めっちゃお気に入り数増えてるよぉ…
感想も送ってくれてマジ感謝…
今後とも送ってくだされば可能な限り返していくのでどんな評価もどんどん送ってもらえれば幸いです
「ハンカチ持ったか?」
「あるよ」
「筆箱持ったか?」
「あるよ」
「ティッシュ持ったか?」
「くどいわ!!」
新学期の4月
着慣れないスーツや制服に身を包み
慣れない電車に惑わされながら新たな出会いの場へと向かう転換期であり、離人もその1人だった
「行ってくる」
「離人!」
「ん?」
「新しい事も多いかもしれんが…何事も気楽にだ!」
「…言われなくてもだよ」
最寄り駅まで自転車に乗り、電車を乗り継いで1時間近くと決して短くはない通学路だったがそれでも全然苦として感じることなく学校に辿り着いた
「…来たぜ雄英、楽しくなってきた…!」
前回とはまた違う
「ここがA組…扉でけぇな」
異形型の個性に配慮したのか通常よりも一回りも2回りも大きい扉に手をかけ、戸を開く
「君!机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!?」
「思わねぇよ!テメェどこ中だよ、
「…教室間違えたか?」
思わず教室のプレートを確認したがやはり1-Aと書かれているのを見て、思ったより自分の素行が世間的に悪い方ではないのではと一瞬錯覚した
「俺の席は…そこか」
とりあえず1度現実逃避をして
自分の席に腰をかけることにした
「って、あーー!」
「うわぁ…」
しかし、それは目の前にいる宙に浮かぶ制服によって遮られることとなった
「お前もいたのかよ痴女…」
「痴女じゃなくて葉隠だって!変態!」
「俺は離人だ、人に名前を呼んで欲しければ
まず自分がちゃんと名前を呼ぶことだな、痴女」
「「「いやいやまてまて!」」」
これにはクラス全員が待ったをかけた
周りから見ればほぼ初対面の人間がめちゃくちゃ仲が悪いとかただ事ではなく、これには先程まで口論をしていたメガネとイガグリもドン引きしていた
「なんだよ?」
「いやいや何があったんだよ?!」
「簡潔に言うとコイツが実技の時に自ら全裸になってたにも関わらず見たことを理不尽に責められてる」
「お尻も触ってたでしょ!?」
「ありゃ救助のための不可抗力だ!」
「え、見たの?」
「…見えてなかったらこんな事態になってねえよ」
その一言に男子の一部は嫉妬の念を
女子からは殺意にも近い視線を送られた
「待てお前ら、冷静に考えてくれ
あの試験会場には1つの演習所に100を超える受験生がいたんだぞ?にも関わらず見える人間がいることを考慮しなかったコイツとギリギリまでそれに触れなかった俺のどっちに非があるか考えてくれ」
「判決は?」
「「「
「控訴だ!これは明らかな不公平裁判だ!」
離人は誤解を解くべくなんとか言い分をまとめるが結果は残酷にも敗訴、納得出来ずにやり直しを要求する
「…でも正直な話どっちもどっちだよ
葉隠ちゃんは配慮が足りないし離人くんも流石に痴女呼びはダメだよ」
「む…悪かったな葉隠」
「え、いやまぁ…こっちもゴメン」
「それよりなぁ!
なぁ、お前葉隠の全裸ってどんな――」
皮肉にもこの空気をぶち壊したのは恐れ知らずの変態だった、どこからか飛んできたイヤホンのピンによって変態の言葉は遮られヘイトは彼に集中した
「いやすげぇなコイツ…何でこの空気でその質問できると思ったんだよ」
この離人の言葉にはクラスの誰もが同意せざるをえなかった、クラスの空気が団結したところで更なる来訪者が現れた
「友達ごっこがしたいなら他所へ行け…ここはヒーロー科だぞ」
((((なんか居る?!))))
遅れてやってきた緑谷たちの背後に何か芋虫のような何かがいたが、律儀にもとりあえず離人以外全員座った
「あんた誰だよ?」
((((あの変態もやばかったがアイツも大概だな…))))
「…ここの担任の相澤だ」
((((担任!?))))
「なら証拠はあるか?
このままだと不審者にしか見えないんだが」
「ん」
おもむろに相澤は寝袋の中から教員証を見せる
それを確認するとそそくさと離人も席に着く
「ハイ、静かになるまで20秒かかりました。
時間は有限、君達は合理性に欠くね
まぁ、さっきのあれは手本としては十分だが」
((((アレは合格なのか…))))
「担任の相澤消太だ、早速だがこれ着てグラウンドに出ろ。更衣室で着替えて十五分後に集合。更衣室は近くにある。くれぐれも遅れるなよ?」
それだけ言って相澤は教室から出ていく
その後、体操服をもって離人が動き出す
「お前ら早く動いた方がいいぞ
ああいうタイプは時間にはかなり厳しい」
それを言うと全員が更衣室へと向かい出す
これから何が起こるのかという不安を持ちながら
「「「個性把握テスト!?」」」
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」
個性把握テスト
それはわかりやすく言えば『個性を使った体力テスト』であり、己の個性の限界を具体的に記録として見るものだったが離人にとってはこれはスポーツと何ら変わらないもので退屈なものだと直ぐに理解できた
「実技試験の1位はたしか源力だったな
お前中学の時のソフトボール投げの記録いくつだ?」
「76」
実技試験1位という肩書き
それは純粋な戦闘能力としてはクラストップということでもあり、ある者は嫉妬や恨みを込めて睨む者もいた
「じゃあ個性を使ってやってみろ、円から出なきゃ何してもいい」
「…はいよ」
ボールを受け取り円の中へと入る
個性で肉体を強化して投球のフォームに入る
しかし、考える事はこの試験の意味のなさだった
(こんな避けも反撃もしないボールを投げて一体何がわかってなんの意味があるんだよ)
ブォン!
彼にとっては適当な力加減
しかし、それでも周りと隔絶された差を持つ離人の力は別格だった
「…『983.4m』」
「なんだこれ!すげー面白そう!」
「あと少しで1kmってマジかよ!」
「個性思いっきり使えるんだ!さすがヒーロー科!」
離人の記録に誰もが驚き楽しそうだと期待を寄せるが、1人だけ相澤だけはこれが手加減した上での記録だと見抜いていた
「…面白そう、か。君達はヒーローになる為の3年間をそんな腹積もりで過ごす気なのかい?」
不穏な空気を放つ自身の担任に何人かの生徒は思わず自分の言葉を呪った、そして相澤の口から残酷な宣告を言い渡された
「よし。トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としようか」
「「「「えええええ!!?」」」」
ニヒルと笑うその顔は今の生徒達からすればもはや悪魔のようなものだろう
「最下位除籍って…!入学初日ですよ!?いや初日じゃなくても…理不尽すぎます!」
あまりの理不尽な宣告に生徒の1人が抗議の声を上げるが
「生徒の如何は教師の自由。これが、雄英高校ヒーロー科だ。自然災害、大事故、身勝手な敵達…いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれている。そういう理不尽を覆していくのがヒーローだ。放課後マックで談笑したかったのならお生憎。これから3年間、雄英は全力で君達に苦難を与え続けるぞ」
自分たちがヒーローを目指すからこそ、その道は生半可なものではなく先生達はあらゆる試練を与えて生徒達を磨き上げていくつもりなのだ
「『PLUS ULTRA』さ。全力で乗り越えてこい、こっからが本番だぞ」
…ただ、まだ危機感をほとんど持ち合わせていないのが一人
〈第1種目50m走〉
初めは50m走
この時点で最速のタイムは飯田の3秒04であり、勿論これは早いものではあるがスピード特化の個性にしてはやや型落ちだと離人は感じていた
「次、源力…言っとくがさっきみたいな加減でもすれば即座に除籍だからな」
「あいよ、なら1人で走らせて貰っていいか?
そっちの方が高記録が出せる」
「好きにしろ」
このクラスのトップということもあり、先程まで雑談にふけっていたメンバーも視線を移す
(ここで適当にいなすことも出来る…が、それなら本気でやってアイツらに危機感を持たせるか)
離人はここで結果を残すことでクラス内の成長速度を速める事にした、戦いのために本気を出すのはおそらくコイツくらいだろう
ズズズ…
スタートラインの前に立ち、先程とは明らかに出力の違う個性の発動を知らせる空色のオーラで自分の体を包み込む
『位置ニツイテ、ヨーイ...ドン!』
ドゴォ!!
合図と同時にグラウンドの地面を蹴り砕く勢いでゴールの白線へと足を掛ける
「…『0秒93』」
「…1秒切りってマジかよ…!?」
「というか最初の蹴り出しでデッケェ穴出来てんだが…」
その場にいた誰もが愕然とし、同時に理解した
目の前にいる源力離人という男は既にこのクラスでの強さという規格の向こう側に立っているのだと
「…源力、お前この穴戻しとけよ」
「えぇ…」
〈第2種目 握力〉
規格外の男はここでも規格外の力を見せつける
先ほどと同じように個性を発動させて万力を込める
バキン!
「…やっべ」
「お前、ゴリラの障子よりやべぇ記録出すとかマジでなんなんだよ…」
「え、これ弁償とかないよな?」
「そういうのはない、因みに記録は測定不能
つまり『∞』だ」
「「「「∞!?」」」」
∞というこれ以上ない記録に驚愕している横で当の本人は握力計を壊してしまったことにちょっとビクビクしながらクラスメイトの元へと戻って行った
勿論、この握力計が脆いなんて話ではなく
設計上は楽々と2t近い力を計測できた
「離人、お前石炭とか握ったらダイヤモンドにできそうだな」
「…今度試してみるか?」
「この感じだと本当に出来そうなのが何とも言えねぇ…」
〈第3種目 立ち幅跳び〉
いくら結果を出せそうな個性が多いこの種目でも流石の離人もビビるような記録は出ないと誰もが油断していた
「源力、それ何時までできる?」
「これ単体なら数時間は問題ねえ」
((((いやいやいや…))))
離人がやったのは試験の際に見せた『空を蹴る技』であり、これにより離人はその場で滞空し続けていた
「…『∞』と」
「「「「また∞?!」」」」
結果的に本日2度目の測定不能の記録を生み出した
「な、なぁ!今のどうやってやったんだ?!」
「自分にかかる重力以上の力を常に大気を蹴って生み出してるだけだ、力さえあれば誰でも出来る」
「いや、簡単に言ってるけどそれ出来るのオールマイトくらいだろ…」
〈第4種目 反復横跳び〉
「『438回』だ」
「思ったより伸びねぇな…」
「何でオイラの見せ場を奪うんだよォ!」
「朝のアレでお前の好感度だだ下がりだからな?」
この種目において唯一マトモに個性を活かせる峰田は自身のもぎもぎで高い記録を出していたが離人はそれ以上の記録を軽く叩き出しており、これには流石にクラスメイトも心の中でドンマイと思わざるを得なかった
〈第5種目 ソフトボール投げ〉
「死ねぇ!!」
ドォン!!
爆発の衝撃でソフトボールは空高く飛んでいく
これまで出ていた記録の中ではかなりのものだろう
「『705.2m』」
「クソが…!」
しかし、爆豪の機嫌は悪くなる一方だった
この時点で麗日の『∞』と手加減した上での離人の『983.4m』という記録には届かないからだ
「次、緑谷」
そんな中、緑谷の出番が回ってきた
このあとの種目のことも考えるとここで何か記録を残しておかないと最下位が濃厚になってくる
(どういう事だ?
さっきから緑谷は個性を使う様子すらない…何かしら代償がかかるタイプか?…だがあの感じからしてそんな弱い個性なはず無い…)
しかし離人はずっと個性を使おうとしない緑谷に疑問を感じていた、離人も緑谷の持つ個性?が異質な物だとは分かっていたがそれがどんな物なのかも同時に気になっていた
「あの地味目の人まだ良い記録出せてないよ…大丈夫かな?」
「ああ、このままだと緑谷君はマズいぞ…」
「ハッ、出来なくてたりめーだ。デクは無個性のザコなんだぞ!」
「無個性!?キミは彼が入試時に何をなしたのか知らんのか!?」
「緑谷が何かしたのか?」
緑谷について何かを知っているような素振りを見せた飯田に離人は問い詰めた
「あぁ、0Ptの仮想敵を一撃で倒したんだ!」
「へぇ…」
「…は?デクは無個性だろ!?んなこと出来るわけがねぇ!」
「確か離人くんも倒してたよね」
「「え?」」
何事もなかったかのように 言い出す葉隠に3人が反応する、0Ptの存在とその絶望感を肌で感じていた3人は驚きを隠せなかった
「そう言えば主席だった離人くんは何Ptだったの?」
「238Pt」
「「「「…ん?」」」」
一瞬、その場の時間が止まったかのような感覚に3人は襲われた、1人だけ桁違いの点数に実技試験ではなく筆記の結果を聞かされたと思ってしまうほどだった
「え?それ実技試験の結果だよね?」
「ああ、撃破Ptが206救助Ptが32だ」
「それ私が直談判した意味…」
「う、うむ…」
膝をついて落ち込む葉隠に飯田すらかける言葉が無かった、おそらく救助関連で何かあったのだろうと察していた
「え…な、なんで…今確かに、使おうって…」
(!腕に溜まっていたエネルギーが離散した…!
相澤が何かしたな!?)
離人は緑谷の個性が強制的に解除されたのに気づいた、そしておそらくその原因が相澤である事にも
「個性を消した…ったく、つくづくあの入試は合理性に欠くよ…お前のような奴も入学できちまうんだからな」
「消した…あのゴーグル…そうか…!抹消ヒーローイレイザーヘッド!」
(なるほどな、凝視した対象の個性を強制的に解除するのか…是非ともアレとは一度やってみてぇな…!)
『個性を消す』
シンプルだがここまで発動条件が緩いとかなりの強さを誇る、勿論プロである以上近接戦闘も問題無くこなせるだろう。だからこそ、離人はその闘争本能を昂らせていた
「飯田、緑谷の時の事を覚えてる範囲で話せ」
「…確か腕が凄い色に変色していたはずだ」
「腕とか凄い腫れ上がってたし…それに、飛び上がった時だと思うけど両足とかありえない方向に曲がっとったよ」
「ふむ…」
ここで離人は確信を得た
おそらくあの力は誰かから後天的に授かった力だろうと、だから扱いにはまだ慣れてないしコントロールすらままならないのだと
そして緑谷は再びボールを持ち円の中に入る
しかし、離人は先程とは異なる緑谷の些細な変化に気づいた
(なるほどな
腕ではなく指に力を込めて自壊を最小限にするのか、悪くない)
一瞬の投球フォーム
その間で指に収束するエネルギーを感じて離人は察した
「SMASH!」
ズドン!
先程の爆破と同じように空高く飛んでいくボール、そして相澤の持つ計測器には『705.3m』という数字がはじき出されていた
緑谷を見てみると腕は腫れ上がっておらず、代わりに人差し指が腫れ上がっていた
「まだ…動けます…!」
「コイツ…!」
「やっとヒーローらしい記録出た!」
「指が腫れあがっているな…入試の件といい、おかしな個性だ」
「スマートじゃないよね」
「うっわ、痛そう…」
「指一本であの威力か、凄まじいな」
(良い…!今はそれで良い!
本当に魅せてくれるな、緑谷出久!)
この記録には離人も笑みを浮かべずにはいられなかった、その様はどこぞの鬼神を彷彿とさせるものだった
ただ、この状況を快く思わないものが1人。
「どういうことだコラ!ワケを言え!デク!」
「うわああ!!」
何も知らない爆豪が緑谷に問い詰めようと掌に火花を弾けさせながら近づくが
「んが!?何だこの布…硬ぇ…!!」
「炭素繊維に特殊合金の鉱線を編み込んだ『捕縛武器』だ」
それを黙って見ている訳もなく相澤が爆豪を捕える。
「ったく、何度も個性使わすなよ。俺はドライアイなんだ」
(((((個性すごいのに勿体無い!)))))
最大の武器にして最大の弱点である相澤の目の事情に全員の心の声が一致した。
「時間がもったいない。次準備しろ」
爆豪の拘束を解き、相澤はそう告げる
そして…
「次、源力…一応最初にやったがどうする?」
「気が変わった、次は本気でやる」
「「「「!!」」」」
本気という言葉に誰もが反応する
つまり最初の第一球は加減されたものだったとこの時明確に判明した
(正直、ただ投げても記録は普通…ならこれならどうだ?)
円の中に入った離人はボールを高らかと上に投げ構えを取り個性を使った、この男はボールを投げるのではなく打つ事にしたのだ
(拳でやるのは素人の考えだ、やるなら蹴り…!)
とある物理学者曰く、足の最大出力は腕のその約3倍相当にも上る、つまり純粋なエネルギーなら蹴りの方が強いという事だ
仮にこれが、緑谷の100%にすら匹敵する拳を持つ離人がこれを放ったらどうなる事かは語るに及ばない
「オラァ!!」
ズガァン!
ボールを蹴ったにしては大き過ぎる音を響かせながら、衝撃波を生み出しながらボールは視認すら出来ない速度で消えていった、この時ボールの初速は既に音速の領域へと至っていた
「…『5708.9m』」
「5kmって嘘だろ…?!」
「本気出したらコレって…最初のは何だったんだよ」
これには全員、離人と勝負になるとすら思えなかった
まるで自分たちの全力を尽くして出した記録を嘲笑うかのような次元の違いは紛れもない絶望だった
「…お前ら流石にそこまでドン引かれると俺でも傷つくぞ」
なお、1人だけ心配するところがまるで違ったのは別の話である
〈第6種目 持久走〉
ここでは飯田や八百万が好成績を叩き出した
飯田は自慢のスピードで周囲と差をつけ、八百万は自身の個性でスクーターを創造し走っていた
「お前ら中々速かったな」
「それは君が言える立場ではないぞ…」
「分かってはおりましたけど、本当に弱点がありませんわ…」
ただそれも規格外の前では霞んでしまうほどのものであるのは言う迄でもない、そんな離人が見込んでいた緑谷は指の痛みでまともに走れていないようだ
(おそらく今はまだすば抜けたパワーだけだが、いずれは複数の個性が目覚めるだろう…将来有望だな!)
緑谷が見せた超パワー
それは氷山の一角でしかなく、成長さえすればまた別の能力が使えるようになると離人は予想していた
もっともそれが現実となるのはまだ先の話である
〈第7種目 上体起こし〉
「『142回』か…思ったより伸びなかったな
協力してくれてありがとな障子」
「あ、ああ」
この種目では誰かに足の方を押さえてもらう係が必要だったが離人はそれに障子を選んだ、結果的に正解だったとはいえ6本の腕で押さえ込んでなお全力の離人を抑えきれなかったので結果的に障子が抑え込めるギリギリのラインで調整した記録となった
〈第8種目 長座体前屈〉
「『52.34cm』」
「これは流石にどうしようもねえな」
最後の種目の長座
ある者は体の一部を伸ばすことで好記録を出していたが流石の離人もそんな芸当は出来ず、常識の範疇の記録に収まった
「離人にも出来ねぇことあるんだな…」
「何か5mくらい出しそうな感じはあったよな」
「だな!」
「…お前ら俺の事なんだと思ってるんだよ」
朝のことと言い、コイツら本当に入学初日のクラスかよとやや疑いつつ全8種目の個性把握テストは終わった
「んじゃ、パパっと結果発表するぞ」
遂にやってきた運命の結果発表
待っているのは除籍か残留かのどちらか片方
全員が緊張を張り詰める中、順位表が投影された
分かりきっていたことだが1位の所には離人の名前が、そして除籍となる最下位の場所には緑谷の名前が乗っており、当の本人は顔を青ざめている
「ちなみに除籍はウソな、君たちの力を最大限を引き出す為の合理的虚偽」
「「「「はああああ!?」」」」
その言葉に全員が驚きの声を上げる
嘘にしてはあまりにも心臓に悪い発言に一体全員どれほど不安にさせられたのだろう
「あんなのウソに決まってるじゃない...ちょっと考えればわかりますわ…」
(嘘ねぇ…単に全員除籍するには惜しいと判断したからだろ)
八百万が最初から嘘だったと説明する傍らで離人は相澤が本気で除籍する気でいたことに最初から気づいていた
「ま、そういうわけだ。これにて終わりだ。教室にカリキュラムなどの書類あるから目通しとけ。その後は自己紹介するなり好きにしていいぞ。それと緑谷、リカバリーガールのとこ行って、指治してもらえ。明日からもっと過酷な試練の目白押しだぞ」
それだけ言って相澤は校舎に向かう
離人もそれに続くかのように教室へと戻る
(この教室のヤツらで特に良かったヤツらは緑谷と爆豪とか言うヤツ、そして轟かな?)
その最中、離人は自身のお眼鏡にかなった奴らについて考えていた。無論、今の時点では負けることなど万に一つとして無いとは考えていた
(いずれも発展途上、だが成長すれば俺を越える存在になり得るな)
この評価は過大でも過小でもない
離人自身を満足させうる潜在能力を直に感じていた
(…先生、アンタの言う通りだ
これは退屈しない日々を過ごせそうだ…!)
離人はこの先あるであろう戦いに期待を込めて教室に戻って行った
・呪いの王みたいになってしまった離人くん
とりあえず葉隠とは仲直り?をした
ソフトボール投げの時の緑谷見て超興奮した
魅せてみろ、緑谷出久!とか言いそう
・周囲にあらぬ誤解を撒いた葉隠さん
とりあえず離人とは仲直りした
実技の結果聞いて『私の努力…』とか思ってしまったが、割と直ぐに立ち直った
現状1番の仲がいい
・知らぬ間に期待されてる緑谷くん
離人くんの強さを見て仮に敵だったらヤバいと自覚し始めたが、葉隠や他のみんなと話しているのを見て敵じゃないのでは?と思い始めている
・差を思い知らされたA組のみなさん
離人くんの強さ見て焦り始めた
場合によっては1部のキャラは早い段階で強化が入るかもしれない、なお爆発さん太郎とゴチンコはいつか超えると意気込んでいる
・勝手に不審者認定されかけた相澤先生
素行とかの面から特に離人に目をかていたが、安易に人を信じない性格と不審者の一件でほぅ…と思った