黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです 作:黒っぽいアイドル擬き
~別視点side~
シンフォニーが立ち去った後、残されたキスールは帰り支度をする。
「それでは私はこれで」
「なんだぁ?お前は帰るのか?」
「はい。家で待ってる子がいるので」
キスールはそう言ってその場から去ろうとするとジンに呼び止められた。
「待てよ。キスール」
「何か?」
「お前は随分とシンフォニーに肩入れしてやがるが……どういうつもりでそこまでする?あの騒ぎに肩入れした所でお前の立場が危うくなるだけの筈だ……何を企んでやがる?」
「……私は特にそんな事は考えてませんよ。ただ……彼女を死なせる様な事があれば許さないとベルモットから厳しく言い付けられてますので……」
キスールはそう言って今度こそその場から去った。
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アジトから離れ、自宅へ帰ってきたキスールは組織の幹部と言う仮面を脱ぎ捨てて探偵助手のスカーレットの仮面と変えた。
「ただいま」
スカーレットは中へ入り かなに宛がった部屋へ向かうと静かに開けて入った。
電気が消されて暗い部屋にあるベッドに静かに寝息を立てて眠る かなを見つけるとスカーレットは微笑みながら かなを起こさない様にゆっくりと撫でた後、部屋から出た。
帰ってきたスカーレットが先ずやる事は仕事終わりのシャワーからだ。
浴び終われば軽く夕飯を済ませてリビングの椅子に座って明日の予定を確認する。
エミリーへの依頼は無し……かなの子役としての仕事も特に無し……スカーレットや かなの個人的な用事も無し……。
「明日は暇ね……」
何なら連休の最中なので かなも学校は休みなのである。
スカーレットは退屈な一日になると思いつつどうしようかと考えながら携帯を弄っているとトロピカルランドの宣伝記事を目にした。
「……たまには気分転換させてあげないとね」
明日の予定は決まった。
スカーレットはそう思いながら就寝する為に自分の寝室へ向かった。
~side終了~
私は泊まってたアジトで起きると特に仕事も無かったからそのまま欠伸をしながらアジトから出た。
「ふわぁ〜……今日は何かあるっけ……?」
組織の仕事が無かったからアジトから出たし……探偵の仕事も無かったよね……勿論、芸能活動擬きも無し……。
完全に暇じゃん……。
私は今日一日をどう凄そうかと特に宛もなく街をフラついて歩きながら携帯を見たらスカーレットからメール着てた。
「えーと……今日は かなとトロピカルランドに行きますから急ぎの用事でない限り呼ばないでください……?え、何それ……ズルい……」
私だけハブるなんて……後で文句言ってやる。
私はそう固く決意しながらどうしようか……何て考えて思い付いた。
「そうだ!コナン君達の所へ行こう!」
私の暇潰しに付き合ってくれるかな〜。
それに一応、組織の事を懲りもしないで探る様な子だしそろそろ様子を見たかったしね。
私はそんな事を思いながらコナン君がいると思う場所、阿笠邸へ向かった。
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私は阿笠邸へ来ると取り敢えず覗き込む様に家を見てみたら人の気配はあった。
三人……いや、四人くらい?
阿笠さんの家なら阿笠さんと哀が住んでるけど……コナン君が来たとして四人分の気配?
三人以外と来れば蘭さんの可能性があるけど……。
私は取り敢えずインターフォンを鳴らした。
……あれ?
「もしもーし。エミリーさんですよー。遊びに来たけどいないの〜」
おかしいなぁ……間違いなくいるって確信があるのにインターフォンにすら出ない……まさか、居留守?
私は仕方ないからそのまま阿笠の家の玄関の扉前へ行くとポケットに手を突っ込んだ所で。
「お、おぉ!エミリーさん!久しぶりじゃのぉ!」
何か慌てて阿笠さんが出てきた。
タイミングが自棄に良いな……何処から見てるのやら……。
「久しぶりだね阿笠さん。暇だから遊びに来ちゃった。まぁ、例のアレもあるから様子見も兼ねてね。変わった事とかなーい?」
「そ、そうか!いや〜特に無いのぉ。進展も今は無しじゃし……」
「そうなんだ。まぁ、良いや。取り敢えずお邪魔するね~」
「あッ!?ちょっ!?」
阿笠さんの制止も待たないで私が然り気無く踏み込むとそこには驚いて私を見るコナン君と。
「服部君じゃん。どうしたの?」
「お、おぉ!久しぶりやなぁエミリーさん!俺はこの辺でちーとばかし用があったさかいくど……ぼ、坊主の顔を見に来たんや!」
「ふーん……大阪からわざわざね……本当は何かな?お姉さんに言ってみてくれる?」
服部君、爪が甘いよ。
そんなちゃちな嘘じゃ私が許しても他は許してくれないよ。
「いや、だから」
「ハッキリ言うけど何処まで知ってるの服部君。そうだから此処にいたりするんじゃないの?」
私は笑顔で服部君を見つめる。
阿笠さんが汗でグッショリしてるのが分かるよ……臭いがある。
これは阿笠さんが原因かな?
じゃないとコナン君の顔を見に来たとなれば毛利探偵事務所の方へ行く筈だし、小五郎さんと蘭さんも服部君とは知らない仲じゃないからコナン君が留守でも世間話でもして待っていてもおかしくない。
なのに人目を盗む様にコナン君と阿笠さんで集まっていたとしたら話題は組織の話と言う事になるね。
「私としてもコナン君のご両親から任せられてる身だからね~。余計な事を知ってたら……嫌じゃん」
私の追及に服部君はオロオロとする様子を見ているとコナン君が観念したらしい。
「もう服部は俺の正体を知ってんだよ。あんまりいじめてやるな」
「お、おい工藤!」
「服部君。それ、認めたも同然の言葉だから止めてね」
まぁ、分かってたよ……伊達に西の高校生探偵なんて異名を持つ様な子だし何処かで気付いても可笑しくないしね。
「全く……それで?秘密の共有関係を広げてまでどんなお話をしてたのかな?私も貴方達の協力者なんだから教えてよ」
私のその言葉にコナン君と服部君、阿賀さんが困り果ててる姿にやっぱり、組織の事かって悟ったよ。
私の事を疑ってる所があるのは知ってたし、出来るだけ探っている内容を私から遠ざけ様とするのもね。
私が返答を待ってる間にも三人でひそひそ話。
せめて私が興味を持ってない時にやれば良いのに。
~別視点side~
突然のエミリー=ヴィンヤードの来訪。
コナン達は突然の来訪に混乱し、何とか居留守をしようと試みるも無理矢理にでも入って来ようとする動きを見て堪らずエミリーを招くしかなかった。
最初は玄関で追い返そうとしたがエミリーはズカズカと家に入るとコナンと服部を見つけ出し、服部もコナンの正体と組織の存在を知った事を認知されてしまった。
「どうすんねや工藤……彼奴、怪しいんやろ……?」
「そうだけど此処で下手に拒んでももっと追及されるだけだしな……此処は敢えて本当の事を言うか……」
「じ、じゃが……それだと彼女の身内の事を疑っていたと知られるぞ……?」
三人は非常に困ってしまった。
目の前にはエミリー=ヴィンヤード。
コナンが実は黒の組織の一員なのではと密かに疑っている人物だ。
探偵としての推理力と行動力はコナンもとい新一の父である優作の舌も巻く程のアメリカの名探偵。
だが、日本での行動と言動、そして雰囲気。
一時期見せたその姿にコナンはまさかと思いつつ探りを入れている。
疑う要素としてはまだ薄いがコナンはそこで更に疑いを掛けるに値する可能性を阿笠と服部と話していた。
「話すんか……俺らがエミリーさんの姉ちゃんを疑うちゅうてるって事……?」
「仮に彼女が組織の一員でなかったとしたらとんでもない無礼になるぞ……?」
「うーん……」
コナン達は唸りながら言うか迷う中、エミリーは呆れるのだった。
~side終了~
三人のひそひそ話……聞こえてるだけど……。
まさかお姉ちゃんもといベルモットの正体に勘づくなんて……ベルモットの命が無かった今すぐにでもコナン君もとい工藤新一を消し去ってたのに……。
私は溜め息を吐くと手をパンッと叩いてひそひそ話を止めさせた。
「事情は分かったわ。つまりは私のお姉ちゃんを疑っているのね?」
「き、聞こえてたんか……?」
「私、耳が良いんだ。探偵だから」
私はそう言って笑って自分の耳を指差して見せると溜め息を吐く。
「まさか……私のお姉ちゃんが怪しいから私と会う度に人を疑う視線を向けたのかな?」
私のその言葉にコナン君は答えない。
私はコナン君を見つめるけど収穫はこれ以上無いって考えて溜め息をまた吐いた。
「そんな事で疑われちゃ堪らないよ。その場にいたからって疑うのは名探偵としてはどうだと思うよ?」
「だが、クリスさんは他の参加者とは違って唯一、休業して以来から姿を眩ましている。日本から出たなんて話も無かった。それでも違うって言うんだったら教えてよ。クリスさんが今、何処で何をしているのかをな」
「私が唯一の肉親である姉を売れと?」
それは不愉快だよ工藤新一……。
確かに憶測は合ってるからそこは何も言わないけど私は何があってもベルモットを売ったりしない。
まぁ、何かしらの理由で正体が止む終えず知られたり、ベルモットが自分から教えたのなら文句は無いけど……私の口から聞き出したいって言うのならそれ相応の代償を支払わせてやる。
私はコナン君を見ていたら阿笠さんと服部君が私を見て警戒してるのに気付いて笑顔に戻った。
「馬鹿ね……女優いや、芸能人のプライベートはトップクラスの秘密だよ。些細な情報漏れで私の姉を含めて危険に去らされるのよ。それがアメリカのムービースターと呼ばれる私の綺麗なお姉ちゃんなら尚更ね」
「やっぱ聞けねぇか……まぁ、分かるけどよ。その事情くらいはな」
まぁ、コナン君の両親はどっちも有名人だもんねぇ。
過激なファンが周りをうろちょろしてても可笑しくないし……私の妹の様にね……。
「それにしても他に容疑者候補いないの?まさか貴方を持ってしても私のお姉ちゃん一人だけが容疑者だったりする?」
「それは……」
「いてるんやろ?」
コナン君が口ごもった時、服部君が口を開いた。
「お前の周りに……怪しい、外国人の女が……」
「へぇ……それは初耳だね……」
コナン君は何を隠そうとしてるのか知らないけどその誰かさんがコナン君の目に止まったと思えば普通の奴じゃないでしょうね。
「ば、バーロ、いるわけねーだろ?」
「ホンマかー?」
「正直に言いなよ。私だって一応、組織追ってる身なんだから」
コナン君の否定に私と服部君の追及が入った時。
「そ、それってまさか……ジョディ先生の事か?」
「ば、馬鹿!」
阿笠さんが見事に口を滑らせてコナン君が止めようとした所で私はコナン君の口を取り敢えず塞いだ。
「ジョディ?」
「それって誰なの?」
「蘭君の高校の新任の英語教師なんじゃが……」
「バーロ!こいつらにんな事を吹き込んだら!」
へぇ、そんな人がいるんだ……。
私は服部君を見ると服部君もニヤリと笑っているのを見て総意は決まった事が分かった。
「よっしゃ!!試しに今からその先生んとこ、行ってみよか?」
「良いね!蘭さん達の知り合いでもあるみたいだし挨拶も兼ねて行こう!」
私達のその言葉にコナン君は諦めた様に苦笑いし、アレよアレよと話が進む過程で私は隅で聞き耳を立ててた哀に注視した後、コナン君と服部君でジョディ先生の所へ向かった。
それにしても……ジョディって名前……聞いた事がある様な……まさかね……。