祖なる龍は世界最恐   作:ツーカーさん

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あらすじにあるアップデートまでの残り時間……ぶっちゃけ書く意味なくね?と思っているツーカーさんです。

一応載せとくと、あとアップデートまで19836分前です。(約2週間前)



第4話

 朝、この世界では二度目の太陽との再会であるが、何も嬉しくはなかった。

 元よりこの世界に好意など持ち得てないないので当たり前だが。

 

 薄眼を開けて空を見れば、太陽の傾きからそこまで遅いという訳でもないらしい。

 時間的に余裕があるのに加え、理由のわからない怠さが身体を襲ったので、今はあまり起きたくない気分だ。

 

 胸の方に違和感を感じ、薄眼を開けてみるとサツキちゃんが私の胸の間で安らかに眠っているのが見えた。

 裸同士…朝チュンみたいな光景だな~。と、頭をぼーっとさせながら昨夜の事を思い出した。

 

 確か昨日はいつも通り脱いで寝ようとして…サツキちゃんに少し引かれたんだっけ。

 『こんな所にまで来てまだそれ実行すんのか…大分度胸あるな』と、そんな風に。

 そう言っていたサツキちゃんもなにか吹っ切れたのか、『全裸で寝るってどんな感じなんだ?』と服を脱いで一緒に寝たんだった。

 サツキちゃんもサツキちゃんで異世界っていう所に来てテンションが変に上がってたのかなぁ~と、しみじみと彼女の思考回路を考える。

 

 

 

 重い瞼に抵抗しながらサツキちゃんの顔を見る。

 まつ毛長いなぁ…顔の造形が綺麗だなぁ…可愛いなぁ…とありふれた感想しか出てこないが、いつもの変顔や奇行がない分、ギャップ萌えが酷い。同性ながら惚れ惚れしてしまうのが彼女の魅力だろうか。起きている時の快活とした様相も好きだが、この寝ている際の静謐とした感じがなんとも言えず、思わず撫でたくなってしまう。

 

 欲望に抗えずにゆっくりと優しく頭を撫で、髪を少しだけ解く。彼女の髪はサラサラしていて…ふわっと良い香りが広がる。至福とはこのことだったのかもしれない。

 

 私の腹を枕にして寝ていたというのに…随分と上にせり上がってきたものだなぁ…やはり枕は柔らかい方が良いのかなぁ…などと、胸を枕にした彼女を見ながらほのぼのと考える。

 

 スゥ…スゥ…と、サツキちゃんの寝息の音も聞こえてきて、普段の彼女とは思えない優しい声質なので耳が癒される。至福とはこの(ry。

 

 私に覆い被さるような感じで寝ているせいか、私の腹の所に丁度サツキちゃんの乳房部分が当たって、呼吸するたびに柔らかい感触が広がってこそばゆくなる。それと同時に肌のきめ細かさを感じるのだが…サツキちゃんの肌は随分と綺麗だと思う。シルクの様に触り心地が良い。

 

 サツキちゃんを起こさない程度に何度も何度も優しく丁寧に頭を撫でるのが今の暇つぶしだ。サツキちゃんを撫でることはとても心地が良く、気が休まる。今のゆったりとした朝の雰囲気に丁度良い。

 

 撫でていくうちにサツキちゃんの本能を刺激したのか、「ンゥ~……」と寝言を呟きながら、私の脚と自分の脚を絡ませてきた。何とも言えない優しい暖かさで、正直に言ってしまえば更に絡み合いたいと思ってしまう。

 

 「このまま、時が流れるというのも…良いな…」

 

 まあ、そう言った呟きはあまり遵守されないものだ。

 

 

 ガチャ!

 

 「ラミラミー。さっつんが部屋にいないんだけど知ら…わぁーーーー!!!?お邪魔しましたぁ!!」

 

 「え、何!?どうしたの鈴!?何か見ちゃいけないものでも見たの!?」

 「ら、ラミラミとさっつんがは、はは裸で抱き合ってて!!ラミラミが、さっつんの頭をいい子いい子してて…!?」

 「え?本当に?あの2人が?…何それ超見たいんだけど!」

 「だ、駄目!邪魔しちゃ駄目だよ!!これは多分禁断の恋って奴だよ!!」

 「尚更見ないと駄目じゃないか!?あの美羅とサツキだよ!?」

 

 あぁ…そういえば座学の時間か…もう、そんな時間になったのか?

 

 「んぅ?なんだぁ…?やけに朝のクラシックが効いてんなぁ…」

 「起きたか。おはようサツキちゃん。一応言っとくと、この音はクラシックではなく、鈴と恵里の声だぞ」

 「…おぉ…そうなのか。ふぁあ……おはよう……鈴と恵里か…アイツら良い声してっけど、朝からちっとばかし音量がデカすぎねぇ?」

 「確かにな…まあ、こんな格好なら仕方ないではないか?」

 「あ、そういや全裸で寝てたな…」

 「今日の朝起きたら少し驚いたぞ。腹の上で眠っていた筈が胸の間で眠っていたんだからな」

 「ぁ~。仕方ねぇだろ。お前の胸が気持ち良すぎんだよ。ったく、どうなってんだよ…私の頭専用の吸着機能でも搭載されてんのか?すっかり魅了されちまったぜ…」

 

 「わわわわ!やっぱりそうだ!昨日ヤッたんだよきっと!!」

 「は、離して鈴!今行かなきゃ一生そんな場面に立ち会えない気がする!というか聞き耳は立てるのに覗こうとはしないなんて駄目だから!覗いてなんぼだからねこういうの!」

 「そんな、なんぼなんて鈴知らない!」

 「ちょ、待っ。首!そこ首!流石に首はダメ!」

 

 盛大な勘違いと小競り合いが起こっているが…まぁ、これは放っておいていいだろう。誤解は解くとして。

 二人の声が目覚ましがわりとなったので、起き上がる。サツキちゃんは未だ私の肌を抱き枕として使いたいのか抱きついてくるが、流石にこの世界を少しでも知れる座学の時間なので、無駄にはしておきたくない。何とか説得して離れて貰い、いつのまにか置いてあった着替えを着ることにした。

 

 「そういえば、裸で寝た気分はどうだ?気持ち良かったか?」

 「んー、確かに開放的になれたってのは良かったけどよ…。異世界来て早々に真っ裸で寝るってのは流石のサツキ様でも緊張したぜ…。ま、それを差し引いてもミラと寝るなら悪くねぇな」

 「そうか!それは良かった。サツキちゃんにだったらいくらでも身体を貸そう」

 「……あんまアタシ以外の奴にそういう事言うなよ」

 「ふふっ。心配してくれているのか?嬉しいな」

 「アタシにしちゃ真面目に言ってんだからな!?」

 

 部屋から出ると、まだ小競り合いが続いていたのか、鈴と恵里が組み合っていた。押され気味な様で、鈴が「ろ、ロープ!ロープ!」と、虚空に手を伸ばしていたのをサツキちゃんが受け取り、「お前の気持ちは受け取ったぜ!エントリーNo.2番!サツキ!いっくぜぇー!!」と、そのまま恵里とプロレス?を続行。スタミナを失っていたのか、サツキちゃんの身体能力に勝てなかったのか分からないが、すぐに組み伏せられて決着がついた…と思えば、続いてのエントリーはサツキちゃんvs私になった様で、いつのまにか解説席と実況席に着いていた鈴と恵里の目の前でサツキちゃんとプロレスをすることになった。……これどこのギャグアニメ?

 

 前のお泊り会は、確か朝起きてすぐに、三味線とエレキギターでデュオやったんだっけ…と昔の事を思い出しながらも、何とか勝利…朝からやるべきものじゃあないが楽しかった。

 

 そのまま四人で座学を行う場所へ移動する際に、 私とサツキちゃんの『昨日はお楽しみでしたね』の誤解を解いていた。その際、私が寝る時には全裸になる習慣を知られてしまったが、別に隠す事でもないので気にしない。

 

 「へー、ラミラミって寝るときは裸になるんだー」

 「あぁ、裸でいた方が落ち着くのもあるが、基本的に服は好かないからな。寝るときぐらいは気分の良い状態でいたい」

 「なんか、私たちの知らない世界って感じ…」

 「アタシも裸になって寝てみたけど、案外気持ちいいもんだぞ。こういう特殊な状況じゃなかったら試してみりゃどうだ?」

 「私は遠慮しておこうかな…ど、どちらかと言えばそれを眺めて、イラストに…」

 「んー。無理かなぁー。寝てる間に誰かが入ってきたら…ってなっちゃうと嫌だもん。でもすごく気になるなぁ…お風呂入る時とはやっぱり違う感じ?」

 「あぁ、全然ちげえぞ。まあ、アタシはミラを抱き枕がわりにしてたからまた違う感覚だろうけど」

 「んー、どうしよかっなぁ…」

 「鈴も私と一緒に寝てみるか?2人なら大丈夫だろう?」

 「え?いいの!?」

 「オイ、コラ待てコラミラコラ。さっき言ったじゃねぇかよ!アタシ以外にはあんまり言うなって!」

 「鈴は仲も良いし。信用している。そこまで問題か?」

 「大問題だわ。動く点P並みに嫌だぞ。アタシは」

 「やっぱり2人ってそう言う仲なの!?」

 「『ミラサツ』キマシタワー!」

 「だからちげぇ!あと、恵里!俺ガイルの海老名みたいなモノマネすんな!!」

 「お、着いたぞ」

 「オメェーなぁ!」

 

 扉を開けると大体のクラスメイトたちが集まっていた。どうやら私達はかなり遅く来た方らしい。…なんだかこちらに向けられている視線が多い気がするのは、多分気のせいじゃない。

 

 

 

 

 

 座学の微妙な空気も無事終わり、訓練の時間となった。

 

 メルド・ロギンスという、この国きっての最強の戦士が講師相手となるので、勇者一行がどれほど重宝されているのか分かると同時に、人類側がどれだけ危機に瀕しているかも感じ取れる。

 

 流石につきっきりはマズイのでは?と生徒たちが不安がったが、半端者にこの国の未来を託すなどあり得ん…という事らしい。それならあのシスターでも連れてくれば良いのでは?と思ってしまうが…この国の国教では聖職者は戦闘に関係する事はしてはいけない戒律でもあるんだろうか。力だけ見れば、私が今の世で出会ってきた中で最も強い者だと思うのだが…まあ、余計な口出しをする必要はないか。メルド団長自身も「副団長の人に雑事を押し付ける理由が出来て助かったわ!」と、豪快に笑っていたので本当に問題ないのだろう。おそらく、彼の部下を除いて。

 

 「よぉーし!全員に配り終わったな? このプレートはステータスプレートと呼ばれているモンだ。文字通り、自分のステータスを客観的に数値化して示してくれるものであると同時に、最も信頼の置ける身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、絶対失くすんじゃねぇぞ!」

 

 これ、諸にこのすばのステータスプレートではないだろうか。いや、ステータスプレートなんだから機能は大体似ていて当然だが…先に知ってしまったのはそっちなので、なんだかパチモンな様な気がしてならない。

 

 「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろ? そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。あとは 〝ステータスオープン〟って言えば自分のステータスが表示されるはずだ。……ああ、原理とかは聞くなよ? そんなもん知らんし、説明もつかんからな。神代のアーティファクトの類だ」

 

 「アーティファクト?」

 

 質問した光輝に対し、メルド団長は丁寧に答えた。

 

 「アーティファクトっつーのはな、現代じゃ再現のできない、強大な力を持った魔道具のことだ。 まだ神やその眷属達が地上にいたとされる神代に創られたとも言われている。そのステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に昔っからこの世界に普及している唯一のアーティファクトだ。普通はアーティファクトって言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな」

 

 ステータスプレートの使い道といえば大体そんなものだが…本当にこのすばと似ている気がしてならない。とりあえず、自身の血を一滴垂らし「ステータスオープン」と唱える。この感覚がなんだか「リンクスタート!」と、某仮装世界にログインする際と非常に酷似していて、少し気分が上気する。

 無色だったプレートが純白に変わり始める。それと共にステータスも浮き上がってきた。このプレートの色の変わり様は本人の魔力の性質らしく、人によって違うらしい。私は真っ白ということになるが…はて?

 


 

 

南雲 美羅 17歳 女 レベル:1

天職:■■

筋力:200

体力:200

耐性:130

敏捷:300

魔力:1000

魔耐:120

技能:龍化[+部分龍化]・言語理解

 


 

 おぅ…………上気した気分も一気に下がる事はあるのだな。

 文字化けして見えない天職に、溜息を吐く。 何を示されているか、全く見えないが…明らかに塗り潰されている二文字の想像がつく。…『祖龍』それが、私の天職なんだと(本能)が言う。

 

 ……どうして私の前世がここで影響する?…このステータスプレートの情報収入源は、南雲美羅としての血だ。祖龍だった頃の私の血も投与したら納得はいくのだが…一体なんなんだ?

 まあ、ステータスプレートの構造自体、この世界の人間には原理不明とされているのなら、私が考えても仕方ない…か。非常に不満だが…今は納得するしかない。

 

 ステータスの欄は、一般人が平均10だと教えてもらったのでかなり破格なのが分かる。これが俗に言うステータスチートと言う奴だろうが……これでか…。祖龍としての力など、絞りカス程度の状態でこれならば、本当にこの世界は、私が居た世界よりも、下位に属しているのだな。……前世のハンター達が一体どんなステータスをしているのか気になるな…。何しろ今の状態では、あの世界の下位ハンターよりも弱い自負があるからな…。

 と、思いふけっていた私にサツキちゃんが話しかけてきた。

 

 「よっ!ミラはどんなステータスだったんだ?」

 「所謂、ステータスチートという奴だな。随分と破格な値をしている」

 

 早速サツキちゃんが私のステータスを聞いてきた。予想していた事なので、そのまま渡す。周りを見てみると他の皆もお互いのステータスを見せ合って一喜一憂している様子だった。

 

 「うげっ…ガチもんのチーターじゃねぇか。…アタシよりも上のステなんて。ミラの癖に生意気だぞ!」(某国民的青ダヌキ産前髪三分割少年の声真似)

 「意外と似てるな…」

 「へへっ、だろ?結構練習したんだよなぁ…まだ完璧とは言えねぇが……あ、これアタシのステな。…つか、マジでミラのステどうなってんだ?アタシの最大ステより5倍もあるだと?」

 


 

サツキ様 17歳 女 レベル:1

天職:狂走者

筋力:80

体力:180

耐性:40

敏捷:200

魔力:60

魔耐:40

技能:下校上手・暇潰し上手・視覚範囲拡大・加速・言語理解

 


 

 名前はサツキちゃんだから…まあ、無視して。

 サツキちゃんのステータスもなかなか物ものだ。自分の値を見てからだと、小さいと誤認してしまうが、本来だったら他の皆もこれぐらいが普通なんだろう…最低値のステータスでも、一般人の4倍は魔力耐性があるのだし。敏捷性に至っては20倍だ。

 私と違って技能も豊富だ。…下校上手と、暇潰し上手が一体どんなものかは知らないが…言葉通りの意味だろうか?

 

 「元々ミラの身体能力はバグってるとは思ってたから良いけどよ…一番最初も誰にも負けたことのねぇ駆けっこで負けたし…だけど、魔法使い系のステ振りなんだよなぁ…コレ。あ、つか龍化とかいうカッコいい技能持ってんのなお前!ひょっとして、翼で空とか飛べんのか!?」

 「飛べるさ。きっとな」

 「うぉおお!!いいじゃねぇかソレ!もう、リアルタケコプター作る必要もねぇな!」

 「まだ、アレを作ろうとしていたのか…N○N STY○Eの言っていた通り頭皮が剥がれるような思いをしたのに…」

 「あったりめぇよ!このサツキ様は常にロマンと少年心を持って生きてるんだぜ!」

 「フフ…それもサツキちゃんの魅力の一つか」

 

 「話変わっけど、なんで天職が塗りつぶされてんだ?」

 「んー…理由は分からないが、なんの天職かは分かっているぞ」

 「ミラにだけ見えるとかそんな状態なのかこのプレート?」

 「いや、私にだって見えないが…直感で分かるんだよ」

 「その心は?」

 「…こればっかりは今は言えないな。申し訳ない」

 「んだよー。勿体ぶんなよなぁ」

 「今日の夜、また私の部屋に来たら教えよう…それまで待っていてくれ」

 「ちぇっ。夜までお預けかー」

 

 不貞腐れているサツキちゃんに謝りつつ、ハジメたちを探す。

 人もそこまで密集していないので、すぐ見つかった。どうやら香織と一緒のようで、お互いのステータスを見ているようだ。

 

 「転生したら異常に低いステータスだった件について……香織さんは凄いね」

 「そ、そんな事ないよ!ハジメくんだって、一般の人に比べれば凄いステータスだよ!それに、ステータスだけじゃないよ!もしかしたらこの錬成師が、凄いレアな天職かもしれないよ!」

 「いやぁ…どうだろう」

 

 「おいおい、折角彼女がお膳立てしてんだから、そこは乗ってやれよハジメェ」

 「あ、サツキちゃんとミラちゃん!」

 「異様にハジメが落ち込んでるが…どうしたんだ?」

 「それがね…」

 「これを見たほうが早いと思うよ。姉さん」

 

 ハジメから渡されたプレートをサツキちゃんと一緒に見る。すると、私たちもその結果に眉を顰めた。

 


 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

天職:錬成師

筋力:30

体力:30

耐性:30

敏捷:30

魔力:30

魔耐:30

技能:錬成・言語理解

 


 

 「ひっっく」

 「し、心臓に刺さった…!」

 「いやまあ、一般人よりも3倍強いって考えりゃつえぇが…」

 「特出したステータスが…ない?」

 「気にしている事をザクザク言うね!2人は!」

 「えっと、サツキちゃん達のステータスは何だったのかな?かな?」

 

 …話題を逸らすために言ったんだろうが、多分逆効果になるぞ香織。

 

 「アタシらはこんな感じ。因みにミラは……もうバグだと思っとけ」

 

 そう言いながら、私もサツキちゃんのと一緒に2人に提示する。

 

 「うわっ!凄い!殆ど3桁!しかも魔力に至っては1000もある!」

 「サツキさんのはスピード特化…分かってはいたけど、見せつけられると余計に…」

 「ご、ごめんなさいハジメくん!見たくもないもの見せて!」

 「…その言い方はどうかと思うぞ香織」

 「え?」

 「香織ってハジメが関わると、すげぇ周りが見えなくなって発言が危なくなるよな」

 

 私もそう思う。

 

 少し離れているが、メルド団長が光輝のステータスを褒め称えているのが聞こえた。なんでも、ステータスがオール100と優秀で、技能もまさに勇者と言えるものらしい。

 

 「あっちはあっちで盛り上がってんな。まあ、アイツは自己信念と言動以外は優秀だからな。アタシに代わって、勇者になっただけはあるぜ」

 「正義感だけは異常なまでに高かったからな…それが左右したのかもしれん…」

 「人を疑う事を知らないけどな…アイツ」

 「自分が信じたものを決して疑わないって、良い事なんだろうけど…天之河くんのはちょっと度が過ぎるというか…」

 「度が過ぎる程度じゃねぇだろアイツ。思い込みも激し過ぎるぞ」

 「光輝くんがここまでボロボロに言われてるの、サツキちゃんとミラちゃんあってだよね…」

 「一応、幼馴染である光輝の悪口を言っているのに、香織はよく嫌にならないな」

 「うーん…私も偶に光輝くんの行き過ぎた思想っていうのかな?それに振り回される事はあったの。いつも雫ちゃんが頑張って止めてたんだけどね。だから、私も思うところはあるの」

 「そうか…。幼馴染故というか…あの男だからこその悩みだな…雫はよく頑張っている…」

 

 因みに、その雫の悩みの種にミラとサツキが新しく入荷している事は誰も知らない。

 

 

 

 「お前達で最後だな」

 

 私たちのお喋りの合間に全ての生徒たちのステータスを見たようだ。皆の視線が集まって、期待というよりか、好奇の眼差しを向けている。まぁ、クラスの中でもかなり目立つ…というか、お馴染みのメンツだからな…気になるのだろう。

 

 「ほう!サツキは敏捷値が高いな!狂走者という天職は今まで見たこともないが、ステータスもかなり高い。前衛…それも遊撃兵で間違いないだろう。白崎は…お!治癒師か!これはかなり有難い希少な天職だ!回復は頼んだぞ!さて…南雲姉弟は…おぉ!!?……おぉ?」

 

 私とハジメのプレートを交互に見て困惑する様子のメルド団長…まあ、確かに高低差はあり過ぎると私も思う。ハジメも光輝程とはいかないが、バランスの良いステータスだと思ったのだがなぁ…。不思議だ。この世界の強制力でも働いたかのように低い…。

 

 「美羅の方は、申し分ないというか、勇者以上のステータスとは驚いたぞ。4桁代のステータスは、記録にはあるが初めて生で見る。しかも、レベル1の状態でこれとはな…天職は分からんが、それを差し引いても余りあるほどだ。ハジメは……一体どういうことなんだ?確かに高いには高いが…他の奴ら比べるとどうも見劣りが激しいな…天職も錬成師とは…」

 

 反応から見るに、錬成師とはそこまで珍しい天職ではないらしい。それを察したのか、ハジメが若干気落ちしたのが感じ取れた。心の何処かで期待はしていたんだろう。

 ざわざわと囃し立てる声が増した気する。私とハジメを対比しているのだろう。…あまり良い気分はしない。こんなのは本当のハジメの実力ではない。私の弟はこんなに努力しているんだぞ!と自慢したいというのに……。全く…このステータスプレートが嫌いになりそうだ…というか、もう嫌いになっているのだろう。

 

 私の純白のステータスプレートにほんの少しだけ亀裂が入る。

 

 

 

 

 その後、明日から本格的な訓練が始まると言った旨が通達され、今日はお開きとなった。

 

 当たり前の如く香織や雫、美羅とサツキに元気付けられているハジメが目撃されたが…意外にも檜山のグループやその他男子、清水にも励まされ、奮起しているハジメ姿が見えた。

 

 




原作と違い、かなり努力しているのにステータスや天職がショボくて自分に幻滅しているハジメくん…ごめんな…ちゃんと奈落に落としてあげるからな…(鬼畜)

実は、この小説にガールズラブ要素が出てくるなんて最初は思っていませんでした。
あと、美羅さんをサツキちゃん大好きっ子にし過ぎて、どっちが主人公だか偶にわからなくなる。ダブル主人公でもいい気がしてきた。

あと、散りばめてきたつもりだけど、クラスの面々の変わり様よ…!
クラスの面々(というよりか、檜山達や中山さんなどの裏切り組)の雰囲気が原作とはかけ離れている事は皆さんご存知でしょうね…というか伝わってなかったら、それはもう作者の力不足。
後々、番外編でクラスメイト達に何があったのか?とか書くと思いますけど……大分後になりそうだなあ…。

おまけのオマケ↓(作者の心理)

1話投稿した後に30分くらいずっと1時間間近のアクセス解析をチラ見する心…分かります?
あと、感想くるかな(期待)…来ないかな(期待)…ピャーッ!!(絶望)キタァァァ!!?(歓喜)って心の中でなるぐらいには、感想が欲しいのにビクついてる未だチキンハートな作者。(そろそろ五年が経過しようとしている小説家人生)

『雑種犬』様、誤字報告ありがとうございますぅぅ!!!
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