NIKKE ―ガメラ超決戦―   作:ヒモトラマン・ロープダーク

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 盲☆腸(白眼)※近況

 お気に入り、評価、ありがとうございます。
 最近、やっとスノホワが来ましたー…



稀人 Ⅱ

 

 …ある時間軸の話。

 

 嵐の夜………ある孤島の漁村で住人が忽然と姿を消した。

 漁村に残されたのは壊された家屋に鼻が曲がるような臭いを放つ汚物の山。すぐに調査隊が送られ発見されたのが怪鳥…後に『ギャオス』と呼ばれる存在だった。

 

 人類は古代生物の生き残りと騒ぎ立て捕獲に乗り出した…ものの、ギャオスの異常な成長速度と凶暴性に失敗。挙げ句の果てに多くの人間が奴等の餌食になった。それを皮切りに、人類の前に怪獣やギャオスとその変異体は現れ続け、その生息圏を徐々に奪われていき十数年………

 

 

 

 

 地上はギャオスに蝕まれつつあった。

 

 

 

 

 

 

「鏑木! 鏑木、ちゃんとついているか?」

 

「は、はい!!」

 

 暗い地下鉄の線路を進む迷彩服の一団…その中にはリサの姿もあった。重い荷物に銃火器、疲労でパンクしそうになるくらいだが弱音は吐いていられない…周囲の屈強な男たちに置いていかれないよう足は前へ出す。

 

「気を緩めるな。もうこの上はギャオスの営巣地域だ。作戦はここからが本番だぞ。」

 

 前方で指揮をとる隊長に尻を叩かれる形で部隊は前進する……足場に視界も悪いが、地上よりはマシ。こんな人数で固まって動こうものならあっという間にギャオスのエサだ。

 では、彼彼女らはこんな危険地帯の真下をどうして這い回っているのか?

 

「ちっ、何が悲しくてこんな鼠みたいな…」

 

「仕方ないだろ。誘導弾の類は撃ち落とされるし、戦車は空飛ぶ奴らの前には棺桶も同然。だから、俺達歩兵が親鳥の目を盗んで卵を巣ごとドカンとやるしかねえんだ。」

 

「わかってるよ。でもなぁ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ―――『ガメラ』がいれば……

 

 

「「「「!」」」」

 

 

 リサがふと小さく呟いた一言… その途端に空気が凍りつく。

 『あ…』と気がついた時にはもう遅い。前方の隊長から鋭い視線が飛んでくる。

 

 

「鏑木、個人の心情に指図するつもりはない。だが、状況を弁えろ。ガメラが人類の味方なんぞという迷信は士気を落とすだけだ。」

 

「…っ」

 

「ま、まあ大将!そんな目くじらたてなくたって!こんな状況だからこそ神でも仏でもガメラでも縋りたくなりますって!」

 

 すかさず隊員が庇ってくれたおかげで事なきを得たが…部隊の空気は更に悪くなる一方。リサは俯きまた歩き出すと後方からヒソヒソと話し声が耳許へちらつく。

 

 ――確か隊長ってご両親をガメラとギャオスの戦いで亡くしてるんだよな。なら、怒るよな普通。

 

 ――でも鏑木ちゃん、小さい頃はガメラに助けられたとか言ってたから…ついポロッと出ちまったんだろうな。

 

「…」

 

 迂闊だった。自分を戒めつつ、部隊と共に前へ進むリサ。今、イザコザを起こしている場合ではない、今回の作戦は人類の命運を左右する作戦のひとつになるのだから。

 

 

 

 

 ……それから、数時間後

 

 

「よし、地上だ。周囲に敵影なし。」

 

 部隊は地下鉄の出入り口から外へ。久しぶりの空はのしかかるような曇天で景色はズタボロの廃墟の羅列…形容するなら死んだ街。かつては人の栄華を誇ったこの一帯は見る影もない…

 

 代わりに巨大か楕円状の白い物体が瓦礫の山に敷き詰められたものがあちらこちらに。爬虫類や鳥の産卵した後のようだが、産まれてくるのはいずれ飛びたち人に牙を剥く厄災そのものだ。

 

「ギャオスの卵…こんなに沢山……」

 

 息を呑むリサ。此等が一斉に孵化して雛鳥が成長してと考えたらゾッとする。もしそうなれば、この卵の倍々の数の人間が餌食になるのだろう…しかし、怪鳥であろうと親鳥がいない卵など無防備な物体でしかない。

 『はじめるぞ…』と隊長の指示が降りるや、隊員たちは巣それぞれに散っていき卵に機械の箱をつけていく。

 

「これで一網打尽だ。親鳥が帰って来る前に手早く済ませるぞ。」

 

「ああ、こんなところ生きた心地しねえや。」

 

 そして、箱のスイッチを入れるとまた次の巣へ向かう隊員たち。卵につけているのは爆弾…それも強力なもので巣ごとふきとばし、人間なら木端微塵になるような威力の代物。リサたちの部隊はギャオスの巣をこれで壊滅させる任務を帯びてここまで来たのだ。

 

「はやく設置しないと……」

 

 リサも手短な巣へ爆弾の設置へ向かう。

 偵察部隊の事前情報によれば今は孵化した幼体はいないし、親鳥も出払っているまたとない機会。卵は襲ってこないし万一、幼体に遭遇しても産まれたばかりの個体なら銃火器で対処できる。成鳥を相手するよりはずっとマシ……

 

 

 

 

 

 

 ――カリカリカリ…

 

 

「え?」

 

 …不吉な音がした。

 

 何処から? 引っ掻くような音は卵から…

 

 

「…まさか。」

 

 グラグラと揺れる白い楕円…そして………

 

 

 ――バリバリバリバリ!!

 

 

『ギャァァァ!!』

 

 殻を破って産声をあげる厄災の雛鳥。粘液を滴らせながら、親と変わらぬ汚い鳴き声を発して殻から抜けだそうもがいてでいる。恐らく出てきたら3メートルは超えるだろう。

 

「…孵化だ!卵が孵った!!」

 

 すかさず、爆弾を手放して銃火器を構えるリサ。産まれた雛鳥に爆弾をつけるのは無理に等しいが、産まれたばかりなら弾丸を叩き込めば殺せるはず。

 だが、事態はさらなる悪化をはじめていた。

 

 

『ギャァァァ!!』

 

『ギャァァァ!』

 

「な、なんだ!? 卵が次々と孵りはじめたぞ!?」

 

「クソ、まだ孵化まで時間があるんじゃなかったのかよ!う、うわあああ!?!?」

 

 卵が…まるで、呼応するように次々と孵化をはじめたのだ。孵った雛鳥たちは隊員たちが次々と撃ち殺していくが、間に合わなかった殻を破った個体たちは騒がしい生き餌の存在を感知するや飛びかかり喰らいつく。

 瞬く間に阿鼻叫喚の地獄絵図。最早、巣の爆破どころではない。

 

「退却! 地下鉄駅まで戻れ!!」

 

 隊長の怒りまじりの命令が響き、すぐに走りだす隊員たち。リサも続いて駆け出すもその周囲はギャオスの雛鳥たちで埋め尽くされはじめ、隊員たちがまたひとり…またひとりと悲鳴をあげながら餌食になっていく。

 振り向いてはいられない、立ち止まってもいけない。自分もあの犠牲の羅列に加わりたくないのなら歯を食い縛って……

 

「鏑木、こっちだ!急げ!!」

 

 地下鉄駅の出入り口で手招きしている隊長たちが見える。あと少し……

 

 されど、現実は非情に牙を剥いた。

 

 

 

『ギャァァァ!!!』

 

「!」

 

 頭上に被さるより一層、巨大な影。

 恐れていた『親鳥』の来襲だった。全長、100メートルに及ぶ成鳥は部隊の生き残りが待つ地下鉄駅の入口を踏み潰しながら着地するとリサを見据える。もう逃げ場は無い。

 

「あ、ああ……」

 

 ジリジリと迫るギャオスたち。

 自分も八つ裂きにされるのだ。食い千切られ、終いに汚物にされて吐き出される…今まで犠牲になってきた人類のように。

 

「なら、せめて一羽でも道連れに…」

 

 覚悟したリサはグレネードを握る……その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グルァァァァァァァ!!!』

 

 

「!」

 

 突如、ギャオスのものとは違う咆哮が轟いた。

 

 そして、ギャオスの巣を踏み潰して着地する巨大な影。山のように大きく、屈強かつ堅牢な巨体…憤怒に滾る眼光は長年のギャオスとの宿命を物語る。

 

 ああ、知っている…… 『彼』の名は…

 

 

「……が、『ガメラ』…」

 

『グルァァァァアアアア!!!』

 

 

 

 次の瞬間、リサの視界は眩い光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

「それから、気がついた時にはこの世界にいたの…何が起こったかは全然わからないけど。」

 

 病室にて……

 リサはカウンターズから聞き取りを受けていた。アークに到着するなり、メディカルチェックに回されその流れで前哨基地の病院に放り込まれ気がついたら一夜が明けていたのである。そして、朝起きるなり今度はカウンターズからの聴取の時間とされこの世界に転移する直前までの経緯を話していた。

 

 その内容はラピがタブレット端末に手際良くメモをしながら質問を考える。取り敢えず、一番気になる点は…

 

 

「リサ、貴女が言っていた『ガメラ』と言うのは?」

 

 

 ガメラ…

 

 会話の中に突然出てきた存在に首を傾げていたのは指揮官、並びに程よく茶化してフォローしようなんて考えていたアニスとネオンも何それ?と戸惑っていた。それに対し、説明をするリサ。

 

「ガメラはね、人間と一緒にギャオスと戦ってくれた怪獣なんだ。トカゲみたいな頭をしていて、人間みたいに二足歩行なんだけど…口から火を吐くし、頑丈な甲羅を背負っていて、あと回転して空も飛べる!」

 

「「「…」」」

 

 ――…

 

 は?

 もたらされた情報にカウンターズは愚か、大抵のトンチキや理不尽には慣れていたと自負していた指揮官すら言葉が出てこなかった。キラキラとした顔で語るものだから嘘ではない…はずなのだが…

 

「なに?そんなギャグみたいな生き物がいるの、そっちの世界?」

 

 思わず口から漏らしてしまったアニス。ギャオスとだいぶ温度差がある姿な気がしてならないが…

 

 取り敢えず、スケッチブックを取り出したネオンがササッとイメージ図を描き上げる。最も、子供の落書きクラスよりまだマシの出来だが…二足歩行の亀だろうか。

 

「えっと、こんなかんじでしょうか。」

 

「うん、そんなかんじ。凄い、私だけの話ですぐこんな形に出来るなんて。」

 

 マジかよ。なら、なんで最初から二足歩行の亀とか言わなかったんだコイツと思うアニスだったが、えっへんと誇らしげなネオンの顔のほうがムカついたのでスケッチブックを取り上げて閉じることにした。

 さて、ガメラの外見はわかったことだが…大事な問題はまだある。

 

「そのガメラというのは人類の味方なの?」

 

「私はそう信じてる。ガメラは人間が好きなはずだから。」

 

「…(『信じている?』……彼女自身の主観的な見方ということ?)」

 

 ラピは情報を吟味する。やはり、ギャオスは彼女の世界から来てラプチャーと匹敵する脅威として人類に立ち塞がった。これはまあ良いとしてガメラという存在が絡むや否や、彼女のトーンが明るくなり…ガメラなる存在へ何処か心酔しているようにも感じた。人類に味方する怪獣、そんな都合が良い存在が居るのだろうか?

 

 なら………と指揮官が彼女に問う。

 

 

 ――そのガメラはこの世界に来ているのか?

 

「…」

 

 途端に顔が曇るリサ。人を護る怪獣…その存在が来訪しているかどうかは彼女の表情が答えだろう。

 

「……私がこの世界に来てからガメラは見てないです。でも、ギャオスが来ているなら可能性はあると思います。」

 

 ――そうか。

 

 指揮官は頷くとラピにアイコンタクトを送り、彼女も了解し『少し離席するよ。』とその場を任せて退席。病室を出ると白衣を着た紫髪の眼鏡をかけたニケが壁に寄りかかり、彼を待ち受けていた。

 

「やっほー、7号。来訪者様の様子は?」

 

 ――エーテル。

 

 ニケでありながらアークの発展の『闇』を担う科学者…エーテル。彼女が来たのはリサの経過観察と他に報告があるからだろう。

 

「ああ、経過の報告はいいや…どうせ、問題ないでしょ? …で、あと取り敢えずラピと一緒に来てくれない? 徹夜ぶっ通して色々分かったんだよ……ギャオスについてね。」

 

 ――!

 

 

 

 





Q.レギオンは出る?
 申し訳ないが、レギオンは出せない。 
 あれが出たらニケ世界に特攻が過ぎてガメラが来る前に詰みになる可能性があるので…

Q.ギャオスはなんでニケ食べたの?
 普通に人間だと勘違いして食べてます。勿論、殆ど消化出来ず最終的には汚物と一緒に吐き出します。※ギャオスは肛門が無いので排泄物にあたる汚物を吐き出します。

Q.リサの世界は?
 平成ガメラシリーズに極めて近く『4〜真実〜』に分岐せずに年数が経過した大量発生するギャオスに侵されている世界。ガメラは生きているものの、回復が間に合わずほぼ瀕死で戦い続けその活動は数ヶ月に不確かな目撃例があるかどうかほど。ポストアポカリプスが目前に迫りつつあり、文明は徐々に衰退していっている。








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