ガンダムビルドダイバーズ 〜お狐メイド長のGBNライフ〜   作:真莉藻

11 / 16
毎度お待たせしております。
今回もお付き合いいただけると幸いです。


第十一話

私とハルとユウくんの3人でフォース"リコリス"を結成した翌日、私たちはフォース用の拠点であるフォースネストに集まっていた。

 

「というわけで、私たちリコリスの記念すべき第1回目の活動はフォースバトルをしようと思いま〜す!」

 

フォース結成の特典として自動で付与される少し狭めのシンプルなフォースネストに、ハルのいつも通りの元気な声が響く。

ハルがリコリスとしての最初の活動に提案してきたのはフォースバトルだった。

 

「フォースバトル…。

いよいよ僕たちも出来るんだね…。」

「良いですわね。

いい加減、真っ当な相手とのバトルがしたかったところですし…。

私たちの第一歩としても良いのではないでしょうか。」

 

フォースバトルとは文字通りフォース同士で行うバトルであり、GBNの醍醐味の一つと言えるものだろう。

1人フォースや、傭兵ダイバーとして一時的に他のフォースに入れてもらっての参加など例外はあるものの、基本的には誰かとフォースを組んでいないと出来ないため、今までずっとソロでやっていた私も初めての参加となる。

 

「よ〜し、じゃあ決まりだね!

あとは対戦相手をどうするかなんだけど…。」

「それでしたらほら、いくつかバトルの申し込みが届いていますわよ?」

「え、ほんとですか!?」

 

私はそう言いながら、メッセージボックスを開いてハルに見せた。

そこには私たち宛に届いた、フォースバトルのお誘いのメッセージが何件か届いていた。

 

「すご〜い!

昨日結成したばっかりなのに、もう来てるんですね!」

「本当だ…。

これ全部僕たちとバトルしたいっていう人たちなんですか…?」

「そうなりますわね。

とはいえ、完全に見ず知らずの相手からの申請ですし、注意するのに越したことはないでしょう。」

 

結成したてのフォースに来るバトルの申し込みの中には、当然初心者狩り紛いのことを考えた地雷のようなものも混ざっていると考えるのが無難だろう。

私たちは、届いているメッセージを順番に確認していく。

 

「…マリモお姉さん、ハル姉ちゃん、この人たちなんてどうかな…?」

 

ユウくんはそう言うと、私とハルに1件のメッセージを見せてきた。

私たちはそのメッセージを覗き込む。

 

「どれどれ…、フォース"トライジュエル"…?

初めて聞く名前ですわね。」

「あっ!

私たちと一緒で昨日結成したところみたいですよ〜!」

 

ユウくんが見せてきたのは"トライジュエル"というフォースからのバトル申請のメッセージだった。

何でも昨日結成したばかりの3人組のガールズフォースらしい。

 

「メッセージを読む限りは大丈夫そうですし、メンバーの数もこちらと同じ3人なのでちょうど良いのではないでしょうか?」

「ですね〜!

それじゃあこの人たちにメッセージ返してみますね〜。

ユウちゃん、ありがと〜!」

「う、うん…。」

 

ハルがフォース"トライジュエル"にメッセージを返信した後、私は気になっていたことをハルに聞いてみた。

 

「ところでハルさん、フォースのリーダーはどうなさるのかしら?

まとめ役は決めておいた方が良いと思うのですが…。」

「ほえ…?」

「…姉ちゃん、もしかしてまた考えてなかったの…?」

 

またしても「なんのこと?」みたいな顔をしているハルをユウくんがジト目で見ていた。

まぁ、予想していた通りではある。

 

「ごめ〜ん、フォース組んで満足しちゃってた〜!」

「やっぱり…。」

「仕方ないですわね…。

とはいえ、このフォースを作ったのはハルさんですし、リーダーはハルさんが適任かと思いますわ。」

「えっ、私ですか!?」

「…僕も、姉ちゃんが良いと思うな…。

マリモお姉さんも言ってたけど、フォース作ろうって言ってくれたの姉ちゃんだし…。」

「2人がそう言ってくれるなら…。

よ〜し、私頑張りますね!」

 

というわけで、フォースリーダーも無事に決まったところで相手フォース"トライジュエル"からメッセージの返信があったので、私たちは待ち合わせ場所であるセントラルエリアのロビーへと向かった。

 

ーーーーーー

 

フォースネストからセントラルエリアのロビーへ転移した私たちは、フォース"トライジュエル"との待ち合わせ場所であるカフェの前にやってきた。

すると、目的の人物たちと思しき赤、青、黄色のアイドル衣装のようなコスチュームをそれぞれ身にまとった3人の女性ダイバーが既に待っていた。

 

「あの…!

私たちとのフォースバトルを受けてくださった、リコリスのみなさんですか!?」

 

3人のうち、赤毛のボブカットが特徴的な、赤い衣装のダイバーがこちらに気づいたようで、前を歩いていたハルに話しかけてきた。

 

「は〜い、私たちがリコリスで〜す!

じゃあ、あなたたちがフォース"トライジュエル"で間違いないですか〜?」

「はい…!私たちがトライジュエルです!

良かったぁ、間違ってなくて…。」

 

安心した様子の赤い衣装のダイバーの子は、それでは気を取り直してと話を続ける。

 

「…えっと、今日は私たちトライジュエルとのフォースバトルを受けてくださってありがとうございます!

私はフォースリーダーで赤色担当のアヤって言います!

それで、この2人が…。」

「初めまして、青担当のサヨコと申します。

本日はよろしくお願いいたします。」

「はーい、黄色担当のヒカリって言いまーす!

ヨロシクでーす!」

 

3人ともそれぞれ見た目のイメージ通りといった自己紹介だったが、感じの良さそうな子たちで良かったと私も内心ホッとしていた。

どうやら今日は普通にバトル出来そうである。

 

「こちらこそ、誘ってもらって嬉しいです〜!

私はリコリスのリーダーのハルで〜す!よろしくお願いしますね〜!」

「…は、初めまして、ゆ、ユウです…!」

「私はマリモと申します。以後お見知り置きくださいませ。」

「ハルさんにユウくん、マリモさんですね!

改めてよろしくお願いします!今日は良いバトルにしましょう!」

 

お互いに自己紹介を終えた私たちリコリスとトライジュエルのメンバーは、それぞれのハンガーへと転送されていった。

 

ーーーーーー

 

「ハルさん、そう言えば貴女のガンプラはタンクタイプでしたわよね?

最近行ったミッションのステージが全て地上だったので気にしていませんでしたが、宇宙空間でも大丈夫なのですか?」

 

自分たちのフォースに割り当てられているハンガーで準備をしている時、ハルのガンプラであるライノグレイズがふと目に入り、私はなんとなく聞いてみた。

 

「え?

あ〜、問題ないですよ〜?もちろん地上の方が得意ですけど、宇宙でもちゃんと動けるようには調整してるので〜。」

「なるほど、良かったですわ。」

 

GBNにおいては、一応水陸両用のMSで宇宙に行ったり逆に宇宙用のMSで地上に行ったりは可能であるものの、やはり得意なステージに比べれば、どうしても戦いづらくなってしまう。

ハルのライノグレイズは聞いたところによると、得意である地上以外でも大丈夫らしい。

 

「…ユウちゃん、さっきからなんだかそわそわしてるけど大丈夫〜?」

「はえっ…!?

ぼ、僕は大丈夫、だよ…?」

 

ディランザのコクピットの中で落ち着かない様子のユウくんにハルが声をかけた。

フォースバトルはもちろん、他のダイバーとのちゃんとしたバトルも初めてなので、おそらく緊張しているのだろう。

 

「そんなに緊張しなくても、いつもミッションやってる時みたいな感じでやれば大丈夫だよ〜!

なんなら、お姉ちゃんがハグしてあげよっか〜?」

「…コホン。ユウくん、そちらにお邪魔してもよろしいかしら?」

「え…?

は、はい、大丈夫ですけど…。」

「マリモさん?」

 

私はマルコシアスのコクピットから出ると、ユウくんに許可をもらい、ディランザのコクピットに入った。

 

「お、お姉さん…?どうしたんですか…?」

「少しじっとしていてくださいましね…。」

 

私はそう言うと、ユウくんをそっと自分の胸元に抱き寄せて頭を撫でる。

 

「お、お姉さん…!?何を…」

「ふふふ、よしよし。

大丈夫、大丈夫ですわ。私たちが着いていますからね。」

「あー!マリモさんがユウちゃんとハグしてるー!!」

 

どうやら年甲斐もなく、ハルの言葉に嫉妬してしまったらしい。

まぁ、でも今まで目の前でハルに見せつけられてもずっと我慢してきたのだ。

少しくらいは許されるだろうと自分に言い聞かせる。

 

「さぁ、これで大丈夫。

ユウくんのカッコ良いところ、また私たちに見せてくださいな♪」

「は、はい…!」

 

私は照れ隠しのように、急いで自分のマルコシアスのコクピットに戻る。

するとむくれた様子のハルが通信を繋げてきた。

 

「む〜。ユウちゃんは私の弟ですよ〜?

いくらマリモさんでもあげませんからね〜?」

「あら、姉ならば何人いても良いではありませんか。

独り占めは良くありませんわよ?」

「そ、それは、そうですけど…。」

「さ、あまりトライジュエルの方たちを待たせるわけにはいきませんわ。

そろそろ参りましょう。」

「は〜い…。」

 

ハルは納得できないといった様子で自身のライノグレイズをカタパルトへと進める。

 

「ユウちゃん、このフォースバトルが終わったら、お姉ちゃんがい〜っぱいハグしてあげるからね〜!」

「ハ、ハル姉ちゃん…!?」

「ハル!ライノグレイズ、いっきま〜す!!」

 

何やらフラグのようなものを立てながら、ハルはカタパルトから飛び出していった。

私も負けてはいられまい。

 

「ハルさん、独り占めは良くないと言ったはずですわ!

マリモ、ガンダムマルコシアスツヴァイ、推して参りますわよ!」

「ぼ、僕、これからどうなるんだろう…。

ユウ、ディランザ、行きます…!」

「2人とも、私たちリコリスのお披露目ですわ。

派手にいくとしましょう…!」

 

相手のトライジュエルの子たちに若干の申し訳なさを覚えつつ、私たちは初めてのフォースバトルの戦場へと出撃して行った。




(今回より、新キャラが登場した場合はこちらで紹介させていただきます。)
・アヤ
フォース"トライジュエル"のリーダーで、赤毛のボブカットに赤いアイドル衣装のようなコスチュームのダイバールックが特徴。
明るく、活発な性格の女の子。
GBN歴はフォースメンバーの中では一番長い。

・サヨコ
フォース"トライジュエル"のメンバーの1人。
青いロングヘアに、他の2人とお揃いのデザインで青いコスチュームのダイバールックが特徴。
クールで礼儀正しい性格。
ユウと同じく、水星の魔女からガンダム作品にハマった。

・ヒカリ
フォース"トライジュエル"のメンバーの1人。
金髪で短めのツインテールに、他の2人とお揃いのデザインで黄色いコスチュームのダイバールックが特徴。
天才肌で気分屋な性格。
GBNもアヤがやっていたからと始めたが、いつのまにか心の底から楽しんでいたという。

・フォース"トライジュエル"
高校の同級生で仲良し3人組であるアヤ、サヨコ、ヒカリが作ったガールズフォース。
3人のコスチュームがアイドル衣装風なのはアヤの趣味である。
サヨコのDランク昇格を機に結成されたのだが、結成日がたまたまマリモたちのリコリスと同じだった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。