ゼロが幻想郷から帰るまで   作:エグゼ4のエアホッケー

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前回よりは早い投稿です。(当社比)

今回は少し遊び心を入れてみました。
どうぞ楽しんで悩んでみてはいかがでしょう。

ショートインビジ大嫌いな作者が送る第五話です。
ホワイトカプセル沢山仕込まないと。


第五話

「駒草太夫、お前の意見を聞こうじゃないか。」

 

 飯綱丸は不敵な笑みを浮かべ言った。

 典の行動に不自然なところなど一切ないという自信を持った表情をしていた。

 

「因みにだが、今日の休暇は先々週ほど前から決まっていたことだ。突発的なことではない。」

 

 あくまで典は関係がないという態度を取る飯綱丸。それに対し、駒草は依然として典に対する容疑を外さない。

 

「ほう、では一昨日人里の賭場にこっそり来ていたのですがそれも休暇だと?」

 

 その言葉に少し目を見開くと、直ぐに表情を戻し顔を典の方に向けて、

 

「人里に仕事を頼んだとき寄り道していたのか。典、これは別件としてあとで問い詰めるぞ。」

 

 典は顔を引きつらせたのち、反省の色が薄い謝罪をした。

 正直、空気になっているゼロだが一寸質問したいことができた。

 典は花札で損したのちにチンチロで利益を得たと言っていた。しかし典はいつから賭場にいたのだ?ゼロは賭場が誰もいない時から設営と仕込みをしていた。

 その上、接客していたとしても他の客より身なりが整い、白い衣装を纏った人物が花札の会場を出入りしたのちチンチロの会場を出入りしたのにカウンターに来るまで一切印象に残らず覚えていないというのはどういうことなのだろうか。

 取り敢えず最初の疑問について尋ねてみると典は、

 

「休暇を取ったと言っても午後休暇。午前は仕事をしていたので昼九ツ半ぐらいですね。」

 

 現在の時刻は昼八つである。ゼロの世界に直すと昼九つ半は13時位。そして昼八ツは14時である。

 ゼロの典に対する疑惑が更に高まった。典がカウンターに来た時刻を正確にはわからない。

 だが、2皿分の料理と徳利2つ分の酒を空にした上で退店しようとしていた。

 料理は定価が高い料理な為まあまあの量があった。その上日本酒も熱燗で出したので提供まで時間がかかっている。

 

 …これだけでは典を追い詰めるのに情報が足りない。

 典の出入りを見ていないのも見逃しただけと切り捨てられるだろう。

 録画ができるカメラがない幻想郷で見てないことの証明はできないし証言にすらならない。

 何であろうといることの証明は簡単だが、いないことの証明は不可能に近い。ほとんど手詰まりだ。

 

 「本来今日は色んな遊戯をちょっとずつ楽しもうとしてたので短時間で切り上げてましたから。」

 

 ゼロがあれこれ思考を回す中で、聞いてないことまで言って更に情報を付け足す典。あくまで自身は無関係という態度を貫くそうだ。

 駒草があれやこれやと反論や質問するが典ものらりくらりと受け流す。飯綱丸の援護もあって中々に厳しい状態を強いられている。

 

 現状、ゼロには質問して情報を引き出すことしかできなかった。取り敢えず騒ぎの間なにをしていたのか、どれだけ賭場で遊んだのかについて尋問してみることにした。

 

「騒ぎなんて何時もの事なので、食事を続けていましたね。埃で料理が台無しにされたくなかったので。」

 

「花札は損した時点で切り上げました。チンチロは損を帳消しにするほど利益が出たので損する前に止めましたね。」

 

 殆ど時間稼ぎにしかならない微妙な質問しか出来ない、得られた答えも良いものとは言えない。気づけば駒草の協力をしていたが、どう見たって典の行動には怪しかった。

 

「もういいか?典の容疑を裏付ける証拠もないんだ。これから私も忙しいし帰ってもいいだろう?」

 

 飯綱丸は帰る準備をし始めた。今回の騒ぎから賭場の管理状態を見直す必要ありとし、飯綱丸による介入もやむなしだと考えを告げた。

 どうしょうもない状況であったが、そこで止まるゼロではなかった。

 

「最後に今日の1日流れについて証言してくれないか。」

 

「…ほう。構わないが、それで典の仕業と証明できなかったら貴様にも身を切ってもらうぞ。」

 

「…かまわん。」

 

 最後にゼロが掴んだ唯一のチャンス。この証言で何も進展が得られず典の犯行を証明できなかったらゼロだけではない、もしかしたらたかねにも被害が向くかもしれない。

 それでも、ゼロはここで引くわけにはいかなかった。巻き込まれただけだが、たかねの言う商機に繋がるチャンスがあるのならここに賭ける。

 

 

~菅巻典の証言~

 

一、「私、午前中は仕事をしていました。飯綱丸様の補佐や事業資金管理などです。」

 

ニ、「その後、軽くお昼を済ませて賭場についたのが昼九つ半。最初に向かった花札で損をしてしまいましたが。」

 

三、「大損する前に切り上げて隣のチンチロに向かいました。そこで驚くほど勝てたので損する前に切り上げました。」

 

四、「会場を出て目の前に有ったあなたの店で勝てた分料理と酒を頼んで、そこにいたお客にチンチロで勝てたことをお話しましたね。」

 

五、「そして騒ぎが起きましたが気にせずに料理を食べて会計して帰ろうとした。これで以上ですよ?」

 

 

 …証言が終わった。ここから典の容疑を確定させること出来なければゼロは終わりだ。ゼロは今持っている手札を脳内回路で確認した。

 

 典が頼んだ料理と酒。

 今日の行動。

 一昨日の行動。

 ゼロの手提げ金庫。

 アビリティカードの在庫。

 気絶したままの人間。

 天井に突き刺さった妖怪。

 

 …これを見た誰もが思うことだろう。

 これでどうやって戦えばいいんだ?

 

 飯綱丸がゼロの方を向き問いかける。

 

「さあ、答えを聞こうか外来人?」

――――――――――――――――――――――

イ、典が頼んだ料理と酒

まあまあ値段がする料理二皿と徳利2つ分の酒

 

ロ、今日の行動

詳細は典の証言に。ただ、賭場に来てから1時間ぐらいしか経っていない。その中で花札とチンチロ、食事をしている。

 

ハ、一昨日の行動

駒草曰く、仕事の途中で人里の賭場に寄り道していた。

 

ニ、ゼロの手提げ金庫

今日の会計に使っていた金庫。本日稼いだ利益とお釣りが入っている。

 

ホ、アビリティカードの在庫

アビリティカードは残り片手で数えるくらい。騒ぎを鎮めるために使ったカードはここから。

 

ヘ、気絶したままの人間

無謀にも妖怪の賭場に来た人間。案の定バレて死にかける目にあっている。人里の賭場にもよく来ていたらしい。

 

ト、天井に突き刺さった妖怪

ゼロがアビリティカード「忍耐の要石」を盾として出現させたはずがそれを踏んで自爆した妖怪。無様。




名前:菅巻 典(初出:東方虹龍洞)
 自称白狐、正式な種族は管狐。虹龍洞で大体悪いのこいつ。
 管狐は利益を齎す代わりに破滅も齎すハイリスクハイリターンな妖怪。
 飯綱丸を主人としており、飯綱丸の利益のために動く。
 飯綱丸の利益の為なら了解なしに行動することもある。この小説における典の行動原理もそれ。
 コイツの一番の問題点は相手を話術で誘導してる点である。本人は一切手を下していないので厄介極まりない。

―――――――――――――――――――――
今回はちょっと逆裁テイストでお送りしました。
書いてる側も楽しくないと続かないからね。
まあ同じCAPC○Mだから大丈夫でしょうの気持ちで書いたお話です。 

逆裁テイストなので証言と証拠に矛盾した組み合わせがあります。是非探してみてください。
困ったときは証拠の登場シーンを探しましょう。
どうでもいい方は次回の投稿をお待ち下さい。

もし作者想定外の完全回答な、証言と証拠の矛盾した組み合わせを見つけたら…
まあ抽選何名様とかできないので、びっくりはします。
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