黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです 作:黒っぽいアイドル擬き
私はアイと一緒に会場に入ると観覧席にいる人達が一斉に歓声を挙げた。
まぁ、此処にいるのは有名人ばかりだし中にはその人のファンもいるしね。
「今回の審査員には元B小町のアイドルであり、女優として大活躍中のアイさん。探偵左文字役でお馴染み。俳優の剣崎修さん。そしてアメリカでも日本でも大活躍!アメリカのムービースター、クリス=ヴィンヤードの妹で名探偵のエミリー=ヴィンヤードさん!以上の方々をお招きして審査を行っていきます!」
司会者がそう言って私達を紹介すると観覧席から一斉に拍手を貰い、二人が手を振ってるから私も返した所で司会者は続けた。
「そして司会者はこの私、西村と!」
「沖野ヨーコがお送りしまーす!」
二人の司会者も名乗り終えると観覧席から再び拍手が沸き起こる。
私は適当に眺めながら会場を見ているとアイが話し掛けてきた。
「ねぇ、エミリーさん……」
「なーに?あぁ、あの事ならまた次の機会に」
「違うよ……確かにそれもあるけど……かなちゃん大丈夫なのかなって……」
「かなちゃんが……?」
何の事は分からないけど かなちゃんの様子が少しおかしかったのは知っている。
アイがそれを気にするとなると……。
「体調が悪くなったとか……?」
「ううん……私が楽屋に移動してたら かなちゃん……あかねちゃんと喧嘩してたみたいで……」
「え……?何で……?」
私はどうしてそうなったのか理解できなかった。
かなちゃんは確かに高飛車な所はあって変に喧嘩を売ってしまう事はあるのは分かる。
でも、あかねちゃんはとても大人しくて人見知りなのはまだ出会って間もない私でも分かる。
この二人が喧嘩?
明らかに性格真反対な二人がわざわざ喧嘩なんてしたの?
「どうしてそんな……」
「分からない……でも、かなちゃんが凄い剣幕で あかねちゃんに怒ってて……かなちゃんらしくないなって……」
私はアイから言われた事に気に掛けていると会場が騒がしくなった。
「それではエントリーNo.1!南セナちゃんの登場です!」
西村さんのその言葉を合図に最初のオーディションが始まった。
今は自分の仕事に集中しよう……私はそう思いながら審査員として子役達の演技を見守る。
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次々と子役達のオーディションが行われた。
良い演技をする子、緊張して言葉が詰まってしまった子、途中で泣いちゃった子とか色々と出てきて……。
「何だかお遊戯会みたいな感じだね……」
私はついそんな事を言ってしまった。
「おっとエミリーさん!なかなかの辛口ですね!やはり大女優の二人を家族に持つと演技に厳しくなるので?」
やば……聞かれてた……。
「まぁそれもあるけど……だからと言って全てを否定しませんよ。とても素晴らしい演技を見せてくれる子もおりますし将来が楽しみですよ」
と、適当に感想を言って誤魔化した。
やれやれ……別に凄くないって訳じゃないけどやっぱり子供の演技は荒削りな所が多いよ。
でも、磨けば良い演技が出来そうな子は何人か……。
「では、続いて!エントリーNo.24!黒川あかねちゃんの登場です!」
西村さんがそう言うのを合図にトコトコと あかねちゃんが歩いてきた。
私はちょっと可愛いと思っていたけど あかねちゃんの服装に既視感があった。
「あかねちゃんの服装……どっかで……」
「え?……あぁ、あかねちゃんの服装って かなちゃんの服装に似てるね」
「あ、そうか……確かに似てる……」
普段被ってる帽子とか衣服とか……。
私は興味を抱いていると あかねちゃんの演技が始まった。
私はその演技に見入ってしまった……今まで見てた子役の演技なんて比べようがない程の演技力と集中力、そして場を魅入らせる魅力。
あかねちゃんは只、台本を読む様な演技ではない素晴らしい演技を見せてくれた。
あかねちゃんの演技が終わり、あかねちゃんは演技が終わって我に返ったのかオロオロとしていた所で私は立ち上がると拍手を送った。
「
私がそう言って称賛した瞬間、あかねちゃんに会場内から拍手が送られた。
「凄いよ あかねちゃん!プロ顔負けだね!」
「俺も魅了されちまったぜ。長い事、俳優をやってるがそこまでの演技をする子役は見た事がないぜ」
アイと剣崎さんの心まで掴んだ あかねちゃんの評価は高くなっていく一方。
これが出来レースでなかったら……勿体ない……。
「審査員の方々のハートを鷲掴み!素晴らしい演技でした!あかねちゃんの演技。ヨーコちゃんはどうだったでしょうか?」
「私も素晴らしい演技だと思いました!演技を見るのに夢中になってしまいましたから!」
司会者の二人も良い評価を得たみたいだね。
さて……あかねちゃんの評価が高いけど……かなちゃん……大丈夫かな……。
「さぁ、此処まで素晴らしい演技を皆さんに見せて貰いました!遂に最後の子役の登場です!エントリーNo.25!有馬かなちゃんです!」
ようやく かなちゃんの出番か……見せて貰うわよ、貴方の演技をね。
~別視点side~
オーディションが順調に進む中、コナン達はその様子を観覧席で見守っていた。
「いよいよ、かなちゃんの出番だね」
「そうだな。だが、あかねの奴、凄くなかったか?引き込まれたみたいな感じがしたぞ」
「そうだね……確かに 凄かったよね。まるで演技じゃなくて本物みたいだったよ」
蘭はそう言って あかねの演技を称賛していた時。
「次は天才子役の有馬かなだっけ?」
「そうそう。でも、最近じゃパッとしないよなぁ」
「確かに。最近じゃテレビもあんまり見ないし天才子役なんて誇張だったりして」
隣の席の者達が かなについてそう話す中、コナンはその様子を見ていた。
「何か気になるのか?」
「ん?あぁ、かなちゃんの事か。噂には聞いてたからな。最近じゃ昔みたいな人気が無くなってきて干され始めてるってな」
「そうみたいだな。俺達がまだ園児だった頃はそうじゃなかったけどな」
アクアはそう言って昔の高飛車な かなを思い出していた。
高飛車であったが昔の傲慢さは鳴りを潜めた かなは既に無く、何処か強い焦りが見え隠れしているのが分かった。
昔の様に沢山の仕事があった筈なのに徐々に仕事が磨り減る中、母親は殺害され、父親は別の女に逃げた。
普通の子供ならこの強い挫折を受けて折れても無理は無い状況なのだ。
「大丈夫だよねお兄ちゃん……」
「ん?珍しいなルビー。有馬の心配か?」
「わ、私だって心配くらいするもん!」
ルビーはそう言って頬を膨らませ、コナンとアクアは苦笑いするのだった。
~side終了~