蒼焔の艦これ   作:Jeep53

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1.始まりの日

 ーーー19XX年、世界は深海棲艦の脅威に包まれた!!

 

ーーー海は脅威であふれかえり、地は…かわらず!

 

ーーーあらゆるシーレーンは使用不可能になったかに見えた……

 

ーーーだが…

 

ーーー人類は諦めていなかった!!

 

 突如現れた深海棲艦に唯一対抗しうる存在、艦娘。日本海軍は少女の姿をとりながら非現実的な火力を有する彼女らを組織単位で動かし近海の制海権をかけて戦っている…。

 

 

…というのが、私の記憶。私の…前の人生であったゲーム、「艦これ」の知識。ちょっと違うかもしれないけど、前世のことを確認する術がないので許してほしい。

 それで、何の因果か私は今現在その艦これの世界にいるらしい。何を言っているかわからないと思うが私も何を言っているのかわからない。でもこれが事実なのだ。私だってこの世界に赤ん坊としてきたときは混乱した。ただ人間は慣れる生き物だからね、もう慣れたのよ。ただどう考えても前世の艦これにはなかった要素があって、それに関してはいまだに若干の違和感を感じている。

 そう、この世界は艦娘が「戦技」と呼ばれるスキルを発動することができて、それを駆使しつつ戦うんだとか。

 

「はいどう考えても蒼焔の艦隊ですどうもありがとうございました」

 

これは艦娘のお姉ちゃんたちは戦技を使えるんだよ~(意訳)という旨の話を小学校で聞いた日の夕方の私の独り言である。前世で私がやっていたゲームの融合世界とは、なんとも都合がいいではないか。

 そしてそれとは全く関係ないんだけど、私は空中にホログラムのようなものを展開できる。ただこれが何なのかは本当にわからない。物心ついた時…まあ、生まれた時から任意の時に出したり仕舞ったりできるんだけど、何も映ってないのだ。タッチはできるんだけど、表示はないし動かない。ずっと真っ暗のまま。将来役に立つのかなと思って今まで過ごしてきたけど、成人した今も何の役にも立ってない。

 閑話休題。それで、私が生まれた家系はどうやら軍の家系だったみたいで、提督になりたいといっても特段反対はされなかった。怪奇の視線は向けられたけどね。それで高校の代わりに軍の士官養成学校に通い始めると私には妖精さんが見えることが分かった。妖精さんの存在は上層部も周知していたようで、見えることが分かったとたんあっというまに艦娘人権派に担ぎ上げられた。

 もちろんそれが気にくわない連中も多く存在した。だから軍学校での私は基本的に一人だった。声をかけてくれる優しい人もいたが、大体は無視or敵対のいずれかだった。おのれ上層部、私のキャンパスライフ(?)を邪魔しやがって。

 それと、学校に通って分かったことがいくつかある。まず戦技を使えるのはごく一部の…言い方は大嫌いだが、「アタリ」の艦娘のみ。それ以外は消耗品の駒として使われているようだ。そして一般市民が知り得る戦闘状況はごく一部のなんとか勝った物のみで、実際は開戦当時よりも情勢は悪くなっているとのこと。そして海軍は艦娘の処遇について内部分裂を起こしていること。なんだこれ地獄か?

 

「ーーーーーー。君には今日付でこの基地へと移ってもらう」

 

 おっと、ようやく長い前口上が終わって本題に入ったようだ。目の前の机にふんぞり返っている人物は軍学校の総監。学生らを各地の基地に振り分ける人物だ。こいつは艦娘を道具としか思ってないので大嫌いである。そしてあっちも私のことが嫌いなはずだ。私が艦娘人権派であることは大体の軍学校関係者が知っていることだからね。だから私が提督して配属される基地も()()()()所だろう。

 

「ここは先日敵の強襲により前任者が()()()()になってね。急遽君が配属となったのだ。何、模擬指揮で毎度好成績を収めていた君のことだ、うまくやれるだろう?」

 

ほらね。しっかり最前線だ。しかもかなり境遇の悪いところ。ふふふ、怖いよ…。

 

「最善を尽くします。総監」

「いい心がけだ。精々足搔きたまえ」

 

目の前で半笑いを浮かべているこの総監に銃弾を叩き込みたい。なぜ拳銃はここまでもってこれないのか。きっと今の私の顔は引きつっていることだろう。

 

 憎き総監からの辞令を受け取った十数分後、私は軍が手配した車で早速配属先へと向かっていた。運転手は気さくなおじいさんだった。

 

「お嬢ちゃんも災難だねぇ、最前線への配属だなんて」

「はは…」

 

行きたくて行くわけじゃないのよ。行かされるのよ。まあ、知ったうえでしゃべっているのだろうけれど。ただ私が一人でも多くの艦娘を救えるのならば喜んでこの身を粉にして働くつもりだ。ただ現状私にあるのは妖精が見えることと、前世の艦これ及び蒼焔の艦隊の知識があるだけ。本当に私死にそうじゃない…。

 

「まぁ数か月は大丈夫だろう。強襲はそうポンポンとあるものじゃないからの。その間に準備を整えれば死なずに済む」

「多分そのための支援は来ないでしょうけどね…ははっ、全く笑えないわ」

「ほぉ…あんた大変なんだな。あれか、人権派ってやつか?」

「まぁ、そうなるわね」

 

 それっきり車内の会話が途切れる。海岸線沿いを走る車からは至って平和な海が見える。ここだけ見れば戦争が起きているなんで思えないくらいに平和な景色だ。戦争、ダメ、絶対。

 

「そろそろ…ほら、見えてきたぞ」

 

運転手の言葉で視線を前に戻すと、そこにはかなり規模は大きめの施設が徐々に姿を現していた。どうやら入江に位置しているらしい。立地は良さそうだ。近くに商業施設があることは期待できなさそうだけどね。

 車が基地前に停車し、私は門の前に降り立った。規模こそ大きいが、ボロボロである。どう考えても前回の強襲以降まともな修理が行われていないことがうかがえる。先が思いやられるわね。

 

「嬢ちゃん」

 

運転手が窓を開けて話しかけてくる。

 

「俺は応援してるぞ。人権派は意外といるもんだ。大っぴらに公言してるやつが少ないだけさ」

「…ありがとうございます。それでは」

 

 車が見えなくなるまで見送り、その後今にも取れそうな門扉を押し開けて基地内に入る。総監(ゴミ)が言うには多少の戦力となる艦娘は居るとのことなので、まずはその子たちを探すことから始めようか。私知ってるんだ。ブラック鎮守府所属の子たちって極度の対人恐怖症か極度の人間嫌悪のどっちかだから基本的に迎えに来たりしないって。迎えに来てても殺意があふれてたりするって。前世で死ぬほどそういう展開見たからね。

 

 そんなことを考えながら歩いていると、視界の端に黒く四角いものが浮かび上がる。ホログラムだ。今は出そうとしていなかったのにどうして?しかもなんか動いてるし。

 

 

ーー提督としての着任を確認

ーーー資格を確認…認証。

ーーーーこれよりOS「蒼焔の艦隊」を起動します。

 




ドリフターズコラボ早速ぶっ壊れてますね。
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