黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです 作:黒っぽいアイドル擬き
私は小澄の執務室で組織に関する資料を探しだして持ち出す用意をしていた。
「これもこれも……あ、これもか……結構、多いな……何してるのかな……うちの組織は……」
滅茶苦茶知られてるじゃん……たまに組織の事が漏れてるって思ってたけど公安でもFBIでもCIAでもない奴に何で此処まで情報を握られてるのやら……。
私は組織に関する特に重要なものを手当たり次第に鞄に積めて持ち出し切れないものは家ごと焼却する事にした時、キスールが来た足音が聞こえた。
「ちゃんと始末した?子供でも手加減抜きだよ?」
「えぇ、やりましたよ。何なら死体を見ますか?」
「そう?なら見せ……ちょっと待ってくれない……何それ?」
「何って……首ですが?」
「お前は何処の時代の戦国武将だよ」
私が改めて視線を向けた先には血塗れのキスールがあの子供の首を手に持って立っていた姿だった。
流石に私もドン引きするよそれ……。
「仕方ありませんよ。確実に死んだ事と証明するのにはこれが一番ですし」
「……まぁ、良いか。押し込み強盗と平行した猟奇殺人ってシナリオにすれば誤魔化せるでしょ……火も点けるし……」
何処で教育を間違えたのかな……いや、彼女の選択事態間違ってない……たぶん間違ってない……うん……。
私は何も見なかった事にしてパソコンの中にも残っていた情報を全て削除し終えると家ごと燃やす予定の資料にライターで火を点けて投げ捨てた。
火は最初は小さなものだったけどすぐに燃え広がり始めて私はそれを見届けるとその場からすぐに去る事にした。
「ほら、そんな首は置いて早く行くよ」
「分かりました」
キスールはそう言って火の方へ思いっきり首をぶん投げた。
いや、怖いって……本当に変な所で冷血なのどうなの本当に……。
「取り敢えずこれを渡す為に一度、アジトに寄ったらそのまま泊まるよ。キスールは?」
「私は帰ります。かなを家に置いてきたままなのはいけませんから」
まぁ、そうだよね。
こんなでも子供の保護者だしねぇ……冷血な復讐鬼なのを除けば善き大人なんだけどね……。
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私はキスールと組織のアジトに来るとそこにキャンティとコルンの二人と会った。
「シンフォニー!久しぶりだねぇ!」
「元気……だった……?」
「二人共!久しぶりだね!確か私が帰ってから二人揃って長期の任務に行ってたんだっけ?」
「まぁね。まぁ、あたい達には簡単な任務だったよ」
私は軽い談笑に入りそうになってるとキスールは咳払いするのを聞いて私は任務の報告に行くのを忘れかけてるのに気付いた。
「ごめん!任務の報告に行かないと!」
「何だいあんたも仕事だったのかい?それにしても相変わらずキスールは無愛想だねぇ……全く笑いやしないし」
「無愛想で結構です」
キスールのその言葉にキャンティがムッとしたのに気付いた私は慌てて仲裁に入った。
「まぁまぁ!キスールはこんなんでも人の事をよく考えてくれるし、色々やってくれるし」
「貴方がズボらなだけです」
「はは……言われちゃった……」
私はキスールの毒舌に苦笑いするとキャンティは首を傾げる。
「そうかい?まぁ、あんた達は仲が良いのは知ってるから良いけどさ。それじゃまた今度ね」
「次……会うの……楽しみ……」
二人はそう言ってアジトから出ていくと私とキスールはアジトの中を歩いた。
「久しぶりに会ったよ。元気そうで良かった」
「あの二人。死ぬ程、心配してましたよ」
「本当に悪い事しちゃったよ……今度、お詫びに奢らないとね……ん?」
私はキャンティとコルンの二人にお詫びに奢る事を考えてるとキールが歩いてるのを見つけた。
「キール!」
「え……シンフォニー?久しぶりね」
「うん、久しぶり!少し痩せた?仕事とか大変とか?」
「えぇ、少し多忙だったの。それにしても……もう二度と自棄にならないで頂戴ね?次やったらこれだから」
キールはそう言って笑顔で拳骨を見せてきて私は苦笑いするしかなかった。
キールとも分かれてアジトを歩けば組織の末端達と顔を合わせたけど全員、私を見るなり怯えて後ずさったりする。
「幹部達とは大違いですね」
「ん?そりゃそうよ。私はある意味、幹部の皆に育てられた様なものだしね。家族同然なのよ。それでも例外は……」
「シンフォニー」
私は声を掛けられて立ち止まるとそこにいたのはあまり見たくない顔だった。
「ピンガ……」
「久しぶりだなぁ。てっきりくたばったかと思ったぜ?」
うわ……まさかこいつまでいるなんてね……。
私は嫌だなぁ……なんて思ってると。
「誰ですか?」
「そう言えばキスールは初めてだっけ?ピンガだよ。私達と同じ幹部。幹部だけどラムの部下の一人で私よりも新参だよ」
「ふん。生意気な事を言ってくれるなぁ……てめぇが上に睨まれたって聞いた時は消えると思ってたんだがなぁ」
「そう簡単に消えてやらないよ。それよりも何で此処に?」
「たまたまさ。俺にも仕事があるんでねぇ。今回はアジトに用があったらから来ただけだ。そんじゃ俺は戻るぜ。あぁ、そうそう……今回は運良く助かったみたいだが次はねぇぜ?精々、頑張れよ」
ピンガの挑発的なその言葉に私はイライラしているとキスールが私を見ているのに気付いた。
「なによ?」
「いいえ……珍しいと思いまして……幹部の大体とは仲が良いと思ってましたから……」
「私と幹部の全員が好きな訳じゃないよ。ピンガは自分の出世の為なら仲間すら踏み台にする奴よ。私はそれが嫌い。どうしようもないならともかく、自分の欲の為に仲間を捨て駒にするなんて……キスールも気を付けてね。彼奴は手段なんて選ばない男だよ」
あぁ、やだやだ……ピンガを見ただけでも鳥肌立つよ……。
ジンがついうっかり消してくれないかなぁ〜……なんて思いながらその本人の所へ私達は来た。
「失礼するよ〜」
「おせぇぞ。報告程度に何時まで時間掛けてんだ?」
私達を出迎えたのはアジトのソファーで寛ぐジンとウォッカの二人で私はジン達と対面する様にソファーに座った。
「仕方ないよ……皆とは久しぶりに会ったんだし……それとコーンロウ野郎と会っちゃったし……」
「……そいつは災難だったなぁ」
「そうでしょ〜?」
ジンなら分かってくれると思ったよ~。
だって、彼奴はジンにも敵意ムキムキだしジンとコーンロウ野郎が会ったら喧嘩越し状態になるくらい仲悪いもんねぇ。
私はケラケラと笑いながら任務で取り戻した資料をジンに渡す。
「取り敢えず組織の情報は粗方回収したよ。後は……家族全員始末して火を点けて終わった。パソコンのデータは直接作業して消して残った資料を火種に家ごと滅却して終了かな。不備はある?」
「……いいや、無いな。言い掛かりのつけようがないくらいにな」
ジンはそう言って無造作に確認した資料を前のテーブルに投げて置くと煙草を吸い始める。
「良かった~。久しぶりの仕事だから手抜かりがあったら嫌だしねぇ」
私もそう言って煙草に火を点けて吸うと一瞬にして部屋中、煙草の煙まみれになった。
「シンフォニー……少しは換気をしてください……」
「え?私だけ?私だけなの?」
ちょっと理不尽じゃない?
私はキスールをジト目で見てたらウォッカが換気してくれた……いや、本当に良い人過ぎないウォッカ。
その内にその人の良さとか利用されそうで怖いなぁ……。
「そう言えばお前、右腕怪我してるんじゃなかったか?」
「え?あぁ、大した事ないよ。すぐに治るって」
ウォッカの指摘に私が答えるとキスールに溜め息を吐かれた。
「あの時に正直に言ってくれれば側にいたのですがね……」
「キスール!過ぎた事じゃん!」
「なんだぁ?あの時ってどう言う事だ?」
ほら、ジンが興味持っちゃったじゃん……。
私は苦笑いで取り敢えず答える事にした。
「ちょっとしたトラブルだよ。表の方のね。……ジンとウォッカって今日のオーディションの番組とか見た?」
「は?んなもん見ねぇよ」
「俺は見やしたぜ。凄いのなんの。子供とは思えねぇ演技をする子役もチラホラとおりやした。そう言えばシンフォニーが審査員として出てたな?」
「そうそう、それ関連でね……全く……ツイてないよねぇ……芸能界の嫉妬が子供にまで及ぶなんてね……末恐ろしい場所だよ……」
私は笑いながら芸能界と言う魔境を思うとベルモットとアイの二人はよくその世界で活動出来るなぁ……なんて思ってしまう。
華々しさとは裏腹にやらせやら、利権やらとややこしい話が渦巻いてる。
一度、芸能界に入れば成功すれば名声と富を得られるけど個人は否定されてちょっとした私生活すらまともに出来ない……下手したら大きく叩かれて命を絶つ奴もいる。
そんな世界に生涯を費やしてまで入って……子供を合鍵の様に使ってまで……そんなに欲しいのかな……名声と富が……。
「本当に馬鹿みたいだよ……自分の人生でもないのに暴走して……」
私はそう言って煙草の煙を吐いて灰皿に煙草を擦り付けて火を消した。
「私、今日はアジトに泊まるから何かあったら言ってね」
「そうかい。ま、珍しくないしな。いつもの部屋は空いてるぜ」
「ありがとうウォッカ。お休みなさい」
私はそう言ってジン達と別れてアジトにある仮眠室へ向かった。