「えっ!兄さん無理やり協力してたんじゃあなかったの?!」
「ん?そうだぞ?」
異変が終わった次の日朝、ブーストバックルを使った反動で足が筋肉痛になって霊夢に変わり瑛須が朝食の準備を進め、霊夢の質問に答える
「おー美味そうだねぇ!瑛須!私の分は?!」
「ちょ!あんた!何でここに! イッッタ!」
縁側から居間に来た萃香を指差し立ち上がろうとするが、自分が筋肉痛なのを忘れていて激痛が走り布団に倒れ込む霊夢。
その光景を見てケラケラ笑う萃香と呆れ顔で霊夢を起こす瑛須、情けない姿を見られたからかよほど痛かったのか目尻に涙を浮かべる霊夢
「ほ〜ら、無理に動くな…今日は俺と萃香に任せて霊夢は安静にしてろ?」
「……神社壊さないでよ?」
「おう!任せときな!」
自信満々で自身の胸を叩く萃香に冷めた目線を送る霊夢、朝食が終わりそのまま二人は昨日の片付けに追われ忙しそうにバタバタしている。霊夢が外をボーっと眺めていると縁側からキノコが入ったカゴを持った魔理沙が顔を出し居間に入り霊夢のそばに腰を下ろす
「大丈夫か、霊夢?ほら差し入れのキノコ、腹減って無いか?減ってるんだったらなんか作ってやるぞ?」
「……減ってない……ねぇ魔理沙?……暇だから話し相手になって」
「しょうがねぇなぁ…」
暫く霊夢の話し相手になった魔理沙、あの宴会が異変だった事、その異変の首謀者と瑛須がグルだった事とブーストバックルを勝手に使って瑛須にこっ酷く怒られた事を話すと
「は?お前、あれ使ったのか?生身で使って大丈夫なのかよ?」
「使った結果がこれよ、しかも下半身だけ筋肉痛って……こら、突っつくな」
筋肉痛で動けない霊夢の足を指で突っつく魔理沙、その頃瑛須達は片付けが終わり神社の裏にある蔵の中を整理していた。
最後に開けたのが去年の夏の終わり頃なので、蔵の中に入っている物の上には少し埃が積もっている
「なぁ、萃香?なんで急に異変を終わらせたんだ?まだ一人も来てないだろ?」
整理をしながら昨日から気になっていた事を萃香に聞く、異変を始める時も辞める時も唐突。何か辞めた理由でもあったのかと思い聞いたのだが、当の本人は笑顔でこう答えた
「満足したから辞めた!」
「満足ぅ?どういう事?」
「霊夢がね、あんたのバックルを使って挑んできた時にね……あんたと初めてやり合った時を思い出してね?あん時のあんたと霊夢が重なって見えちまってさ……あんた以来だよ?あたしを満足させた人間は…」
「あー、あの時か」
時は平安、その時都を騒がせていたとある姫の命で鬼退治をさせられた事がある、それが萃香との出会いだった。激闘の末、勝ったのは瑛須、負けた萃香は自らの命を差し出そうとしたが瑛須がそれを止め、萃香達が拠点にしていた山から出てくれれば退治はしないしと約束した。萃香との付き合いはその時からである
「それにな?一人だけこっちに来た奴がいるよ?それも瑛須が知ってるやつ」
「そうなの?んー誰だろなぁ?」
「懐かしい気配がしたので来てみたら……萃香とあの人だったのね」
上空で博麗神社を見ている人影がいた。頭にシニヨンキャップを付けた桃色の髪を持つ女性、左手首には萃香と同じような鎖の付いた鉄製の腕輪をつけている。だが彼女の右腕は、腕全体を覆う包帯が巻かれていた。
しばらく博麗神社を見下ろした後、彼女は何処かへ飛んで行った
最後の人、ダリナンダアンタイッタイ…
瑛須のバディは?
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白狐と悪魔の妹
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不死身と狐