幻想の白狐<ギーツ>   作:苺豆大福

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ゾンビって吸血鬼に勝てますかね?


吸血鬼の相手にはゾンビを

「なッ……瑛須!」

 

「あんた、兄さんを何処にやったの?」

 

 目の前から瑛須が消え驚愕する魔理沙とメイド、十六夜咲夜を鬼の形相で睨みつける霊夢。だが咲夜は以前余裕ある表情を崩さない

 

「彼はお嬢様の客人ですので、こちらで案内をさせていただきました。ですが貴方達は招かれざる者、ここでお帰りください」

 

「ふざっけんな!」

 

 八卦炉を取り出し攻撃しようとする魔理沙を霊夢が止める。

 

「おい霊夢! なんで止め‥」

 

 霊夢の顔を見ると今まで見た事もない表情をした霊夢が咲夜を睨みつけていた。その表情を見て言葉を詰まらせる魔理沙

 

「……こいつは私が止めるから先に行って」

 

「で……でもよ」

 

「いいから行って!」

 

 箒に跨り最大速度で咲夜の横を通り過ぎようとする魔理沙にナイフを飛ばそうとするが、針が咲夜の頬を掠める。ハンカチで頬から出る血をぬぐい霊夢に視線を戻しナイフを取り出す

 

「……それでは貴方から掃除いたしましょう」

 

「やれるもんならやってみなさいよ!」

 

 ────────────────────

 

「いらっしゃい白狐さん? ようこそ歓迎するわ」

 

 いきなり別の場所に飛ばされ辺りを警戒していた時、そんな声が聞こえて来た。声がした方を見るとナイトキャップを被り背中から蝙蝠のような翼がある瞳が紅い少女が椅子に座っていた

 

「あんたがここの主人か?」

 

「そう私がこの紅魔館の主人、レミリア・スカーレット。さぁ貴方の番、それとその仮面を取ってちょうだい? 話しにくいわ?」 

 

 ‥‥どうやら俺と話がしたいようだ、なら変身したままでは失礼か。そう思い変身を解除する、するとどうしたのだろう? 先程までの表情が崩れ始め体が震え、まじまじと俺の顔を見てくる。

 

「な……なんで? どうして……貴方が……嘘よ……」

 

 椅子から立ち上がりおぼつかない足取りで俺に近づいて来るが何かに躓いたのか倒れてしまい、警戒しながらも近づいて手を伸ばす

 

「おい大丈夫か、あんた。さっきから変だぞ」

 

 よく見ると泣いているのか、時々肩を大きく震わせていた。俺の伸ばした手を掴み泣きながらも俺に問いかける

 

「ねぇ……貴方は……エース、エース・ボガードなの? 答えて頂戴!」

 

「ひとまず落ち着け……俺はお前の言うエース・ボガードじゃ無い。博麗の巫女の兄、博麗瑛須だ」

 

「そう。そうよね……あいつは‥‥もう。……ごめんなさい、他人の空似見たいだったわ」

 

「なぁ、良かったらその……エースの事、教えてくれないか?」

 

 気が乗らないかもしれないが、どうしても他人のようには思えなかった。落ち着いて来たレミリアはエースの事を話し出した

 

 ──────────────────────────────

 

 エース・ボガードは数百年前に使えていたレミリア専属の執事だった、元より身寄りがいなかった彼はレミリアの父親に拾われた人間であったが少し特殊であった。先天的な能力だったのか分からないがどんなに傷を負っても、体がバラバラになってもすぐに再生してしまう、他には異様に長く伸ばした爪から毒液を飛ばしたり、回転する刃がついた妙な物を使っていた。そんな彼を見た周りの人達は化け物と罵り迫害をしていた、元々優しかったエースの性格は段々と攻撃的な性格になっていってしまう

 そんな彼がレミリアの執事になり、側近達は不安の声を上げる。案の定レミリアとエースの相性は最悪でケンカばかりだった。だが意外なことに執事の仕事は完璧にこなし、次第にレミリアとも仲良くなっていく。

 そんなある日の事、父親の留守の時を狙い吸血鬼を目の敵にする教会が攻めて来た。戦える者は少なく次々と殺されていく、エースは残った側近にレミリアを任せて一人で教会の者を相手取り、時間を稼ぎレミリア達を逃した

 

 ──────────────────────────────────

 

「それが最後にエースを見た時よ、お父様が帰って来て助けに行った時には骨も見つけられなかった」

 

「…………そうだったのか。……すまない、辛い事を思い出させて」

 

「別に……私が勝手に話した事よ……。さて昔話もおわりにしましょ?」

 

 悲しんでいた表情から一転し、威厳を放ち戦闘体制を取るレミリア。すぐさま腰にドライバーを巻きマグナムバックルを差す

 

「貴方は霧を止めに来た、ならこの私を倒したらこの霧を止めてあげる!」

 

「さっきまでとは様子とは変わったな。いいぜ……あんたを早く倒さないと洗濯物が乾かないんでな」

 

 

SET

 

変身! 

 

MAGNUM READY FIGHT

 

「さぁ、ここからが」

 

「今夜は月が紅いから」

 

「「ハイライトだ! /楽しい夜になりそうね!」」

 

 仕掛けたのは同時に。レミリアの放つ弾幕をマグナムシューターで相殺していき距離を詰めていく。だが今までの弾幕とは桁違いの量の弾幕に押されるが確実に捌いていくギーツ

 

「あら? この程度なの?」

 

「まさか!」

 

 シューターと腕部に内蔵されたアーマードガンを起動させ、辺りの弾幕を一掃しレミリアにお返しと言わんばかりに二丁から弾丸を放つ。それを空を飛びながら避けギーツに近づき肉弾戦を仕掛けるレミリア

 

「格闘戦は好きかしら?」

 

「あんたが好きなら付き合ってやるよ!」

 

 鋭く放たれる拳を避け、シューターとアーマードガンを至近距離で発射するが吸血鬼の反応速度で避けてくる。埒が明かないと思った二人は距離を空け体制を整える

 

「その姿、てっきり射撃特化だと思ったけど見当違いだわ……。どう、うちで働く気はない? 悪くはしないわよ?」

 

「生憎様、今は神社とかの仕事がいっぱいあるんでね、遠慮しとくよ」

 

「あら、残念」

 

 するとレミリアの妖力から作られたであろう長槍が現れ、矛先を此方に向ける

 

「ようやく本気かい? ならこっちも」

 

 マグナムを引き抜きニシラから貰ったバックル、ゾンビバックルを差し鍵のような突起を回す

 

SET

 

GRAB! CLASHOUT! 

 

ZOMBIE

 

READY FIGHT

 

 白を基調とした装甲から肋骨を思わせる胸部装甲、肩アーマーにはオレンジ色の棘が生え左手には異様に長く棘と同じオレンジ色の爪が伸びている。その姿を見てレミリアは懐かしむ様な、それでいて悲しむような表情を浮かべる

 

「本当に……性格は違うけど姿はどこまでも似ているわね。貴方は」

 

「さぁ、第二ラウンドだ」

 

 ギーツは新たに生成されたゾンビブレイカーを肩に担ぎ、レミリアに走り出した

 

 

 




次回 破壊の吸血鬼 お楽しみに

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