ガンダムビルドダイバーズ 〜お狐メイド長のGBNライフ〜   作:真莉藻

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今日はバレンタインらしい…
(完全な思いつきです。いつも以上に癖丸出しですが、お付き合いいただけると嬉しいです。)


おまけ
おまけ・幼馴染と狐とチョコレート


「ユウちゃん、ごめ〜ん。

そんなに怒んないでよ〜。」

「やだよ…。

あんな渡し方されたら、恥ずかしいに決まってるじゃん…。」

 

GBNセントラルエリアのロビーでマリモお姉さんとの待ち合わせをしている時、僕は一緒にログインした幼馴染のハル姉ちゃんに怒っていた。

 

「いつもは家で渡してくれるのに、なんで今日は学校の前だったの…?」

「だってぇ〜。

今年は特にすごく上手く出来たから、早く渡したかったんだも〜ん。」

「…それにしたって、もうちょっとやり方があったと思うけど…。

周りの人たち、みんな固まってたよ…?」

 

今日が2月14日、"バレンタインデー"なことはちょっと前からGBNのロビーの飾り付けが変わっていたり、朝からクラスの女子たちが周りの友達にチョコを渡していたから僕だって知っている。

でも、学校から帰る時に門の前で制服姿のハル姉ちゃんが待ってて、他にも帰る人たちがいっぱいいる中で、いきなり「ユウちゃん、ハッピーバレンタイン!もちろん本命だよ!」なんて言われてチョコを渡されるなんて完全に想定外だった。

 

「もう…。

僕、明日どんな顔して学校に行けば良いの…。」

「そこはほら、胸を張って行けば良いと思うな〜!」

「…姉ちゃん、開き直らないでよ…。」

「うっ、ごめん…。」

 

もちろん、姉ちゃんがチョコをくれたこと自体は嬉しいし感謝もしている。

姉ちゃんが時々めちゃくちゃ大胆な行動に出るのも今に始まった話じゃないけど、流石にもう少し僕のことも考えて欲しいというのが本音だ。

 

「うぅ〜!お姉ちゃんが悪かったから〜!

お姉ちゃんのこと嫌いにならないで〜!」

「ちょっ、姉ちゃん…!

あんまりくっつかないでよ…!」

「2人ともご機嫌よう。

お待たせしましたわね、って、あらあら。

何かあったのですか?」

「あっ…、お姉さん…。」

 

ハル姉ちゃんが泣きそうになりながら僕に抱きついていると、マリモお姉さんが不思議そうな顔で僕たちの前に立っていた。

 

「あ〜!マリモさ〜ん!

ちょっと聞いて下さいよ〜!」

 

姉ちゃんは僕に抱きついたまま、今日あったことをマリモお姉さんに話した。

 

「…なるほど、そんなことがあったのですね。」

「そうなんですよ〜!

私、このままじゃユウちゃんに嫌われちゃう〜!」

「姉ちゃん…。」

「ハルさん、一先ずユウくんを離してあげなさいな。」

 

マリモお姉さんに僕を離すように言われ、姉ちゃんは渋々抱きつくのをやめた。

 

「ハルさん、早く渡したい気持ちは良くわかりますが、少し大胆が過ぎましたわね。

学校の前で、しかも周囲に人が沢山いる前でなんて、ユウくんが恥ずかしい思いをするのも当然ですわ。」

 

「ぐすん、は〜い…。

ちょっと暴走し過ぎちゃいましたぁ…。

ユウちゃん、ごめんねぇ…。」

 

お姉さんに言われたのが効いたのか、姉ちゃんは珍しくしおしおになってしまった。

ここまで来ると、何だかかわいそうになってきた。

 

「…姉ちゃん、もう良いよ…。

僕も悪かったよ…。あと、さっきは言えなかったけど…。

その…、チョコありがとう…。」

「ユウちゃん…!」

 

僕がそう言うや否や、姉ちゃんは途端に顔がぱーっと明るくなってまた抱きついてきた。

さっきよりも力が強いうえに、ほっぺたもすりすりしてくる。

 

「くぅ〜!ユウちゃんだ〜い好きぃ!!

ごめんね〜!お姉ちゃん今度は気をつけるよ〜!」

「ちょっと…!姉ちゃん、痛いよ…!

もうわかったから…!」

「ふふ、解決したみたいで良かったですわ。」

 

姉ちゃんに揉みくちゃにされる僕を、マリモお姉さんは笑顔で見ていた。

でも、なんだか目が笑っていないように見えたのは気のせいだろうか。

 

「そうそう、2人に渡すものがありますの。

私も用意して来たんですのよ?」

 

お姉さんはそう言うと、目の前にコンソールを呼び出し、アイテムボックスから何かを取り出す。

 

「ゲームの中のアイテムで申し訳ありませんが、ハッピー・バレンタインですわ!」

「わぁ…!"ホッツさん"と"クールさん"だ…!」

「本当だ〜!私ももらっちゃって良いんですか?」

 

マリモお姉さんがくれたのは、小さな透明のケースに入った、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のアニメの中でスレッタさんとミオリネさんが付けていたキーホルダー、"ホッツさん"と"クールさん"の形をしたチョコレートだった。

 

「2人のために用意したんですもの。もちろんですわ。

チョコレートなので色は一緒ですが、一応赤いリボンの方がホッツさん、青い方がクールさんですわ。」

「すごい…!お姉さん、ありがとうございます…!」

「マリモさん、ありがとうございま〜す!

お揃いだね〜、ユウちゃん!」

 

というわけで、僕はクールさんを、姉ちゃんはホッツさんを受け取った。

お母さんとハル姉ちゃん以外からバレンタインのチョコをもらったのが初めてだったのと、憧れのマリモお姉さんからもらったことが嬉しくて、僕がそれをじーっと眺めていると、ハル姉ちゃんがジトっとした目でこっちを見ていた。

 

「あれ〜?ユウちゃん、何だか私がチョコあげたときより嬉しそう…。」

「ね、姉ちゃん…?そんなことないよ…?」

「まあまあ、そう言わずに。

それはそうとハルさん、何かミッションを受注して来て下さいな。

このままでは時間が無くなってしまいますわ。」

「…むぅ〜、は〜い。

ユウちゃんはどんなミッションが良い〜?」

「うーん…、僕は何でも良いよ…?

姉ちゃんに任せる…。」

「おっけ〜、じゃあ行ってきま〜す。」

 

マリモお姉さんに嗜められたハル姉ちゃんは、ミッションカウンターの方にぱたぱたと走って行った。

 

「さて、ユウくん。ちょっと良いかしら?」

「…?何ですか…?」

 

そう言ってお姉さんは僕の方を向いてしゃがむと、胸元から小さな箱を取り出した。

 

「ちょっ…、お姉さん…!?何を…」

「しーっ。

ハルさんや他のダイバーに聞こえてしまいますわ。」

 

僕がびっくりして慌てていると、お姉さんは口元に人差し指を当てながら、その箱を僕に差し出した。

お姉さんの髪の色と同じ、薄い紫色の綺麗な包装紙で丁寧に包まれた小箱だった。

 

「お姉さん…、これって…」

「ふふふ。こっちは正真正銘、ユウくんのためだけに用意したものですわ。

ハルさんの言葉を借りるなら、"本命"ですわね。

改めてハッピー・バレンタイン、ですわ♪」

 

気づけば、僕はその小箱を受け取っていた。

ハル姉ちゃんに学校の前でチョコを渡された時よりも、明らかに顔が赤く、熱くなっているのを感じた。




お付き合いいただき、ありがとうございました。
また気まぐれで何か書くかもしれないので、その時はよろしくお願いいたします。
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