大切な人を探す物語   作:お団子大家族

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行方不明になった先生を探す聖園ミカと戦う、ゲーム開発部と武藤遊戯の話③

「みんな! 伏せて!」

 

「……え?」

 

 

  

 

 

 

 

『ダダダダダダダダダダダダッッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 僕の世界の日常では、滅多に聞かない音。

 

 銃が乱射された音だ。

 

『キキキキィィイイイイイイ!!!!』

 

「え!? え!? なに!? いきなりなんなの!?」

 

「バスが撃たれました! 緊急クエスト発生です!」

 

「みんな何かに掴まって!」

 

「は、はい!」

 

「い、いったい……きゃあ!!」

 

 

 

 

 

 

 

『キキキキキキキィィィィィ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

「……と、止まった?」

 

 幸いどこにも激突することなくバスは停止した。

 

「い、一体何が……う……! こ、この臭いは……」

 

 しかし、安心するのも束の間。鼻に微かに香るガソリンと、焦げ臭い匂い。

 

「やばい! バスが爆発する!」

 

「みんな急いで脱出するんだ!」

 

「は、はい!」

 

 僕たちは慌ててバスの扉を開けて外へ飛び出した。

 

 爆発に巻き込まれない距離へ。

 

 走りながら振り返った時

 

 燃料タンクに空いた穴に火がついたのが見えた。

 

「くっ!」

 

 咄嗟に僕は頭を守るように腕を構える。

 

『ドガァアアアアアアアアアアアン!!!!!』

 

「うわぁああああああ!!!」

 

 後方で爆発したバス。その爆風で僕は吹っ飛ばされた。

 

 幸いなことに、僕たち以外に他の乗客はいない。運転手も自動AIだ。僕たち以外に被害に巻き込まれた人はいない。

 

「くッ……! いったい、あの子は……!」

 

 

 

 

 

 

 

「他の自治区に入る前に襲撃できて良かった! 間一髪だね! あ、でも急がないとヴァルキューレが来ちゃうなぁ……早く済ませないと!」

 

「……ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 起きあがろうと膝をついたその時、背後から足音。

 

 振り返るとバスを撃った張本人である先ほどの女性が、僕を見下ろすように立っていた。

 

「……あーあ。やっぱり、姿形が似てるだけで、まるで別物じゃん。」

 

 彼女はじっと僕を見つめると、落胆したようにため息をついた。

 

「君は、いったい……?」

 

「私は聖園ミカ。トリニティ総合学園の元ティーパーティーだよ。あ、でも覚えなくても大丈夫! 私もあなたの名前覚える気ないし。」

 

 顔には笑みを浮かべながら話しているけど、その琥珀色の瞳には、僕は映っていない。

 

 敵意。

 

 彼女が僕に発している感情はそれだ。

 

「……いったい、何が目的なの?」

 

「あは、意外と話が早いんだね。うん、そうこなくっちゃ。」

 

 ミカは僕に目線を合わせるようにしゃがみ、にこやかに答えた。

 

「先生をやめてもらいたいんだ。」

 

「……それはどうして?」

 

「だってその役割を担うのは、あの人しか認められないから。」

 

 やはりそうか……

 

 この子も、もう1人の僕の生徒……!

 

 

 

 

 

 

 

 

(((先生!)))

 

 

 

 

 

 

 

「……!」

 

 モモイとミドリとユズが遠くでジェスチャーをしている。

 

 ミカに気づかれないように、声を出さずに、手を動かしたり足をバタバタさせたりしている。

 

(今すぐ、そこを……離れて?)

 

 ジェスチャーの意味を理解できた直後。僕の視界に影が映った。

 

 ミカの後方

 

 そこにはスーパーノヴァを構えたアリスの姿があった。

 

「魔力充填100%!」

 

 アリスが叫ぶと同時に、僕はすぐにその場を離れた。

 

「……!!」

 

「光よ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ドガァアアアアアアアアン!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全てを貫く光のレーザーが、ミカの背後へと直撃し、爆発を起こした。

 

「ぐぅ! あ、アリスのスーパーノヴァ……なんて威力……」

 

「先生! 大丈夫ですか?」

 

「う、うん……ありがとうアリス。」

 

 無事アリスの攻撃に巻き込まれずに済んだ僕に、ゲーム開発部のみんなが駆け寄る。

 

「あの人は、いったい……今あの人と何を話していたんですか?」

 

「……先生をやめて欲しいと言われた。おそらくアテムと深く関わりのある生徒なんだと思う。トリニティ総合学園の元ティーパーティーと名乗っていたけど……」

 

「トリニティのティーパーティー!?」

 

「知ってるの?」

 

「トリニティはキヴォトス内ではミレニアムに並ぶマンモス校です。ティーパーティーはそこの生徒会だったはずですが……」

 

「そ、そのトリニティの元々トップだった人が……いったい、どうして……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いったいなぁ……結構堪えるよ今の。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え……?」

 

 全員が目を見張った。

 

 声の方向。

 

 煙の中に揺れる影が言葉を放った。

 

「いきなりそんな危ないものを背後からぶっ放すなんて、どんな教育を受けてるのかな?」

 

 スーパーノヴァの一撃が直撃したはずのミカだった。

 

 服や体のあちこちがボロボロになりながらも、平然とこちらへ歩いてくる。

 

「ウソ……」

 

「アリスちゃんのスーパーノヴァをまともに受けて立ってるなんて……アスナ先輩ですら行動不能にしたのに……」

 

「いやすごい攻撃だったよ。これでも私今結構衰弱してる方だし、流石にもう1発くらったらヤバいんじゃないかな?」

 

「……!」

 

 衰弱した状態で、あのレールガンの不意打ちを受け切った……?

 

「も、もう一度魔力を充填……」

 

「させないよ。」

 

『ダダダダダダ!!!』

 

 エネルギーを充電している間に、ミカはアリスに向かってサブマシンガンを連射する。

 

「きゃあっ!」

 

「アリス!」

 

「アリスちゃん!」

 

 モモイとミドリが銃を構え、ミカへと乱射した。

 

『『ダダダダッ!!!』』

 

 2人の銃弾はミカを捉え、身体へと命中した。

 

「……へぇ」

 

「「……え?」」

 

 でも、ミカはものともしていない。

 

「その程度の攻撃が、私に効くと思ったの?」

 

 そのままモモイとミドリへと銃口を向け、引き金を引く。

 

『ダダダダダダッ!!』

 

「「ぐぅ!!」」

 

「モモイ! ミドリ!」

 

 僕が叫んだ瞬間。

 

 

 

 

『フッ』

 

 

 

 

 ミカの体が消えた。

 

「……! 消え……!」

 

「先生! 上です!」

 

 ユズの声で上を向くと、拳を握って僕に向かって落ちてくるミカの姿。

 

「先生!」

 

 ユズが僕の体を抱きしめ、急いでその場から離れさせる。

 

 僕が立っていた場所に、ミカの拳を撃ち下ろされた。

 

 

 

 

『ドガァアアアアアアアン!!!!』

 

 

 

 

 

「……!? うわぁ!!」

 

 ミカの拳はコンクリートの地面を砕き、直径3メートルほどのクレーターを作った。

 

 その衝撃波で僕はユズごと後方に吹っ飛ばされる。

 

 ユズに怪我がないように抱きしめる。

 

「う、ウソでしょ!? コンクリートを素手で破壊なんてどんな力!?」

 

「先生! ユズちゃん!」

 

「無事ですか!?」

 

 モモイ、ミドリ、アリスが倒れている僕たちに駆け寄る。

 

「う、うん……なんとか。守ってくれてありがとうユズ。」

 

「い、いえ……それよりも……」

 

「弱いなぁ……」

 

 ミカがサブマシンガンをリロードしながら呟く。

 

「そんな小さい子たちに守られて、恥ずかしくないの?」

 

「……」

 

「前の先生は……アテム先生は、強くて、カッコよくて、いつも私のことを助けてくれる……」

 

 ……やはり、この子の瞳には

 

「本当に……王子様みたいな人だったんだけどな……」

 

 アテムしか映っていない。

 

 そんなミカをみて、ミドリが僕を守るように、前へと出た。

 

「……トリニティ総合学園のティーパーティーだと先生から聞きました。シャーレの先生にこんなことをして、それはトリニティ全体の総意なんですか?」

 

「へ? いやまさか。それなら私1人でここに来てないでしょ? 私がここにいるのは完全に独断だよ。」

 

「それなら、こんなことをして後でただでは済まないんじゃないですか? それに一緒にいた私たちにまで攻撃するということは、ミレニアムとトリニティの学園間の問題にも発展します。」

 

「そうだよ! これを独断でやるなんて、それ相応の罰が……」

 

 

 

 

 

 

 

「うん、それがなに?」

 

「え……?」

 

 

 

 

 

 

 

「やだなぁ。そんなもの覚悟してきてるに決まってるじゃん。なんならトリニティを辞める覚悟だってできてるよ。」

 

「「「「……!?」」」」

 

「あは、どうしてそこまでって顔してるね? そうだよね……理解できないと思うけど、私はただ、先生という役割を他の奴が取って代わることが許せないだけ。うん、本当にそれだけだよ。」

 

 ダメだ。

 

 アテムとミカの間にいったいどんな出来事があったのかは知らないが、この子のアテムへの執着は、相当なものだ。

 

 おそらく話し合いによる解決は不可能。

 

「これは……強制戦闘イベントです。戦うしか選択肢がありません。」

 

「そうだね……ユズは先生のそばにいて! 私とミドリとアリスで、あの人を止めよう!」

 

「う、うん! わかった……」

 

「モモイ、ミドリ、行きましょう!」

 

「「うん!」」

 

 アリスたちはそれぞれの武器を構え、ミカへと向かって走り出した。

 

 3人での攻撃。

 

 モモイとミドリが前に出てミカを攻撃しながら撹乱。

 

 アリスは後方からミカを狙撃する。

 

『ダダダダダダッ!!!』

 

 先ほどと同じように、モモイとミドリの攻撃は命中するが、ミカにはまるで効いていない。

 

「ダメだ! やっぱり私たちの攻撃じゃ当たっても大したダメージにならない!」

 

「やっぱりアリスちゃんの攻撃しか……!」

 

「はい! 光よ!」

 

 

 

 

 

「もう貴方の攻撃は絶対に食らわないよ。」

 

 

 

 

 

 スーパーノヴァから再び発射された一撃を、ミカは体を捻りを躱した。

 

「……! 避けられました!」

 

「ウソ! アリスのスーパーノヴァを躱すって、そんなことがネル先輩以外に可能なの!?」

 

「アリスちゃんのスーパーノヴァは発射までに引き金を引いてからコンマ数秒かかるから……かといって通常は避けられるほどの動体視力を持った人なんてそうそういないはずなのに……!」

 

 ミカはモモイとミドリの攻撃を食らいながら、アリスへと走り出し、回し蹴りを繰り出す。

 

「……!」

 

 とっさにアリスはスーパーノヴァを盾にして構えた。

 

『ゴガァン!』

 

「ぐぅッ!」

 

「アリス!」

 

 モモイとミドリが背後から狙う。

 

 しかし、ミカは腋からマシンガンを背後へ向け、後ろを振り向きもしないで2人を撃つ。

 

 

 

 

 

『ダダダダダダ!!』

 

「な……! うぁ!」

 

「きゃあ!」

 

 

 

 

 

「ノールック射撃でモモイとミドリを……!」

 

「な、なんて強さ……ひょっとしたら、本当にネル先輩に匹敵するかも……」

 

 強い。

 

 本当に衰弱しているのか疑うほど。

 

 このミカという子、単純なフィジカルが常軌を逸してる。

 

 ミドリとモモイの攻撃を受けても物ともせずに、着実にダメージを与えてくる。

 

 唯一決定打を与えられるアリスも、完全に警戒されて攻撃は全て避けられている。

 

 3人の全ての攻撃が通じていない。

 

「どうする……このままじゃ……3人とも頑張ってるけど、それでも……!」

 

「わ、私も、戦いに行ければ……」

 

 ユズは祈るように目を閉じて

 

 縋るように僕を見た。

 

「せ、先生……先生は、自分の身を守る力を、何かもっていますか?」

 

「……僕は……」

 

「アテム先生は、戦闘でM&Wのモンスターを繰り出して戦っていました。心の中にある自らの映しみを使って。」

 

「……!」

 

 それって……

 

「遊戯先生、ひょっとしたら遊戯先生も、同じことができるんじゃないですか……?」

 

 精霊だ。

 

 もう1人の僕が言っていた。

 

 人間の肉体の中には、魂と心の映し身である精霊や魔物を宿していると。

 

 記憶の世界の戦いでも、彼はそれを利用して戦っていた。

 

 でも……

 

「……残念だけど、僕にその力は……」

 

「そ、そう……ですか……」

 

 僕には精霊を具現化する力はない。

 

 目の前の、僕を守るために戦っている女の子たちを守ることもできない。

 

『ダダダダダダ!!』

 

「きゃあ!」

 

「ミドリ!」

 

「よそ見しちゃダメだよ。」

 

『ドガッ!』

 

「うあぁ!」

 

 ミドリもモモイもミカを目の前にして倒れ

 

 遠距離攻撃が得意なアリス1人では、間合に入られたら分が悪い。

 

「く……!」

 

『ブォン!』

 

 接近戦になったアリスがスーパーノヴァの銃身を振り回す。

 

『ガキン!』

 

 しかしミカはスーパーノヴァの銃身を片腕で弾き飛ばし

 

 ガラ空きになったアリスの体へ蹴りを繰り出した。

 

『ドゴッ!!』

 

「ぐッ!!」

 

 アリスの手からスーパーノヴァが離れる。

 

 蹴りの衝撃でアリスは転がりながら後方へ吹っ飛んだ。

 

 

 

 

「……! アリス!」

 

 咄嗟に体は動いていた。

 

 

 

 

 

 僕が動いてもどうしようもないのに

 

 ただ、アリスを守らなければ。

 

 そう考えて。

 

「せ、先生! 待ってください!」

 

 僕はユズの制止を振り切り、ミカの前へ立ち塞がる。

 

「……へぇ。」

 

「……! 先生! 逃げてください!」

 

 アリスが叫び、ユズがミカに向かってグレネードランチャーを向ける。

 

「いいのかな? ここでグレネードランチャーをぶっ放せば、コイツも巻き込むかもしれないけど。」

 

「……!」

 

 ユズが躊躇をした瞬間、

 

 ミカは見もしないでユズに照準を合わせ、引き金を引いた。

 

『ダダダダダダッ!!』

 

「きゃあ!」

 

「ユズ!」

 

「ぐッ……うぅ……」

 

「もうやめるんだ! 僕に用があるなら、この子達は何も関係ない!」

 

「……その顔で喋らないで欲しいなぁ。これ以上私の王子様を穢さないでくれる?」

 

 ミカは銃を下ろし、苛立ちを含んだ表情で僕を睨んだ。

 

「じゃあ、先生を辞めてよ。それで私の目の前から消えてくれれば、もうこの子達には何もしないから。」

 

「それは……」

 

 リンの説明によれば、シャーレの超法規的権限が無ければ、身元不明の僕は他の自治区に入ることも難しくなるだろう。

 

 先生を辞めれば、シャーレの権限を使えなくなり、僕はアテムを探せなくなる。

 

 それはつまり、僕が元の世界へ戻れなくなることを意味していた。

 

「この状況でもきっと、貴方じゃなくてアテム先生ならどうにかできてたと思うよ。」

 

「……!」

 

「生徒を守ることも、先生の役割の一つだよね? でも貴方はそれができていない。守ってもらうばかりで、誰も守れてないじゃん。」

 

僕じゃなくて、もう1人の僕だったら……

 

「そんな人間が先生って、誰が納得するの?」

 

きっと、みんなを……

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方は結局、先生の器じゃないってことだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 ミカの言う通りだ。

 

 この世界は、僕のいた世界とはわけが違う。

 

 力がない者は、何も守れない。

 

 僕には彼のように、誰かを守る力はない。

 

 

 

 

 

 

 この世界で、僕は、なんて無力なんだ。

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 それでも

 

 僕が先生を辞めることで

 

 この子たちが助かるなら

 

 僕は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わか……」

 

「発言の撤回を要求します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕の言葉は遮られた。

 

 背後のアリスによって。

 

「アリス……?」

 

 普段抑揚があまり変わらないアリスの声が、微かに怒気をはらんでいるのがわかった。

 

「アリスも、貴方と同じでした。アテム先生がいなくなって、深く、深く絶望していました。この世に、希望なんてないと思うほどに。」

 

 アリスは立ち上がった。

 

「でもそんな時、アリスの心は、この人の優しさに触れたんです。」

 

 震える足を、無理やり叩き起こして。

 

「アテム先生を探すと言ってくれて、一緒にゲームをすると言ってくれて、そばにいてくれると言ってくれて……」

 

 ゆっくり、ゆっくり歩き始め

 

「この人は、アリスの死んでいた心を癒してくれたんです。」

 

 アリスは僕をミカから守るように、前へと出た。

 

「遊戯先生が、先生の器ではないといった発言の撤回を要求します。」

 

 ミカを正面から見据え、胸を張って言葉を紡いだ。

 

 

 

 

 

 

 

「誰がなんと言おうと、遊戯先生はアリスの先生です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリス……」

 

 僕は……

 

 辞めたくない。

 

 この世界で初めてできた生徒。

 

 こんな僕を、ここまで思ってくれる生徒。

 

 まだ、この子達と一緒にいたい。

 

「あーあ……せっかく辞めさせられそうだったのに、またコイツの決心が揺らいじゃってるじゃん。」

 

 ミカは、アリスの頭に向かって銃を突きつけた。

 

「じゃあ、その生徒をもう一度傷つければ、考えは決まるかな?」

 

 引き金に指をかける。

 

「待ッ……!」

 

 ダメだ。

 

 もうこの子達には、僕を守るために傷ついてほしくない。

 

 僕は縋る思いで

 

 アリスの背中に手を伸ばした。

 

 いったい

 

 どうすれば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『相棒』

 

『剣を抜け』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……!!」

 

 後ろを振り返っても誰もいない。

 

 でも

 

 彼だ

 

 今のは彼の声だ

 

 

 

 

 

「剣……」

 

 

 

 

 

 そうだ。

 

 僕にはこれがある。

 

 精霊がいなくても、魔物がいなくても。

 

 ずっと僕を支え続けてくれた仲間たちが。

 

 それは、現世の石板

 

 僕は伸ばした手をそのままアリスの肩へ

 

 銃から守るように、アリスを抱き寄せる。

 

「……! 先生! 危ないです!」

 

 そして、彼の声に従うまま。

 

 そのカードをかざした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブラックマジシャン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『カッ!!!』

 

「「「「「!!?」」」」」

 

 僕の叫びと共に、カードから放たれた一筋の閃光。

 

 辺りが眩い光に包まれ

 

 光が弱まった時、アリスを守るように杖を振りかざす魔法使いが姿を現していた。

 

 黒のローブを身に纏った、白髪の最上級魔術師

 

『ブラックマジシャン』

 

 名もなきファラオであるアテムと、その魂の器であった遊戯のしもべが、彼らの仲間を守るために姿を現した。

 

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