NIKKE ―ガメラ超決戦―   作:ヒモトラマン・ロープダーク

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 お 久 し ぶ り で す


神話 Ⅲ

 

 

『グアアァ!!!』

 

『『ギャァァァ!!!』』

 

 

 アークに轟く怪獣の咆哮。 

 身を捩りガメラはネオギャオスの超音波メスを甲羅で受け流し、逃げようとした怪鳥目掛け体当たりをお見舞いした。大質量の直撃はいくら怪鳥のボスなれどひとたまりもなく、ビルの瓦礫もろとも馬乗りにされ…なんとか反撃しようと顔をあげた瞬間には片割れの脳天を踏み砕かれ血飛沫と肉塊が飛び散る。

 

『ギャギャァァ!?』

 

『グルァ!!』

 

 それでも足掻くネオギャオスの残る頭に鉄拳を見舞うガメラ。

 途端に眼球と脳髄をまき散らし、絶命…その残骸はカウンターズの周囲にも届きアニスは悲鳴をあげる。

 

「きゃっ!? な、なんなのよ今度は!?」

 

「指揮官、下がってください!」

 

 ラピは現れた新たな怪獣に銃口を向ける……

 

 

「待って…!」

 

 

 しかし、それを制止したのはリサ。戸惑うカウンターズだったが、彼女は目を輝かせ来訪者を見上げた。

 

 

「来てくれるって信じてた… ガメラ!」

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 ……あれは、ずっとずっと昔のまだ自分が幼い日。

 

 

 リサは疎開の途中でギャオスに襲われた。無力な幼子である自分は怯える以外は何も出来ず、人影も建物もろくにない田舎道で助けを求める術はなかった……

 

 しかし、『彼』は来た。

 

 

『グルァァァ…!』

 

 

 襲いかかろうとしたギャオスを一捻りし、慈しむような瞳がこちらを見据える。

 そして、隣で手を繋いでくれていた『おねえちゃん』が言った。

 

 

「―――ね? 言ったでしょ、ガメラは来てくれるって。」

 

 

 その首からさがるヒビ割れた勾玉の首飾りを握り、彼女は微笑む。

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 今、あの夏暁の時と同じように来てくれた…

 

 

 災禍を討ち祓う勇ましき咆哮がアークに響く。

 

 

 絶望の雨があがり、異界のこの地で久遠の神話が蘇る。

 

 

 

 

 

『グルァァァァ!!!』

 

 

 

 地を蹴り轟かせ立ち向かうガメラ。次々と押し寄せるギャオスやその変異体たちを力強くで薙ぎ払い、時に火球で焼き尽くしながら一騎当千の戦いを繰り広げていった。映画のフィルムでしか存在しないような怪獣同士のぶつかり合いは神話のワンシーンがそのまま現れたようで息を呑む。

 

 

「凄い……ギャオスたちがあっという間に… あれが…ガメラ…」

 

 

 ラピは目を奪われていた。ニケの銃火器すら耐えるギャオスの外皮を容易く灼きはらい、巨体を容易く捻じ伏せる…あの巨大な生命に比べれば自分たちの武器なんてあまりにちっぽけじゃないか。勝利の女神とかつては囃されたニケなんて本物の神に匹敵する存在には文字通りに足元にも及ばない。

 そんな中、指揮官の通信機への着信音が鳴り響く。

 

 

【……ご無事ですか指揮官!?】

 

 ―――シフティーか! そちらは平気か?

 

【はい、一時的に通信網がダウンして… いえ、それよりもあのギャオスと戦っているあの怪獣に巻き込まれたら危険です!すぐに退避を…】

 

 ――いいや、あの怪獣…『ガメラ』は我々の味方…のようだ。こちらを襲う心配はないらしい。

 

【は、はい?】

 

 

 困惑するシフティーだが、実際のところガメラはあくまでギャオスたちを攻撃するのみでニケや人間を狙う素振りは見せない。前哨基地でリサから聞いた『守護者』と呼ばれた異界の怪獣…ギャオスを『群』とするならこちらは圧倒的な『絶対なる個』。卑劣な爪や空を裂く残忍な超音波メスすらものともせず、彼の炎はアークに蔓延る害獣たちの数を削っていく。

 

 

「! 指揮官様、あそこ!!」

 

 

 その時、アニスが指をさす。怪獣の戦う足元の程近く、こちらへ走ってくる人影………あれは…

 

 

「「先生ッ!」」

 

 ―――ティア、ナガ!?

 

 

 銃火器を持つ女子高生ニケの2人組…その後ろには一般人とおぼしき集団。恐らく救護活動に当たっていたのだろうが、頭上から迫る不吉な影。大口を開けた巨大なギャオスが彼女たちを纏めて呑み込もうとしていた。

 

 

『ギャァァァ!!』

 

 ―――! 危な…

 

 

 

『グルァアア!!』

 

 

 その時、ガメラが割って入りギャオスを受け止める壁となる。まるで逃げる彼女たちを護るように踏ん張り、怪鳥の頭を抑えつけると逃げるティアとナガ等を一瞥。そのまま、脚を引っ込めジェット噴射…再びギャオスと共に空へと舞い上がる。

 戦いの舞台はアークの空へ。ガメラが火球を吐き、次々とギャオスの群を撃ち落としていく。火球は若干ながら誘導性があり、更にはアークの狭いエターナルスカイでは巨大な翼と数の多さも災いしてギャオスには逃げ場がない。直撃を受けた個体が文字通りに焼き鳥に成り果てアーク市街へ落下していった。

 

 

『グルルル……!』

 

 

『『ギャァァァ!!』』

 

『!?』

 

 殲滅まであと一息…というところまできて地上からの超音波メスを喰らうガメラ。バランスを崩しながらも視線を向ければ、頭が半壊しながらも立ち上がるネオギャオスの姿が。ええい、しぶといヤツ…トドメはしっかり刺さないといけないらしい。

 

 

『グルルァッ!』

 

 

 

 ――ならばッ! 弧を描き、勢いのまま着地・滑走するガメラは右手に炎を迸しらせた。瓦礫やアスファルトを巻き上げ突き出す一撃は灼熱の矛…ネオギャオスは超音波メスを放ち続けるが弾かれ減速させることすら敵わず、正義の鉄拳が眼前へと迫るッ!

 

 

「――あれは、まさか伝説のゴッド・フィ…!」

 

「馬鹿なこと言ってないで逃げるわよ!?」

 

 

 あわや巻き込まれる寸前になるネオンを引っ張るアニス。

 直後、ネオギャオスの胸にガメラからの必殺の一撃。今度こそ息の根を完全に止めるべく怪鳥の肉は内部から一気に灼き尽くされ、つんざくような悲鳴をあげながら一瞬膨張するとネオギャオスは蘇生の余地が無いまでに爆発四散……

 

 そして、一帯が余波で火が燃え移る中でガメラの勝利を告げる雄叫びがアークに響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

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