JKタツマキ 作:タツマキちゃん15才
(何よこの問題……こんなの分かる訳ないじゃない……!)
雄英高校の受験会場でJCタツマキは盛大に頭を抱えていた。
私は大してヒーローに興味がある訳ではないけれど、フブキが女子の癖に少年のような瞳で雄英について語るものだからついつい受験したくなっちゃったのだ。
私は個性が激強だから受験なんて楽勝だと思ったのに、ペーパーテストがあるなんて聞いてないわよ!
実技ならビルボードチャート2位から10位が纏めて襲ってきても余裕で勝てる自信があるけど、流石にペーパーテストは専門外だった。
うーん、どうしようかしら……妹に大見得を切った以上、不合格なんてカッコ悪い事は出来ないし……。
しょうがないわね……カンニングするか。
こっそりと個性『超能力』を発動し、前の方に座ってる賢そうなメガネ男の答案用紙を盗み見る。
その用紙は試験開始から10分程度しか経っていないのに8割方埋まっていた……やるじゃない、メガネ男。
答えを見てもあってるかどうかはさっぱりだけど……まぁ他にも賢そうな奴の答案を混ぜて写しとけばバレないでしょ……たぶん。
まぁバレたらヴィランかヴィジランテにでもなれば良いかと考えながらタツマキは上の空で手を動かした。
◇ ◆ ◇
「え、実技もあるの?」
ペーパーテストが終わって、さぁテレポートで帰ろうと思った矢先に次の試験案内が始まったのだ。
あっぶないな! あと5秒遅かったら帰っちゃうところだったぞ!
試験官のプレゼントマイクが何か言ってるけど、びっくりし過ぎてあんまり頭に入ってこない、どうしよう説明が終わっちゃってみんなぞろぞろと移動し始めちゃったぞ。
とりあえず全部倒せばいいのよね?
というか、みんな分かれて移動してるんだけど私の試験会場はどこなのよ。
◇ ◆ ◇
プレゼントマイクに道案内してもらってなんとか試験会場にたどり着けた、わかりにく過ぎるぞ、まったく。
もう既に帰りたくなっているけど、妹にカッコいいところを見せる為にももうひと踏ん張りしなくてはいけないのだ。
内心で姉の辛さに泣き言を言っていると、試験官がボソリと「開始」と呟いた。
スタートって事で良いのよね? 道も分かりにくければ合図も分かりにく過ぎるぞ! どうなってるんだ雄英高校!
「確か……ロボットを壊せば良いのよね」
空を飛んで、良く見えるようになった試験会場のロボット達を全部浮かせてバラバラに分解する。
「……え?」
「嘘だろ……」
「これが……雄英高校……」
ロボットが無くなったしこれで良いのよね?
全部倒したし、きっと主席よね? ふふっ、一時はどうなる事かと思ったけど、案外楽勝じゃない!
これでフブキにも良い顔が出来るって物だわ、雄英高校様々ね。
◇ ◆ ◇
「うわぁ……マジかぁ……」
「うーむ、良い個性だな……」
「これは流石に他の受験生に同情するわ……」
雄英高校職員室。
教員が集まり、実技試験の採点が行われているこの場では驚愕や諦めの声が飛び交っていた。
熟練の教員達が出すには相応しくない雰囲気だが、それも仕方のない事だった。
なにせ、試験開始3秒で用意したロボットが全滅したのだ。
やらかしたのは緑髪の少女、タツマキ。
彼女は開始と同時に空高く舞い、視界に映る全てのロボットを一瞬でバラバラに分解したのだ。
勿論ネジを外す等といった丁寧な分解ではなく、サイコキネシスパワーによって無理矢理引き千切るというシンプルかつ雑なやり方でバラバラに分解した。
流石に途中から出すつもりで格納していた0ポイントロボは無事だったが、レスキューポイントを受験生に提供する為に出した瞬間、一瞬で捩じ切られて爆発してしまった。
結果、用意した撃破ポイントを全て掻っ攫ったタツマキ少女の獲得ポイントは圧巻の5000ポイント。
勿論レスキューポイントは0、レスキューのシチュエーションが発生しなかったのだから当たり前だった。
「んー……文句無しの合格だね、A組に入れるから相沢君、よろしくね」
「まぁ、やってみます」
A組担任教師相澤は訝し気に手元の資料へと目線を落とした。
プロヒーローじゃない上に原作より平和な世界の分、原作よりぶっ飛んでるタツマキちゃん。