幻想の白狐<ギーツ>   作:苺豆大福

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仕事で疲れて昨日投稿出来ませんでした、次回から妖々夢編です


執事とメイド

 十六夜咲夜はメイドである、ここ紅魔館の主人レミリアスカーレットに幼い頃から仕えている。だが最近彼女はある人の事を考えていた、博麗霊夢の兄でありレミリアの婚約者? (レミリアが勝手に言った事)である博麗瑛須である。

 

(一体彼の何処がお嬢様を惹きつけるのかしら? いえ、お嬢様だけではなくパチュリー様や美鈴も……)

 

 瑛須が美鈴やパチュリーに会いに来る事があるが、その時の二人の表情は咲夜が見たこともない表情をしていた。彼はかつて紅魔館に仕えていたエースっと言う執事の生まれ変わりであり紅霧異変時、何らかの拍子に記憶を思い出したと言う。色々な事を考えながらも自分の仕事をこなして行く咲夜、ふと窓の外を見ると珍しく美鈴が居眠りをせず門の前で体を動かしていた

 

「珍しい事もあるのね? 美鈴がちゃんと起きてるなんて……」

 

 仕事を片付け紅茶を乗せたトレイを持ちパチュリーが居る図書館へ向かう、するとパチュリーの使い魔である小悪魔がせっせと本の整理をしている

 

「小悪魔さん、お茶の準備が出来ましたがパチュリー様はいらっしゃいますか?」

 

「あ、お疲れ様です咲夜さん。パチュリー様なら今外に出ていますよ?」

 

「外に‥ですか?」

 

「はい! 瑛須さんからの提案でして一緒に散歩してるみたいですよ?」

 

 普段図書館から出ることがないパチュリーだが、そんな彼女が瑛須と一緒に散歩している。にわかに信じられない事だ

 

「でも何故瑛須様と……」

 

「あー咲夜さんは知りませんでしたよね? 昔パチュリー様は瑛須さんに助けられた事があるんですよ? まぁその頃は瑛須さんはエースの時ですけど……。その後からですかね? パチュリー様、エースさんに恋してしまって必死にアピールしたんですけどあの人は……」

 

 ──────────────────

 

 数日後

 

 瑛須が来てから咲夜の知らない紅魔館の住人の顔を見ることが多くなった。それはどこか自分が置いて行かれたような気がしてならない、そんな事を考えながら里に食材を買いに来た咲夜

 

(さて、今日の献立は……)

 

「おい……‥あいつじゃねぇか……?」

 

「あの薄気味わりぃ吸血鬼の館に仕えてる奴だっけ……吸血鬼に仕えるなんて考えなれないな……」

 

「ああ……ちげぇねえ」

 

(はぁ……またか……)

 

 基本的に里の人は咲夜に対して友好的だが一部の人は妖怪に対して嫌悪感を感じている人もいる。里で問題を起こしては周りの人に迷惑をかけるので無視をしているがやはり傷つくものである。食材を買い足早に里から出ようとした時

 

「あれ? 咲夜?」

 

 ちょうど頼まれ事が終わった瑛須と出会った咲夜、何かを感じたのか咲夜の顔を見つめる瑛須

 

「あの‥‥何か?」

 

「‥‥何か嫌なことでもあったのか?」

 

 メイドの仕事柄表情を顔に出さないようにしていたが簡単に見破った彼に驚く咲夜、彼は香霖堂で買った時計を見て

 

「咲夜、これから時間あるか?」

 

「ええ……大丈夫ですが……」

 

「ならちょっと付き合ってくれ」

 

 瑛須がやって来たのは団子屋だった。自分と咲夜の分を注文して先ほどの咲夜の事を聞く

 

「なるほどね、そんな事を言われたのか」

 

「はい……でも相手はただの人間ですし……。それにそう言うのは言われ慣れているので……」

 

 メイドになる前、子供の頃から悪意を含んだ罵倒を投げられた過去を思い出す咲夜、あの時に比べたら優しいものだと思った。そんな咲夜の頭に軽くチョップをする瑛須

 

「いてっ……」

 

「勝手に一人で解決してんじゃねぇよ、そう言う悩みは溜め込むんじゃなくて誰かに相談してスッキリした方が楽だ。たとえば‥……そうだなぁ」

 

 手を咲夜の頭に置き優しく撫でる、突然のことに固まっている咲夜に向かって瑛須は笑顔で

 

「レミリアとかに言いずらかったら俺に話せ、いつでも相談に乗ってやる!」

 

「……ッ!」

 

 十六夜咲夜はメイドである、今まで歳の近い異性と付き合いが少なかったので今の、瑛須に対する気持ちを理解するのはもう少し先である

 

 ──────────────

 

「おお……こんなに大きく育って……私は嬉しいよ!」

 

 多くの人魂が漂い花を咲かせた木々が沢山ある場所にその男はいた。目の前の巨木に、まるで自分の子供のように優しく話し掛ける

 

「あの亡霊が春を集め切ればお前は……ヒヒッ! 楽しみだなぁ」

 

 そんな男と巨木を見つめる透けた人影、その手には狸のような絵が描かれたIDコアが握られていた

 

 

 

 

 

 

 




次回 訪れない春 お楽しみに

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