戦闘狂のヒーローアカデミア   作:ゴマだれ

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いつもお気に入り登録等ありがとうございます
少し遅れてしまいましたがこれからも投稿していくので何卒よろしくお願いします

今回は第一回戦です
原作とは少し相手が異なりますがご了承ください


第一回戦

 

「あの…轟くん…話って、なに?」

 

「早く話してくんねぇか?飯食えないと俺かなり次の競技とかに支障が出るんだけど?」

 

第二種目の騎馬戦終了後、離人は緑谷と一緒に轟に呼び出されていた。離人としてはエネルギーの補給時間に水を差されたようなものでかなり苛立っていたがそれとはまた別の焦りの感情もあった

 

(まさかOFAの秘密に勘づいたとかじゃないよな…正直オールマイト辺りがボロ出してそうだけどな…)

 

離人と緑谷、表面上はあまり関係性のないこの2人を繋ぐのはOFAの秘密だった。離人が気付いたように轟も気付いたとしても何の違和感も無かった

 

「緑谷…お前、オールマイトの隠し子か何かか?」

 

「…は?」

 

轟の質問に離人も困惑の声を上げる

確かに緑谷の超パワーは何も知らない轟から見ればオールマイトと類似しているだろう、だが緑谷の顔のどこにオールマイトの面影を感じたのだろうか

 

「ちょっと待て、百歩譲って個性は似てるが緑谷とオールマイトの外見のどこが似てんだよ」

 

「そ、そうだよ。それに隠し子だったら違うって言うに決まっているから納得しないと思うけど、とにかくそんなんじゃなくて…逆に聞くけど…なんで僕なんかにそんな…」

 

(動揺してんのバレバレじゃねぇか!もうちょっと隠す努力しろよ!)

 

咄嗟に離人もオールマイトとの関係を晴らすために緑谷に助け舟を送るがどう見ても動揺してる緑谷には何の意味もなかった

 

「その言い方は少なくとも何かしらの言えない繋がりがあるってことだな。俺の親父は『エンデヴァー』…知ってるだろ。お前がNo.1ヒーローの何かを持っているなら、俺は尚更勝たなきゃいけねぇ」

 

そう言うと轟は自身の過去を語り出す

エンデヴァーが個性婚によって自身を産んだ事、そして自身を鍛え上げオールマイト以上のヒーローに育て上げることで己の欲求を満たそうとしていること、母親が心を病み、涙を流していた母のこと。そして、その母に『お前の左側が醜い』と煮え湯を浴びせられたこと

 

想像を絶する過去に緑谷は絶句しているが離人は我関せずを貫いていた

 

「クソ親父の個性を使わず、一番になる事で奴を全否定する…だから離人、お前にも勝つぞ」

 

轟は恨みを込めながらそう言う

考えずとも轟が持つ父への憎悪は計り知れないものだと分かるが離人にはそんな事は関係ない

 

「…で?茶番は終わりか?」

 

「お前…この期に及んでまだ巫山戯てんのか?」

 

「俺からして見ればお前の方が巫山戯てるだろ、俺がエンデヴァーを否定するならマスコミにでもその事を言うなり、そもそもヒーローにならなければ解決するだろ…でもやらないって事はそれが真意じゃ無いんだろ?お前にもあるだろ、憧れやなりたいもの、やりたい事が」

 

「!」

 

離人が轟の話を聞いて感じたのは浅はかさ

ただ父親への復讐しか考えず、無駄とも感じられるその拘りには呆れさえ感じた

 

「緑谷、お前は何しに雄英(ここ)に来た?」

 

「え?!今僕に振るの!?」

 

「いいから言ってみろよ」

 

「…僕はずうっと助けられてきた。…誰かに救けられてここにいる。オールマイトのようになりたい、その為には1番になるくらい強くなきゃいけない。君たちに比べたら些細な動機かもしれないけど、僕だって負けらんない。僕を救けてくれた人たちに応える為にも…!だから、さっき受けた宣戦布告。改めて僕も君たちに勝つ!」

 

「おいおい俺もかよ」

 

緑谷のソレは轟とは違う

恨みのような負の感情では無く、誰かの為のモノ

その上で勝つという先程とは真反対のものだ

 

「俺は楽しい戦いをする為に雄英に来た、ならお前は何しに雄英に来たんだよ」

 

「俺は…」

 

轟は何も言えなかった

緑谷にも離人にもその言葉には嘘偽りも無い、理由はどうあれそこには確かな熱意があった。なら自分にもそれがあるのか、轟は確信を持って言うことは出来なかった

 

「話は終わりだ…今答える必要は無いがもし次の種目で俺と戦う事になったらもう一度同じ質問をする。それまでには答えを出しとけよ、出さなきゃ俺には絶対勝てねぇぞ」

 

それだけ言うと離人は食堂に向かう為この場を去る、結局この場で轟から答えは出ることは無かったが離人の言葉は轟に大きな影響を与えることになるがそれはまた別の話

 

 

 

 

 

 

 

「…何やってんだアイツら」

 

昼休憩も終わり、いよいよ最終種目発表という事でグラウンドに降りて来た離人だったが目線の先には何故かA組女子がチアガールの格好をしていた

「どうだ離人!いいだろぉ?」

 

「案の定お前らかよ…これ終わったら女子に吊るしあげられるぞ?」

 

「だが!男にはやらなきゃいけない時がある!」

 

謎の使命感のもと、女子にチア服を着せたのは峰田と上鳴の下世コンビだった。この後自分たちに降りかかる罰を承知の上でこの様な行動を取るあたり、最早ある意味関心すら抱きかねないものだった

 

「で?離人、感想はどうよ!」

 

「知るか、どうでもいい」

 

「おいおい、聞いたぜ?お前女子に弱いらしいな!だから―――」

 

「上鳴、峰田

今度余計な事を言うと口を縫い合わすぞ

 

「「ひゃ、ひゃい!」」

 

執拗い2人についに堪忍袋の緒が切れ、ヤクザもビックリの脅し文句が口から飛び出す。女子からの仕返しはともかく、流石にこれ以上離人を刺激する勇気はないようだ

 

『さァさァ、皆楽しく競えよレクリエーション!A組の女子たちも応援してくれるってよ!それが終われば最終種目。進出4チームからなる総勢16名のトーナメント形式!一対一のガチバトルだ!』

 

プレゼント・マイクの声にスタジアム中から歓声が響き渡る、最終種目は特殊なルールも何も無い1対1(タイマン)勝負であり、離人が今日この場に来た意味の9割を持っていた

 

「それじゃあ、くじ引きで組み合わせを決めちゃうわよ。組が決まったらレクリエーションを挟んで開始になります。レクに関して進出者16人は参加するもしないも個人の判断に任せるわ。温存したい人もいるだろうしね。んじゃ、1位チームから順に全員にくじを引いてもらうわ!」

 

(さて、俺はこの中のどいつと戦えるのかねぇ…)

 

壇上に立つミッドナイトがくじの箱を持ちながら説明していく、それが終わると1位の離人が口元に笑みを浮かべながらくじを引いていく。

 

「組はこうなりました!」

 

そう言うとスクリーンに組み分けが映される

離人は第8試合、相手は八百万に決まった

 

「八百万か、女子だからって加減はしねぇぞ?」

 

「の、望むところですわ…!」

 

離人の言葉に八百万は顔を顰めながら答える

だがその表情はある意味焦りとも取れるものであり、完全に格上として認識していた八百万はほぼ詰みの状態が完成しつつあった

「離人、少しいいか?」

 

「心操?何だ」

 

「次の種目でお前の事を使わせて欲しい」

 

「…あぁ、成程。いいぞ」

 

観覧席に戻ろうとする離人に話し掛けて来たのは心操だった、話の内容は個性の発動を緩くする為の物で次の試合で戦う緑谷相手には親しい人間を貶される方が効果はあると踏んだのだろう。

 

離人としても緑谷には是非勝ち進んで自分と戦いたいがここで敗れるようならそこまでだとも同時に考えていた

 

『よーし、それじゃあトーナメントはひとまず置いといてイッツ束の間!楽しく遊ぶぞレクリエーション!』

 

レクリエーションに興味は無い離人は観覧席へと戻る、他数名も体力温存の為かレクリエーションには参加せず控え室に戻っていく。

 

(第1試合から中々見所のある試合だな…存外待ち時間も退屈はしなさそうだ)

 

自身が戦うのが1番楽しいのが本音だが見るのも悪くないと割り切る離人、その顔は少し喜びを持っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

レクリエーションが終わり、セメントスが個性『セメント』で会場のステージを造り直して、最終種目にふさわしい闘技場が完成した

 

『ヘイガイズ!アァユゥレディ!?色々やってきたが、結局これだぜ、ガチンコ勝負!頼れるのは己のみ!心技体に知恵知識!総動員して駆け上がれ!』

 

プレゼント・マイクの声に会場中から歓声が響き渡りスタジアムの熱気は更に膨らんでいく。この空気に当てられているせいかステージ上に立つ緑谷は心操を前にガチガチに緊張していた

 

『ルールは簡単!相手を場外に落とすか行動不能にする。あとは“まいった”とか言わせても勝ちのガチンコだ!怪我上等!こちとら我らがリカバリーガールが待機してっから、道徳倫理は一旦捨ておけ!だが、もちろん命に関わるようなのは駄目だぜ!アウト!ヒーローはヴィランを捕まえる為に拳を振るうのだ!』

 

「まいったか…分かるか緑谷出久。これは心の強さが問われる戦いだ、源力離人だったか?アイツはホントに扱いやすい奴だったよ」

 

「な…!?」

 

『レディィイ、スタートォ!!』

 

プレゼント・マイクによって試合開始の合図が出されるが、未だに2人は何かを話し合っており観客含め当事者以外それを聞き取ることは出来なかった

 

「ああいうバカは黙って下についてればいいのにな、自分が操られてる事も知らずに健気な猿だよな?」

 

「――!なんて事言うんだ!

 

声を荒らげて心操に向かって行く緑谷だったがその動きは直ぐに止まる。その顔に生気は無くそれが心操の個性によるものだという事は想像に難くなかった

 

「え、デクくん…!?」

 

「掛かるよなぁ…初見じゃ避けようがない」

 

「離人くん、そう言えば君は彼と同じ騎馬だったようだが…何か知っているのか?」

 

「あぁ、心操の個性だ。相手の行動を自在に操ることが出来る。1度決まれば自力での解除は絶望的だろうな」

 

「そんな…!」

 

飯田や麗日が困惑する中

唯一個性について知っていた離人は2人に説明する、この状況下では殆ど緑谷の負けは確定した様なものだった

 

「振り向いて、そのまま場外まで歩いていけ」

 

『ああー、緑谷!ジュージュン!』

 

(…さて、どうなる?)

 

心操の言いなりになった緑谷はゆっくり場外へと歩いていく。誰もが緑谷の敗北を予期する中、離人はまだ緑谷の敗北が確定したとは考えていなかった。

 

普通ならこの状態は詰み

しかし、緑谷の中には普通とはかけ離れた個性(モノ)があった。離人も個性を使い注意深く観察していると緑谷が場外に出るまで後一歩のところで事態は動き出した

 

(…!何だアレは!?)

 

『――これは…緑谷!とどまったああ!?』

 

「ハァ…ハァ…」

 

瞬間、緑谷の指が動き個性が発動する

たった少しだけの動きとはいえその力は緑谷の指を壊し、強風が吹き荒れる。

 

だが、離人にとって1番の驚愕は別のところにあった

 

(何だ今の…まさか歴代OFAの継承者か?!…確かに力を受け継ぐことが出来るなら妥当と言えば妥当だが…)

 

一瞬だけ見えた8人のシルエット

例えそれがオールマイトでも計り知れないOFAの能力によるものだとしても可笑しくは無かった。個性だけでなく意思すらと受け継ぐ能力となると異質にも程があった

 

(…待てよ、なら何でオールマイトはこの事を言わなかったんだ?心操の個性で目覚める位なら百戦錬磨のオールマイトに同じ状況にならない訳が無い…)

 

そこで疑問になるのが何故この事をオールマイトは黙秘していたのか、緑谷よりも遥かに長い間OFAを使いこなしていたオールマイトが知らないはずがないと確信していた

 

「んぬぁあああ!」

 

(…あ、終わっちまった)

 

「心操くん場外!緑谷くん、二回戦進出!」

 

離人が考えを巡らせているといつの間にか試合は決着、心操も負けながらも普通科とは思えない善戦しプロの中からも惜しいと言われる程注目されながらステージを後にした

 

(まぁいい、後でオールマイトに聞けばいいか)

 

OFAの問題は1度置いといて今は目の前の試合の観戦集中することにした。

 

次の第2試合は轟と瀬呂、実力差こそあれど速攻で場外にはじき出そう瀬呂も奮闘はしたものの

 

「悪ィな」

 

キィン!

 

自身の最大出力によって大氷壁を形成し、圧倒的な格の差を見せつけながら瀬呂を瞬殺して轟の圧勝となった

 

(轟の奴、まだ舐めた真似してんのかよ…だが奴の個性について分かってきたぞ)

 

一瞬の勝負だったが離人の目は轟の弱点とも言えるその特徴を捉えることは出来た。勿論、氷結のみの轟なら容易に勝てるとは考えていたが仮に炎を使えば場合によっては負け筋にもなり得ていた。

 

続く第三試合も勝負は直ぐに着いた

上鳴と塩崎の戦いだったが上鳴は許容量を超えた電撃を最初にぶつける算段のようだが塩崎は自身の個性ので防御、相性こそあったが塩崎がその強個性っぷりを存分に発揮して勝利を得た

 

第4試合は試合と呼べるのか疑問すらあった

飯田と発目の試合なのだが終始発目のサポートアイテムのプレゼンという戦闘行為もまるで無く、スタジアムの観客と生徒達は何を見せられているのだろうと真顔になっていた。最終的には本人は満足したようで自ら場外に出て飯田の勝利となった

 

第5試合は切島と鉄哲の個性ダダ被りのコンビによる真っ向からの殴り合い。お互いに気力のみで攻撃を受け止め、そして撃ち合う。結果として腕相撲で決着を決めることとなり、僅差で切島が勝利を得た

 

「次は…爆豪と麗日か」

 

「ある意味最も不穏な組ね」

 

「ウチ、なんか見たくないな…」

 

次の第6試合は麗日と爆豪

色々性格に問題のある爆豪の試合というのもあり、不安を募らせる者も少なくはなかった。案の定粘り強い麗日相手に爆豪も持久戦を選択し、スタジアム中から大ブーイングを受けながらも浮かせた瓦礫を落とし、流星群のような攻撃をくり出すが一撃で返され爆豪の勝ちとなった

 

「…お、そろそろか。言っとくが八百万、俺は女相手に加減する程甘くは無いぞ」

 

「はい…!」

 

「どうしよう…ヤオモモと離人くんどっち応援すればいいんだろ…」

 

麗日と爆豪の試合を見届け、自分達の試合が近づいた離人達が控え室に向かう。その後ろ姿を見届けたクラスメイトの間では試合開始を待たずに既に勝敗予想がされていた

 

「大丈夫かな…ヤオモモ」

 

「流石に離人相手には分が悪いんじゃないか…?アイツとマトモにやり合えるのなんて爆豪とか轟の2強くらいだろ」

 

「でも、八百万さんにも勝算はあると思うよ。離人くんは電撃を無効化出来るみたいだけど、予備動作がない訳じゃないだろうし…場外に押し出すのは無理だとしても隙を作って気絶させる事は可能なんじゃないかな?」

 

クラス内ではほぼほぼ離人の勝利を予想しているが、八百万の万能さと手数の多さを活かせば勝ち筋はあると予想している者も少なくはなかった

 

そんな中、第7試合の芦戸と常闇の試合は黒影の射程距離を活かした一方的な攻防の末に常闇が勝利し、ついに観客達が待ち望んだ試合が訪れる

 

『1回戦最後の試合!ここまで2種目ともダブルで1位通過!マジで宣誓通りに1位総取りか!?ヒーロー科、源力離人!対するは!万能創造!推薦入学とあってその才能は折り紙つき!ヒーロー科、八百万百!』

 

ステージの上には強ばった表情をする八百万と余裕をみせる離人の姿がありあからさまな挑発でもあった

 

(離人さんに対して真っ向からの戦いは無謀…実力は私の方が劣りはしますが勝てない相手ではありません…!)

 

(八百万…戦闘訓練やUSJの1件でも戦闘からサポート、偵察まで可能な万能型、緑谷や爆豪達を除けば俺への勝率も高い方だろう)

 

『レディィイ、スタート!』

 

2人の思考を他所に試合開始の合図が出される

お互いに個性を発動させて動き出す

 

(素早く盾を―――)

 

ドン!

 

盾を生成し初撃を防ごうとする八百万だったが盾を構えるのと同時に離人も瞬時に移動し八百万の前で拳を構える。

 

「ちゃんと防げよ…!」

 

ガギン!

 

「うぅ!」

 

『おっと!?源力、いきなり殴りに行ったァ!八百万もすんでのところで堪えやがった!』

 

『八百万も初動で殴りに掛かってくるのは予想していたみたいだな、離人の方はなるべく怪我を避けて出そうとしたみたいだがそれが仇になったか』

 

叩き付けられる衝撃にどうにか堪えながら場外ギリギリに踏みとどまる、離人も今ので押し出せる算段だったようで少し驚いたような表情をする

 

(耐えるか…だが、どうしようも無いだろ!)

 

(ここまでは作戦通り…ここからが勝負です!)

 

ボン!

 

『おいおい!煙幕かよ!実況泣かせにも程があるぜ!』

 

(目眩しか…考えたな、この間に体勢を整える気か)

 

八百万は作っていた煙玉を使ってステージを覆い尽くす。離人の動きを止めて『創造』の発動時間を稼ぐ狙いなのだろう、しかし離人相手には時間稼ぎにはならない

 

(好都合だ、見えないのはお前も一緒だろ。なら聴覚を強化して―――)

 

目が見えないなら音で探そうとしたその時、離人の眼前に何かが投げられる

 

バコン!

 

(――っ…マトリョーシカ?)

 

何かしら物を投げられれば咄嗟の行動に出る

離人は飛んできたものを壊す時に見えた物は武器ではなく何故かマトリョーシカ、だがそれが八百万の狙いはその中身だった。突如として離人は光と轟音に包まれる

 

(そうか…中に閃光弾を入れてたのか!)

 

視覚と聴覚

人間の持つ感覚器の約9割を補うこの2つを同時に遮られればほぼ動くことは出来ない、その隙を八百万は見逃さない

 

(チャンスは1度…上鳴さんからの情報と騎馬戦での行動から電撃の吸収は手の平から!でしたら、直接首に当てられれば!)

 

八百万は戦闘前から離人への作戦を立てていた

使う物を事前に決めておくことで本来ある筈のタイムラグを極限まで減らし、決定打を用意する。

 

八百万が『創造』したものはスタンバトン、それも大の大人すら簡単に気絶させられるような高電圧のもの。確かに直接触れる事さえ出来れば離人の気絶を狙う事も出来るだろう

 

首筋にスタンバトンが迫る

だが、勝利を確信していた八百万には誤算を生じていた。離人がどれだけ常識外れな存在なのか計りかねていた

 

バキン!

 

「――え?」

 

背後から迫っていた八百万のスタンバトンを回し蹴りで叩き折る。自身の攻撃を察知されるとは思いもしなかった八百万は一瞬思考が止まる

 

「流石にビビったぜ、今度は場外に落とさせてもらうぞ」

 

(マズ――)

 

ズガン!

 

「あぁっ!」

 

初撃以上の威力の拳が八百万の構える盾を捉える

その衝撃は八百万の身体を容易に場外へと弾き出す

 

『おっと?!煙幕の中から八百万が場外に弾き出されたぁ?!中で何があったぁ!』

 

『煙の中で何か光ってたみたいだな、おそらく閃光弾の類で目潰しを図ったみたいだが相手が悪かったか』

 

相澤やプレゼント・マイクは煙幕の中で何が起きたのか推測するがその推測以上の駆け引きが行われていたのは誰にも分からなかった

「悪い、強く殴り過ぎた」

 

「大丈夫です…まさか、あの状態で攻撃を察知されるとは…」

 

八百万には目立った怪我こそ無かったが自身の建てた作戦をこうもあっさり破られたこともあってか項垂れていた

 

「空気の流れや臭跡で動きは大体分かる、とはいえ騎馬戦での少ない情報からよくあの作戦を思いついたな」

 

「正直、電撃が通用するのは賭けです。創造に必要な時間の為にテーザー銃を除外した事は誤算でした…」

 

とはいえ、仮にテーザー銃を使う作戦を取っても時間をかければ煙幕の中でもある程度動ける離人相手にはどの道詰みだったろう

 

「だが正直俺も見くびっていた、あそこまでヒヤヒヤさせられたのは久しぶりだ。自信持てよ、お前は強い。医務室まで一緒に行くか」

 

「…はい、ありがとうございます」

 

離人達は観客からの歓声を受けながらステージを後にする。第一回戦から波乱の展開を迎えることとなったがこれから更に苛烈さを増すことになる

 

 





・今回ちょっと色々あり過ぎた離人くん
轟に関しては内心思うところはあるがそれでも色々言いたい事は言えたので後は返事待ち。
八百万戦に関しては割と甘く見ていた所もあったが結構ビビった。因みにマトリョーシカを見た時、ペンダントの中身を見た某ツキハギみたいな感じで一瞬思考が止まった

・OFAの真実に少し近づいた緑谷くん
轟くんの話といい心操くんの本音といい今回中々重い話を聞かされまくった。オールマイトに継承者の話をしても何それ知らないで返された。
なお、中の人達は離人が自分達の事を認識していることに今回気づいた

・心が揺らぎになった轟くん
色々言われた結果、やや心が揺れた
もし戦闘中だったら救済出来たかもしれない

・結構惜しかった八百万ちゃん
原作だと常闇相手に何も出来ずにやられてたけど事前に作戦立てればこれくらい出来るんじゃね?という作者の解釈によって結構善戦した。あと一手あればワンチャンあった
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