幻想の白狐<ギーツ>   作:苺豆大福

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暑すぎて……仕事が忙しくて……やる気が起きなくってェ…


鬼からの願い

「異変を手伝えって……どういう事だ?」

 

 萃香は瑛須の横を通り過ぎ、酔い潰れている二人を抱え瑛須の方へ振り向く

 

「それは歩きながら説明しようか……勘定はお願いね!」

 

「はぁ……分かったよ、ん?」

 

 事前にジャグラーさんからお代は頂いておりますので、今日は大丈夫ですよ

 

 そう書かれた紙を大将から受け取る、大将の方に顔を向けるとこちらにサムズアップをしてくる。お礼を言い一礼をして屋台を後にし二人を抱えた萃香と共に帰路につき、それぞれを家に送った

 

「それで? どんな異変を起こすんだ?」

 

「そう変に構えないでおくれよ〜、何簡単な事だよ。三日おきに宴会を博麗神社で開きたいんだよ」

 

「宴会? それまた何で……って聞くまでもないか……他の鬼を呼び戻す為だろ?」

 

「なんだ気づいていたのかい、なら話は早い」

 

 ここ幻想郷には数多の妖怪が存在している、その中には萃香と同じ鬼の姿は無かった。

 まだ博麗大結界が張られる前、妖怪の山を作り河童や天狗を纏め上げ使役し鬼を中心とした縦社会を築いていた。鬼達は総じて酒好き、情に厚く豪快。嘘は大嫌いで仲間を裏切る事は絶対にしない。そして何よりも喧嘩や勝負事が酒の次に好む、古来より鬼は人攫いを行い人間に勝負を挑んでいた

 

「だけど人間は変わっちまった……騙し討ちや闇討ち……仕舞いには和解したと思ったら酒に毒を盛る……」

 

「でもそいつらも生きるために必死だったんだろ……人と鬼じゃ、力の差が開き過ぎてるからな……それで? 鬼達を呼び戻して何をするんだ? 仮に呼び戻せても今の幻想郷のルールに縛られる事になるぞ?」

 

「別に集めて何かをおぱっじめようとしている訳じゃないさ……ただ昔みたく酒飲んで馬鹿騒ぎしたいだけだよ……」

 

 瓢箪の中の酒をいつの間にか持っていた盃に注ぐ萃香、酒の表面に映った萃香の表情は遠い昔を振り返り懐かしむ様な……そんな顔だった

 

「…………手伝ってやるよ……その異変」

 

「良いのかい? お前……仮にも博麗の巫女の兄貴だろ?」

 

「やるって言ったらやるんだよ! ……でも上手くいくか分からないからな? それでもいいなら……手を貸してやる」

 

「……やっぱり変わんないな……お前は……よ〜し! それじゃ前祝いだ! ほらほら! 飲め飲め!」

 

 そう言って瓢箪を無理矢理瑛須の口に押し込み酒を飲ませる萃香、なんとか抵抗するもやはり鬼、力では勝てず飲まされ続ける瑛須だった。やっと瓢箪を離し、今度は自身が飲み始める

 

「はぁ……んで? いつ始めんだよ……異変」

 

「まだ決めてない! ‥……あっ、そうだ……これ渡しとくよ〜」

 

「っと……これ……」

 

 萃香から投げなれた物をキャッチする、それは外の機械である重機のように黄色く履帯跡のような模様が描かれている

 

「あんたに預かってと言われたから大事に持ってたんだぞ〜? それじゃ異変起こす時にまた顔見せるから〜」

 

 萃香の体が霧状になり姿を消す、気配を感じなくなると瑛須は背後にいる人物に話しかける

 

「隠れてないで出てこいよ? 居るのは分かってんだからな‥‥ルーミア」

 

「あらら? バレてた?」

 

 木の影から出て来たのはルーミアだった、だがその雰囲気は……異質なものだった

 

 

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