ゼロが幻想郷から帰るまで   作:エグゼ4のエアホッケー

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気づけば一ヶ月経過していました。本当にすまないと思っている。

今後は一ヶ月に一話のペースになると思います。

エグゼ6アドバンス実機の中古価格が1000円を切りました。これがアドコレの影響か…。

エリスチ*ほしいなぁ。


第四話

「チッ」

 

 ゼロは舌打ちをすると、保険で持ってきていたセイバーを取り出し片手を軸にテーブルを越えた。

 その勢いのまま吹っ飛んできた障子を斬り伏せ、吹っ飛んできた人物の襟を空いた手で勢いを殺すように掴んだ。

 

「大丈夫か?」

 

 掴んだ相手に安否を尋ねると返事がない。

 目を回し気絶しているようだった。

 辺りが騒がしくなり始めた。しかし視線の先はゼロ本人ではなく、片手に握られている人物に向けられていた。

 

「おい…あいつ人間だぞ。」

「なんでこんなところに…」

「覚悟があってここに来てるってことだよなぁ…こりゃあ。」

 

 段々と野次馬連中が集まりだし騒々しくなってきたぐらいだった。障子が吹っ飛んで無い部屋の奥から一人の妖怪の男の声が響いた。

 

「店主さんや、その手につかんでる奴こっちに寄越してはくれんかぁ?」

 

 このままコイツを渡すととロクでもない扱いを受けるのは目に見えてわかる。

 どうしたものかとゼロが思案するが、痺れを切らした妖怪の男はゼロに対し攻撃の姿勢をとった。

 その様子を見て対話での解決が不可能だと察したゼロは、瞬時に現状最適なアビリティカード1枚をスロットに挿す。

 男が駆け出したと同時にゼロはセイバーを差が出に持ち替え、男がほぼ目の前にまで近づいた時にセイバーを床に突き刺すと、男の足元から身長程の大きさをした要石が突出した。

 

 もろに要石を踏んでいた男はその勢いのまま天井に突き刺さった。

 

 場がコメディテイストの静寂に包まれた。

 

 ゼロも相手の攻撃をいなす為に出したモノが一撃必殺になると思わず、思考が止まってしまった。

 

「いったい、なんの騒ぎだ。」

 

 そう言いながら、駆けつけてきた駒草の眼の前に広がっていたのは天井に突き刺さった妖怪、天井を見つめる大量の野次馬、そして要石の影で人間の襟を掴み床にセイバーを突き刺し天井を見つめるゼロだった。

 

 駒草は扇子を頭を当てため息をついた。

 とりあえず場を整えようと野次馬を押し退けゼロの前に行った。そしてこちらに意識を向けるために咳を2回ほどした。

 

「何があったかわからないが、その人間こちらに渡してくれないか?」

 

 その言葉で正気に戻ったゼロはこの状況をどうしようかと考えあぐねた。

 その間、駒草はパイプを取り出し煙を蒸かした。煙が部屋に程よく充満すると周りに集まっていた野次馬連中があっという間に散開した。

 今迄の騒ぎが嘘のように人々が元々するはずだった行動に戻った。まるでここでは何も起こっていなかったかのように。

 

「その人間は人里の賭場にもよく来る人です。今日は人里で賭場を開いてないのでここまで来たのでしょう。本当に何のために里で開いてると…」

 

 先程までの雰囲気より幾分か柔らかくなった態度で駒草はこちらに語りかけた。

 その言葉から預けても問題ないだろうと思ったゼロは片手で掴んでいる人間を渡そうとした―

 

「なんの騒ぎだ!」

 

 賭場の入口から青い衣装を纏った女性が現れた。

 三脚を肩に担ぎ、金の肩当てを着け高下駄を履いた女性が此方に歩いてきた。

 

「尋常ではない騒ぎが聞こえたが、どういうことだ駒草太夫?」

 

 駒草は一瞬嫌な顔を浮かべたが、すぐにその表情をなかったことにして笑顔で目の前の女性に対応した。

 

「あぁ、少し鼠が紛れ込んでただけですよ飯綱丸大天狗様?」

 

飯綱丸 龍

Iizunamaru Megumu

~鴉天狗の大将~

 

 大天狗と呼ばれる彼女はゼロの方に視線を向けることは無く駒草と話を続けた。

 

「お前が騒ぎを卸せないとは…賭場の管理お前だけでは不十分ということではないか?」

 

「今回は少しばかりイレギュラーがあっただけです。そんな天狗の皆様にお手を煩わせる必要なんてありませんよ。」

 

 打算的な声色で相手を問い詰める飯綱丸に対して、駒草は居座られると面倒という音を載せて対応する。

 それを理解した上で飯綱丸は駒草から利を引き出そうとする。

 ゼロを無視して進む問答にもう商売に戻ろうかと考え始めたとき、座席からそろーっと去ろうとしてる客がいた。

 ゼロはお客の肩に手を置くと、

 

「おい、飲みの代金は?」

 

 客がびっくりしてゼロの方へ顔を向けると机の下の段を指さした。

 

「あっ、ああ。そこに置いてますよ。」

 

 釣り銭があると困るので少し待つようにゼロは客に伝えるが、代金丁度だからとか最悪お釣り有ったら取っといて構わないからなどと言いこの場から離れようとした。

 するとこちら騒ぎに気づいた駒草が来て、客の腕を引っ張ると飯綱丸の前に連れていった。

 

「お宅の狐が紛れ込んでいたのですが、どういうことでしょう、大天狗様?」

 

 飯綱丸は納得の表情になりため息を吐いた。そして客の頭に三脚を振り下ろした。

 

「何してるんだ、なぁ典?」

 

菅巻 典

Kudamaki Tukasa

~耳元で囁く邪悪な白狐~

 

「私はただ休暇を楽しんでいただけですが?」

 

 そう語る狐は余裕綽々の表情だった。まるで自身は休日を台無しにされた被害者かのように。

 だが、そう答えた典を駒草は疑わしい目で見ていた。というか典が原因だろうとある程度の目星をつけていた。

 飯綱丸は下を向きなにか考える素振りをするとほんの少しばかり笑みを浮かべた後に、視線を駒草に向けた。

 正直、ゼロはノルマを達成しないとたかねにどやされるのでさっさとカウンターに戻りたかったが、客を連れて行かれたので離れられなくなった…。

 

(今日の為に、早起きして準備してきたんだが…)

 

 問答は止まりそうになかった。場を静寂が支配する中で駒草は典に一言放った。

 

「今回の事態、お前の仕業だろう?」




飯綱丸 龍(初出:東方虹龍洞)
烏天狗や白狼天狗の上司。典は直属の部下。
星空を操る程度の能力を持っており、虹龍洞で起きた異変の元凶の一人。
アビリティカードはこいつの金稼ぎの商材として作られた。
天狗社会は厳しく、こいつが元凶とわかった瞬間文も真実を隠蔽せざる負えなくなる。詳しくは酔蝶華の赤い雪の話をご覧ください。
――――――――――――――――
典の紹介は次回で。

監修者が絵を描いてくれたのであらすじとプロローグ、第一話に挿絵が入ります。
後、第三話を加筆修正しました。
良ければご覧下さい。

監修者絵が上手いのでみんな見てほしい。
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