながらそう言うと私は表用の携帯を取り出してベルモットに繋げた。
表用の携帯でベルモットに連絡する時はプライベートな時だけって決められていて勿論、呼び方もコードネームじゃなくて名前で呼んでいる。
「……あ、クリス?今、ちょっと良い?」
《どうしたの?私、入浴中なんだけど?》
「実は残りの三日間はアイの家に泊まろうかなって思ってるんだけど……駄目?」
《別に構わないけど準備はしっかりするのよ?ジン達にも貴方は残り三日間のプライベートな時間を過ごしてるって言ってあるし、問題は無いと思うけど》
「はーい。……うん、OK!」
私は携帯を切ると同時にアイにそう伝えるとアイはすっごく綺麗な笑顔を見せた。
「やったぁ!二人共。ユメちゃん、泊まれるって。あれ?クリスってどっかで聞いた様な……?」
「やったー!」
「や、やったー……」
若干一名、意気消沈してるけど二人共嬉しそうで何よりね。
こうしてアメリカ行きまで残り三日間、星野家にお邪魔する事になった。