ゼロが幻想郷から帰るまで   作:エグゼ4のエアホッケー

7 / 7
遅刻(1回目)です。
まあ9月30日の深夜に投稿してるのでぎりぎりセーフ…


とはならないか。

この間に東方獣王園、幻想ナラトグラフ、人気投票と色々ありましたが如何でした?

個人的には藍様に驚きました。えぇほんとに

では、恐らく忘れ去られているだろう小説の続き、どうぞお楽しみください。


第六話

「…手提げ金庫。」

 

 ゼロは手に持った今日の売上やお釣りが入った手提げ金庫を典の目の前に掲げた。

 

 金庫から汚れたお金を一枚取り出し置くと、さっき典から受け取った綺麗な硬貨を隣に置いた。

 

「お前は本当にチンチロで勝ったのか?」

 

「…」

 

 典の笑顔をすぅーっと引き、真顔になりゼロに二の句を促す視線を送った。

 

「俺は早い時間から店番をしていた。そして対応した全ての客でお前より綺麗な硬貨を出した者はいない。」

 

 手提げ金庫の蓋を開け中身を検めても、お釣り用に紐で束ねて持ってきていた硬貨以外には綺麗なモノは見当たらない。

 殆どがサビや垢で汚れ輝きを失った硬貨だった。

 

「元手から払ったと言ったら?」

 

 典は今にも舌打ちしそうな顔でそう返した。

 しかしその程度の反論ではゼロは怯みもしなかった。

 

「お前がカウンターで自慢したとき、袋から硬貨を掬い溢し音を鳴らしていたがその際にも汚れた硬貨は視えなかったが?」

 

 その言葉を聞くと駒草は小袋の提出を求めた。

 始めは拒否したものの、飯綱丸の促しで素直に従い小さな小袋を懐から取り出した。

 小袋の中に薄汚れた硬貨はなく新品同然の綺麗な硬貨しかなかった。

 

「お前はチンチロで勝ってはいない。いやもっと言うなら花札で負けてもいない。いやこういった方が早いか…。お前は会場に入らずカウンターに来ただろう?」

 

 ゼロの推測はこうだ。典は昼九つ半に賭場へ来た後ゲームを一つもせずそのままカウンターに向かった。そして勝った風を装い料理と酒を頼み周りの客に自慢した。

 

 …何のために?

 

 ゼロの一瞬の言葉の詰まりを見逃すことなく典は反論をする。

 

「そんなことをした動機は?私はそこまでして何が目的だったんですかねぇ?」

 

 花札の印象を下げて、チンチロの印象を良くする。

 いや、それによって何が起こったかを考えるべきだ。突然答えに辿り着く事なんて出来るわけがない。

 記憶回路をぐるぐる回す。典の行動で皆、残っていた酒やつまみを空にし、手早く精算してチンチロに向かっていった。

 

 つまり…

 

「…チンチロに誘導したかった?」

 

 周りがリアクションを一つするがゼロの目には入っていない。思考の海の底に落ちて周りが見えなくなっていた。

 

 …そうか。目的がわかったかもしれない。

 

「騒ぎを起こしてこの状況を作り出すことが目的だ。賭場の管理に天狗の影響力を強めること。…それが動機だろう。」

 

 その言葉を聞くと典は反論をしようとしたが、飯綱丸は典の肩に手を置いて制止した。

 

「多分そうだろうね。騒ぎの場に典がいた時点で大体察していたが、その答え通りだと思うよ山童の所の外来人。」

 

 飯綱丸は典の首根っこ掴みながらゼロに関心し頷いていた。

 

「人里の賭場で人間に囁きここに来るよう誘導したのも、チンチロに酔った妖怪を誘導したのも、私が賭場の前を通るタイミングで騒ぎが起こるようにしたのも典の仕業だろうね。」

 

「飯綱丸様!?」

 

「典、引き際も肝心だよ。逆によくわからない状態でお前に合わせた私を褒めてほしいね。」

 

 どうやらこれにて騒ぎは一段落ついたようだ。もういいだろうとゼロがカウンターに戻ろうとしたとき。

 

「そこの外来人、典との舌戦に勝った褒美にカードをくれてやろう。」

 

 そう言うと無地のカードをゼロに手渡した。

 カードを受け取るとそれを荷物に入れた。

 何故か飯綱丸は少し残念そうな顔でこちらを見ているが…。

 

「それにしても変な外来人だな。正当な取引をしていない在庫のカードを使用したり、今渡したカードの効果が発揮しなかったり…。」

 

 その返事に不信感を抱いたゼロはカウンターに戻るを止め、飯綱丸少し話を聞くことにした。

 

「…アビリティカードは結局の所一体何なんだ?」

 

 飯綱丸その言葉を聞いて呆れ冷めた目でゼロのことを見た。典に至ってはそんなことも知らずに売買していたのかという態度を露骨にしていた。

 

「私が作った物だからな。製作者としてどうでもいいことまでおしえてやろう。」

 

「このカードは正当な取引の下機能するものだ。正式な取引でないとカードは十分に機能しない。暴力での略奪などもっての外だ。それぐらいは知ってると思っていたが。」

 

 たかねから聞いたことない話も混じっている。暴力での略奪はできないことや一度に一枚までしか取引が出来ない等は教えられた。

 だが、正当な取引出ないとカードが効果を十分に発揮しない点をゼロは知らなかった。

 

 しかしゼロは在庫用の適当なアビリティカードも普通に使えた。正当な取引をすっ飛ばしてアビリティカードの機能を引き出せる……。

 スロットに挿入している所以なのか。

 

 飯綱丸はアビリティカードの他の知識も教えてくれた。褒美か意表返しかはわからぬが。

 龍珠を材料に造られたマジックアイテムだとか、神の力が関わってるとか、製作者としての話を色々。

 

 

 

 そのまま時は流れ店じまいの時間となった。

 荷物を片し山童のアジトに帰宅する。

 今日の売上や出来事をたかねに報告すると、

 

「面白い情報を手に入れたね。」




前回の答え

 三の「そこで驚くほど勝てたので」に、ニの「ゼロの手提げ金庫」をぶつけるでした。

 賭場にいる客は新品同様のお金を持っておらず、ゼロにも汚れたお金で精算してました。実際、第三話に「皆一様にゼロに薄汚れた貨幣を渡し、」という文言があります。
 同じく第三話にて典は「綺麗に光るお金をジャラジャラと鳴らし、」という文言があります。
 つまり賭場で遊んでいる妖怪みんな薄汚れたお金を持っているのに、典だけ綺麗なお金を持っているのはおかしい。チンチロで勝って手に入れたお金にしては綺麗すぎる。
 だから典はそもそもゲームで勝っていないし遊んですらいない。

 まあ結局は賭博で勝ったと勝った賞金の状態が矛盾しているってことですね。

 わかった人はいるでしょうか?
 納得できるかはわかりませんが納得して下さい。

 以下に遅れた謝罪としてオマケを載せておきます。
 典と飯綱丸のその後の会話です。どうぞ。

―――――――――――――――――――
「典、あれ金庫の金だろ?」

「えぇ。賞金に見えるほどの大金があれしかなかったので、一部を拝借して袋にちょちょいと。」

「…お前のことだ。駒草太夫に提出した小袋と自慢に使った小袋、別物だろう?」

「おや。飯綱丸様は相変わらず聡いお方で。」

 わざとらしく驚いたフリをする。

「自慢に使ったにしては人の心を動かす程の大金には見えなかったからな。」

「フフフ…。人の心を動かす宣伝はちょっとぐらい誇大で嘘の混じった広告な方がいいので、ね。」

「それでしっぽ掴まれちゃあ仕方ないがな。」

「本来はもっとスムーズに事を運ぶ予定だったのですが、イレギュラーがいましたから。」

「まあいい。戻ったらお説教だな、自分勝手な行動と反省せず言い訳する態度に対して。」

「ふええ。飯綱丸様ー、そんな殺生なぁ。」



―――――――――――――――――
お疲れさまでした。次は十月分、遅れないようにしたいと思います。

現状、エグゼコンパスすげーなのでまた落ち着いたら書きます。

吸血怪獣チュパカブラにハマっています。
でも一押し投票は車椅子の未来宇宙です。

秘封シリーズは神。東方曲弾けると楽しい!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。