NIKKE ―ガメラ超決戦― 作:ヒモトラマン・ロープダーク
お騒がせしました、ニケのアカウント復活しました。
再びこちらの小説もクライマックスに向けて更新していくのでよろしくお願いします。
「――来たか。」
カウンターズ一行が雪崩れこんだ執務室では頭を抱えたアンダーソンが待ち構えていた。それだけで今回の事態が彼にとって想定外だったのだと物語る。
「いや、言いたいことは解る。
――シュエンだ。性懲りもなく抜け駆けを画策しているらしい。ギャオス殲滅をミシリスだけの手柄にしたいそうだ。」
――そういう事ですか。
混乱していた指揮官もクソガキの名前が出ただけですぐ納得してしまう。強欲・傲慢で短絡的な彼女のこと、また功を焦って無闇な作戦を立てたのだろう…尽く足並みを揃えるということが出来ないのか。技術者としてはメティスがその実力の高さを証明しているが、それを鑑みても他が圧倒的に全てが台無しなのはどうしてなのだろう。
しかし、副司令官であるアンダーソンが現場に関与していながらどうしてシュエンは自由に動けるのか?地上で動かず戦力はメティスだけではどうにもらならないはず…
その『からくり』もアンダーソンが知っている。
「シュエンのバックについたのはバーニンガムだ。愚かな奴、体裁の良い捨て駒が精々のところなのを解らない奴ではなかろうに…!」
バーニンガム副司令官。カウンターズにとって良くも悪くも知らない仲ではない…悪い意味合い寄りでアークらしい人物。ただ、シュエンと組むような大博打に自ら飛び込む人間ではないと記憶していたのだが…何か弱みでも握られたりでっち上げられたりでもしたのだろうか?
…割りとシュエンならやりかねない。
とにかくだ…
――これから、どうしますか?
これからの指針を仰がなくては…こんな横暴な振る舞いは下手をしたらアークに余計な危険に晒す可能性もある。アンダーソンとしても悩みどころだ。
「……作戦がうまくいけばこちらが何もすることはない。だが、保険はかけるべきだろう。イングリットの手を借りる。アブソルートなら万一のメティスに収拾出来ない事態にだろうと対応が出来るはずだ。」
「アブソルートを…?」
反応するラピ。アブソルートはエリシオンが保有する最強のニケ部隊…それと彼女の元所属していた所。実力はメティスと同格、火力を持って如何なるラプチャーだろうと圧倒し捻じ伏せる…そんな戦乙女の3人組だ。
メティスとは一応はライバル関係にあるのだが…もし、ラプラスたちの背中を護る後方支援を任されるとしたなら……
(…ウンファ、絶対に嫌がるだろうな。)
任務なら投げ出したりはしないけど……とかつての同僚にラピは思いを馳せた。無責任ではないが、確実に機嫌は悪くなるので後日に指揮官と共にアフターケアにまわろうと考えておく。
じゃあ、あとは…
―――カウンターズはどうすれば?
「……アブソルートと共同してサポートが限界だろうな。本来ならメティスの直援にまわってほしいが、バーニンガムが絡む手前、私はあまり口だしは難しい立場だ。
――最も、向こうから支援要請が来てくれるなら話は別だが。」
カウンターズたちが知る由もないが、あくまでミシリスとバーニンガムが評判をあげるための作戦。アンダーソンが抱えるカウンターズが関わることは極力避けたいはず……
【――ということは、我々の要請を受け入れてくれるということだな!】
――!? ラプラス…!?!?
突然、通信による会話への割り込み。相手はラプラス…噂をすればとはこのことか。すぐにマクスウェルが続いて『申し訳ありません!』と謝罪を入れ、裏でラプラスの副司令官だろうと物怖じのしなさ(言い方を変えれば無配慮)をたしなめる…まあ、今のアンダーソンにとってそんなことなどどうでも良い。
「待てラプラス、メティスはカウンターズに支援を要請すると言ったのか?」
【ああ、その通りだ!私がシュエンに提案し、それを了承してくれた!】
――シュエンが?
にわかに信じ難い。いくらラプラスの提案といえど、彼女が首を縦に振るだろうか…と疑問に思っていたらマクスウェルが補足してくれる。
【ベビー、信じられないかもしれないけど本当なんだよ。最初、シュエンは拒否したけど…
『私はヒーローとしてアークへの脅威を必ずや退けてみせる…だから、下手な打算をするな。人々を護る
驚きを通り越して感動したわ、シュエン相手にあんな啖呵を切るなんて…】
かつてのラプラスだったら、特に疑問すら抱かず言われるがままに突撃していただろう。そして、戦果を上げることがヒーローだと信じて疑わなかったから。
でも、今は違う。指揮官と出逢い、屈辱と挫折…そこからの再起を経て彼女は本当の意味で成長し始めていた。だからこそ、そんな強くなった彼女の言葉にシュエンは折れたのである。
【今回は不確定な要素が多い作戦だ…だからこそ、なによりバードボーイとカウンターズが後ろにいてくれることは何よりも心強い!! だから、頼む…力を再び貸して欲しい!!】
ラプラスもギャオスの脅威・異常性は直接目にしている故に、万一の備えは必要だと考えるのは必然…ならばと白羽の矢が立ったのがカウンターズ。その柔軟性を持つ戦力の高さ(に加えてメティス全員からの指揮官に対する個人的な信頼)を鑑みれば当然だろう。
懇願するラプラスにマクスウェル…更にはドレイクも続く。
【アンダーソン副司令官、ベビー…私からも頼みます。今回の作戦は素人目から見ても穴が多い…アークに余計な犠牲を出さないためにもお願いします。】
【ククッ(…あっ、もう言える事がない。)…よろしく、お願い…します…】
その思いに対し、指揮官は一旦アンダーソンへアイコンタクトを送る…その返事は了解の頷き。上官の許しを得たならもう断る理由なんて無い。
―――わかった。カウンターズはメティスの支援にまわる。
【! 感謝するぞ、バードボーイ!】
【ベビーがいれば百人力だ! なら、早速作戦会議だね!】
【ははは! 私は最初から信じていたぞ!】
その瞬間、ラプラスが大輪の向日葵のように輝く。もし、シュエンが見ていたら発狂ものの光景に控えていたカウンターズも少しだけ腹立しさを宥めさせることが出来た。
風向きはまだ悪いが、最悪ではない。見出した一筋の光に賭けようじゃないか。
「…指揮官。」
――ラピ、皆。すぐにメティスへ合流…
「いや、待て。」
しかし、寸前でストップをかけたアンダーソン。なんだ、彼が待ち望んだ状況だろうにどうして水を差すような真似を…?
それは、彼が今受けた別回線からの通信が原因だった。
「すまない、今すぐにエーテルのところへ向かってくれ。侵食されたニケに手を焼かせられているらしい…救援要請だ。」
★ ★ ★ ★ ★ ★
遡ること30分前…
手術台でエーテルはある量産型ニケの頭を『割っていた』。
正確に言えば頭蓋に穴を開けて行う開頭手術。本来なら、ニケには不要だ…頭をラプチャーに撃ち抜かれるなんて普通は死ぬからだ。
なら、どうしてこんなことをしているかといえば……
(ああ、これのせいか。この妙な肉の塊のせいで記憶処理がうまくいかなかったわけね。)
この施術されているニケは唯一、自力でギャオスから逃げ帰ってきたひとり。帰ってきたものの、その状態は発狂と言って差し支えなく、このままでは情報収集や今後の戦力としても役に立たないため記憶処理し再調整することか決まった……
……決まったのだが、どういうわけか処置はうまくいかなかった。そして、調べたところレントゲンに写った脳に不自然にひっつく肉塊がクッキリと現れ、まさかニケに癌なんて出来るはずも無いので急遽、緊急手術が決まったのだ。
(最悪、ちょうどシャワーを浴びようと思ってたところだったのに……)
運悪く、徹夜回避しようとしたエーテルが貧乏くじを引き…施術を行うことになったのである。
まあ、死んだところで自社所有のモルモット同然の量産型だ。万一のことがあっても気にしなくても良い…適当にはやらないが、早いとこ終わらせてしまおう。もう栄養剤の瓶との口づけには飽き飽きしているし……
「さ、これで…… え?」
しかし、ここで起きる予測しない事態。
計器が告げる脈拍や脳波の異常に警告音をけたたましく響かせ、細心の注意をはらっていたはずの傷口からおびただしい出血がダラダラと床に垂れていく。
(なんで!? 血管は傷ついてないはずッ!?)
「…がッ ア゛ッ!!」
すると、痙攣しだす量産型ニケ。その頭から全身に向けての血管が浮かび上がり、ゴキッバキッと異様な音をたてはじめる。まさか…
「…侵蝕!?」
ラプチャーによる侵蝕。汚染コードをラプチャーに仕込まれたニケは最早、ニケではなくなる。ならば、速やかに処理しなくてはと壁に立てかけていたショットガンに手を伸ばすエーテル。速やかに『処理』しなくては大惨事に繋がりかねない。
……ただ、その『侵蝕』は彼女が知るものと違っていた。
「…なに……それ………?」
『ガッ、ギャ……ァァァ゛』
銃口を構えた先、手術台の拘束から抜け出した彼女の背中…… その背には…
ギャオスの翼が生えはじめていた……
この小説終わったら、クロスオーバー無しでニケの二次やろうかな。基本ギャグのテイストで。