祖なる龍は世界最恐   作:ツーカーさん

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突発的に描きたくなってしまったため、完成度が低く、プロットなんて(建てて)ないです。
正直プロローグで終わりそう


プロローグ

人類史においても龍の歴史においても最悪な歴史、竜大戦の時代……。

 

 その大戦の始まったきっかけはなんだったのかよく分かっていないが、龍達は平穏を望み、人々は脅威の排除を望んだだけだった……らしい。

 

 2種族の主張は合間見えず、人は龍を襲い殺し、それから剥いできた龍の皮、鱗、爪、筋肉、内臓などから人工的に龍を作った。龍はそれに対抗すべく己の力を使い人を壊し、潰し、喰らい、焼き払い、やがてその作り上げた龍を認知し、理解し…怒り狂った。

 

 永遠かとも思われていたその凄惨極まりない戦争はその怒り狂った龍によって終戦を迎えた。

 

 怒り狂った龍は瞬く間に戦争の傷跡を上書きし、人類の足跡を残さない勢いであったが……最後には人を赦し、その場をただ静かに去ったという。龍は未だに平穏な生活を望んだ。人類は焼け爛れた自分たちの故郷を見て呆然とするも、生き長らえた事にただただ歓喜した。

 

 これは闇に葬られるべき歴史であり、最も人類が戒めにすべき歴史でもある

 

 今ではその歴史が後の時代に大きく響き、理不尽に生命を奪われる事はなくなった。

 しかし、その歴史は隠蔽され世界の最上層機関でしか握られていない情報になり、今の世界がどうやって作り上げられたのか知る人は殆ど居なくなってしまった。だが、理由は忘れられたとしてもそれでも龍達は良かったのだ。別に褒め称えられたい訳でも、同情されたい訳でも無い。理不尽な死が無くなればそれで良かったのだ。

 確かに未だ争いは無くなっていないが、ただそれはどちらかが生きるか死ぬかの生命としての、生きる為の争いであり、理不尽で残酷で冒涜的な死ではなくなった。龍と人が多く命を散らした事に確かに意味はあった。

 

 

 

 そして、また。ここで命を散らそうとしている龍が一匹…。

 

 あたりは暗く、僅かながら天井の隙間から光が差し込まれ、右端に地下水が漏れ出て水溜りが出来ている。その水面は、差し込まれた光によってきらきらと乱反射を繰り返していた。

 

 その中央で白く蠢く巨大な何かがあった。

 差し込まれた光から穢れなど一切伺えない純白の鱗が見え、閉じていながらも雄大と感じさせる翼、禍々しくも神々しいと相反する印象を与える蜿蜿とした灰色の6本の角、他者を寄せ付けない紅く光る爬虫類の瞳を有した巨体が一定のリズムで呼吸を取っていた。

 

 彼女の名はミラルーツ、祖龍と謳われ恐れられた最恐最悪の古龍である。

 彼女はもうすぐ寿命を迎える事を予期していた。そしてその事について何も悲哀はない。

 

 

 ただ己は生きた。そしてやりたい事をした。ただそれだけだ。何の不安も不満もない。

 

 彼女は竜大戦以前からも生き永らえる数少ない個体であり、その生きた年月は人間が百や二百人分あっても全く足りない程だ。そして、生に執着が無くなった彼女は自分が寿命を迎えられる事に喜びを憶えている。

 

 一つの生命として、気高く戦い生き抗い、使命を果たした。捕食者として、今まで食らった生命の事を一切忘れずに生きた。親として、または種族として、自分を宿り木にした己の子を立派に育て上げ、種の存続に尽くした。そして最も正しい形で命を鎮めようとしている。これ以上私は何を望むのか。これ以上に望んで何がしたいのかさえ分からない。

 

 ただ、死後にこの洞窟周辺の環境はゆっくりとであるが豊かな食糧と自然に恵まれ、新たな生命が息吹くだろう。後にそこを住居とする新しい生命がどんな営みを繰り広げるのか興味は湧かないでもないが、自分が死んだ後に起こる環境の変化に思いを馳せても意味はない。

 

 そろそろ終わりを迎えるのだろうと瞳を閉じた。

 

 今まで多くの同族が死んだ、子も失った時もある。人間の恨みも忘れないが、感謝も忘れない。龍であろうと友として接してくれる人間もいれば、思い人として愛を与えてくれる人間がいた事を忘れない。ただの幼き少女が迷い込み世話をした事も、そして目の前でその人間達が死んだ事も…全ての自分との関わりを持った生命を忘れない……それは己の最後まで続く責務だ。

 

 先程まで感じていなかった身体の重みが増す、本当に死の寸前なのだろう。

 段々と身体の感覚が失われて…先程まで響いていた水の流れる音も聞こえなくなり、地面に触れているという触感すらも消え、視界も段々と暗くなっていく…自分が宙に吊られているような新しい感覚が生まれた。

 

 あぁ……これが、死か…。何も感じず、何も得ず、死だけに己が傾いて行く…。そうか…そうか…このような気持ちなのだな、やはり未練など私には、拭いきれなかったか……。

 

 

 ……先程まで洞窟を仄かに照らしていた鱗が、輝くことは…もうない。

 

 

 

 

 

 かくして、祖龍は目覚めた。

 目を開き、入ってきた突然の光に眉を寄せ、目の前の光景に目を丸くさせる。

 人がいたのだ。それも女体の。

 いや、女である事に驚いているのではない。

 なぜ小さき人の腕の中に己は居るのか、死んだと思っていたら生きていた?事についても驚いたが、まだそこまで思考は働いていなかった為、先にその疑問の方が来てしまった。

 

 頭の中が少し混乱し、死後の世界というものはこういうものなのかと納得しそうになるが、それにしたってなぜ人の姿をした者に?とまた新たな疑問が湧く。

 

 暫く状況の整理に戸惑っていると、また自然と瞼が重くなってきた。

 これは一種の夢か何かで本当は今から死ぬのではないか?と考えたが今度は眠気によるものだと理解する。先程『死ぬ』という感覚を経験した所為か睡眠との区別がついた。

 

 そして眠気を感じるということは『生きている』という事に他ならない。

 つまり自分は生きているという事になる。だとするのなら、何故生きている?

 自分は死んだ。それは紛れも無い事実だ。まさか祖龍である自分が己の死期をも間違う程に耄碌したというのか?…いや有り得ない。

 

  しかし…いや……だが、現実に起こっている事だ…私は…本当に私は人間に転生したとでもいうのか?

 

 己の眼下に映る赤子の手を見ながら、祖龍……改め南雲 美羅は再び深い眠りに着いた。

 




ミラルーツを日本人の名前で表すなら『みら→美羅』かなぁ…とか思ってたんですけど、既に他の方が使われていてどうしようってなってます。でも他の名前やるとミラルーツにした意味は?とかなっちゃうんで…やっぱりどっかでミラ要素入れたいって事でそのまんまにしました。不快に思われた方は誠に申し訳ございません。


あと、本当にこの作品読んでくれてありがとうございます。
ぶっちゃけミラルーツさんのキャラも我っ子で行こうか、私っ子で行こうかとか、命尊重ウーメン(何もかも生かすとかそんなんじゃないよ)で行こうか、何処らへんで力覚醒させようかとか決まってないです。もう最初っから力覚醒でも良いかなぁ…なんて思ってたりして、全然この先が定まっていないんですよね。
あと口調も所々男っぽくなってます。それは私が今まで男のオリ主しか書かなかったからですかね…女子キャラ書いてもTSものでしたし…もっとオリジナル作品書いとけば良かったと後悔してます。
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