黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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子役襲撃事件 

私は怪我をした右腕に包帯を巻いて貰いながら事の成り行きを話した。

 

「つまり、あのオーディションは出来レースで既に使われる事になっていた子役として有馬かながいたと言う事だな?」

 

私への聴取をするのは小五郎さん。

 

知ってる事実を話して聞いて貰うと私は包帯を巻き終えた右腕を軽く振りながら頷いた。

 

「正確には決まってたけど折角、オーディションを開くんだから貴重な人材も発掘しようって魂胆もあったんだよ。勿論、八百長なんて知られたら炎上だし、子役達のモチベーションも下がるから公には出来ない……でも、その情報が漏れてたんだけどねぇ……!」

 

私はそう言って事態を聞き付けてやって来たオーディションのスタッフ達を睨むとスタッフ達は一斉に目を反らした。

 

「襲撃してきた奴は知らないけど情報が漏れてたと思うと……何となく理由が分かるけどね」

 

私は今回の襲撃の理由は勿論、オーディションの出来レース。

 

オーディションに出した子供は最初から選ばれず かなちゃんがその役を背負う事は決まっていたと知った犯人は襲撃を仕掛けた……。

 

でも、問題は……。

 

「だとしたらおかしいだろう。この襲撃の理由が出来レースだったらなら何でこいつを襲うんだよ?」

 

「そうよね……狙うとしたら かなちゃんを狙うって私も思う」

 

小五郎さんも蘭も気付いた。

 

私は悩みつつもその原因を何となく察していた時、私達のいる部屋に入ってくる人達がいた。

 

「失礼する。子供が襲われたと通報を受けてきた」

 

やって来たのは目暮警部達だった。

 

その側には高木刑事と佐藤刑事がいて取り敢えず被害にあった私の所に来た。

 

「エミリーさん。大丈夫かね?」

 

「何とか……まぁ、腕の怪我も折れた感じがしないから問題ないよ。それよりも問題なのは誰が犯人でどんな理由で あかねちゃんを襲ったのか?そこが焦点かな」

 

私はそう言って溜め息を吐いた時。

 

「エミリーさん!」

 

「襲われたって聞いたぞ?」

 

「大丈夫なの?」

 

アイ、剣崎さん、ヨーコさんが来た。

 

まぁ、全く無関係じゃないからね……来るのは当たり前か……。

 

「大丈夫だって……それよりもそろそろ始めようか……推理をね」

 

私はそう言って立ち上がると あかねちゃんが私に抱き付いてきた。

 

「す、すみません。この子、貴方が気になる様で……」

 

「わ、私に……?」

 

え、何で?

 

まさか……私の正体がバレた……とか?

 

もし、そうだったら……消さないといけないじゃん

 

私は笑みの中に殺意が出てきそうになるのを抑えながら あかねちゃんを見ていたらその あかねちゃんを かなちゃんを引っ張った。

 

「離れなさいよ!エミリーお姉ちゃんは忙しいの!」

 

「い、いや……!」

 

「離れなさーい!」

 

止めてよぉ……これ以上のトラブルは嫌だよぉ……。

 

私は あかねちゃんに強く抱き付かれ、かなちゃんに引っ張られる……。

 

ほら、黒川夫妻が夫妻がオロオロしてるじゃん助けてよ〜。

 

「止めなさい かなちゃん。エミリーが困ってる」

 

「だって!」

 

かなちゃんが何か言おうとするけどスカーレットが かなちゃんの唇に人差し指を当てると。

 

「交代にしなさい。お姉ちゃんは一人なのよ」

 

「そういう問題じゃない……そう言う問題じゃないんだよ……スカーレット……」

 

もうコントじゃん……私は溜め息を吐いてると更に人が来た。

 

「あの……どうかしたのですか……?」

 

「皆さん集まってますが……?」

 

「エミリーさん?どうしたのですかその腕?」

 

「セナちゃんママ。喜美ちゃんママ。マナヤちゃんママも」

 

来たのは今回のオーディションに参加した子役のママさん達だった。

 

変ね……小五郎さん達も私達も帰ろうとしてたのにまだいたの……?

 

「ちょっと怪我を負いまして……」

 

「襲われたんですよ。正確には此処にいる あかねちゃんがね」

 

目暮警部のその言葉に三人のママさん達は驚きの声を挙げた。

 

「お、襲われた!?」

 

「どう言う事ですか!?」

 

「説明してください!」

 

ママさん達が騒ぐのも無理ないね……でも、容疑者はまぁ、絞れた……。

 

殆どの保護者や子役達は帰った……だとしたら今も残っているママさん達は怪しく見えてくるって事になる……まぁ、まだ確信はないけど。

 

「わ、私達が帰宅しようとした時、エミリーさんと かなちゃんにお会いしまして……談笑していた時に当然、顔を隠した誰かが駆け出してきて……エミリーさんが庇ってくれなかったら あかねは……!」

 

あかねちゃんママはそう言って泣き出しそうになるのを あかねちゃんパパがそっと抱き締めた。

 

「でもどうして あかねちゃんが……!」

 

「私、こんな噂を聞いたんですが……」

 

喜美ちゃんママが動揺する中でセナちゃんママが言い出した。

 

「このオーディション……実は出来レースで最初から子役は決まってたって……」

 

「何ですって!?だったら今日のオーディションは何だって言うの!?」

 

セナちゃんママのその言葉にマナヤちゃんママは叫ぶ。

 

スタッフ達も動揺する中、私は本当にズボラな情報管理だって思っていると私の所に目暮警部と高木刑事が来た。

 

「どういう事ですかな?君も審査員として参加していたんだ。無関係なのではないのだろう?」

 

「聞かせてくれませんか?」

 

私は二人の圧に負けたと言う意味で両手を……アダッ……左腕だけを挙げて降参する素振りを見せた。

 

「今回のオーディションは出来レース。八百長だよ」

 

「やっぱり!」

 

「おかしいと思いましたわ!スタッフ達の挙動がおかしかったですし!」

 

「貴方も知ってて加担したと言うのですか!それに他の審査員の人達も!司会者も!スタッフも!何か言いなさいよ!」

 

ママさん達の非難に私は溜め息をつくと周りは黙った。

 

「確かに出来レースは頂けなかったよ。私も乗り気じゃなかったから一度は帰ろうとしたけどね」

 

「そうだな。出来レースってだけなら俺も降りるつもりだったが……」

 

「このオーディションって特殊だったんだよね」

 

「特殊とは何の事ですか?」

 

剣崎さんとアイのその言葉に反応して佐藤刑事が聞くと二人は見合せた時、安田さんが説明した。

 

「このオーディションは選ぶ子役は決まってましたよ。演技が上手くても無名が必ずドラマを成功させるとは限りませんし、視聴率も高く取れますから。ですがそれだけじゃないんですよ。このオーディションで幅広い子役達を集めて役を賭けた本気の演技をさせる事で実力を計り、次の仕事で使おうと言う事が私達の計画だったのです」

 

「な、なら出来レースではあっても」

 

「今後の仕事に関わるオーディションでもあったと言う事ね」

 

高木刑事と佐藤刑事はこのオーディションが何なのか理解すると警官の一人が走ってきた。

 

「警部!現場から少し離れた場所に凶器に使われたと思われる鉄パイプを発見致しました!」

 

「そうか。凶器は見つかったが肝心の犯人は誰なのか……」

 

目暮警部は頭を悩ませ考える中、私は犯人を割り出す為に容疑者達を見つめる。

 

「凶器に指紋は?」

 

「今、鑑識に回しています」

 

小五郎さんの問いに警官がそう言うと皆、分からないと唸り、私も情報が少なすぎて悩んでいるとコナン君が仕掛けた。

 

「ねぇねぇ!皆、家に帰ってたのにどうして三人とも残ってたの?」

 

「え?どうしてって……私は他のママさん達に挨拶して話してたら遅くなって……」

 

セナちゃんママはそう説明するとそれに続いて喜美ちゃんママが続く。

 

「私は喜美を探してました。他の子達と遊んでたのを見てそれで……」

 

「私は所用を終えてマナヤを連れて帰ろうとしましたよ。ですが地下の駐車場は貴方達、警察が封鎖してましたから戻ったんですよ」

 

「それを証明出来る人は?」

 

マナヤちゃんママが説明を終えたタイミングでスカーレットが仕掛けると三人のママさんは答えた。

 

「はい。他のママさん達に話して頂ければ私がそこにいたと言って頂けると思います」

 

「私は喜美を探してて他に人とあってませんがスタッフと何人かスレ違いましたよ。何なら聞いて回れば分かります」

 

「私はいません……ですがマナヤを連れてたんですよ?そんな暴力的な事なんてできませんよ。そんな質問をするなんて……私達を疑っているんですか?」

 

マナヤちゃんママのその言葉にスカーレットは首を横に振って微笑む。

 

「確認ですよ。情報は多いに越した事はありませんから。さて、エミリー。何時まで遊んでるつもりですか?早く終わらせましょう」

 

「そうだね……私、分かったよ。この事件」

 

「な、何ですって!?」

 

私のその言葉に目暮警部は驚くと私は立ち上がって推理を始めた。

 

仮説や疑念、可能性を組み合わせて私は推理を繋ぎ合わせ、そして私が犯人ならどうするか……。

 

導きだした答えを告げる。

 

「犯人は喜美ちゃんママ。貴方です。どうですか?何か反論があるのなら……この場にいる私や小五郎さん、目暮警部達に言ってみてください」

 

私のその言葉に喜美ちゃんママは身体を震わせ、暫く黙り込んだ後、叫んだ。

 

「あんた達が悪いのよ!喜美がこのオーディションに全てを賭けて挑んだのに出来レースだったなんて言うから!喜美の人気が下がって芸能界を生き延びられるのか分からないのに何が出来レースよ!ふざけないで!!」

 

「それが動機と言う事は貴方は あかねちゃんを狙った訳じゃなかったんだね?」

 

「そうよ!そこにいる天才子役だとか言われている小娘が怪我さえすれば役は喜美に回る可能性があるって思ったのよ!なのにそこにいる小娘がややこしい服装で出てきて……!私は悪くない!悪いのはあんた達なのよ!!」

 

「いい加減にしてくれる?」

 

喜美ちゃんママにそう言って睨みつけながら私はトドメを刺した。

 

「どんな理由があっても子供を傷付ける様な奴の言い分けなんて理解出来ないし、したくもない。確かに出来レースなのは申し訳なかったわ……でもね、喜美ちゃんの人気が滞っても最後まで信じて支えて挙げるのが親じゃないの?自分のせいじゃないって言うけど貴方のせいで喜美ちゃんの子役としてのキャリアは駄目になるかもしれないのにふざけた事を言うな!」

 

ま、私も人の事を言えないと思うけどね。

 

私のその言葉に喜美ちゃんママは力無く崩れると目暮警部達によって連行されたのだった。

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