ガンダムビルドダイバーズ 〜お狐メイド長のGBNライフ〜   作:真莉藻

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お世話になっております。
大変長らくお待たせしてしまい、申し訳ありません。
アカネさんとのバトルの続きです。
アカネさんは今度こそ、マリモさんに勝てるのか…?


第六話

「余裕ぶってられるのも今のうちよ!

プルトーネルージュ、行くわよ!!」

 

トランザムを発動し、赤い機体色をさらに真紅に染め上げたプルトーネルージュが猛スピードで突っ込んできた。

高濃度圧縮粒子を全面解放し、引き上げられたスピードとパワーを乗せてアカネはマルコシアス目掛けてGNジャベリンで一閃を放つ。

 

「せぇぇぇいっ!!」

「ふんっ!」

 

私はその攻撃を、バスタードメイスをシールド代わりにして真正面から受け止める。

並のファイター(ダイバー)とガンプラなら今の一撃で貫かれていたであろう威力だったが、生憎私とマルコシアスは普通ではない。

 

「そんなっ…、正面から受け止めた!?

こっちはトランザムで出力が3倍ほど上がってるはずなのに、どんだけ馬鹿力なのよ!!」

「あらあら、こんなものですの?

この程度であれば、"奥の手"を使うほどでもありませんわね。」

「ぐっ!こんのぉぉぉぉ!!

どこまでも不愉快なヤツね!!!」

 

煽られて激昂したアカネがGNジャベリンを構え直すと横薙ぎに振るってきた。

私はバスタードメイスで受けてそのまま弾き飛ばす。

 

「ちっ…!まだまだ、こんなもんじゃないわよ!!」

 

GNジャベリンでの攻撃を弾き飛ばされてプルトーネルージュが勢い余って体勢を崩すが、アカネはすぐさま立て直させると今度は連撃を放ってくる。

トランザムで引き上げられた機体出力により、高速で刺突や斬撃の猛攻が繰り出されるが私はそれをバスタードメイスで的確に捌いていく。

"奥の手"を使えば圧倒できそうだが、アカネが冷静さを欠いてペースを乱しているのこともあり、通常状態でも気を抜かなければ十分に対処できる。

とはいえ、さっき左腕を破壊されたにも関わらずこれだけの動きが出来ているうえ、確かOOシリーズの第二世代ガンダムは、後の第三世代ガンダムの運用試験型であり本格的な戦闘用の機体ではなかったはずである。

そんな機体でそれをやってのけているのだから素直に大したものである。

伊達にGPD、GBNとずっと続けていたわけではないということか。

ただ、それを思うと少し挑発されたくらいで激昂し、その影響がバトル中の動きに露骨に出てしまうところが余計に残念でならない。

 

「このっ!このっ!!

いい加減墜ちなさいよね!!」

 

しばらく打ち合っていると、トランザムまで使って私を追い詰めるどころか優勢にすら立てていないことに焦りが出てきたのか、アカネが叫ぶ。

攻撃の精度もさっきまでと比べると徐々に悪くなっており、攻撃後の隙も多くなってきた。

私はダメ押しと言わんばかりにまた揺さぶりをかける。

 

「…まだわからないんですの?

少し煽られたり、馬鹿にされたりしたくらいで逐一心を乱していては勝てるものも勝てませんわよ?」

「っ!?アンタに私の何がわかるっていうのよ!!ほんと、ムカつくわ!!!」

 

アカネはそう言い捨て、一瞬距離を取ると蹴りを放ってきた。

少々ふいを突かれた為、ガードは間に合ったものの私のマルコシアスは体勢が崩れてしまう。

その僅かな隙を突き、アカネはプルトーネルージュの全推力を乗せた一閃を繰り出す。

 

「あの時の屈辱、今ここで返してやるわ!!

"紫電の姫御狐"だか何だか知らないけど、大袈裟な伝説もこれで終わりよ!!」

 

ー"紫電の姫御狐"ー

そういえば、そんなふうに呼ばれていた時もあったな…

久しぶりに聞いたその名前に懐かしさと若干の気恥ずかしさを覚えながら私はバスタードメイスを逆手持ちに変え、自機の前に立てる形でGNジャベリンの刺突を受け流す。

アカネがまともな精神状態であればこちらもタダでは済まなかっただろうと思えるほどの一撃だが、今の彼女は完全に頭に血が昇ってしまっている。

冷静さを失い、精細さを欠いた状態の攻撃では本来の威力は発揮できない。

 

「嘘…、これも届かないの…!?」

「良い攻撃でしたが、やはりまだまだ甘いですわね。残念ですが、これで終わりです。」

「えっ…?」

 

私はプルトーネルージュのGNジャベリンを受けているバスタードメイスのインパクト部分をパージした。

"鞘"になっていたインパクト部分が無くなり、バスタードメイス本来の姿である一振りの大太刀"九尾刀"がその姿を現す。

そして、逆手持ちの状態になっていた九尾刀を瞬時に握り直し、そのまま目の前でGNジャベリンを突き出した状態になっているプルトーネルージュに横薙ぎに斬撃を放った。

 

「私にこれを抜かせたこと、褒めて差し上げますわ。」

「そんな…!

なんでよ…、私とアンタで何が違うっていうのよ…!?」

 

上半身と下半身を断ち斬られたプルトーネルージュが火星の赤い大地に崩れ落ち、爆散する。

爆発で飛び散ったGN粒子が舞う中、バトルシステムの音声がバトル終了を告げた。

 

ーーーーーーーー

 

メイド喫茶「ありあんろっど」の店内にはガンプラバトルの様子を観れるように、モニターが設置されている。

マリモとアカネのバトルを見守っていたお客さんの1人と、仕事をしながら観ていたエリカちゃんがバトルの終了を見計らって口を開く。

 

「…終わったみたいだね。

相変わらず強いなぁ、マリモちゃんは。」

「当然です。我らがメイド長があのような方に負けるはずありません。」

 

店の前で絡まれたことに結構怒っていたのか、敗北したアカネを見てエリカちゃんはどこか満足気だった。

 

「まぁでも、今回の人はよく持ったほうですね。一応、ダメージも与えていますし。

…掠っただけですけど。」

「そうだねぇ。メイドさん全員に勝って、やっとマリモちゃんとバトルできた人も大体瞬殺だったからねぇ…。」

 

ユキノちゃんと別のお客さんがそんな会話をしている中、私とアカネがバトルシステムから出てくる。

思っていたより良い運動になったとマルコシアスをケースに仕舞っている私の隣で、負けたことがよほどこたえたのか、アカネは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

 

「これでわかったでしょう?今の貴女では私には勝てませんわ。」

「…う、うっさいわね!偉そうに言わないでよ!!」

 

私がそう突き放すと、アカネはまた激昂して噛みついてきた。

 

「うるさいのは貴女ですわ。

他のお客様もいらっしゃるんですから、大声を出さないで下さいまし。

さっきも言いましたが、ちょっと煽られたりしたくらいで逐一腹を立てていては相手の思うつぼですわよ?

さっきも私の挑発にまんまと乗せられていたではありませんか。」

「ぐっ…、それは…」

「せっかくファイター、ビルダーとして良いものを持っているのに、あの様では勿体無いですわ。正直、貴女のガンプラが可哀想です。」

「…!」

 

店の中で騒がれたので、私も頭にきて思わず捲し立ててしまった。

店の中がしーんとなり、当のアカネも鳩が豆鉄砲を食らったような顔になっている。

 

「…コホン。

今のは流石に見苦しかったですわね。ごめんなさい。」

「…悪かったわよ。」

「へ?」

 

少し言い過ぎてしまったと謝ると、アカネが口を開いた。

しかし想定外の返事が返ってきたため、気の抜けた声がでてしまった。

 

「悪かったって言ってるのよ…!

確かにアンタの言った通り、相手の安い挑発に乗せられて負けたことはこれまで何回もある…。

さっきも、今日こそアンタに勝たなきゃってそればっかり考えてて、でも敵わなくてイラついて、焦って周りが見えなくなってた…。

今、アンタにズバッと言われて少し頭が冷えたわ。

だから、その…、悪かったわよ…。

店の人たちも、迷惑かけてごめんなさい。」

 

そう言って、アカネは私と店にいる人たちに頭を下げた。

さっきまであんなにツンツンしていたのに、いきなりこう大人しくされると調子が狂ってしまう。

 

「はぁ…、まぁ、わかれば良いのです。

私はそろそろ仕事に戻りますけど、約束通りお茶を飲んで行ってもらいますわよ?」

「も、もちろん、わかってるわよ…!

その前にこれ、受け取りなさい!」

 

私がアカネに約束を守るように言うと、アカネは私のダイバーギアに何やらメッセージを送りつけてきた。

 

「これは…」

「私のフレンド申請よ!登録しときなさいよね!

こうなったらGBNでも付き纏ってやるんだから!」

「貴女ねぇ…。全く、仕方ありませんわね…。」

 

人間、こうまで開き直れるものか…。

私は呆れながらも、また店にバトルしに押しかけられるよりはマシかと思い、アカネのフレンド申請を承認した。




ということで、アカネさんとのバトルはこれにて終了です。
結局、アカネさんに付き纏われることになってしまったマリモさんやいかに…?
次回は久しぶりにメインヒロイン?のユウくんとのお話の予定です。
またお待たせしてしまうかもしれませんが、お付き合いいただけると幸いです。
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