JKタツマキ   作:タツマキちゃん15才

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妹が勝手に申請したコスチューム

はぁ、退屈ねぇ……。

 

初日以降の授業は思いの外普通だった。

 

自宅のテレビを点けっぱなしにして千里眼と地獄耳で聞いてるからなんとか耐えられてるけど、これを3年……悪夢以外の何物でもないじゃない!

 

もう本当に退学してヴィジランテでもやろうかなと考えていると、教室のみんなが席を立ってゾロゾロと移動し始めた。

 

何よ、また実技でもやるっての?

 

◇ ◆ ◇

 

更衣室に移動した私を待ち受けていたのは大きなスリットが入った黒いドレス衣装だった。

 

周りの雰囲気から察するにこれが私のヒーローコスチュームらしい。

 

何よこれ! 私こんなの頼んでないのだけど!

 

……まぁでもそこはかとなくフブキを連想させるデザインじゃない……どうせ機能美なんていらないんだし、これで良いか。

 

「うわぁ……なんというか、凄いねタツマキちゃんのコスチューム……」

 

「すっごいきわっきわ……」

 

「ま、まぁ……!」

 

「……ふーんっ、中々悪く無いじゃない! 気に入ったわ」

 

周りの目線が心地良い、今ならオールマイトが毎回ポージングしてる気持ちを理解出来る気がするわ。

 

◇ ◆ ◇

 

いい気分だから珍しく真面目に授業を受けているけど、やっぱり真面目に聞く必要無かったじゃない!

 

せっかくコスチュームを褒められてヒーローとしてのやる気が出て来たのに、授業の内容はヒーローとヴィランに分かれてビルの中で核兵器の争奪戦をするというアホらしいものだった。

 

今どき核兵器みたいな時代遅れな産廃を誰が使ってるのよ、まだそんなヴィランがいたら指さして笑ってやるわよ!

 

しかも何なのよこの実技内容は、ビルの中で争奪戦なんて呑気な事してないでビルごと空に持ち上げれば良いだけじゃない!

 

それに私ヴィラン役だし! どうせならヒーローをやらせなさいよ!

 

「んっ!」

 

ヴィラン役は開始前にトラップを仕掛けても良いらしいから、さっさとビルを引っこ抜いて空に移動させておく。

 

「すんげぇ強個性……」

 

「うちの上位互換やん……」

 

「あれ……もうこれ詰んでない?」

 

無線の先から詰んでいる事を悟った声が届く。

 

「その通りよ、うちのクラスでこんなに高く空を飛べる奴はいなかった筈だから、これで核も私達も絶対安全な筈よ」

 

「あ、あの……これ何時まで維持出来るのでして?」

 

「何時までもよ、だから相手はもう詰んでるの……悪かったわね、出番を奪って」

 

「い、いえ、これが一番確実なやり方ですもの……」

 

「あっそ……」

 

会話が途切れ、ビルの中を静寂が包む。

 

どことなく気まずさを感じ、相方から距離を取って壁の染みでも数えながら、そっと相方の姿を千里眼で盗み見る。

 

そこには作りかけの監視カメラを持って寂しそうにポツンと佇む巨乳がいた。

 

……何よ、私は悪く無いわよ、こんなマヌケな試合を用意した雄英が悪いのよ。

 

「……アンタ、何でも造れるの?」

 

「え、えぇ……生物以外でしたら構造を知っている限り何でも創造出来ますわ」

 

「じゃ、じゃあアンタさえ良かったら私に似合うアクセサリーでも作ってよ……ほら、このコスチューム黒一色じゃない? ちょっと寂しいと思ってたのよ」

 

「ま、まぁ! それでしたら是非! ……あの、お好みのブランドとかありまして!?」

 

な、なんだコイツ! いきなり元気になった!?

 

「と、特にないわよ! そういうアンタはどうなのよ!」

 

「わたくしですか? わたくしは―――」

 

◇ ◆ ◇

 

「そこまで! ……タツマキ少女はビルを降ろしてくれるかい? あ! そっと、そーっとね?」

 

「あ、あら? もうおしまいですの?」

 

え、もう終わりなの? 意外と早かったわね。

 

首から青い氷のネックレスを下げたタツマキは、オールマイトの指示に従ってゆっくりとビルを地上に降ろした。

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