堕ちた漂流魔王少年の物語【凍結中】   作:ディストピア

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生まれて始めての友達アリシアを目の前で失っているから、もう1つの可能性よりも力を求めていて、残虐性が高い(敵に掛ける情けは無い状態)


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第三話、古代ベルカ後編

ゼブルは市街地に向かって動く八体の魔獣の反応を追う為に多数の魔獣を部隊に任せて一人で行動していた

 

 

 

「居たか、ミノタウロス、ワイバーン、オーク、ゴブリン、槍を持ったケンタウロス、ハーピィ、ウェアウルフ、キマイラ…………地球の魔物の博覧会か?、まあ良い…………一匹残らず駆逐するだけだ」

 

そう言って馬から降り、馬に鞘ごと乗せていた無骨な大剣を鞘から抜き右手で持ち、騎士甲冑を展開し金色のバイザーを装着し、馬を離れさせる

(大剣はモンハンのカブレライトソード系的な見た目)

 

 

 

「さぁ、目標を駆逐しようか」

 

そう言って真っ先に一番近くに居たゴブリンに近付き

 

 

 

その頭を左手で掴み、そのまま地面にドゴッ!と響き渡る程の強さで叩きつけて地面ごと頭をグシャって粉砕し潰す

 

 

「一体粉砕、次」

 

 

馬の下半身の脚力を使い一気に加速し軽く跳躍し体重すらも乗せて槍を突き出すケンタウロス

 

 

「速いが攻撃が単純すぎる」

 

突き出された槍を避け両脇で挟むように固定しその勢いのまま全身を使ってケンタウロスを投げ飛ばし、その体が真上に来たら大剣と槍を離して軽く勢いを付けて回転し着地した直後、まだ浮いている大剣を右手で掴みそのまま振り抜いてケンタウロスの頭から腰まで両断する

 

 

「コレで二体目」

 

 

その直後一ヶ所に集まっているオークとミノタウロスにワイバーン目掛けて疾走し

 

 

「邪魔」

 

愚鈍なオークはその手に持った棍棒を振り上げた状態のまま腰を両断され上半身と下半身が別々に倒れる

 

 

 

「ガアァァァ」

 

そう咆哮を上げてゼブル目掛けミノタウロスがその手の戦斧を地面ごと粉砕するかの様に振り下ろす

 

 

それに合わせてワイバーンも三発の火球を勢いよく口から撃ち出した

 

 

「鬱陶しい、プロテクション」

 

 

火球の軌道上に障壁を展開して防ぎ、ミノタウロスの戦斧をギリギリ避けてその腕を足場に駆け登り上空のワイバーン目掛けて跳躍しブレスを吐いた直後で空いている口に左手を捩じ込み舌を引き千切り、右手の大剣で左翼を斬り飛ばし跳躍した勢いのままワイバーンの首に乗りミノタウロスの背後に墜落する勢いと衝撃を利用し首の骨をへし折り砕く

 

 

そして振り向きながら立ち上がりその勢いのまま剣を振り抜き右足を切断し、倒れ込むミノタウロスの心臓に剣を突き刺しそのまま右側に向かって剣を振り抜き切断した

 

 

「コレで四体目と五体目、後はウェアウルフとハーピィにキマイラか」

 

黒い騎士甲冑を多少返り血で濡らしながらも無傷で五体を倒し、そう言って残りの魔獣を見据える

 

 

 

音速に届きかねない速度で接近しゼブルの心臓目掛けて鋭い爪が有る指を伸ばし肉を抉る様に右の貫手を繰り出すウェアウルフだが

 

 

「危ないな」

 

鋭い爪を鎧に滑らす様に避けて左手でその伸ばされた右腕の手首を掴み

 

 

「ハアッ」

 

勢いよく上げられた右膝目掛けて腕を捻られ肘から膝に右腕を叩き付けられ肘間接を破壊されて右腕をへし折られたウェアウルフはそのまま剣を手放した右手で首を捕まれ

 

 

 

首が力任せに螺切られて引き千切られる

 

 

「ハハッ六匹目、そしてコレで…………」

 

 

頭が無くなったウェアウルフの右腕を左手で掴んだまま腕を振り抜き、ハーピィ目掛けてウェアウルフの死体を投げつけ叩き付け

 

 

 

「七匹目だ」

 

独特の歩方で一気に近付き二匹纏めて胴体を斬り飛ばした

 

 

 

「さーて、後は血の匂いで漸く気付いた間抜けなキマイラで終わりだな」

 

唸り声を上げながら近寄ってくるキマイラに近寄りながら呟き

 

 

 

「徹底的に解体して殺るよキマイラ」

 

何時の間にかキマイラの背に乗っていたゼブルがそう楽しげに笑いながら言った直後

 

 

 

背中に生えている山羊の頭の上顎を左手で掴んで左腕を上に振り上げ喉まで引き裂いた後に右手の大剣で山羊の部分を背中から切り裂き引き剥がす

 

 

「グギィ…………ガアァァァ」

 

その痛みからか悲鳴を上げて倒れ込むキマイラ、倒れる前に背中から飛び降りたゼブルは今度は尻尾の毒蛇を掴んでキマイラの尻に足を叩き付けて勢いよく根元から引き千切る

 

 

「キヒッ、アッハハハハハハ」

 

ゼブルはその女の子にしか見えない顔を邪悪としか言えない表情に変え、返り血を全身に浴びながら楽しげに力任せに解体しながら笑う

 

 

「もう良い…………飽きた」

 

ゼブルは突如笑うのを止めてそんな事を言い、キマイラの首を斬り飛ばして絶命させる

 

 

「コレで終わりッと」

 

そう呟きゼブルはバイザーを外し首を鳴らしながら周りを見渡す

 

 

 

そしてゼブルは何かに気付き不意に半歩横に移動すると、先程まで頭が有った場所を黄金の槍が通り過ぎ、ある程度飛んで行った所で地面に突き刺さり、地面を粉砕し半径三メートル近いクレーターを作り出した

 

 

趣味が悪いとしか言いようがない黄金の鎧を身に纏った金髪で紅玉のごとき紅い瞳の男が立っていた

 

 

「先行させていたこの我のペットの反応が消えたから予定を少し変え、足を運んでみたが………あの様な幼子に駆逐されていたとは、役に立たぬ玩具よ」

 

尊大で傲慢すぎる言葉と態度で惨殺された魔獣の亡骸を見て笑う男

 

 

「絶対王者たるこの我の御前だ……顔ぐらい見せよ雑種」

 

あまりにも勝手で傲慢な事を口走る男

 

 

「存在を知られてすらいない様な奴が絶対王者を自称するって……何様?」

 

呆れながら睨み付けるゼブル

 

「ほうっ……同類か?、しかも女か………ならば良いぞ、この我のペットを葬った無礼を許そう、目算で148㎝と言った所か…………少しばかり成長しているが塔城小猫の色違いを望むとは、それに騎士甲冑のモデルはセイバー・オルタか」

 

勝手に納得し、勝手に許し、意味の分からない事を呟いている

 

 

「はぁ…………なに?、塔城小猫とセイバー・オルタって……誰だ?」

 

あまりの事に呆けて混乱するゼブル

 

 

「女で有る限りこの我には逆らえぬ、速やかに武装を解除し我に従え」

 

一瞬魔力が集まり眼が怪しく光る男

 

 

(本当に何を考えてるんだコイツ、取り合えず青の魔導書を使えばすぐに換装出来るし……情報を引き出す為に乗ってみるか、魔獣をペットと呼んだ事も気になるからな)

 

そこまで考えて騎士甲冑を消して私服に戻る

 

 

「シュトゥラに居ると言う事はオリヴィエとも知古の可能性が高いな、この小娘でも楽しめるが我の目的はオリヴィエを捕縛し我の玩具にする事、そしてオリヴィエを使いエレミアとクロゼルグも我が手に納める、女を絶対服従させる我の魔眼からは如何な聖王とて女で有る限りは逃れられぬ」

 

手に入れたらどう楽しもうか算段を立てる男を前にゼブルは本気でキレた

 

 

「青の魔導書・ブレイブルー起動、騎士甲冑展開、装備選択、エクスカリバー、魔王のマント、プロビデンス、アルカディアに換装」

 

青い本が出現し直後、金色のバイザーが装着され目元を隠し、赤いラインが入った漆黒の騎士鎧が構築され、黒いマントがその上に装着され、黄金の杯が腰から下げられ、その手には黄金の柄が握られ刀身の中心部が赤く輝く両刃の剣が出現する

 

 

「貴様は俺が駆逐するぞ……このクズヤロウ」

 

身に付けた秘宝の力も有って跳ね上がった魔力が解放され、純白の魔力が爆風のごとく吹き荒れる

 

 

 

「なんだと……この我の支配を拒絶したと言うのか、そのような事が起こる筈がない、男に効かない様にした変わりに対女に限定特化させた絶対服従の魔眼の力は完全だ……抗える筈がない」

 

想定外の事態に慌てる男

 

「貴様を始末する前に致命的な間違いを指摘してやる、俺はコレでも男だ」

 

剣を向け見下す様な…………哀れむ様な視線を向けながら、そう指摘する

 

「なん……だと、男……その外見で?」

 

呆然としながら呟く黄金の男

 

「不意打ちしてきたんだ、貴様に卑怯だと言う資格はないぞ」

 

その隙に間合いを詰め剣を振り抜くゼブル

 

「なっ……ギィィ」

 

寸前で気付き右腕の装甲で咄嗟に防ごうとするも装甲ごと右腕を二の腕から斬り飛ばされ、苦痛の声を漏らす男

 

「よくも我の腕を、この我を……侮るなよ雑種」

 

吠えると同時、右肩の装甲で出来た影から肉塊が出現して即座に右腕を構成しゼブルを殴り飛ばす

 

 

 

左腕の籠手で防がれているが

 

「我が他の転生者より簒奪した神器、魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)の応用だ、腕型の魔獣を作らせてもらった」

 

そう自慢げに笑う男

 

「この我、ギルバート・アルファードには英雄王の力と女に限定した絶対順守の魔眼、更に魔獣創造が加わっているのだ、貴様がどんな特典能力を貰っていようが……叶う道理はない」

 

自信満々にそう言い放つ男……ギルバート

 

 

「魔獣創造……魔獣被害が増大した元凶か、言ってる事はいまいち理解できないが、それだけでも消すには十分過ぎる」

 

自慢気に自分の力を説明してる間に立ち上がり、呟きながら武器を構える

 

 

 

 

「王者の力を見せてやろう、『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』」

 

ギルバートの背後の空間が揺らぎ、無数の武器が揺らぎから出てくる

 

 

「回復能力に異常な力を感じる武器の群れ…………短期決戦で行かないとヤバイ…………かな?」

 

武器の力を感じとり冷や汗を流しながらも何かを感じたのか微妙に首を傾げてる

 

 

 

「食らうがいい」

 

 

そう言って放たれる三つの武器、剣、剣、槍の順だ

 

 

 

「意外と遅いな、コレなら」

 

最初の剣を回転しながら左手で掴み取り、次の剣を右手のエクスカリバーで弾き飛ばし、最後の槍を左手で掴み取った剣で地面に叩き付けてへし折る

 

 

「返すぞ、魔界剣技・風車斬り」

 

そして左手の剣を高速で縦に回転する様に投げ付ける

 

 

「なっ…………ふざけた芸当を、だが甘い」

 

ギルバートの影から全身が装甲で覆われた巨大な亀のような魔獣が現れ、両断されながらもその装甲で剣を止めた

 

 

(成る程ね、自分の影を起点に魔力を消費して魔獣を創造する力に異常な力を持つ数多の武器を射出して攻撃か…………正面から三つや四つ程度なら余裕で対処できるな、音速を辛うじて越える速度だし)

 

ギルバートの行動から相手の持つ能力を分析していると、ギルバートがなにやら激昂した感じに騒ぎ出す

 

 

「話が宝物に薄汚い手で触れたばかりかこの我に向かって投げ付けるだと、万死に値するぞ雑種!!」

 

吼えると同時に右手を上げると30を越える揺らぎが背後に出現し、そこから武器が出現する

 

「随分と手癖が悪いようだが、コレならば同じ事は出来まい、速やかに死ぬがいい」

 

号令を出すように手をゼブルに向けると一斉に武器が放たれた

 

 

「流石に37個は多すぎるな、避けるとするか」

 

そう呟くと横に高速で移動し避ける

 

 

「おのれ……大人しく死ねば良いものを、ちょこまかと避けおって、コレならばどうだ!」

 

 

ゼブルの移動先を潰すように武器を射出し始めるが

 

 

「俺に当てるには狙いが甘いよ」

 

更に速度を上げ射出された武器を置き去りにしながらギルバートの周りを円を描くように行動し出した

 

 

「当たらぬ…………が、避ける事しか出来ぬのか?、近寄る事すら出来ぬのでは我は倒せぬし貴様は疲れ果ていずれは当たる、その時が貴様の最後だぞ雑種」

 

ギルバートは馬鹿にした様に見下しながら自分の考えを口にする

 

 

(近付いてないって…………螺旋状に移動しながら近付いてるんだけどな、地面に刺さってる武器を見れば徐々に近付いてるって分かるだろうに、やっぱりコイツって…………確かめしてみるか)

 

そう考えると近くに刺さっていた槍を左手で掴み、移動の勢いそのままに回転しながら投げ付けるが出現した体を覆い隠す程の大きさの盾に防がれる

 

 

「おのれ、またしても我が宝物を、許さぬぞ………ざっ………しゅ」

 

盾を消したギルバートが最初に見たのは自分の射出した13の武器が巨大な純白の魔力刃に薙ぎ払われ、自分目掛けて純白の魔力刃が迫る光景だった

 

「クッ…………ゲイ・ジャルグ!!」

 

そう慌てて叫び破魔の赤槍を射出して純白の魔力刃の中心に当てて自分に当たらぬ様に消し去ったが

 

 

 

 

純白の魔力刃の影に隠れるように身を屈めて地を這う様に移動し近寄るゼブルの姿が有った

 

 

「残念ながらコレで終わりかな?」

 

ゼブルはそう言って剣を振ろうとした時

 

 

「なにぃ…………うおぁぉぉ!!」

 

気付いた時にはもう3メートル程度の距離まで近寄られていた事に驚愕し、吼えながら自分の影から異形の一角獣の魔獣を創造し影から飛び出す様にゼブルに突進させる

 

 

「…………残念、仕留められないか」

 

影から飛び出してきた一角獣の角を剣で受け止めながらもそのまま上空に打ち上げられるゼブル

 

 

(戦法からして予想通り奴は素人に近いな、強力な武器を出現させるのに最短で0.5秒必要で射出するのにも同じく0.5秒必要、魔獣の創造も大体同じ…………だけど遅くて弱いから魔獣に気を付ける必要は奇襲以外には無い)

 

ゼブルは先程からのギルバートの攻撃を見続けて解析した結果を考えながら宙を舞う

 

 

「コレで死ねぇ!!」

 

若干キャラ崩壊しながら複数の武器をゼブル目掛けて射出するギルバート

 

 

「まったく、馬鹿の一つ覚えか」

 

呆れた様にギルバートを見ながら飛来する2本の剣を右手のエクスカリバーで弾き飛ばし、次に飛来した槍を左手で掴み取り、その槍の勢いを利用して回転し次の槍を避けて槍を回転した勢いのまま一角獣に投げ付けて串刺しにし、最後に飛来した戦斧の刃では無い場所と側面に足を付けて、蹴り飛ばした勢いで地面目掛けて移動する

 

 

(ん?…………この魔力波長って)

 

ゼブルは立ち上がりながら何かに気付く

 

 

「コレならばどうだ!!」

 

新たに16の武器が展開される

 

 

「串刺しになるが良い」

 

ギルバートのその号令でゼブルに16の武器の軍勢の照準が合わされ放たれる直前に

 

 

(この魔力波長は彼女か、なら二人が戦ったのはこの辺りだったのか、気付かせる必要があるな)

 

「ブレイブルー、困ったお姫様を捕捉し念話の補助を頼む」

 

《了解》

 

青の魔導書・ブレイブルーに指示を出した直後に十六の武器の軍勢が放たれ

 

 

「全力全壊斬撃砲撃、エクスカリバーーー!!」

 

魔界で手にいれた中心部が紅く輝くクラス【レジェンド】のエクスカリバーに全力で魔力を纏わせ、巨大な純白の魔力斬撃を魔力砲撃で撃ち出した

 

 

それはゼブルに向かって撃ち出されていた十六の武器の軍勢を纏めて薙ぎ払い打ち砕き、そのままギルバートに向かって突き進み

 

 

 

突如として出現した巨大な黄金の盾に直撃し、純白の魔力刃は砕かれ魔力砲撃は弾かれて拡散していく

 

 

 

「この剣で放ったエクスカリバーを容易く弾く巨大な黄金の盾か、なら…………こんなのはどうだ?、騎士甲冑両腕解除、武器換装、両手に魔王拳、そして左手に魔銃フェンリル」

 

ゼブルの両腕の装甲が消え両手にナックルと左手に銃が現れ

 

 

「魔界銃技、トーテンクロイツ!!」

 

 

魔銃フェンリルから撃ち出された巨大な業火の弾丸は巨大な黄金の盾に着弾した直後、雲すら吹き飛ばす程に天高く伸びる巨大な焔の十字架を形作った

 

 

 

「異常なまでの力を感じていたから防ぐとは思っていたが…………やはり弾くか、なら次は、魔界銃技、集中砲花」

 

 

左手に持った魔銃フェンリルから業火の魔力弾を絶え間無く撃ち続けなから捕捉した相手に念話を繋ぐ

 

 

「フハハハハ、無駄だ無駄ぁ、その程度の脆弱な攻撃を幾ら撃ち込もうとこの神々の盾を越える事が出来る筈がなかろう、速やかに通じぬと言う現実を受け入れよ」

 

ギルバートはその行動を自分の攻撃が通じない事に対する現実逃避と見たのか愉快げに笑いながら自分が出した盾を自慢する

 

 

《オリヴィエ、恐らく泣いてる最中だろうが……聞こえてるか?》

 

 

《ッ………ゼブルですか、魔獣討伐に出ていたのでは?》

 

ひたすら放たれ続ける魔力弾が巨大な黄金の盾に弾かれ周りを破壊した事で粉塵が舞い上がっている場所を見ながらオリヴィエに念話で話す

 

 

《時間が無いから一方的に話す、君の居る場所の近くで立ち上った魔力で構成された巨大な業火の十字架は俺の戦いの影響だ、今も続いている爆発もな、相手の狙いは君だ、聖王女オリヴィエではなく……オリヴィエと言う一人の女、その体を狙ってる…………尊厳を踏みにじり玩具にする為に、女に対してのみ有効な自分の命令に絶対服従させる絶対順守の魔眼を持っている》

 

そこで一旦区切り

 

 

《それで君を支配してエレミアとクロゼルグに近寄り二人も支配し玩具に変える気だ、性欲を満たす為だけの玩具に…………だから援護なんて考えず、出来るだけ早く離れろ…………君の性格的に一人で居る時だけが泣ける時なのに悪いな》

 

心底申し訳なさそうな顔をしながらも念話を続ける

 

《コイツに出会ってしまったら……動くなと言われただけで全てが終わる、君の悲痛な決意も覚悟も……なにもかも全てを踏みにじり台無しにする、だから行け…………行って1日でも早くこの最悪な戦乱を終わらせろ、もしかしたら聖王のゆりかごを生きて降りれるかもしれないしな、じゃあな…………器用すぎて、自分の弱さを誰かに見せる事が出来ない不器用な同類さん》

 

それだけを告げて念話を切る

 

 

「フハハハハハ、馬鹿が、いったい何時まで通じぬ攻撃を続けるつもりだ?」

 

巨大な黄金の盾に隠れながら心底馬鹿にし見下しながら貴様の行動は無駄だと高笑いするギルバート

 

 

「フフッ、そうやってバカみたいに防ぎ続ければいい、圧倒的な物量で押しきるだけのド素人、それが露呈する様な行動を自信満々にしてる時点で…………貴様程度どうにでも出来る」

 

呟きながら呆れたように微笑を浮かべ、左手に持った魔銃フェンリルから魔力弾を乱射しながら、右手のエクスカリバーを地面に突き刺し、右手を天に向け…………十個近い魔力球を自分の周りに作り出す

 

 

「こんなのも食らうといい、見様見真似の【魔王玉】」

 

右手を巨大な黄金の盾に向け魔力球を勢いよく全てを叩き込む

 

 

 

 

黄金の盾の周囲に

 

 

「殆んどを我が盾に当てる事すら出来ぬノーコンか?、それとも爆風で我を倒せるとでも思ったか」

 

ギルバートは嘲るようにそんな事を口走る

 

 

 

「俺は盾の破壊なんて初めから狙ってないし、思惑通りに動いてくれる間抜け…………本当にバカみたいに」

 

呆れながら呟き、エクスカリバーと魔銃フェンリルを青の魔導書に袋の中に転移させ、そのまま盾に向かって疾走し

 

 

 

 

巨大な黄金の盾を一気に駆け登り頂上から飛び降り

 

 

 

巨大な黄金の盾に隠れたギルバートの背後に着地した

 

 

「なっ…………貴様何処から……」

 

驚きながら振り返るギルバート

 

 

 

振り返ったギルバートの左肩に手を置き

 

 

「何処からって…………盾を駆け登ったに決まっているだろ、俺の行動を見えない様に目隠しを何時までも馬鹿みたいに出し続けてくれて…………ありがとね!!」

 

言い終わると同時に右拳を腹部に打ち込み、ドゴォッという轟音を響かせる程の力と勢いで巨大な盾と言う壁に叩き付ける

 

「ガハァッ」

 

黄金の鎧の腹部がただの一撃で罅割れ、その衝撃で内臓を痛めたのか吐血するギルバート

 

 

「追撃だ、受け取れ間抜け!!」

 

ゼブルはその両拳で秒間八発近い打撃を叩き込み続ける…………ニヤリと笑みを浮かべたまま

 

 

「ギッ……ガッ………ガァッ………ギィィ」

 

 

拳を打ち込まれる度に鎧は罅割れ砕けていき、骨を折り砕き粉砕していく、一方的に拳を叩き込まれ続けるその姿はまさにサンドバッグ

 

「グゥァァ……戻………れぇぇぇ」

 

このままでは死ぬ迄殴られ続けると思ったのか、必死に王の財宝の中に盾を戻すギルバートだが

 

 

 

考えが甘すぎた

 

 

 

「壁が無ければ殴られ続ける事はない…………何て淡い期待でもしたのか?」

 

叩き付け続けていた盾と言う壁が完全に消えて無くなると今度はボディブローで上空に打ち上げ

 

 

「オラオララッシュ………ってね♪」

 

遠くに殴り飛ばさない様に殴りかたに注意しながらひたすら殴る

 

 

 

たまに前進し近づて距離をつめ、ボディブローで再び打ち上げたりとやりたい放題

 

 

 

 

そんな事をされているギルバートは鎧の前面部や腕や足の装甲はほぼ完全に砕け散り、あらゆる箇所の骨が折れて砕け所々骨が肉を突き破って出ている、整っていた顔も見るも無惨に腫れ上がり歯も何本か砕けてなくなり左目も殴り潰されている

 

 

「おの…………れぇぇぇ」

 

ギルバートはなんとか声を絞り出して睨み付けながらゼブルの左右に合計四つの揺らぎを出現させる

 

 

「おっと、危ないな」

 

揺らぎが完全に開く前にギルバートの首を左手で掴み、後方に向かって全力投球、ゼブルはギルバートを追い掛け疾走する、結果…………武器は射出されたものの既に誰も居なかった

 

 

 

 

 

ギルバートに追い付くと服を左手で掴んで離れないようにし、勢い良く左足を叩き付ける様に踏み込み、大地から足先に、足先から下半身に、下半身から上半身に、そして腕へと螺旋を描く様に力を伝えて右拳をギルバートの腹部に全力で叩き込む

 

 

「覇王流・覇王断空拳!!」

 

その撃ち込まれた拳の衝撃だけで鎧の背面部すらもが粉砕されて砕け散り、ギルバートの身体は内臓すらも衝撃で潰された上でそのまま数㎞に渡って殴り飛ばされ吹っ飛んでいった

 

 

「………………しまった、地面に叩き付ける様に撃ち込めばよかった、始末するのに追い掛けないとな、ついでに武器換装」

 

拳を振り抜いた状態で暫し固まり、銃を仕舞い新たな武器を出現させて、追い掛けていった

 

 

 

 

殴り飛ばされたギルバートは地面に叩き付けられた後数十メートルに渡って転がった後に止まった

 

 

 

「ふざ…………けるなよ、あの…………雑種風情がぁぁぁ!!」

 

大量の血を吐き出しながらも激昂し吠えた後、その身体が怪しく蠢き出した

 

 

 

 

ゼブルがギルバートに追い付いた時、ギルバートは血走った目で睨み付けながら自分の足で立って、黄金の柄に3本の円柱を繋げた様な奇妙な形の剣?で刺突を放つ体制でその剣の円柱を交互に回転させて紅い爆風を思わせる莫大な魔力を吹き荒れさせていた

 

 

「真の力はまだ引き出せぬが我が最強の一撃、乖離剣エアの一撃を、天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)を受けるがいい!!」

 

ギルバートは完全に血走った目で憎悪を隠さずに叫ぶ

 

 

「貴様のその異形な身体、魔獣を寄生させて無理矢理形を取り繕ったか」

 

ゼブルは剣を構えるギルバートの身体を見てそう問い質す

 

 

「我が糧にした迄の事よ、形など貴様を消し去った後に調整すればいい」

 

そう宣言するギルバートの身体は首から下の全身に多種多様な生物が混ざり有った完全な異形だった

 

 

「ところで…………消すと言ったが、どの俺を消すんだ?」

 

そう言いながらその場から姿が消え、再度出現した時にはギルバートを取り囲むように現れる20人近いゼブル、その全てがエクスカリバーを腰にぶら下げ、そしてその手には弓が握られている

 

「なっ…………なんだ、この反則は」

 

流石に余りにも異常な状況に言葉を失い、反則だと言う言葉を呆然と口にする

 

 

『弓装備アルテミス、そして魔界弓技・ドッペルゲンガー』

 

20人のゼブルの口から発せられる言葉が響き、そして全員がギルバートに向かって弓を構えて矢を引き絞る

 

 

『反則結構、卑怯上等!、勝つ為には手段は選ばん、友を守る為の戦いならば尚更な!!』

 

そして一斉に放たれる矢、それは乖離剣エアに数本突き刺さり注ぎ込まれていた魔力を暴発させ、残りの矢は全てがギルバートの身体に突き刺さり肉を抉り、臓器を突き破り、全ての矢が身体を貫き抉り貫通し風穴を開けた

 

 

「ギィ……ガァァァァァ」

 

ギルバートは全身を貫いた矢と暴発した乖離剣エアの力の爆発に巻き込まれて右半身が消し飛びながらも、身体に混ぜた魔獣の影響か倒れ伏しながらもまだ生きていた

 

 

「殺す、殺してやる、我のデバイスに貴様を必ず殺せる形態を作り、絶対に殺してやる」

 

そう言って左手を千切れかけの紐で首から下げられた青い石に左手を伸ばし、正面…………頭上から伸びた手に石を掴まれそのまま紐を引き千切られて身体から青い石が離れる

 

 

「こんな状態で使おうとする様な切り札を使わせる訳が無いだろ、本当に阿呆だな貴様は」

 

ギルバートを見下ろしながら明らかに呆れた目で見るゼブル、念の為にか青の魔導書・ブレイブルーが隣に浮いている

 

 

「それに形態を作ってって、今まで使ってなかったのか?」

 

青い石…………待機状態のデバイスを呆れた様に呟く

 

 

《今の今まで私の存在すら忘れて、王の財宝とやらから出した武具だけで戦っておきながら今更私に頼るなど、恥を知りなさい、名前も付けず、基本形態すら決めず、喋る事すら禁じていた分際で》

 

余りの扱いの悪さから溜まって居たのか喋りまくり罵倒するデバイス

 

 

「最悪の主未満だな、ただの所有者か、なんなら俺の所に来るか?、直接攻撃系のデバイスが欲しかった所だしな」

 

ゼブルはグリグリとギルバートの腹部を踏みにじりながらデバイスを勧誘する

 

《貴方のデバイスは青の魔導書・ブレイブルーと呼ばれていたその本ですよね、その方との平行運用ですか…………面白そうですね、その誘いを受けましょう》

 

あっさりと所有者に見切りを付けて勧誘を受けるデバイス、その光景を見て言葉を失っているギルバートはかなり哀れである

 

 

「貴様の様な外道に魔力をかなり消費したからな、リンカーコアからの蒐集では割りに合わん、肉体すら魔力に変換して吸収してやる、貴様の様な外道を相手に痛める心は持っていないしな、取り込めブレイブルー」

 

余りにも冷たい声で喋り無表情で見下しながら命じるゼブル

 

《了解、吸収開始》

 

青の魔導書・ブレイブルーがそう告げると黄金のリンカーコアが現れ魔力蒐集を開始し始める

 

 

「ガアァァァァァ」

 

目を見開き、口から泡を噴き出しながら苦しむギルバート

 

 

「リンカーコア迄も黄金色ってどんだけ好きなんだ?、って…………何だ?」

 

呆れていると黄金色のリンカーコアから黒い塊と金色の塊が飛び出し青の魔導書に吸い込まれる

 

 

「今のは何だ、ブレイブルー…………異常は無いか?」

 

想定外の事態が起きたからか少し慌てながら確認するゼブル

 

 

《…………異常無し、ただし……新たに【王の財宝】と【魔獣創造】が記載され能力が付与された》

 

淡々と事実を語るブレイブルー

 

「はあっ…………異常は無いんだな」

 

ゼブルは驚きもう一度訪ねる

 

《問題無し、恐らくは魔力で構成された魔法具で有った為に吸収されたものと思われる》

 

そんな推測を告げるブレイブルー

 

「そうか、異常が無いならそれで良い」

 

安心したように呟くゼブル

 

 

 

 

そんな事をしているとギルバートの身体が黄金の粒子に変わっていき青の魔導書に吸い込まれて消えていく

 

 

「あ………ああっ、消える、我が消える、憧れの最強の英雄王の力を貰ったのに、敗北して消えるなんて、有り得てたまるかぁぁーーーーー!!」

 

ギルバートはそんな事を叫びながら完全に消え去り消滅した

 

「じゃあなクズな外道」

《さようなら、最低な主未満な奴》

 

別れの言葉にしては酷すぎる事を言う一人と一基

 

 

 

「さてと…………終わったし馬を拾って城に帰る………か」

 

別れた馬を拾い城に帰ろうとしたゼブルの周りに『何時も通りの黒い渦』が現れ渦巻いていた

 

 

「ちょっ………待て、止まれ……俺にはまだやる事が……」

 

黒い渦の展開が少し遅くなるが…………今も渦巻き覆おうと広がっている

 

 

「遅くは成ったが……止まらない、ブレイブルー……クラウスに念話を繋げ!!」

 

慌てて半ば怒鳴りながら指示を出す

 

〈了解、捕捉完了〉

 

 

 

《クラウス……聞こえて居ると前提して話す》

 

そこで一旦区切り

 

《悪い事は重なる物だな、一応は魔獣被害が増大した元凶は始末した……これ以上は新たに造られない限り魔獣が急に増える事はない、ただし繁殖するかもしれないから気を付けろ》

 

 

そこまで伝えた後、言いにくそうに続きを伝える

 

 

黒い渦はもう頭まで覆い始めていた

 

《悪いな、俺はこの世界から消える、異界漂流の移動が始まった……もう止まらない、こんな時に俺まで居なくなって……本当にすまない、サヨナラだ……クラウス》

 

 

そこまで伝えた所で完全に黒い渦に飲まれ

 

 

 

 

 

黒い渦は収縮して消え去った

 

 

これによりゼブル・グランディアと青の魔導書・ブレイブルーは古代ベルカ時代と呼ばれる時から消え去った

 

 

 

 

 

 

 

シュトゥラの何処かで強い憎しみと嘆きを含んだ運命を呪う慟哭が暫くの間…………響き続けた




前書きにも書きましたがこのゼブルに敵に掛ける情けは有りません
大事な者を守る為なら普通に外道な事もやります
今のこの時点で比べたら此方の方が強いです
次回で更に違いが大きくなります


二つの小説共に感想が殆んど無くてなんか虚しい
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