命をォォォォオ燃やせェェェェェエ!!!(ガチ) 作:ツーカーさん
ストーリー進めてたら鏡流先生が面白い事を言い出しましたね。
雲上の五騎士どころか仙舟人との関係性があやふやなままですが、コレは絶対話の種になる。
人の妻殺すと宣言したんだから絶対話を盛れる。
それはそうと、鏡流さんはっきり言って最強ですね。ウチの中じゃ火力ダントツです。コスパ良し設定良し見た目良しの優良物件です。
そして私の温めておいた話で、突然千劫が空から落ちてきて八重堂が破壊されるところから始まる崩壊3rd×原神のクロスオーバー作品書きたいんですがそこまで手が回らないので誰かに書いて欲しいです。
千劫きゅんの成分が足りない!あと、エリシアメインの小説も誰か描いてくれんか!?
あと、今回は作者の趣味100%で書いた。
Kのイニシャルを持つ者はどうしてこんなにも強いのか…。まるで分からん。
アレはまさしく救世と終焉を再現したかの様な存在だった。俺が相手では相手の7割を出せたら良い方だろう。実際、7割も出せていたのかも怪しいが。
ふぅ…それにしても、酷い目に遭った。反面、久々に全力の運動をした充足感もある。
何故、彼と彼女が俺と邂逅したかは分からないが夢の中での事だ、霞と消えていくのが理であるが……生憎夢だろうが全ての記憶は覚えている始末。星神以外で俺をここまで追い込み、痛めつけたのは彼女達が初だ、完全記憶能力なんて持っていなくても一生モノの夢だろう。
ともかくまあ、久々の運動した感覚もあり快眠であった。
目が覚めた瞬間にナターシャの寝顔が目前に無ければな!!!
気分は酒の過ちで浮気をした夫の気分だ…。
…額から冷や汗が垂れる。
昨日は何故あんな事を許し、一緒に添い寝なぞしてしまったのだろうか…?
寝不足だったのは認めるが幾らなんでも…いや、もう後悔するのも遅いな。
添い寝する事自体はまだ良い方だ。俺が怒られるだけで済むし、幾日か監禁され薬師に搾られるがそれぐらいどうという事はない。
問題はナターシャが俺を好いているという事だ。コレは自惚れではない。とある人物から教わった読心術を駆使した物だ。神には通じなかったが人であれば誰でも通じる。ナターシャとて例外ではない。
因みにこの技術を教えた人物は生命力が満ち溢れた大自然にモンスターが闊歩している世界でハンターを生業としている人だ。確かレジェンドラスタという猟団に所属していたフラウという人物だった。薬師が気に入っている世界でもあり、交流は盛んだ。ちなみにフラウは女性だが師弟関係に近かったのでキツイお咎めは無かった。語るのに小一時間ほど必要な軽い罰ならあったが。
その星の生命体は長命種ほど長生という訳ではないが、薬師の求めた
まあ、その話はさて置き、薬師にナターシャとの事が暴かれたらどうするか…という話の方が重要だ。
薬師にバレる事が前提なのは、神に隠し事なぞ出来ないと確信しているからだ。
と言ってもやる事は決まっている。……全力で薬師を説得し俺だけの被害で落ち着かせるのみ。力押しではまず無理だからな…特に俺と女が絡んだ時の薬師はナヌークであっても止められはしないだろう。
ナターシャに被害が及ばない事が最低条件だ。その為には出来る事は何でもせねば…。最悪己の身体を何千年と薬師に預ける事になってもだ。
もしナターシャに被害が出るとしたら……長命種にされる事だろうか?まだそれでは軽いほうだが…俺と彼女では元の身体の勝手も違えば薬師の一瞥から得られる力も違う。恐らく仙舟の民と同等の身体を得る。そして間違いなく魔陰の身は彼女を蝕む。……その時に介錯するのはこんな運命に付き合わせてしまった俺の責任だろう。
……いつになるか分からないが、その時になるのが怖いな。別れはいつだって慣れないものだ。
暗い話を続けてもしょうがない。結局、この100年の間で薬師に会うかどうかが問題だ。ここ200年は薬師に会っていないし、奴が変な女の勘を発動させなければ早々にバレることも無いだろう。300年に一度の再会にもまだ猶予はある。
もし、事が暴かれれば……ナターシャに被害が及ばない事を祈るばかりだ。…夫であるというのに、妻に対して全く持って強気に出れないとはなぁ。情けない事この上ない。
ともかく、先に目覚めてしまったんだ。客人を出迎えるのが礼儀だろう。
ナターシャを起こさないようそっと立ち上がり、調理場へと赴いた。
今日は少し豪勢に行くか。
ベロブルグにおいて、穀物は重要な生命線だ。
この限られた土地で育てられる土地も狭く、人は増える一方でも薄氷の上でギリギリ安定的な食糧を供給できているのだから。
最近はどんどん値上げしてしまっているのはどうしようもない事だ。なにせ、裂界もベロブルグ市内で広がり始めた。耕地にまだ広がっていないのが救いだが、運送ルートは幾つか潰れ、住居を追い出され路頭に迷う人達の受け入れ先もまだ定まっておらず、人手不足も増える一方、他にも色々めちゃくちゃな状況だ。物価の高騰はコレからも続くだろうし…カカリアはこの状況をどう切り崩していくのか…。
あぁ、また暗い話をしてしまった。
いかんなぁ……。独り言でさえこんな話をしてしまうとは…やはり精神的疲労でも溜まっていたのか。
とにかく、朝食を作ろう。今日はフレンチトーストだ。
ナターシャは甘味の類が好物だと知り合いの女子生徒が教えてくれたので思いついた。丁度パンも牛乳も卵もある。
パンを4枚用意し、卵を割りボウルに入れ、牛乳を注ぎ込みかき混ぜる。
卵もかなり貴重品だ。週に何回か売りに出されるだけで珍しく、主婦の間では我先にと小競り合いが起こるのが市場での常であり、歴戦の
中々にかき混ぜた後、パンの両面に卵液を浸し漬け込む。
しっかりと染み込むまでに、経費削減もとい、調理用鉱石代削減の為、己の体を燃やしフライパンを熱する。
熱したフライパンにバターを乗せ、全面に広がるように泳がす。
そろそろパンにも卵液が染み込んだ頃なので、フライパンの上に乗せ焼き上げる。
焼き色がついたらひっくり返し、また焼き色がついたら皿に乗せ、蜂蜜なり粉糖を振りかければ仕上がり…であるが、サトウキビを作るほど温暖でもなく、蜂蜜はこの世界では蜂が生きていける程優しくなく、また貿易で入手するなんぞこの世界では出来るはずもない。まさに八方塞がり……なところで、蚩尤が虚空に手を突っ込んだ。
手首から先は光の靄により切断された様に一見見えるが、これは四次元バッグの食料スペースに接続しただけである。(ゲームで開拓者達が武器を取り出したり仕舞ってる待機モーションなんかでよく見られるだろうアレだ)これはスターピースカンパニーにより様々な形で売られている全宇宙誰でも使える日常道具である。ブレスレットだったりイヤリングだったりと装着型もあれば、ちゃんと青狸よろしくポケットとして縫い付けて使う物もある。最も一般的な物は携帯のアプリとしての搭載されているものだ。当然、蚩尤も保持しているし、鎖国的な環境下にあるベロブルグの民ですら使っている。
そして取り出したのは袋、袋的なものから袋を取り出すとは些か二度手間なマトリョシカを彷彿とさせるが、どうでもいい事である。袋はとても小さく、中に入っているものなど高が知れているが、今この場にとっては最高の奏者であった。
「まさか本当に使う機会が訪れるとはな…流石は天舶司の接渡使。仙舟の貿易に一際貢献しているだけはある。商人の勘と言っていたが…汎用性の高さで買いかぶっているだけか…?いやしかし、この状況でこれが出てくるとなると、運命が働いたとしか思えんな。……ともかく、あの狐のお嬢には礼を言っておかねばならんな。孤族だから早くに行かんと。まあ、俺が訪れても丁度いるかどうかも分からんか」
袋の中身は宇宙砂糖だ。通常の砂糖とは更に逸脱した長期保存能力を有している。味に大差はないが、仙舟人からすれば、いつのまにか買って忘れていた調味料がまた使えるのだから、重宝されている。
中途半端な仕上がりだったフレンチトーストに砂糖を振りかけ、1枚目が完成した。
砂糖を振りかけただけだというのに料理の質が格段に上がったのは気のせいではない。砂糖の有無とはそれだけ雲泥の差なのだ。
あとはこれを三回繰り返すだけである。
フレンチトーストを作っている最中、その甘美な香りに誘われたのか、未だ夢半ばといった様子のナターシャが口に手を添えてあくびしながらリビングへと訪れた。
「…おはようございます。蚩尤先生」
「あぁ、おはよう。ナターシャ。昨日は世話になったな」
「ふふっ、いいえ。…朝食を作っていたのですか?ありがとうございます」
「気にする事はない。君が押しかけたとはいえ、客人である事には変わりないからな」
「あら、人聞きの悪い」
ナターシャにそう言われた所で4枚目が出来上がった。3枚目に出来上がったものの上に乗せ、同じように砂糖を振りかける。それを見てかナターシャが驚嘆の声を上げる。
「先生っ!それってまさか…」
「ほう。知っているのか?流石は博識なナターシャだな」
「砂糖…ですよね。でも普及していたのはスターピースカンパニーとの貿易が続いていた大昔の筈ですし、この星で産地だった場所も既に氷雪に閉ざされていると記されていたのですが……一体どこから?」
「俺の数多い伝手の中からな。と言っても、これを持っていたのは偶然に等しく、再入手は今では困難だぞ」
「そんな貴重な物をどうして朝食のパンに…」
「大事な生徒のナターシャを迎え入れるからな。これくらいの豪勢な事はする」
「…しっかりと味わわせて貰いますね」
「あぁ、数は少ないが、存分に食べるといい」
そのまま食事に手をつけるかと思ったが、「その前に洗面所が何処か教えてくれませんか?」と問われ、素直に答えるとナターシャはまずそこへ向かった。
成る程、あのお嬢が言っていた事は正しかった。「女性というのは身なりに気を使うものです。特に意中の殿方の前であればあるほど気をつけます。勿論私もですよ?」とウィンクをしながらこちらに言ってきた当時を思い出す。…今までの判断材料が少なく俺と同類の様な相手ばかりであった為、一々そんな面倒な事をするか?…と思っていたのだが、十代の若者だって気をつけているのだ。「若ければ若いほど。ですよ」……そんな事も言われたか。……まあ、自然と穢れが浄化されてしまう薬師お手製の身体してるからな俺は。五万年もソレであったら感覚も狂うだろう。
だから仕方ないのでは?「何言ってるんですか。貴方も気をつけてください。ご尊顔が安くなってしまいますよ?」
いただきます。と感謝の祝詞を上げてから口につけると、柔らかくふわふわとした食感とほのかに甘く蕩ける味が口に広がる。
中々上手く出来た様で何よりだ。と頭の中を頷かせる。
ナターシャも美味な様で頬を緩ませながらソレを頬張り、大事に一口ずつしっかりと噛み締めて味わっている様だ。
平和なこのひと時に水を差す訳にもいかず、先ほどまで考えていた薬師の件、そして彼女の好意に応えるための
時が流れる事10分ばかりが経過、普段味わえない美味であるが故に食べ終わるまでの時間は少し遅かった。
既にナターシャは「ご馳走さまでした」と拍手を交えながら言い、頼んでもいないのに食器を片付けてくれていた。
「すまないな。本来であれば家主である俺が片付けるべきなのに」
「いいんですよこれくらい。それに、貴方の役に立ちたいですから」
少しだけナターシャとの距離感が近くなったのを感じる。前までの彼女であれば貴方の役に立ちたいなどと面と向かって言わなかっただろう。本人の性格から率先して食器の片付けは行いそうではあるが。
ナターシャを見ていて思う。果たしてこれは進めても良い段階なのか、と。正直なところ、まだ話し合うべきではない感情の方が強い。事を急いている訳でもない。かといって、放っておいて良い物でもない。
薬師と俺は多少なりとも繋がりがある。それは夫婦の絆と呼べる可愛い代物ではない。もっと物理的な繋がりであり、執着心の悍ましさが垣間見える。それは、お互いの位置が分かるというもの。どの方位に、どれくらいの距離で薬師が存在しているのか、今でもとてつもなく正確に感じ取れている。
神が一個人に与える影響として計り知れない賜物。Ms.ヘルタのような星神について研究している天才クラブのメンバー達からは涎が垂れる程の代物だろう。実際、拘束されていた時期が一時期ある。
この繋がりは感情さえある程度通じる。だが、その繋がりには門というものがあり、どれ程相手に心を許しているかで通じ合う心の機微は異なる。俺はその門を殆ど閉じており、薬師にはあまり感情を届けていない。感じるのは俺が大きな感情を動かした時だけだろう。逆に薬師は全開だ。開きっぱなしと言っていい。お陰で純度100%の愛しさと切なさと寂しさがこっちに伝わってくる。
因みにこれは薬師と俺が別れる時に薬師から付けた繋がりだ。一体どんな虚数エネルギーを使ったのか見当もつかないが、厄介なものであることに変わりはない。
何が言いたいかというと、殆ど閉じてるとはいえ、薬師にいつ勘付かれてもおかしくないという事だ。
タイムリミットは100年。正確にはあと98年か。この星から出て行くのと薬師に再会する瞬間は同じだ。その間まで隠し通せるのかという不安がある。
ナターシャの寿命は…本人の医者としての活動もあるが…ヤリーロⅥの現在の衛生環境と生活環境を考えて、何も無ければあと生きて75~80年か。……相変わらず嫌な眼を持ってしまったものだな。
隠し通したのなら特に問題はない、再会した時に精々『何故吾との繋がりを断つのか…吾は寂しかったぞ。無限に等しく其方に愛を囁いたのに…』と小言を言われるくらいだろう。……若干怪しまれるかもしれないが。
バレてしまったらその時はその時で腹をくくるしかない。
結局、薬師が来た時点で俺とナターシャは詰んでいるのだ。
神に人間の理解は無い。逆も等しく、人間も神に理解が無い。ただ畏怖し敬服し、知ろうとしているだけである。
Ms.ヘルタにこの事を言ったら、「その通りね。でも、私はそれだけで終わらないから。覚悟してなさい。星神も貴方の事も全部調べ上げてあげる」なんて返されたか。
俺自身の過去をどう知ったのか?古参の星神くらいしか知らなそうだが、案外知られているものだ…。
今、この話はいいか。
この問題はどう転がる事やら、ナターシャが俺を諦めてくれれば丸く収まるんだが…点いた恋火は烈火の如く、消火は容易では無いと知っている。
やんわり断るのも手だが、それだけで諦めるような子じゃない事は知っている。彼女が諦めつくのはこちらが誠意を持って確かな感情と考えの中で否定された時のみだろう。
「そういえば蚩尤先生」
食器を洗い終えたのかタオルで手を拭いながらナターシャが問いかけてきた。
「ん?どうした」
「蚩尤先生が干していた洗濯物の中に明らかに女性物のコートがあったんですが…あれは蚩尤先生の妻の物ですか?」
「あー……アレか。アレは違う。俺の私物だ。譲りものだがな」
「それにしても、サイズが合っていないようでしたが?」
「………」
「蚩尤先生?どうしました?」
「ナターシャ」
「はい?」
「俺が薬師から様々な祝福を受け身体が色々変容していると言ったな?」
「覚えています。不老不死の肉体、垢などの廃棄物が勝手に浄化される事に加えて、人の寿命が見える眼球。薬師さんと同じく、多腕に蠍の尾と鹿を模した角が顕現されたり……と手品師のびっくり箱みたいな身体をされている事は聞きました」
「まだ話していない事もあると言ったな?」
「はい。薬師さんから受けた祝福が多く話の種が切れないとこの前仰っていましたが…」
「俺は女でもある」
「………………………………は?」
ナターシャの脳は破壊された。
「証拠を見せよう」
蚩尤はそう言うと、寝室に入り戸を閉めた。
直ぐさま歪な音が響き渡り、尋常ではない雰囲気が部屋に立ち込める。それは骨を折り、肉を断っているかのように不快な音だ。
ナターシャは先ほど食べたフレンチトーストの味などとうに忘れ、完全に放心してしまっていた。
5分が経ち、そろそろ音もおとなしくなってきた頃。
また戸が開かれた。
スラリとした長い脚が踏み出される。
ずいと出てきたのは先ほどまでの蚩尤先生とは全くの別人、いや多少の面影はあるが、骨格から何から何まで変わってしまっていた。
まず身長の変化。蚩尤先生(♂)が179cmと中々の高身長であったが、蚩尤先生(♀)のそれは197cmと男であった蚩尤のそれを明らかに超えていた。
女性としては変化したせいか、やはり胸元は膨らみを持っている。慎ましく存在しておりそこまで存在を主張していない。だが、身長比から分かる通り、持たざる者よりも確実に持っている側であった。
切れ長の目はさらに鋭さを増し、鼻は高く端正な顔立ちをしており男性体の時よりも濃い異性を惹きつけるフェロモンを醸し出している。
そして、やはり一番惹きつけるのは黒曜の髪だろう。彼女の身長以上の長さをしており、2割ほど床に触れてしまっている。だが、彼女の体特有の体質故か汚れる様子は見えず光沢を保っている。
和を基調とした服装ならば真価を発揮するであろうその美貌と身体、何処と無く神秘性が増し、あの異形である姿をせずとも神聖視してしまいかけた。
「さっきぶりだな。ナターシャ」
ナターシャの脳は破壊された。(2回目)
鈴のように響きがいい声は確かにナターシャの頭に入ってきた。響きが良すぎて頭を直接殴られた様に立ちくらみを起こしたが。
「大丈夫か?」
倒れかけたナターシャの身体を蚩尤は支える。
必然と顔が近づき、儚げな表情が迫る。反射的に身体が強張ってしまった。
「どう……説明付ければ良いのかしら…この感情を…」
恩師であり、思い人である蚩尤先生が女だった…その事実が与えたナターシャへの衝撃は凄まじく、動揺と困惑の嵐は激しかった。
「驚くことに無理はない。俺も薬師に男に変えられた時は心底驚いた」
ナターシャの脳は破壊された。(3回目)
キャパオーバーを起こし気を失いかけたが、優秀な彼女の脳はそれを未然に防いだ。だがそれも限界に近い。よく持った方だとも言える。
ギリギリ理性を働かせたナターシャは荒れ狂う情報群を咀嚼し、理解した。
『蚩尤先生の元となる肉体は女性だった』
『蚩尤先生は
『妻……
「これで説明は付いたか?」
それ以上の事で、それどころではない。コートの持ち主を聞いただけで何故こんな事態になるのか…まるで分からなかった。確かに、女物であったこととサイズがだいぶ違うことについては説明された。現物で。しかし、譲り手が誰か皆目見当が付かない。蜘蛛をモチーフにした様な絵柄だったが…聞いた限りでは彼…彼女?の妻?夫?の趣味ではなさそうだ。
「ナターシャ?大丈夫か?先ほどから反応が薄いが…」
「え、ええ…大丈夫じゃないですが、大丈夫です」
「どっちなんだ?」
彼…いや彼女?の腕に抱かれながら微睡む。ついさっきまで寝ていたが、もう一眠りしたい程に疲れた…。
これ程短期的に疲れる日が来るとは思いもしなかった。
疲労の魔力が身体に宿ったのか、長くて大きい彼女の腕の中はとても心地が良く感じる。
あぁ……眠い。だんだんと閉じられる視界の最後に、ナターシャは遂に意識を落とした。3回脳を破壊されて漸くである。
「寝てしまった……やはり、この姿を見せるのは疾かっただろうか?…後悔は先に立たずか、俺が選択した結果がコレだ。甘んじて受け入れよう。とにかく今はベッドに寝かせねば」
先ほどよりも高くなった視界を懐かしみつつ、ベッドにナターシャを丁寧に置いた。
起きた時にまた男になって混乱させるのも不味いだろう。今の事を夢だと思われて再度説明するのは面倒だからな。
暫くは女のまま生活するか。
「性転換をするとやはり体力を使うな。身体が怠くていかん」
こういう時は少し運動するのに限る。身体を500年ぶりに慣らすのも重要だしな。
「あの女から貰ったコートでも着るか、折角だし」
俺の髪の毛が長すぎて大事な蜘蛛のマークが隠れてしまうから、髪を纏めるのが大変だ。
そもそも切れば良い話なのだが、切ったところで直ぐ再生してしまうので意味はない。
化粧の心得も狐のお嬢や他の女友達から多少学んだ程度で焼け石に水状態だ。良い化粧道具は貰うものの、今のところこのコートの送り主に全部横流ししている様な状態だ。なので、化粧は特にしない。
すっぴんのまま外へ駆り出た。
蚩尤先生の妻がベロブルグに訪れていると町中で噂になった。
薬師の両性概念。豊穣の神なんだから生命の象徴をどちらも持ってそうですよね()
アイオーンという言葉の意味について少し調べ面白い物を見つけたのでコピペして貼っときます。
1.反宇宙的二元論: この世界は悪であり、この世界を創造した劣悪な神とは別に、善なる「至高者」が存在する。
2.人間内部に存在する「神的火花」「本来的自己」への確信: 人間は、劣悪な造物主に創造されたが、人間の内部には至高者に由来する要素が閉じこめられている。
3.人間に「本来的自己」を認識させる啓示者・救済者の存在: 以上のことを知らない人間に対して、至高者の下からそれを知らせる使いがやって来て、認識を促す。
この「至高者」の下には、至高者に由来する諸の神的存在があり、グノーシス主義の創作神話では、この神的存在を「アイオーン」と呼ぶ。
引用元 https://www.wikiwand.com/ja/アイオーン
哲学者プラトンが提唱したイデア論と似たようなものを感じますね。
気づいた方もいらっしゃると思いますが、この小説の時系列を少々弄りました。
当初は原作開始30年前スタートでしたが、20年前スタートに致しました。特に内容は変わりません。
変更した理由としては、この設定のまま進めると、開拓者が来る前にセーバルとカカリアの年齢が50代になってしまう為、見た目と実年齢の乖離が激しすぎると思ったからです。まあ、40歳だとしてもセーバルのあの若々しさは異常ですが…。ナターシャさんマジでいくつ…?
というかペラも何歳よ。
博物館のときだってメインキャラクター達の大事な時系列のところは黒で塗りつぶされてましたし。
作者の独り言
ところで可笑しいと思いませんでしたか?不老不死の肉体を
つまり、本来の姿であれば彼、または彼女は
この件についてはまた薬師が噛んでます。
(ロリというかペド)
あと、和装美人で儚げな雰囲気保ちつつ煙管吹かしてそうな女の人が『俺』って言ってる姿惹かれません?