宮東ガンジュの悲喜こもごも   作:みのやき

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細かい話になりますが、
『何らかの理由で当日は書けず、後から思い返しながら日記を綴る』
形式を、これからも多用することになる見込みです。
何故ならオリ主が紙媒体で日記を綴っているからです。
原作知識という機密情報の塊である日記帳を、そこかしこに持ち歩いて夜な夜な書き記すという行為が、いくら何でもアホすぎるためです。
このため、デスノートを拾った新世界の神 () 的なトラップを仕掛けた上で、自宅に保管していることにさせていただきます。
色々と雑いですが、よろしくお願いいたします。


アビドス編1-A (日記)

〇月×日

 

アビドス編が始まった。

メインストーリーVOL.1第1章 初日の朝は、先生からのモモトークで始まった。

 

『アビドス高等学校の生徒から手紙が届いた。母校が廃校の危機に晒されているらしい。時間が惜しいので今から向かう。初日から振り回してごめんね。慌てなくていい。学校が終わって準備ができたら来てくれ』

 

そういえばそんな流れだった気がする。完璧に忘れてた。

 

キヴォトスにおける廃校とは、“前”の感覚でいう『亡国』に等しい。

住民たちにとっては非常事態だ。『生徒のための先生』であろうとする彼が、鱗滝さんもニッコリのスピードで飛び出していくのは当然なのだろう。

当然なのだが、お付きのモブを放ったらかして出撃されるのは悲しい。

引き止めて合流したかったが『時間が惜しい』と、やんわり拒否られた。

 

慌てて準備して後を追った。

先生は銃弾一発で死んでしまう。

スーパーアロナちゃんの謎バリアも、電池切れには勝てないらしいから。

あと原作通りなら、先生は到着直後からアビドスの市街地で数日間彷徨うことになる。

首尾よくシロコさんが先生を拾えばいいけど、そうでなかった場合は開始早々に物語が終わる。

私でも行き倒れを介抱する程度の仕事はできるから。

絶滅危惧種アビドススナオオカミと先生が接近遭遇する歴史的な瞬間に立ち入ることになるけど仕方がない。

 

セミナーに出張を申請した。

期間は仮に2週間。

延長の可能性あり。

 

リオ会長にダメもとで頼んでみたら、えらくすんなりと許してくれた。

諸々の申請時間と許可が下りた時間を逆転させることで、一連の手続きを速やかに完了できた。

ありがたいけど、どうしてだろう?

ありがたいので黙っておくが。

 

学校を空けることになるから通信教育も手配してもらう。やる暇は無さそうだけど。

 

何でもある24時間営業の売店に駆け込んで装備をかき集めた。

 

基本的には言語も通貨も統一されているという、何気に凄まじい文化を誇るキヴォトス。

おかげでそちら方面はマジで楽だ。

 

本当は戦車でも持っていきたかったけど、過剰な装備とのことで却下された。

仕方が無いので現地までは公共交通を利用することにした。

その代わり、耳と手の早すぎるエンジニア部が、折り畳み式の電動スクーターを用意してくれた。

噂の先生に向けて、ミレニアムの技術力をアピールしたいらしい。

既製品に防塵機構を始めとした機能をしこたま盛り込んだモンスターマシン。

可変機構も搭載されていて、バットポッドよろしく平べったい形に変形することで砂地でも 100km/h 出せるらしい。

そこまでエキセントリックな性能は要らないけど、耳と尻尾を高速回転させながら力説するヒビキが可愛いので黙って受け取っておいた。

 

ヒビキお手製のプレゼント。

国宝ならぬ“校”宝級の代物だ。

そのまま貰えるらしいので必ず持ち帰ることを誓った。

自爆装置もハバネロ濃縮液の噴出装置も絶対に使わない。

何故か非常にポチりやすい位置にボタンが付いていたし、ボタンのサイズも大きくて羽のように軽く押せてしまうけど知らない。

何かを期待して瞳を輝かせるヒビキなんて見ていない。

 

モノレールの駅に向かう途中でアスナ先輩に襲撃された。

わざわざシャーレの初任務に同行するモブ後輩を見送りに来てくれたらしい。

いつものニュータイプ的な直感スキルでこちらの動きを察知したようだ。

お日様の香りを放つ先輩に、向日葵のような笑顔で送り出してもらえた。

急いでいることも忘れて感動した。

ついでにハグされて大車輪された。

彼女が満足するまでブオンブオンと振り回された。

まるで玩具で遊ぶゴールデンレトリバーのようだった。

極上の女体の感触と、全身の骨格がきしむ音を満喫した。

色々な意味で泣きそうだった。

背骨は無事だった。

 

気を取り直してモノレールでターミナル駅まで移動。

何やかんやで正午を迎える前にはミレニアムを出た。

 

“前”と同じような外観と仕組みで動く電車を乗り継ぎ、ガタゴト揺られること数時間。

日が沈みかける頃にアビドス自治区へ到着した。

ある程度は情報を仕入れていたけど、視界に映る全ての物体に砂が纏わりついているアビドス市街地の惨状に驚いた。

 

不思議なことに気温はミレニアムと大差なかった。

西暦2000年代の日本と同じ。

空気も乾燥気味ではあったけど、日差しが格別に厳しいわけではない。

“前”の感覚で言えば、砂漠気候といえば降水量が少なく朝昼晩の温度差が大きく…といった具合だが、アビドスにそれは当てはまらない。

 

『ただ広大な砂漠があるだけの普通の土地』

 

そんな不可解な印象を受けた。

 

 

モモトークで先生に連絡を試みたが、繋がらなかった。電話も同じく。

電波の届かないエリアに居るのか、電源が入っていないのか。

先生が、大事な相方の電源を落とすとは考えにくい。

タブレットごと落とした?

誰かに捕まって取り上げられた?

まさかの電池切れ?

故障?

電源が落ちてしまっている以上GPSも使えないので、自力で合流を目指すことになった。

 

先生は徒歩でアビドス高校を目指していた。

主要な交通網が聞いていた以上に寂れていて、路線バスもレンタカーも無かったからだ。

シャーレの権限で足を用意すればよかったのに。

 

アビドス中央駅から高校までのルートを確認。

砂の所為で、地図と実際とではだいぶ地形が変わっている。

 

 

先生の動きをイメージしながら前進。

歩行速度は“前”の成人男性と概ね同じ時速4km。

精神状態については、疲労と焦りと生徒たちを案じる気持ちから“猪突猛進”と推測。

駅を飛び出した彼は、地図を頼りにアビドス高校の方角へ直進。

砂に埋もれて道路と建物の区別がつかなくなった場所に突き当たり、迂回。

回り込んで改めて直進、しようとして同じ理由でSTOP。

迂回。直進。迂回。直進。迂回。のび太くん。

 

大まかな目星を付けたら、後は出たとこ勝負。

アスナ先輩ならあっさりと発見できるだろうけど、それだけのために多忙なエージェントを呼び出すわけにもいかない。

自分がミイラにならないように気を付けながら捜索を開始した。

 

 

と、いった感じで長丁場を覚悟していたが、あっさりその日のうちに合流できてしまった。

スクーターに乗って、すっかり暗くなった街を走ること約2時間、無事に先生との再会を果たした。

この人の主人公補正に助けられたかな?

 

先生の姿は早くも満身創痍といった具合だった。

白を基調とした連邦生徒会の制服は砂に塗れ、顔は汗と疲労で歪んでいた。

正直、イケメンであることを差し引いても不審者だった。

 

「すまない。廃校の危機と聞いて、居てもたってもいられなくてね」

 

それでも先生は何とか穏やかな笑顔を作って私のお小言を聞いていた。

実はうっかり“箱”の充電を忘れたまま飛び出してしまい、途中でバッテリーが切れていた。

彼自身、理由も理屈も分からず、ただ暴力的なまでの衝動に突き動かされていたそうだ。

なんということでしょう。

私の予備バッテリーである程度充電して差し上げた。

バッテリーが一つ丸ごと空になった。

アロナちゃんは大食漢だった。

 

 

何やかんやでアビドス高校には近づいていたが、真っ暗なので強行軍は止めておいた。

アビドス校と交信することはできなかった。

私たちが居るエリアは、携帯電話の基地局が機能していないようだった。

メンテ不足で不通になっているか、そもそも撤去されているのだろう。

アビドス側の財政はギリギリだろうし、カイザーも不要なエリアに金を掛けたりはしない。

スクーターの電池残量も心許ないので、一晩そこいらの一軒家を無断で借りることにした。

この一帯のライフラインは全て停止していたが、砂を凌げるだけマシだった。後でホシノさんたちには謝っておこう。

バッテリーを繋いで、奇跡的に作動する旧式のお掃除ドローンを発見して起動。

彼 (彼女でも可) に手伝ってもらいながら最低限の清掃活動を済ませた。

意外と埃は積もっていなかったので助かった。

 

LEDランタンの光に照らされた居間の中、モソモソと携帯食料と水で腹を満たした。

後は偵察用のドローンを置いて周辺の監視に努めた。

一徹くらいなら問題ない。事あるごとにキヴォトス人の凄さを実感する。キヴォトス人だからこうなっているわけだが。

 

先生にはさっさと寝てもらうつもりだったが、彼はなかなか床に就かずに、あれこれと私に話しかけてきた。少しでも休んでほしいのだが、私もブルアカの先生と二人っきりで直に話せるという誘惑に駆られていた。

 

結局、1時間ほど雑談に興じた。

何度でも繰り返すが、夢のような時間だった。

先生の時間を奪ってしまったが、本人が良しとしているのだから、蒸し返すのは止めておこう。

彼の為人についても気にはなっていたので、結果的には好都合だった。

先生の人格は原作通りなのか?

描写されていないだけで、実は麻婆豆腐が大好きな愉悦部の部員だったりはしないか?

不治の病を抱えたりはしていないか?

きっと向こうも同じことを考えているのだろう。

私が信用できる存在であるかどうかを見定めていた。

先生は、生徒を疑う行為に時間を費やしたりはしないが、だからといって思考を放棄するわけではないだろうから。

 

一通り話したところ、特に変わりは無いように思えた。

言い回しも句読点の付け方も、穏やかな表情も、スマホのディスプレイに流れるテキストから想像していた先生のイメージに相違なかった。

ひとまずは安心した。

これからも、お互いに信じてよい存在であることを証明していこう。

 




特に複雑な展開も無いのでさらりと流すつもりでしたが、先生が遭難した理由について

『GPSもあるのに、アビドス校かどこかに救助要請を出せなかったの?』
『路線バスとか無かったの?』

と、考えれば考えるほど不可解に感じてしまい、えらい難産となってしまいました。
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