ヒーローを目指したいのでステータスを均等に振りました! 作:岬サナ
瞼の下から光を感じたソラが目を開けば、そこはゲームとは思えない程のリアルな世界が拡がっていた。
「おぉ!ここが『NMO』の世界の中ですか!」
ソラは歓喜の声を上げる。
「人がたくさん居ます!」
そこにいる道行く人達の多さにソラは驚きの声が出る。プレイヤーとNPCの区別は今のソラではパッと見では分からない程である。
「あ、忘れる所でした!まずは、ステータスはどうなっているのか確認しないといけませんね」
ソラは自身のステータスを開く。
ソラ
Lv1
HP320/320
MP295/295
【STR14〈+10〉】
【VIT14】
【AGI14〈+9〉】
【DEX14】
【INT14】
ステータスポイント2
装備
頭 【空欄】
体 【空欄】
右手 【初心者のグローブ】
左手 【初心者のグローブ】
足 【空欄】
靴 【初心者の靴】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
なし
「これが今の私のステータスですか。ステータスの上がりようを見るとステータスポイントと装備以外での初期のステータスはないんですね。それにしてもHPとMPだけは上がり方が違うみたいですね」
ソラは自分のステータスを見て、HPとMPのステータスは1で20も上がるのが分かり、ふむふむと頷いてそのまま画面を消した。
「取り敢えずはモンスターのいるところに行ってレペル上げです!」
ふん!とソラは気合を入れて歩き出す。
「とはいえ、何処に行けばいいか分かりませんね。……他の人に聞いてみましょう」
そう言い、ソラは周りを見て誰に聞こうかと考えていると赤い髪に赤い服を着ている強そうな女性を見つける。
あの人に聞いてみましょうとソラは一目散にその人物へと近付いていく。
「すみませーーん!」
「っ!?……私か?」
「はい!」
赤い髪に赤い服を来た女性にソラは大きな声で呼び、その大きさに女性はビクッ!?となるがソラに自分のことかと聞いた。ソラは笑顔でそれを肯定する。
「この辺りでレベルを上げるのにオススメの場所はありますか?多少くらいなら相手のレベルが上でも大丈夫です!」
「それならば、このまま北に真っ直ぐ進むと初心者向けの少し特殊な狩り場がある」
ソラはその人が指差す北側に視線を向ける。
「普通ならもっと初心者向けの場所もあるが、こちらもこちらで初めて向かうには丁度いい狩り場だ」
「ありがとうございます!」
ソラはペコリと頭を下げお礼を言う。そして溢れ出す気持ちから走るソラ。
「善は急げです!」
「あっ…」
タッタッタッと走り去るソラを見届けた女性はソラの行動の早さに驚いていた。
「何か凄い子だったなー」
先ほどまでの凛々しい口調から柔らかい口調に変化した。
「ミィ~」
「ん?」
遠くから彼女を呼ぶ声が聞こえ、そちらを向けば白い修道服を着た女性が視界に入り、先ほどの凛々しい雰囲気を戻す。
「ここにいましたか。探しましたよミィ」
「すまないな、ミザリー」
「本当だよ。ミィが少し来てないくらいで他のメンバーも慌てるから大変だったよ」
「そちらも苦労をかけるなマルクス」
ミィは自身を探して迎えに来たミザリーとマルクスの2人に声をかける。
「シンや他のメンバーも集まってるからね」
「あぁ」
ミィは話しながら先ほどソラが走り去っていた方に視線を向ける。
(あの娘、大丈夫かな。無理をしてないといいけど)
ミィから心配されたソラは目的の場所へと向かって爆走していた。
「さぁ頑張りますよぉぉぉ!!」
ヒーローを目指して気合いの雄叫びが木霊した。