ラブライブ!アナザースクール‼︎   作:早乙女・天座

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第47話 降板は唐突に......

47話 降板は唐突に......

 薄暗い舞台の上でスッポットライトに照らされる幾人かの女性たち。鮮やかな衣装に身を包み、下民の身分にしては布を切り貼りし工夫して着飾っている。第一印象はその程度のものだった。

 

 お父様になかば無理やり連れてこられた視察の仕事。どうせいつものように、つまらない時間なのだと、そう思っていた、次の瞬間までは――

 

 オレ、レニー=フレッドはその瞬間、1人の女性に目を奪われる。その音の響きは、まるでオレの意識を奪ったかのようにその人物に釘付けにさせた。

 

 歌劇団の歌姫、エレーナ。素晴らしい歌の才に恵まれた、舞台の上の星。

 

 その時、オレは今まで感じたことのない感情を覚えた。

 

 なんて、美しいんだ。なんて、自由なんだ。オレも、こうありたい。

 

 生まれてから今まで、自分は政治の世界で生きるのだと、そう決められているのだと、それ以外の人生があるなんて考えたこともなかったのに……

 これまでの全てを投げ出してでも――オレはこの人のようになりたい。この人と一緒にいたい。そう、思ってしまったのだ。

  

 ※

 

 2匹のスズメが晴天の下で耳心地のいいモーニングコールを奏でる。鼻の奥まで広がっていくような不純のない朝の空気が、その爽やかさをひしひしと感じさせた。

 

「お姉ちゃ〜ん、私のジャージ乾いてる〜?」

「うん、乾いてるよ。アイロンかけといたから持ってきな〜!」

 

 そう返事をした夕輝はエプロン姿で、レタス、目玉焼き、ベーコンが乗った皿をテーブルの上に並べてトースターから2枚の食パンを取り出した。こんがりと狐色に焼けたトーストからイースト菌の芳しい香りが鼻腔をくすぐる。

 

 少しして、妹の夜都弓がやってきて2人は食卓についた。食卓からはテレビが見え、その時間に相応しい朝のニュースが流れている。天気予報から今週の出来事など、どうやら目立ったニュースもあるようだ。

 

「いただきまぁーす」

「はぁーい、どうぞー」

 

 向かい合わせに座り、そう手を合わして姉妹は朝食を取る。

 箸を進めながらTVに目を向けていた夜都弓が、口の中のものを飲み込んでから、話し始めた。

 

「わぁ、明日から雨続きだよ? 梅雨入りだね」

「ね、雨降ったら練習できないから大変なんだよね。夜都弓は体育館だから気にしなくていいの羨ましいよ」

 

 姉妹は朝の天気予報に目を向けながら、そんな会話を交わす。

 

「また、葉月の家のレッスン室、使わせてもらえないかなぁ〜」

「葉月さんの家って、そんな施設があるの?」

「うん、あれは凄い豪邸だよ。 お風呂も大きかったし、使用人もいたんじゃん?」

「ひぇ〜、お金持ちなんだね」

「うん、流石、女優の娘ってかんじ」

 

 他愛のない会話に花を咲かせながら、2人は朝食を食べ進める。

 

「……パパも、一緒に食べれればいいのにね」

「しゃーないよ。パパ朝、早いじゃん? 夜は遅いし……それでも夕飯にはなるべく間に合わせるよう頑張ってくれてるんだし、感謝しないと」

「は〜い」

 

 素直に返事をした夜都弓の目を夕輝は真っ直ぐに見つめた。

 

「夜都弓、寂しい?」

 

 そんな夕輝の問いかけに対して、一瞬唖然として、それから夜都弓は首をブンブンと横に振る。

 

「ううん、お姉ちゃんがいるから寂しくない。私、寂しくないよ!」

「そっか!」

 

 箸で2つに切った目玉焼きの中央からドロリ、と赤みがかった黄身が漏れ出してきた。一口サイズに切った目玉焼きをパクリと口に入れると、夕輝は嬉しそうに笑みを見せ、柔らかい目で夜都弓を見つめる。

 

「そうだ。そういえば、お姉ちゃん今度は舞台に立つんでしょ? 私、次も絶対見に行くからね」

「ええ〜、恥ずかしいなぁ。別に来なくていいんだよ?」

「ううん、行くよ! 絶対、行く‼︎ ステージの上のお姉ちゃん、すごくカッコいいよ? 指先とかピシッと揃ってて」

 

 言いながら夜都弓は指先を揃えて手を払って見せた。それを見た夕輝がクスリと笑い、夜都弓もまたそんな夕輝を見て笑う。

 

「カッコいいといえば葉月でしょ。この前もすごかったよ。殺陣(たて)って知ってる?」

「たて?」

 

 夕輝がそう言うと、すかさず夜都弓は両腕を揃えて顔の前で身構える。

 

「いや、その盾じゃなくて……演技のなかで剣とか持って戦うやつじゃん? あ、そういえばこの前――」

 

 ※

 

 灯の消えた部屋。天井には2つのスポットライトがあり、それぞれが2人の美男子を照らし映していた。

 

「裏切るのかフレディーッ‼︎」

 

 赤い短髪の美男子がケダモノのように吠える。赤毛の美男子は少し薄汚れた茶色や薄緑色の地味な生地を継ぎ接ぎしてできた服に身を包みながらも、その肌は一際白く輝いていた。

 

「落ち着くんだ、レニー!」

 

 木刀を持ち、高くから縦に切りつけるレニーの一撃を茶髪の青年は同じく木刀で受け止める。

 

「どけッ! 私はエレーナを守らなくてはならないのだァッ‼︎」

「だから、行ってはいけないんだ! これは(ラフィーク)の罠だ……戻れなくなるぞ‼︎」

 

 1歩、2歩、3歩、軽やかな足取りで、それでいて荒々しく剣を振りながら、レニーはフレディーを追い詰めていく。しかし、負けじとフレディーも剣でそれを捌きながら足取りを揃えて後退した。

 

 物語序盤の最初の山場。兄レニー=フレッドの失脚を狙って弟のラフィークが事件を起こした場面。ラフィークは街の女を拐ってその濡れ衣をレニーに被せようと画策したのだ。

 かなりずさんな作戦だったが不幸なことに拐われた女は例の有名な歌劇団の歌姫、エレーナだった。怒りで我を忘れたレニーは愚直にエレーナを救出し、弟のラフィークに罰を与える。

 

 しかし、その一件が原因でレニーの招待はエレーナにバレ、そしてまたレニーが歌劇団の一員として民間の装いをしていたことが父親にバレてしまった。

 そして、レニーは罰として父親に監禁される、と言うのがこの場面の流れである。

 

 そんな物語の見せ場の一つ、レニーとフレディーの大立ち回りを終えたや2人は、やがてピタリと動きを止めて数秒の沈黙が流れる。次の瞬間――パチパチパチ、と弾むハンドクラップが鳴り響いた。

 

「すごい! すごいよ、葉月ちゃん‼︎」

 

 分かりやすく目を輝かして、結花凛は両脇をぎゅっと閉めて両腕をブンブンと縦に振る。

 そしてフレディーもとい、その演者である陽夏もまいった、と言わんばかりに拍手を送っていた。

 

「いや、全く……想像以上だよ。その演技もさることながら、今まで殺陣をやった中で1番やりやすい相手だった。合わせるのが上手だね。こりゃ、かたなしだよ」

 

 レニーの姿のまま、部屋の脇に置いていたタオルで汗を拭い、葉月は近づいてくる。

 

「かたなしだなんて、そんなことはないよ。その歳で、あれだけ動けるんだ。将来、きっとどこの劇団でも引っ張りだこさ」

 

 悪びれるつもりもなく、淡白に葉月はそう言ってのけた。いつもの気の利く葉月ではありながら、一役者としてスクールアイドルをしている時よりも鋭い表情を見せている。比例するように、その発言も確固たる自信とプライドが宿っていた。

 

「ははは……生意気な後輩ちゃんだけど、柊絵梨花の娘にそこまで言わせられたなら満点かな」

 

 陽夏も陽夏で、そこまで気にしている様子もなく。いつもの軽口でそんなことをいい、グッと握り拳を作る。

 

「……楽しみだよ。きっといい劇になる」

 

 陽夏もまた役者として、部を取り締まる部長、劇を統制する座長として、それぞれの面で熱意を持って参加していた。そんな陽夏に葉月は暖かな瞳を向ける。そして、そっとそばへ近寄り、その肩に手を置いた。

 

「ああ、いいものにしよう」

 

 向き合った2人は強く頷きあう。そして、同時に伸びた2人の手はそれぞれが結花凛の肩へと置かれる。

 

「え?」

 

 突然のことに結花凛が困惑していると、渋い顔をした陽夏が申し訳なさそうに口を開いた。

 

「すまない結花凛ちゃん……ヒロインはリストラだ」

「ええぇぇぇ⁉︎」

 

 唐突な首切りに結花凛は悲鳴をあげる。

 

「ホントにごめん! そもそもこのコラボは私の思いつきだし、協力してくれる向こうの意思は尊重しなくちゃ、って黙ってたけど……葉月ちゃんがここまでやってくれてるんだ妥協はできない‼︎ きっといい劇に……いや! 伝説に残る劇になるはずなんだ‼︎」

 

 熱くそう語る陽夏に続いて、葉月も口を開いた。

 

「なに、ユカリが悪いわけじゃないんだ。ユカリのように目一杯、自分を表現するのも素晴らしいものさ。だけど、エレーナは守ってあげたくなるような女の子。良くも悪くもユカリは強すぎるんだよ」

 

 作中のエレーナは絵に描いたようなヒロインである。周りで起きている事件について何も知らない街の踊り子。ただ知らず知らずのうちに渦中に巻き込まれて、2人の主人公から守られるか弱き少女。どうしても、そのままの結花凛では物語と相違が生まれてしまう。

 

「う、うん。確かにこの前、葉月ちゃんが言ってたレニーにはレニーの人生がある、って話……まだちゃんとわかってないかもしれない。練習してるときも、ステージに立つときみたく、やるぞぉ!、としか思ってなかったかも……」

「ごめんよユカリ。ボクはミウほど教えるのが上手くないみたいだ。自分ではそうじゃないと思っていたが、感覚派だったんだね」

「ううん。葉月ちゃんが悪いんじゃないよ! 私も、いい劇にしたいと思ってるし」

 

 数度の練習を重ねて、それでもなお結花凛の演技力は上達しなかった。その事実を結花凛も受け止めているようで、突然の降板宣言にも不服さや異議などは内容である。

 

「でも、エレーナ役は演出的にもスクールアイドル部の子達じゃないとフィナーレのステージが成り立たないのも事実……どうしたら」

 

 陽夏が眉間を摘みながら頭を悩ませていると、優しいお花のような鼻歌と、コツコツコツ♪、とスキップするような靴の音が廊下から聞こえてきた。

 

「適任ならいるさ」

 

 ただならぬ情熱を注ぐ陽夏と同じだけの熱量で、葉月は呟く。

 

「意外に器用で、物覚えも良くて、仕事を任せても一切不安のない歌の上手な優秀な人材。なによりエレーナのように守ってあげたくなるような女の子」

 

 鼻歌とスキップの音は徐々に近づいて部屋の前でピタリ、とやんだ。次の瞬間、ドアはガラガラと音を立てて開かれる。

 

「頼まれてたBGM各種、全部完成したよ〜!」

 

 そう言って登場したレナに部屋の中の視線は収束した。パチン!、そう葉月が指を鳴らすと足早にレナへと近づいていく。

 

「ちょうどいいタイミングだ! レナ、今からキミがボクのお姫様だよ」

「え?」

 

 状況が把握できず戸惑うレナのもとへ陽夏も近づいていく。そして、間近でジロジロと値踏みするように見渡すと、静かに親指を立てた。

 

「採用!」

「え? え?」

 

 訳のわからない状況に、若干涙を浮かべつつレナは目が合った結花凛に助けを求めるような表情を向ける。

 

「うーん、確かに葉月ちゃんの言う通りかも。降板されるのは残念だけど、それで全体が良くなるなら私はレナちゃんにエレーナを譲るよ」

「え? え? え?」

 

 自分が話の中心にいることは分かるが、それに全く付いていけず、そして全く寄り添ってくれない状況にレナはあたふたとしかできないでいた。

 

「ありがとう、結花凛ちゃん! 踊り子B役として結花凛ちゃんのセリフは絶対に増やすから‼︎ 」

「ええぇぇぇ〜‼︎」

 

 自分を差し置いてどんどん話が進む現状に嘆く、レナの悲鳴が部屋にこだまする。

 

 ※

 

「ええぇ……それでレナねえヒロイン役になっちゃったんだ……」

「そそ、でも意外と上手くいってるんじゃん? やっぱりレナは器用な子だよ。何やってもそれなりにできちゃうんだから」

 

 歯型のついたトーストに夕輝はもう一つ歯型をつける。

 

「それに葉月さんはやっぱりカッコいいね」

「あー、うん。それはそう。けど、たまに残念になるときもあるんだよ? 急にキザ男みたいになったり……最近は見ないけどね」

「そうなんだ。もしかして葉月さんって結構おもしろい人?」

「だね。色んな意味で見てて飽きない。夜都弓は、葉月がお気に入り?」

「う〜ん、お姉ちゃんを除いたら、私は美烏さんかな〜」

「え? 美烏?」

 

 自分の妹の推しが意外だったのか、夕輝は思わず聞き返す。

 

「うん、美烏さんカッコよくない? 練習風景の動画とかさ。お姉ちゃんが話してくれる、普段の美烏さんとかも」

「ええぇ……そうかなぁ。この前も――」

 

 ※

 

 結花凛や葉月が主に演劇の練習を演劇部の面々と行なっている間、夕輝、美烏、レナの3人はそれぞれ小道具や音響関係、衣装などの準備に勤めていた。

 

「終わった〜! さっそくヒナチー先輩に報告してくるねユっちゃん‼︎」

「おけ〜、いってらしゃい」

 

 スクールアイドル部の部室にてパソコンを叩いていたレナはUSBメモリを片手に、ヘッドホンを外して席を立った。そして、部室の扉から廊下へと軽い足取りで向かうレナに夕輝は手を振った。

 

 そんな2人のやり取りのわきでは、両手に台本を持ちメガネのレンズ越しに目を凝らす美烏の姿があった。そして、壁に向かって何やらブツブツと念仏のようにセリフを繰り返している。

 

「おーい、美烏? さっきからそれ気味悪いから辞めてくんない?」

「気味悪いって、仕方ないじゃない! こうして練習しとかないと次の合わせ練習の時に出来ないのよ。結花凛や葉月が頑張ってるのに私が足を引っ張ったらダメじゃない」

「練習の練習してんだ……」

「元はと言えば、夕輝がアタシにはセリフふらないでとか言ったせいでしょ⁉︎ 夕輝の分が私に回ってきてるのよ?」

 

 美烏に反発され図星をつかれたと、夕輝は苦い顔をして後退する。

 

「だいたい、私が不器用で物覚え悪いことは知ってるでしょ?」

「とはいえじゃない?」

 

 露骨に肩を落とす美烏を擁護するように夕輝は、その肩に手を置いた。

 

「スプリングフェスの当日、イグニスコードのりっくが言ったこと覚えてる?」

「え?」

「無名だった高校が、ずいぶんとクセのあるメンバーを集めたとかって――」

 

 エンシードと因縁のあるイグニスコードのセンター、松原りくが自分たちのステージを終えた後に言った挑発のような発言。美烏がプレゼンツした動画等を、りくがリサーチした結果の言葉。エンシードのメンバーは、将来的にみた場合それぞれ一長一短の光るものがある。そう、りくは評価していた。

 

「私も、そう思うわ。結花凛を筆頭に、レナも葉月も異質な才能を持っている。それに……あなたもよ、夕輝」

「え、アタシ?」

 

 突然持ち上げられた自分の存在に夕輝は呆気にとられた様子を見せる。

 

「今でこそ、まだ私に教わってる状態だけど、ダンスのスキルはどんどん成長してる。振り付けだって、覚えが早くなってきた。元々、体の使い方が私より上手いんだわ」

「……でも、美烏だって凄い経歴持ちじゃん。美烏がいないとエンシードはなりたたないんじゃん?」

 

 夕輝が思っていたより美烏が深刻に考えていることが分かったのか、茶化すこともせず夕輝は美烏の顔を覗く。

 

「私はみんなより走り始めたのが早かっただけ、経験を積んだだけよ。私そのものに秀でたところはない。このメンバーの中なら来年か再来年には、私はお荷物になっているかもしれない。だから、練習の練習をしてでも、私は走り続けないといけないの」

 

 そう語る美烏は確固たる瞳を輝かせていた。そんな目を見て夕輝は、これ以上否定しなかった。

 クルール×フルールでプロの地下アイドルをしていたころから、美烏はこうして自分に鞭を打ち他のメンバーと肩を並べていたのだと、夕輝は理解したのだろう。それを否定してしまうことは美烏にとっての侮辱だった。

 

 ※

 

「アタシはさ。正直、たまに出る美烏のああいうウジウジするところ好きじゃないんだよね。だって、アタシもユカたちも、美烏が足手纏いになるかも、なんて思ってないんじゃん?」

 

 そして、その時言えなかった心の内を妹に打ち明ける。

 

「うーん。それでも私はカッコいいと思うよ? ちょっとタイプが違うけど、お姉ちゃんみたいで」

「え⁉︎ アタシ?」

「そう、努力家なところ。お姉ちゃん気付いてないかもだけど、お父さんと私と3人になっちゃってから、どうにか私に負担がかからないようにって、色々頑張ってくれたでしょ?」

 

 一度、箸を箸置きに置いて、夜都弓は真っ直ぐ夕輝に伝えた。

 

「そんなの当たり前のことじゃん?」

 

 何言ってんの?、と返す夕輝に夜都弓はクスリと笑う。

 

「きっと美烏さんも同じなんだよ」

「んー、そういうものなのかね」

「そうだよ、そうだよ」

 

 そう言って姉妹は笑い合い、和気藹々と朝食をとった。

 

 ――その隣で、ずっと朝のニュースを垂れ流していたTVに夕輝は一瞬、気を惹かれる。TVから聞こえてきた聞き覚えのある単語『昨晩、柊絵梨花 帰国』のニュースが原因だった。

 

 しかし、すぐに夕輝は目を逸らし夜都弓とのやりとりに集中する。葉月のお母さんがハリウッドから帰って来たんだ、その程度の認識だったのだろう。

 

 ※

 

 その日――夕輝が登校して教室に入ると、いつも早くに到着している葉月の姿は何処にもなかった。

 

 次の日も。また、その次の日も。葉月は姿を見せないでいた。何の連絡もなく、誰も連絡がつかず――その日を堺に葉月は姿を消してしまった。

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