ラブライブ!アナザースクール‼︎   作:早乙女・天座

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第64話 幕引きを歌う吟遊詩人②

 暗いステージに2つのスポットライトが当たり、レニーと、その父であるエリオ=フレッド3世が、照らし出される。

 

「レニーッ! 父に剣を向け、罪人へ身を落とそうと言うのか!」

「お父様ッ! ワタシは歌を歌い、エレーナのように自由でありたいのですッ!」

「戯言を叫ぶなッ! お前には政治の才能がある! この領地を発展させるためにある力だというのが分からないのかッ!」

「お父様……才能なんて関係ない。ワタシは、そんなものに振り回されたくはないのです‼︎ ワタシは……いや、オレはッ! なりたい自分になるために、この家を出るッ‼︎」

 

 舞台の上で、レニーを演じる結花凛と、エリオを演じる演劇部の2年生が互いの意見を衝突させた。演劇部の演技は流石としか言いようがなく、性別の壁どころか年齢の壁も超えていて、支配欲の強い父親を見事に演じている。結花凛も負けず劣らず、エレーナを演じていた頃が嘘のように成長していた。

 

 結花凛の鬼気迫る表情は一辺倒な一面を表に出しており、セリフに合わせ表情を変えエリオの心情を表している演劇部の子に比べて表現力に欠ける。しかし、欠点をカバーするように、結花凛は声色と抑揚、そして天性の声量で、演技に迫力と説得力を持たせていた。ややオーバーな言動に思う節もあるが、2階席に座っているお客さんからしてみれば、結花凛の演技の方が響くことだろう。

 

「あれが、結花凛さん…………」

 

 ステージの上で見事にレニーを演じる結花凛を見て、萌音がボソリ、と呟いた。

 劇を見る他のお客さんは、楽しいシーンなら頬を緩ませ、緊迫したシーンなら緊張した表情を見せている。しかし、この会場の中で唯一、萌音だけは緊迫した表情で、ずっと結花凛だけを目で追っていた。

 

「萌音……この間、言った通り彼女は今、記憶を失っている。あそこにいるのは萌音が思っている結花凛くんじゃ――」

「ううん、お姉ちゃん。今のは……今のあの人は、結花凛さんだよ」

「え?」

 

 極めて小さな声で、姉妹は会話を交わす。若葉の言葉を否定して、ゆっくり首を横に振った萌音の瞳は依然、揺れながらステージの上の結花凛を捉えている。その状態のまま、萌音は続けて言葉をならべた。

 

「お姉ちゃんが、結花凛さんは記憶喪失だって言うから、どんな風になってるんだろう、って思ってたけど……あの結花凛さんは、私には、昔とそんなに変わっていないように思う」

 

 そう言った萌音は下唇を甘く噛み、目の下を寄せる。

 

 萌音の言葉を聞いて、若葉は再度ステージの上にいる結花凛を凝視した。しかし、若葉の目には、レニーを演じていることを除けば、普段学校にいる結花凛と変わりないように映ったようで、訝しげな表情を見せ小首を傾げるのだった。

 

 ※

 

 時は少しだけ遡り、舞台裏にいる夕輝は、葉月のために美烏と2人でリハーサルに付き合った後、水の入ったペットボトルを片手に舞台の袖から劇を見守っていた。

 

 ステージの上で行われているのは、歌劇団と共に歩むことを決心したレニーがフレディに牢から外へ出され、3人で屋敷を抜け出そうとしているシーンである。そこへ、父のエリオがやってきて、3人の前に立ち塞がり剣を抜いた。

 レニーは背中にエレーナを隠し、フレディは腰の剣に手をかけ、前に出ようとする。しかし、そんなフレディにレニーは待ったをかけた。

 

「フレディ、ここはオレが残る。だから、お前にはエレーナを頼みたい」

「何を言ってるんだ……」

「勘違いするな。父と決着をつけるだけだ。絶対に追いつく……だから、先に行って待っていてくれ!」

 

 レニーはそう言って、剣を抜く。レニーの決意を認めたフレディはエレーナを連れて走り出し、そのままステージをはけていった――

 

 ――自分がいる方へと走って来るエレーナとフレディ、もといレナと陽夏に、夕輝は「おつかれー」、と軽く声をかける。

 

「うわぁ〜、ユッちゃ〜ん……疲れたよぉ」

「あはは……レナ、ずっと出ずっぱりだったもんね」

 

 登場してから今の今まで、ほとんどステージの上に居たであろうレナが溶けるように夕輝へと抱きついた。そんな姿は、さっきまでステージの上で見せていた、か弱くも意志の強いエレーナではなく、へこたれたレナである。

 

 夕輝は弱ったレナの背中をさすりながら、近くの椅子までレナを移動させた。

 

「本当にレナちゃんは良くやってくれてるよ。音源制作から、無理なスケジュールでの演技の練習まで、本当に……うぅぅ、涙出てきちゃう」

 

 レナと同時に舞台の袖でへと、はけてきた陽夏が勇者の姿で目の端に小粒の涙を浮かべる。そんな陽夏に夕輝は慌てて対応した。

 

「ちょ、先輩……泣くの早いですよ⁉︎ この後もまだ出番残ってるんですから!」

「そだね、最後まで気を引き締めないと……」

 

 感極まった陽夏と、そんなやりとりをする夕輝。一通り、やり取りが終わり、陽夏が舞台裏に置いてある自分の水を取りに行ったところで一息ついた後、夕輝はハっ、と思い出すように顔を上げ、椅子に座るレナに声をかける。

 

「そうだ、レナ! 葉月、来たよ‼︎ 今、控え室で美烏とパフォーマンスの最終チェックしてる!」

「ホントっ⁉︎ 良かったぁ〜 ハーたん、間に合ったんだね!」

 

 2人の少女が舞台の袖でキャッキャ、と嬉しそうな顔を見合わせた。

 

「葉月、ちょっと明るくなってた。小粋な冗談とか言っちゃったりしてさ、肩の荷が降りたって感じじゃん?」

「もう、ユっちゃん? 茶化したらダメだからね」

 

 少し悪戯小僧のようなニヤついた笑顔を見せる夕輝にレナは、両手の人差し指を交差させて嗜める。

 

「はい、は〜い。分かってるって――」

 

 2人がそんなやり取りをしている間もステージの上で劇は進行していて、レニーとエリオが睨み合っている。

 瞬間、舞台袖にいた夕輝とレナは何か異様な雰囲気に引き寄せられるようにして、自然とステージの方へと視線を向けた。

 

「お父様……才能なんて関係ない。ワタシは、そんなものに振り回されたくはないのです‼︎ ワタシは……いや、オレはッ! なりたい自分になるために、この家を出るッ‼︎」

 

 マイクで響いた結花凛の声が、不意に鮮明に聞こえる。

 父のエリオに対して、自分の意思を叫ぶ結花凛の演技がヤケに鬼気迫るものだったのか、2人はジワリと汗をかいていた。

 

「ねえ、レナ……今、一瞬だけ」

「うん……昔のユカちゃん、みたいだった」

 

 長く時を共にする2人にしか分からない何かを感じ取ったのだろう。ステージの上の一瞬を切り抜いて、夕輝とレナは、そんな会話を交わす。

 

「勘違い……じゃ、ないよね?」

「分かんない……けど、ユカの声が聞こえた時、一瞬だけ背中がビリビリ、ってした。まるで、あの頃のユカが叫んでるみたいだったんじゃん?」

「うん。私もそう思ったよ、ユっちゃん」

 

 2人は何とも言えない空気の中、ステージの上の結花凛を見つめるしか出来なくなっていた。そんな時、夕輝とレナのもとに、控え室から出てきた美烏と葉月が合流する。

 思いがけずに大きな衝撃を受けたレナだったが、葉月の姿を見てハッ、と我に帰るように冷静を取り戻した。

 

「あ、ハーたん……!」

「やぁ、レナ」

 

 嬉々とした声で言うレナに軽く挨拶を返し、葉月は朗らかに笑う。

 

「久しぶりだね、また会えて嬉しいよぉ!」

 

 気がかりなことがあった後だが、レナはバンザイをして葉月との再会を心から喜んだ。

 

「ははは……ありがとうレナ。けど、これからはいつでも会えるんだ。そんなに特別なことじゃないよ」

「ううん。特別だよ。毎日、会えることも特別なの」

 

 自身の胸の前に両手を重ね、レナはしっとりと、そう言った。会いたくても、会えない人がいる。毎日、会っているはずなのに、会えてない人がいる。そんな背景が、レナの瞳を揺らしていた。

 

「……そうだね。ボクも、また会えて嬉しいよ、レナ」

 

 葉月にも、そんなレナの心情は何となく読み取れるようである。それと同時に、自分も二度とレナたちとは会えなくなる一歩手前を経験した身ゆえ、余計にレナの言葉が刺さったと見れた。

 

「葉月、そろそろクライマックスで出番来そうだけど大丈夫? 緊張とかしてない?」

 

 美烏との最終チェックを済ませたものの、ぶっつけ本番なことには変わりなく、それを心配したであろう夕輝が、いつもの調子でそんなことを口にする。

 

「夕輝がそれ言うの? 本番前、震えてたくせに?」

 

 自分を棚に上げて葉月の心配をする夕輝が、素直に面白かったのか、美烏は少しだけ広角をあげて言った。

 

「あー! 美烏だって出番迫って来た時は緊張してたじゃん‼︎」

「してませんー! 本番前にセリフを暗唱してただけですぅー!」

 

 数分ぶりに顔を合わせるなり言い合いをする夕輝と美烏を見て、葉月は優しく微笑んでいる。他のメンバーもそうだろうが、ようやく日常が少しずつ帰って来ていることを実感するのだろう。

 

「よし。2人とも、緊張するのならボクが良い、おまじないを教えてあげよう。まず、右手の平に漢字で鬼と書いて、左手の平には同じく漢字で蛇と書く」

 

 大きく抑揚のある声で実演しながら葉月が2人に語りかけた。夕輝と美烏は突然の物言いに驚きながらも、初めて聞く葉月のまじないの話を真剣に聞いている。

 すると次の瞬間、葉月は両手をパンッ、と合わせてドスの聞いた声を作り、両手を擦り合わせた。

 

「そして、その2つをグチャグチャの血みどろになるようにして呑み込むッ!」

「怖いッ⁉︎ 物騒だし、聞いたことないわよ! そんな、おまじない‼︎」

 

 思いがけない展開に美烏は目をギョっ、とさせ反射的にツッコんでしまう。それを聞いて葉月は高らかに笑っていた。

 

「ハッ、ハッ、ハッ、でも緊張は取れただろう?」

 

 そんなことを言う葉月を、美烏はムスッ、としたジト目で見つめる。まるで、バカなこと言わないでよね、と言っているかのような表情が葉月を突き刺していた。

 その傍らで、レナは葉月が口にした冗談をニコニコと笑いながら実践しており、夕輝はそれを見て一瞬、大きく口を開け唖然とする。

 

「こらぁー! 葉月ィ! レナが鵜呑みにしちゃって、よく分かんないの呑み込んじゃってんじゃん‼︎」

「ユっちゃん、きっと『毒をも煎じて呑め』、ってことなんだよ!」

「……微妙に分かりそうで、分からない語録ね」

 

 ワイワイ、と盛り上がる3人を見ながら、涙を流すほどひとしきり笑った葉月は、大きく深呼吸をして目の端の涙を指で拭った。

 

「ふう。……実は夕輝の言う通り少しだけ緊張していたんだ。なんせ、今からボクが向かうのは、初めての挑戦であり、ボクの夢の舞台だから……けど、みんなを見ていたら緊張も吹っ飛んだよ。ありがとう」

 

 ついさっきまでハッチャケていた葉月だが、しっとりとした声色で本音を打ち明け、優しい笑顔で感謝の気持ちを言葉にする。そんな葉月の背中に、夕輝は軽く張り手を浴びせた。それ続き、美烏、レナと手のひらを重ねる。

 

「どういたしましてだよ、ハーたん」

「葉月には私たちがついてるわ。私たちはもう、切っても切り離せない仲間なんだから」

「そうそう、ユカもいるしね」

 

 3人の手の温もりを背中で感じながら、葉月は幸せそうに笑っていた。

 

「みんな……本当に大好きだよ」

 

 自分の胸に手を重ね、噛み締めるように葉月は言う。そんな葉月の気持ちに寄り添うように、3人は葉月と笑い合った。

 

「おかえり、葉月ちゃん。キミたち最高だよ……スクールアイドル部」

 

 無事に間に合った葉月の存在を知りつつも、かけがえのない時間を3人に譲り見守るに徹していた陽夏が、そんなことを呟く。

 

 劇は大詰め、苦難を乗り越えた先にあるのは大団円の幕引きである。

 

 ※

 

 剣をも交えた父との衝突の末、レニーは傷を負いながらも屋敷を抜け出すことに成功した。そのまま走り、街の門へと辿り着く。

 そこには自分を待ってくれていた歌劇団の仲間たちがいて、その中心ではエレーナが祈るように手を組み合わせながら、心配そうな表情を見せていた。

 

「エレーナッ! よくぞ待っていてくれたッ!」

 

 勇者フレディ、歌劇団のミウとユウキに見守られ、2人は熱く抱擁し合う。

 

「レニー様っ! アナタが帰ってくるのを、エレーナはずっと待っていました」

「ありがとう、エレーナ。ありがとう、みんな! オレはもう迷わない……才能に振り回されて、なりたい自分を諦めるなんて、うんざりだッ! オレはみんなと一緒にいる時の自分が好きだ。みんなのことが好きだ! だから、もう一度……みんなのことをオレに仲間だと呼ばせてくれ」

 

 スポットライトに照らされながら、自分の気持ちに正直にレニーは熱く思いを叫んだ。

 

「あたりまえじゃない……」

「そうそう、アタシらずっと仲間なんだしさ」

 

 歌劇団の気持ちも既に固まっている。レニーは、もう既に居なくてはならない大切な仲間で、そのレニーを迎えるために自分たちは故郷を捨てる覚悟をしたのだ。

 

「ありがとう……みんな」

「そんなことより、もっと他に言うべきことがある人が、いるんじゃないかしら?」

「今回、アンタのために必死になって動いてくれた、立役者なんじゃん?」

 

 ミウとユウキに小突かれるように指摘されて、レニーは分かりやすく動揺した様子を見せる。

 

 そう、身分違いで叶わないはずだった2人の恋の障壁は、もう無いのだ。

 

 レニーはエレーナを前に言い淀み、それから大きく息を吸い、奥歯を噛んで、強くエレーナを見つめた。

 

「エレーナ……オレのために本当にありがとう。キミが何度も声をかけてくれたから、弱かったオレは決心することが出来たんだ。エレーナ、キミはいつだってボクの憧れだ。キミ思って、ここまでやってきた……キミが居たからここまでやって来れた! けど、これからはオレに、キミを守らせて欲しい」

 

 真剣な瞳でエレーナを見つめ、愚直にレニーは右手を差し出す。その右手を、エレーナは優しく包み込んだ。

 

「はい! レニー様っ‼︎」

 

 目の端には涙を浮かべ、感極まった震えた声でエレーナは返事をした。

 周りにいた歌劇団の仲間たちやフレディの拍手に包まれて、再度2人は熱く抱きしめ合う。

 

 そのタイミングで舞台のスピーカーからは優しいハープの音色をベースとした、ゆったりなペースのBGMが流れた。

 

『かくして、結ばれるはずのなかった2人の男女は結ばれたのだった』

 

 ここまでずっと語り手として、録音された音声で劇を進行していた声が、より鮮明になって聞こえてくる。

 劇は終わりを迎え、照明は徐々に暗くなっていった。明かりが消え、キャストの姿が完全に見えなくなり、全員が舞台袖にはけていったところで、勢いよく1つのスポットライトが舞台を照らす。

 

 そこに現れたのは、両手に小さなハープを抱え、羽の装飾が付けられた緑の帽子と、そのセット衣装に身を包む葉月だった。

 

 現れるはずのないサプライズキャストに会場からは、悲鳴にも似た歓声が上がる。

 

「かつて、1人の若き青年は悩んでいた……自分の定められた運命と、なりたい自分とのせめぎ合いで」

 

 BGMに合わせて葉月は、まるで自分のことのように感情をのせて言葉を紡いでいた。

 

「そんな彼を導き、救ってくれたのは、憧れを教えてくれた大切な人と……かけがえのない仲間たちだ。先の見えない旅を選んだ歌劇団の未来は、どうなるか分からない。けれど、彼はもう迷うことはないだろう。だって彼のそばにはもう、どんな自分でも認めてくれる、大切な人と、大切な仲間たちがいるのだから」

 

 葉月がセリフを言い終えたタイミングで、ハープのゆったりとしたBGMは別のものへと移り変わる。

 

 次に流れて来たのは、同じくハープをベースとた音色だが少しアップテンポなメロディで、最近のJポップのテイストと、ジャズのテイストが入り混じった曲だった。

 

 葉月は瞼を、ゆっくりと閉じてスゥ、と息を吸う。そして、劇を初めからなぞるような詩を音色にして響かせた。

 

 葉月の歌声は、軽くどこまでも伸びていくようである。

 聞くものを圧倒させる結花凛の歌や、天使のように優しい声をもつレナの歌とは、また一つ違った葉月の歌。それは、聴くものの心に寄り添っていくような包容力のある歌声だった。

 

 彼女が培った役者としての表現力の高さ、そして人を惹きつける表情の魅せ方。全てが歌う葉月を後押ししている。

 

 葉月が独奏で一番を歌い切ったところで、曲調がまた一つ変わり、今度は様々な楽器が音を奏て、より盛り上がる曲調へと変わった。それと同時にステージは全体が明るく照らされて、そこにスクールアイドル部の5人が照らされる。

 

 葉月を除く、他のメンバーは劇の最中なので、もちろん役のままパフォーマンスを行う手筈だった。しかし、一瞬だけ葉月と目があったレニー役の結花凛が、泣きそうになりながら表情を緩ませる。

 

 そして、陣形を整える最中に隣り合わせになったタイミングで、結花凛は声を出さず唇の動きだけで「おかえり、葉月ちゃん」、と伝えた。

 それを受けた葉月は数秒、目を瞑り、唇を噛み締める。そして、葉月は一瞬の隙をついて同じように唇の動きだけで「ただいま、ユカリ」、と結花凛に伝えた。

 

 短いやり取りで再会を果たした2人は、頷きあった。そして、葉月を中心に、ヒロインのレナと主人公の結花凛で挟むように並び、5人で音に合わせてステップを踏む。

 様々な苦難のせいでまともに合わせた事もないため、完璧な連携だとは言えないが、音に乗る5人の少女の一体感は間違いなく増していた。

 

 劇の成功を彩るように、葉月はかつて憧れた父の姿を追いながら、かけがえのない仲間たちとステージの上に立っている。

 復活したen↑↑↑seedsのパフォーマンスは物語のハッピエンドを歌い、大きな盛り上がりを呼んで、舞台の幕は下ろされた。

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