NIKKE ―ガメラ超決戦― 作:ヒモトラマン・ロープダーク
ガメラリバースみました。素晴らしいの一言で感想書くとまるまる1話分なりそうなのでまたの機会に。
あ、因みにニアコラボガチャは2B天井して爆死しました(白眼)
……最後の瞬間、覚えていたのは腹を貫かれ灼かれた痛み。
苦悶の声とせめて怨敵ガメラに呪詛を吐きながら『私』は絶命した。
……それから、時を経て『私』は生まれなおした。
恐らく、『私』の遺骸をギャオスが喰ったんだろう。ガメラも人類も程よく衰退して、かつてより都合かよい環境になっていた。
雛を食い破り、そのまま群れを乗っ取った私は成長を待った……所詮、ギャオスなどまともに子育てなどしない。卵や雛を食い漁れば困らないし、数が減った分だけ親鳥が卵を生み続ける。
しかし、
『グルァアアア!!!』
――恐れていた事態が起きた。
『私』のことを勘づいたのかあの怨敵・ガメラが来た。いくら満身創痍で弱くなったとはいえ、まだ幼体である『私』では敵う道理もない。灼き尽くされれば今度こそ次は無い。
万事休す……かに思われたが、奇跡がまた『私』を生かす。
この時、世界を見ている『誰か』に気がついた。つまり、並行世界に繋がっているということ…咄嗟に残るエネルギーを振り絞り寸前で逃げ出すことに成功したのだ。
…………そして、逃げた先に『面白いもの』をみつけた。
★ ★ ★ ★ ★ ★
【閃光弾、炸裂まで…! 3… 2… 1…】
カッ!!とシフティーのカウントダウンで閃光に包まれる曇天。
網膜を灼ききるような眩い光にギャオスの群れから悲鳴が上がり、比較的に小さな個体たちが殺虫剤をかけられたハエのように地上へ次々墜落していく。されど、成鳥とおぼしき100メートル級は止まらずニケ部隊へ真っ直ぐ飛翔し続ける。
「エネルギーチャージ……80…90……」
ラプラスはプラズマが迸るランチャーを構え、機を待つ。今から解き放つはアークの最強たるニケが持つ最高にして最大の火力。今迄、幾度無く強大なラプチャーを退けてきた光の切っ先。
「…100!! 薙ぎ払うぞ!」
ゴォォ!!と虚空を突き抜ける黄金のビーム。
凄まじい一閃の軌跡が一気にギャオスの群れを焼き払う!
『ギャアギャア!?』
『ギャアギャア!!』
正義の鉄槌。人類に仇為す畜生どもの大半は焼け落ちた。戦いの流れは今、確実に人類の側にある。
「一気呵成に畳みかけるッ! 続けぇ!!」
「ちょっと!? もう始まってるんだけど!!」
アニスは思わず声をあげた。エレベーターで地上へ辿りついたカウンターズとアブソルート…しかし、作戦は自分たちを待たずに始まっているではないか。遠くから銃声と爆発音、ギャオスの鳴き声が響いてくる…おかしい、こちらは時間通りに到着したはずなのだが。
すぐにラピがシフティーに連絡をとる。
「シフティー、聞こえる?」
【はい、こちらシフティー。皆さん、やっと着いたんですね。報告は受けてます。】
「…報告? なんのこと?」
【…え? 作戦参加は装備調整の関係で遅れると連絡がありましたが……】
…何の話だ?
皆が顔を見合わせる。
「こっちはスケジュール通りに動いている。遅延の連絡もしてないし、どうしてもう作戦が始まっているの?」
【そ、そんなはずは…!?】
慌てるシフティー。何やらお互いに認識に齟齬がある様子…
すると、今度はアンダーソンから通信が入る。
【すまない、割り込ませてもらう。】
――アンダーソン副司令?
【カウンターズ、アブソルート、今地上に着いたところか。】
――一体、どうなっているんです?
困惑を伝える指揮官に対し、険しい顔のアンダーソン。恐らく、この状況について何かしら把握しているのだろう。
小さく溜め息を洩らし、彼は告げる。
【……シュエンとバーニンガムだ。あのふたりは余程、君達に絡まれることが嫌らしい。カウンターズとアブソルートの情報に細工を施していたようだ。】
【そ、そんな!? ですが、それなら……】
【ミシリスの社長と副司令官が直々に手を回したんだ、一介のオペレーターも気がつかないのは無理もない。かくいう私もつい先気がついたばかりでね。】
――…
信じられない…驚愕するアブソルート。恐らくはメティスに花を持たせるつもりだとしても、利益優先主義に程がある。一方のカウンターズはというと…もう怒ることすら悔しい有様。アニスの眼は虚ろ、ネオンは特大の溜め息をつき、ラピは次はどうするべきかを考えることで苛立ちを割り切ろうとしている。悲しいことに、指揮官共々こんな理不尽にある意味で慣れてしまったカウンターズ…そんな様子にウンファが噛みつく。
「おい、お前ら…こんな扱いされて悔しくないのか? なんで黙ってるんだ?」
元より気性が荒いほうのウンファだが、言っていることは当然だろう。そんな疑問に答えたのはやれやれと諦めた顔をしなネオン。
「……いやあ、まあこんな扱いは日常茶飯事と言いますか。もしくは、シュエン絡みならまだ全然マシなほうと言いますか。」
「は? お前等、どんな扱いされてきたんだ?」
―――ここで話すと死ぬほど長いし多い。
指揮官の負の感情がドロドロに籠もって圧縮された一言。あ、ここで穿らないほうが良いやつだと察したエマは気の毒そうな顔をしつつも、話を本題に戻す。
「は〜い、恨み辛みの話じゃないでしょ皆。今はどうするべきか指示を仰がないと…」
オマケ同然としてついてきたバックアップとはいえ、油を売っているわけにはいかない。シフティーは現状を手早く報告する。
【現在、作戦はフェーズ2…マクスウェルを中心とした狙撃部隊による殲滅へ移行中。布陣も目立った乱れは見られません。】
「作戦はつつがなく進んでいるってことね…今のところは。」
まあ、そこは素直に喜ぶべきだろうとアニス。シュエンは呪詛をいくら紡いだって足りないぐらい嫌いだが、メティスはまた別。好きかと言われればまたそれも別だが、嫌悪するわけではない。取り敢えず、彼女たちがヘマしなければ自分たちにその皺寄せが来ることは無いだろう。
「……気は引けましたが、リサをバーニンガム副司令官のところに送ったのは正解だったかもしれませんね。」
★ ★ ★ ★ ★ ★
「あーははははは!見るも無惨ね鳥公ども! 生物兵器だろうがなんだろうが、私のメティスに敵うわけないのよ!」
作戦指令室に響き渡るシュエンの高笑い。耳障りこの上なく、バーニンガムは溜め息をつき、同席していたリサは呆れた目線を向けていた。『クソガキ』と揶揄されるくらいはアニスとネオンから耳にしていたが、高慢に踏ん反り返る様は想像以上に最低である。こんな品のない小娘が一大企業のトップだというだから尚、悪い意味で驚きでしかない。
「随分と余裕ですね。仮にもギャオス相手なのに…」
「あら、カウンターズの鉄くずどもの扱いが気に入らないの? 当たり前でしょ、あんな程度の連中が私の最高傑作と扱いが同じなわけないんだから。」
「…でも、あなたの窮地をカウンターズは幾度無く救ってきたとも聞いてます!」
「あァ゙? だから?」
まずい!? すかさず、フォローに入るバーニンガム。
「よせ、シュエン。この作戦も彼女の助力があってこそだ。無下には出来ない。
そして、客人。悪いが、これがアークだ。いくら功績があろうと彼等カウンターズには『力』が無い。だからこそ、力を持つ存在の理不尽に翻弄される…それがこの世界のルールだ。」
冷たく言い放たれる摂理。カウンターズは確かに実力はあるニケの部隊…しかし、言ってしまえばそれ以上でもそれ以下でもない。だからこそ、いくらアークの命運を左右する結果を出そうとも『権力』を持つ人間から踏みにじられ、『大事なもの』をこぼし、時には守ろうとしたニケにすら銃口を向けられた。
そんな辛酸を舐めさせられてきた事実は外様であるリサの知る由もないし、不条理に文句すらつけられないのである。
「これ以上の口出しは君を『客人』として扱えなくなる可能性がある。私としてもそれは望むところではない、わかってくれ。」
「…っ」
【!? D-WAVE反応増大!! 前線と連絡がとれません!】
「「「!?」」」
その時、シフティーから突然の通信。
異常事態を伝える一報に動揺が拡がり、今迄余裕をこいていたシュエンが跳ね上がりマイクに喰らいつく。
「ちょっと! なにがあったの!? 応答しなさい、ラプラス!マクスウェル!ドレイク!!」
響き渡る怒号…。その声に誰も応えない。
★ ★ ★ ★ ★ ★
「あれは……なんだ?」
ラプラスは曇天の切れ間から垣間見えた夜空を仰いでいた…
ギャオスを蹴散らし、マクスウェルの狙撃部隊とドレイクの援護を受けて後退していた彼女は突然に戦場へのしかかる空気に歩を止めた。そして、見上げた満月を背にする『人影』を見る。
…シルエットは女性。薄く虹色を帯びる翼は帯のようで
…月光に透かされた姿は神秘に近いにものを感じた
「……ニケなのか?」
『…』
ラプラスの呟き…その答えは彼女が伸ばした『触手』から繰り出さる超音波メスの嵐による報復によって与えられた。