ゼロが幻想郷から帰るまで   作:エグゼ4のエアホッケー

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気づけば1週間経ってました。時間の流れが速すぎる。

買った実機のファルザー版にオテンコサマとガンデルソルEXが入ってました。やぴー
それで、フォルダ作って監修者を驚かせました。
これがかなり前のこと。

時の流れを感じます。


第二話

「貴方、何てヒドイ物を掴まされてるの」

 

 ここまでの経緯をたかねに説明した後、直ぐにこの言葉を言われた。

 ゼロが手に入れたカードを何処でも手に入るま凡庸なアビリティカードとたかねは言う。

 

 ゼロとしてはそもそもこれがアビリティカードと呼ばれている事すら今初めて知った。

 なんでも、幻想郷に住む人の能力の一部を目に見えない力を注ぐことで発動できるトレーディング的なカードらしい。

 

 たかねはゼロがさっき購入したレーザーが撃てるアビリティカードを右手の人差し指と中指で挟み、左手で肘をつきゼロを見ている。

 その目は、まるで成長しない駄目な弟子を見る師匠の目をしていた。

 

 呆れ果てて何も言えないという態度を前面に出し、どうしたものかと思案をしている。

 

 ゼロも戦闘用レプリロイドとして作られた存在な為、経済に関する知識や交渉事は出来るはずもなかった。

 だから、あの時どうすれば良いのかわからなかった。

 

「貴方がアビリティカードを使えるとか、商売事が苦手どころか金銭感覚が全く無いこととか、言いたいことは多くあるけど…」

 

 たかねに大きな溜息をつかれた。

 より大きな溜息をもう一度ついた後、席を立ちゼロを指差すと、

 

「ここでは働かざる者食うべからず。何が何でも、貴方にビジネスを学習してもらうよ。戦闘が出来るのに経済知識が皆無とか勿体無いからね。」

 

 困惑した。今まで戦闘用として敵を倒す事しかしてこなかった者に、お門違いな事をさせようとする考えを理解できなかった。

 

「戦闘用のレプリロイドのオレに、何をさせようというんだ。」

 

 たかねは人差し指だけ上げて、楽しそうに頬の近くでクルンと回すと、その方が得でしょという態度で

 

「山童は慈善団体じゃあない。しっかり学んで、元手の十倍にも百倍にも増やせるようになって貰うよ」

 

 面倒事に巻き込まれた感が否めないが、それでもこの世界にいる間、世話になる相手の言うことは聞いておこうとたかねの提案に渋々承諾した。

 まあ、経済活動の薄れた世界にいたゼロに充足の学習が出来るとは、本人すら思っていないが。

 

 

【挿絵表示】

 

 

ーーーーーーー

 

 それから毎日たかねによる経済講座が始まった。

 

「インフレを防ぐ意味?単純に貴方の貯蓄してきたお金の価値が下がるからよ。」

 

「なぜビルトインスタビライザーを対応策に含めてないの?景気を調整する基本よ?」

 

「だ〜か〜ら、ステークホルダーを考えてないから、生産性が低下して利益増えないの!」

 

「CSRを放棄したら、自然保持のため妖怪の山から追い出すよ。」

 

 毎日、半日…

 

「デフレのメリット?高価な製品が安く売られる事よ。」

 

「金利を上げてお金を借りさせなくすることで、製品の供給を減らし過剰なインフレ防ぐのよ。」

 

「え、河童が攻めてきた?今すぐに債券を発行しなさい!」

 

「無職が多い?公共施設の建設依頼を出して人手不足にするよ。」

 

 来る日も、来る日も、帰れぬまま。

 気づけば一月が過ぎていた。

 

ーーーーーーー

 

「これで半人前ね。実践にいくよ」

 

 そう言うとたかねは経済学のテキストを閉じた。そして、ゼロに多くの資料を手渡した。

 

「…今度は何をするつもりだ。」

 

 ゼロが資料に目を落とすと「特別指定施設の営業許可書」と記載されていた。

 どうやら、とんでもないところで商売させられるらしい。

 

「山童が容易に商売できない場所、酔っ払いと暴力が日常茶飯事の賭博場で商売して貰うわ」

 

 …とんでもない所を任されたものだ。諍い事に揉まれながらカードと軽い飲食物を売るなんて、…至極面倒だ。

 それに飲食物の仕入れはゼロに全て任されている。初めての実践にしてはかなり重い仕事だった。

 

 元手として50枚のアビリティカードと10000のお金を手渡された。

 

「取り敢えずこれを5倍、いや10倍に増やしてきてね。」

 

 とんでもない所を任された上に無理難題まで押し付けられた。

 考える時間すら与えてくれずに、たかねはゼロの背中を両手で押しアジトの外に追い出すと直ぐに扉を閉じ鍵をかけた。

 

 ゼロは材料の仕入れしに行くしかなく、トホトボと歩き問屋へと向かった。

 

ーーーーーー

 

 気づけば馴染みになっていたある山童の問屋に着いた。

 気のいい店主に迎えられ折り畳みのテーブルと椅子、いくつか酒瓶と予算内で肴を購入する。

 

「もう実践かい。まだ一月しか経ってないというのに。」

 

 店主はそう言うがゼロにとっては《もう》だった。早く帰りたいのに帰れないジレンマ、博麗の巫女からの連絡もない。それでもここで生きるには無職ではいられない。

 ゼロは少しだけ疲れていた。

 

 応援のつもりか少しだけまけてもらった上に良さげな酒瓶を一つオマケでつけてくれた。

 やるせない気持ちは変わらないが、それでも溜息を吐くよりも生産的だった。そうと考えるしかなかった。

 

 賭博場があるのは妖怪の山の中腹。最低限の準備を済ませたゼロは、賭場の管理人との待ち合わせ場所の偽天棚と呼ばれる駒草咲く高原に向かった。




ゼロ(初出:この場合なにをもって初出という?)
この作品における主人公。
シエルにより目覚めさせられた存在。
レジスタンスと共にネオ・アルカディアと闘った。

この作品におけるゼロさんはオール100点で全てのステージを踏破した猛者である。

――――――――――――――
次回分で書き溜めがなくなります。
次次回からは気長にお待ち下さい。

次次回分を執筆しています。金平糖でも食べながらまったりお待ち下さい。
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