場所は変わり博麗神社の居間には炬燵に入りみかんを頬張る霊夢がいた、そこに襖を勢いよく開けて入ってくる魔理沙
「よっ!いきなりだけど瑛須は居ないのか?」
「今朝から居ない……寒いから早く閉めてよ」
「お前な……見てみろよ、春だって言うのにまだ雪が降ってるだぞ!これはもう異変だ!それに異変解決が巫女の仕事じゃ無いのか?」
「偶然今年の冬が長いだけでしょ?」
「ああ分かったよ、こんな異変私一人でも解決してやる!後で謝っても知らないからな!」
魔理沙の言葉に耳を傾けず湯呑みのお茶を飲む霊夢、そんな霊夢に腹を立てたのか箒に跨り博麗神社を後にする魔理沙と入れ違いに今度は咲夜がやって来た
「あら?一人で行かせたの?」
「珍しいわね?あんた一人でここに来るなんて……兄さんなら居ないけどなんか用?」
「……お嬢様から伝言を預かっています。「瑛須が異変調査に乗り出した、貴方もそろそろ動いたら?」と……」
「はぁ…どうせあんたも来るんでしょ?準備してくるから待ってて」
重い腰を上げて部屋の奥に消えていく霊夢。人通り準備を終え神社の戸締りを済まして咲夜と共に異変の調査に乗り出した
「‥‥アリスなのか?」
「久しぶり……でいいのかしら?えーと…瑛須」
アリスと出会ったのはまだアリスが幼い時、その時の瑛須は各地を旅していた頃にアリスが襲われていたのを助けたのがきっかけで、それから暫くは一緒に生活していたが瑛須が旅を再開するため黙って出て行ったきりアリスとは会う事はなかった
「立ち話もあれだし、中に入らない?」
「……あまり長く居られないぞ?」
「それでもいいわ、さぁどうぞ?」
瑛須を家に入れ扉を閉めるアリス。瑛須に向けるその瞳は……濁り……光がなかった
「へぇー、この花びらが春の元なのね」
アリスに花びらと人魂の事を話し何か知らないか聞いてみる、すると何か思い出したようだ。数日前大量の人魂を従えた人影が空を飛んでいるのを見つけ、気づかれないように尾行していたが突如として消えってしまったとの事だ
「それどの方角か分かるか?」
「ちょうど西の方だったかしら?」
家から出て人影が消えた方角を教えてもらいアリスに礼を言い飛び出そうとした時にアリスが待ったをかける
「待って瑛須、じっとしてて……よし、取れた。ゴミが付いていたから気になっちゃって」
「取ってくれたのか、ありがとう。今度来る時は菓子折りを持ってくるよ」
そうアリスに伝え飛び去る瑛須、それを見送り家の中に入り扉の鍵を閉めて寄りかかる
(嗚呼瑛須!やっと‥…やっと会えたわ……私だけの運命の人!)
頬を赤めハイライトの消えた瞳で先ほどの光景を思い浮かべる。昔と変わらない姿、顔を思い出しただけで体が震えて火照ってきてしまう。その体を鎮める為自室に駆け足で向かう、駆け込んだ自室には瑛須を模した人形が何体も並んでいた、その中の一体にゴミを取ると嘘をついて手に入れた髪の毛を人形に通す
「やっぱり本物に会ったあとだと人形じゃ満たされないわね……いっそのことこの人形に瑛須の魂を‥いえ、彼は今博麗神社にいるんだったけ…面倒事は避けなくちゃ……それにあの吸血鬼にも」
机の上には紅霧異変解決の宴会の記事が書かれた新聞があった、そこに載っている写真は 瑛須以外の顔を塗り潰し見えなくなっていた
「吸血鬼‥レミリア‥‥だっけ?貴方には申し訳ないけど彼と結ばれるのは私なの……彼は私だけの王子様……誰にも邪魔はさせない……もし私達の邪魔をするなら……フフッ」
殺してしまうかも と思いながら瑛須の人形を強く抱きしめる少女の瞳は光も通さない程濁っていた
次回 冥界 お楽しみに!
グランプリのルールの掲示
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いる
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あんまり