午前7時に予約投稿
ゼブルは過去のミッドチルダで仲良くなった少女、アリシア・テスタロッサが死に、故郷でそれを気に病みながら笑う事無く過ごしていた
そしてミッドチルダからの帰還から二ヶ月が経ったある日、今度はベルカと呼ばれる世界のシュトゥラと言う国の覇王家に保護され、発見者である第一王子であるクラウス・イングヴァルトとの数年の付き合い、そしてオリヴィエとエレミアの二人との出会い、それから四人で仲良く過ごした四年の付き合いの中でゼブルの心は癒されよく笑う様になっていた
僅かな資料から夜天の書の機能を模倣し再現に成功したデバイス、青の魔導書・ブレイブルーの製作の成功を技術者仲間達と夜遅く迄喜び騒ぎすぎて、日課となっているクラウス達との手合わせでボコボコにされる程だった
魔女猫クロゼルグの度重なる悪戯を笑って許し一緒に遊ぶ程にこの日々を楽しんでいた
だがオリヴィエ達がシュトゥラに来てからの四年目が終わる頃
世界の情勢が変わり始めた
痩せ続け疲弊し続けていく大地と人々
滅びを間近にした幾つかの王国は赦されざる技術に手を出した
『禁忌兵器』の数々
水と大地を穢す猛毒の弾丸
人も草木も全ての命を腐らせる腐敗兵器
あらゆる生物を無差別に襲い喰らう合成魔獣の創造
つかの間の勝利の後、自らも死に絶えて行くしか道がなくなる手段を
追い詰められた国々が最後の切り札として使い出した
そして『聖王家』はベルカの戦乱を終わらせる事を宣言し
聖王のゆりかごを起動させるとベルカ全土に表明した
それから半年はオリヴィエが騎士団の一つを任された事以外は何事もなく時が過ぎた
聖王家の発令を聞いてもオリヴィエの日常は変わる事はなく、要請があれば騎士として出陣していた為に、ここ一年あまりは『聖王家の王女』よりも『シュトゥラの姫騎士』の方が通りが良くなっていた
けれど────そんなある日の事
魔女の森が炎に包まれ騎士団は大急ぎで駆け付けたが、すでに森の大半が火の海と化していた
「クラウス、火元と思われる方角から西と東に高速で……恐らく馬で移動してる連中が二組居る、俺は東に行くから西を頼む」
そう告げるゼブルに
「わかった」
クラウスはこの事態を引き起こした者達への怒りをなんとか押さえながらも同意し、西と東に別れるゼブルとクラウス
「急ぐぞ、この辺りも間もなく火の海になる」
騎馬に乗った者達の内の一人がそう叫ぶ
「この森に火を放ったのは……貴様らだな──」
余りにも冷たい声を発して、その者達の行く手を遮るように所々に魔力を流すと光る赤いラインの入った漆黒の鎧に黒いマント、金色のバイザーを身に付けた緑の髪で赤い瞳の少女の様な姿の者が荒れ狂う純白の魔力を振り撒きながら立ち塞がった
「小娘が一人で何をする気だ?」
嘲るように言葉を口にする男だが
「いや、あれはシュトゥラの黒騎士」
別の者が正体に気付き慌て出す
「何をって…………貴様らのような害虫を一匹も残さずに駆除する為に、消し飛ばすだけだーー!!」
荒れ狂っていた純白の魔力が手にした剣に収束されていき
高らかに降り上げ────
「エクスカリバーーー!!」
全力で降り下ろし、純白の光が眼前に居た全ての敵を粉砕し……塵一つ残さずに消し飛ばした
「コレが全体の一部でも…………こんなのが人間か、やはりこれならまだ…………悪魔の方が話も通じるし可愛げもあるな」
そう感情が抜け落ちたかの様な無表情のまま余りにも冷たい声で呟く
この事件により魔女の森の大半が焼け落ち失われた
この侵攻と時を同じくして聖王連合の『威嚇による圧政』を許すわけにはいかないと
一部の国家が聖王の血統所有者とそれを庇護する国や団体を狙い始めた
大陸各地で発生した聖王連合への反発はまるで疫病のように大陸全土に広がった
悪天候や土壌を汚す兵器による収量の低下もあり
民や兵の皆が疲労と不安を蓄積させていた
だけどもうすぐ『ゆりかごの聖王様が民に光をもたらして下さる』
民草はそう信じて明日への希望を繋いでいた
そしてオリヴィエがエレミアと共にゼーゲブレヒト家に式典の為にと帰還し
驚く程の速さでゆりかごの聖王に認定され
シュトゥラ王家の度重なる陳情とオリヴィエの懇願が重なり
ただ一度、一日だけの『シュトゥラへの帰国』が許された
色々な事情が重なりその日は度重なる魔獣被害を押さえる為に原因である魔獣の群れを討伐する為にゼブルは部隊を率いて城を離れる事に成っている為、その日にゼブルがオリヴィエと再会する事はないが
そして誰もが望まぬ別れの日が────近づいていた
かなり省略してる為に短いですが次の話は大半を新たに書き直す予定なので戦いの内容がかなり変わるかもしれません
感想が有れば出来る限り返信します