俺の従兄弟のおじさんが義妹になりまして   作:エイジアモン

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17.デートのお誘い/心情の変化.TM

自分の気持ちに気付いた、みやびさんの事が好きなんだ、と、当然元男の33才おじさんという中身を知った上での事だ。

 

しかしそれは俺の気持ちであって、みやびさん自身は変わらず男に拒否反応を示し、男は無理、という気持ちは変わっていない。

 

借り物競争で手を繋いだのもルールだからに過ぎないだろう。

 

それでも俺はこのまま足踏みをしていたく無い、このまま関係性が変わらないなんて、それは嫌だ。

 

だから、手始めに軽めのデートに誘ってそれが拒否反応や無理だと感じられてしまうかを知りたい。

もし万が一それを示されたとしても諦めたりはしないけど、難易度はめちゃくちゃに跳ね上がるだろう。

でも、何かをしないと変わらないなら、動くべきだと思う。

 

デートに誘う事自体は勝算有りと見ている、この3週間、特に体育祭の練習中とその後の行動は普通に見て恋人同士の行動そのものだ、それに食事中のみやびさんの表情、好きではないにせよ好意を持っていないとあり得ないと思う、さらに借り物競走でイケメンで選んでくれた事、これだけの状況証拠があればみやびさんでも少しは意識しているはずだと思える、それを意識した上でここまで付き合ってくれている以上、下手に踏み込まなければ軽めのデートぐらいは問題無いと思う。そうやって少しずつ俺を意識してもらって、好きになってもらい、最終的には恋人になりたい。

だけど焦りは禁物だ、慌てずに、じっくり行かなければ。

 

―――金曜夜、自宅

 

金曜の晩ご飯を食べている時、意を決してデートに誘う事に決めた。

 

「み、みやびさん、明日、なんですけど、い、一緒に何処か、出掛けませんか?」

 

やらかした、噛み噛みすぎて緊張が出過ぎている、まさかこんなに緊張するなんて、シミュレーションはバッチリだったのに。

みやびさんは少し考え逡巡して。

 

「うん、いいけど、何処に行くんだい?」

 

と返してくれた、みやびさんもこれがデートかも知れないと思っているだろうが、まずは定番で攻めていこう。

まずは映画だ、恋愛映画なんか選んだらそこでアウトになる可能性が高い、デートだと思われていても見え見えでは駄目だ、今回は軽いデート、だからまずはアクション映画からだ。

 

「ええ、見たいアクション映画があって、一緒にどうかなと」

「ああ、今凄くCMしてるアレね、映画館で観るのも良いかもね」

 

映画を見終わったその後、本当はみやびさんのお弁当を食べたい所だけど、まだ早い、まずは外食でみやびさんに負担をかけないように気遣おう。

 

「で、それを見終わったら外でお昼ご飯とかどうですか、みやびさんの作るご飯は最高で大好きですけど、偶には外食でもどうかなと」

「ああ、うん、ありがとう、そうだね、偶には外食も良いかも知れないね」

「食べながら話をして、それが終わったらショッピングモールで適当に色々みて帰ってくる、って感じなんですけど」

 

明日の予定は全部ネタバラシだ、いいんだ、このほうがみやびさんが安心出来るから。

本当は午後にも何か入れたかったけどそれはがっつきすぎだと思われるかもしれない、そしてこれくらいならギリギリデートに見えるプランだ。

 

「うん、悪くないね、じゃあそれが終わった後に晩ご飯なんかの買い物にも行こうか」

「はい、あ、いつものスーパーの前にショッピングモール内のスーパーも見てみませんか」

「そうだね、比較もしてみたいし、いいね」

 

どうやらデートに付き合ってくれるみたいで安心する、良かった。

でも多分警戒度MAXだよなあ、嬉しさで暴走しそうだから気を付けないと。

 

その後のご飯はなんとなくだけどギクシャクしていたような気がする、これは俺が勝手にそう思っているだけの可能性も高いけど、だってしょうがないじゃないか、みやびさんをデートに誘ってOKを貰ったんだぞ、めちゃくちゃ大きな進歩だし、あ、そう思うとドンドン気分が高揚してきた、ヤバいヤバい抑えないと。

 

「そんなに嬉しかったのかい?」

 

ドキッ!!!

心臓が大きく飛び上がり、肩ごと跳ね上がった、魂が抜けるんじゃないかと思うほどビックリした。

みやびさんはいつものように先に食事を済ませて俺が食べる所を見ていた、両手を重ねて顎を支え、両肘を付いて、少し顔を傾けて微笑みながら。

 

「えッ!?あッ!…いえ……は、はい……」

 

心臓の鼓動がメチャクチャに煩く、頭の中がグチャグチャになっていて、誤魔化すべきなのか肯定するべきなのか、判断が出来なくて、思わず頷いてしまった。

 

「ふふ、まあ偶にはこういうのも良いかもしれないね、それじゃあ明日は敏夫君が好みそうな服を着ないといけないね」

 

―――え?どういう事?今なんて言ったの?偶には良い?俺が好みそうな服?え?え?どういう意味?

まだ混乱している俺をよそに、みやびさんは自分の食器を片付け始めた、俺もほとんど食べ終わっていたので全て食べて洗い場に持っていく。

隣まで食器を持っていき、渡そうと横から見るとみやびさんがニヤニヤしていたような気がした、でも直ぐにいつもの顔に戻って俺を見て、ありがとう、と食器を受け取って洗い始めた。

 

あれ?もしかして………みやびさんもまんざらじゃない?

いやいやそんな馬鹿な、さっきのあれはきっとみやびさんの冗談か、からかっていて、ニヤニヤしていたように見えたのもきっと気の所為で、俺がそうであったら良いなと思っていたから勘違いしただけだ。

 

その日はなんとなくお互い言葉が少なくなって、視線を交わす事はほとんどなくて、デートを意識してる事だけは分かった。

 

 

 

 

MIYABI View

 

体育祭が終わり、私は少しの心情の変化を感じていた、男が苦手だったり恋愛感情はまだ持てないものの、一部の男の人、まあこれは白状すると敏夫君なんだけど、敏夫君に対してはそれらとは違う何かを感じている、多分これは好意である事は間違いないだろうと思う。

この感情は多分、保護者視点であったりしたものに、女の子のような守られる側の感情が加味されてだと思うんだけど、そういうものを敏夫君に感じている。

 

……ももかちゃんやさなちゃんが言うような恋愛感情では無いだろう。

それの証拠に敏夫君に告白されたらと考えたら…………………うーん、………無理かなやっぱり、おじさんに何を期待しているんだろうか。ももかちゃんもさなちゃんもそれを知らないからそう思うのだろうし、それに敏夫君もおじさんを本気で好きになるなんて無いだろうし。

 

仮に今好意があってもそれは気の迷い、勘違いというやつだと思う、ご飯を作ってくれて、いつも近くに女の子の姿をした人がいる、思春期の男の子なんだからそういう勘違いもあるだろう。

 

―――金曜夜、自宅

 

金曜の晩ご飯を食べている時、と言っても私はすでに食べ終えていていつものように敏夫君を眺めているんだけど。

敏夫君は何かを決意したかのような顔になっていて緊張が走る。

凄く嫌な予感がした、以前ももかちゃんやさなちゃんと話していた事を思い出し、もしかして告白でもされるのかと思った。

それだけは止めて欲しい、どう考えても勝算なんて無いだろう、早まるな、と心の中で祈る。

 

「み、みやびさん、明日なんですけど、い、一緒に何処か、出掛けませんか?」

 

安堵した、とりあえず告白ではないようだ、そして言われた内容を確認すると、明日、一緒に出掛ける……?それって、それってデートのお誘いじゃないかい?

この緊張感、ただのお出掛けなら有り得ない、デートという認識で間違いないだろうね。

 

少し考える、断った場合、敏夫君はまたしても先週先々週のように土日を無為に過ごす事になるだろう、それは流石に良くないと思うし、いくらなんでも私が縛りすぎている、本人が行きたい所に行けるならデートに付き合う事も悪くないかな、なんて思えた。

 

ただし、告白になるような流れだけは絶対に避けなければいけない、そうなったらおしまいだからね。

 

「うん、いいけど、何処に行くんだい?」

 

内容如何では断らなければいけない、告白へと繋がるようなデートだけは避けなければいけないから。

 

「ええ、見たいアクション映画があって、一緒にどうかなと」

 

おお、無難なところで安心する、これなら告白は無いかも知れない、恋愛映画とか言われたら逆に説教してしまうかも知れなかった、急ぎ過ぎだ、とね。

映画を見た後はどうするつもりなんだろう、お昼前なのか後なのか、お昼前だとしてもお弁当作ってくれなんて言わないだろうね、そりゃ頼まれれば作るけど、印象はあまり良くないと思うよ。

 

「で、それを見終わったら外でお昼ご飯とかどうですか、みやびさんの作るご飯は最高で大好きですけど、偶には外食でもどうかなと」

 

これは満点なのでは?いつもご飯を作っている私へのフォローも忘れず偶には外食に、なんて思わず嬉しくなってきてしまうじゃないか。

そしてお昼を食べたらウィンドウショッピングのようなので、それは敏夫君が行きたい所に寄ってもらうとして、これなら告白は無さそうだとあらためて思った。

 

うん、これなら良いんじゃないかな?ついでにショッピングモール内のスーパーにも寄る事が決まって私の楽しみも増えた。

後は当日に雰囲気が盛り上がってしまって告白、という流れにならないように気をつけるだけかな。

 

その後の食事を見ていたら、敏夫君がとても嬉しそうな顔をしていて、私とのデートがそんなに嬉しいのかと思ったけど、見た目だけは15才の女の子だし嬉しいのかも知れない、しかし敏夫君は私が元男で33才の従兄弟のおじさんだと知っている、その上でデートに誘ってきて、その嬉しそうな顔、一体どういう心情なのか気になるじゃないか。

 

「そんなに嬉しかったのかい?」

 

その言葉に敏夫君の肩は大きく動き、固まって、それがどのくらいビックリとさせていたかが分かる。

 

「えッ!?あッ!…いえ……は、はい……」

 

しどろもどろながら、肯定した、よっぽど、いや、相当嬉しかったのが分かる、あれほどの緊張感で私を誘ってOKを貰ったんだ、そりゃあそうかも知れない、そこまで嬉しさを出されては私も嬉しくなってしまうじゃないか。

 

「ふふ、まあ偶にはこういうのも良いかもしれないね、それじゃあ明日は敏夫君が好みそうな服を着ないといけないね」

 

と少しの冗談と挑発するような事を思わず言ってしまった。

そんな慣れない事を言ったもんだからか、顔がニヤけて来てしまう、気付かれたくなくて食器を洗いに行って、平常心を取り戻した。

 

夜になるほど楽しみになってきて、明日は何を着ようか、などとまるで女の子のように服を並べて考え込んでしまった。これは意外と楽しいのかも知れないなあ。

 




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作者のモチベーションに繋がってとても嬉しいです。

合わせて前作もR-15らしいイチャラブでハッピーエンドな王道TSです、気になりましたらそちらも是非。
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