爆炎を背にしてゆっくりと歩むギーツ、逆光の中大きな複眼が光る。炎が次第に小さくなり妖怪の死体が燃え尽き辺りを覆う結界が消えていき人が一斉に避難所へ向かう
「‥‥ふぅ、なんとか…なったか」
変身を解いた瞬間、酷い脱力感に襲われて倒れそうになるが寸前で魔理沙に抱き抱えられるが段々と意識が朦朧としてくる。魔理沙の後を追いかけ霊夢と慧音が駆け寄ってくる、三人が何か言っているが聞こえてこない。そのまま俺は意識を失った
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「いやぁぁ!本当にカッコいいねぇ!ギーツ!いや今は博麗瑛須くんか」
目の前で子供のようにはしゃぐ丸メガネをつけキャップを被っている男、俺にドライバーとIDコア、そしてマグナムとブーストバックルを渡したその人である
「なぁあんた、はしゃいでいる所悪いんだがここは?そんであんた一体何者なんだ?」
「おーと、その質問には答えなきゃあいけないねぇ、まぁ」
男は指を鳴らす、すると辺りにノイズが起こり場所が変わり古風な喫茶店になった。男は慣れた手つきでカップに珈琲を入れ始める
「珈琲でも飲みながら話そうじゃ無いか、砂糖とミルクはいるかい?」
「いやブラックでいい、……頂きます……ブゥバァ!?マズっ!なんだこの不味さ!」
「えっ!まじで?……うわぁ!マズっ!」
飲んだ事のない不味さな珈琲を下げ、口直しのミルクを飲む二人。こんなにミルクが美味しく感じるのは初めてだ。
「さて、まずは自己紹介を。私はニシラ、君が勝ち残ったバトルグランプリの元ゲームマスター兼サポーターだ。そしてここはサロン、要は君と話したり何かアイテムを提供する場所さ」
「元?今は違うのか?それにアイテムってもしかしてこれの事か?」
ポケットからマグナムバックルを取り机に置く。ニシラの反応を見るあたり正解なのだろう。
「そう。もし転生した者が危険な目に遭ったり、力を欲した時は私たちサポーターがドライバーとID、そして適合率が高いバックルを渡す役割があるんだ。そのサポーターになるのはその時のゲームマスターとナビゲーターがなる」
「じゃあ俺はその条件を満たしたからドライバーを?」
「いや、君に至っては転生する時に君からの申し出でね?17の誕生日にIDとドライバーを渡してくれってね?」
転生する時?そう言えばグランプリの事は思い出したがグランプリの前、生前の記憶がまったく無い。ニシラなら何か知っているのでは無いだろうか?
「ニシラ、俺の生前の事は何か分かるか?分かるなら教えて欲しい」
「残念だがそれは出来ない決まりなんだ。転生者が生前の記憶を取り戻しパニックになり廃人になった前例があってね、だからサポーターも教えてはいけない決まりだ」
決まり……か。確かに何の前触れのなく生前の記憶が戻るなら誰でもパニックになるか。ん?そう言えば
「17の誕生日にドライバーを?今日が?……あ!ごめん俺早く戻らないと」
「ん?あぁそうかい。そのゲートを潜れば戻れるよ」
ニシラが指を指す方向には青いゲートがあった。残ったミルクを飲み干し、ゲートに駆け寄る。すると徐々に意識が薄れ、目の前が真っ暗になった
「さて、君はどんな物語を作って行くのかな?楽しみだよ」
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目が覚めるとそこは博麗神社の俺の寝室だった。起き上がろうとすると魔理沙が俺の体の上に頭を乗せ寝ていた。よく見ると目元には涙の跡が残っている、どうやら泣き疲れて寝てしまったらしい。
外を見ると夕暮れになっていた、長い間気を失っていたのだろう。それに頭には包帯が巻かれ腕にも巻かれていた
すると襖が開き霊夢がお盆を持ち部屋に入って来たので魔理沙を起こさない様にどかし起き上がる
「やっと目覚めた?全く心配さして……バカ兄」
「ごめん、心配かけた」
畳の上にお盆を置き、背後から抱きついてくる霊夢
「……どうした?えらく甘えてくるじゃ無いか」
「お願い……しばらくこのままでいさせて…」
か細い声で強く抱きしめてくる、無化にも出来ないので言われだ通りそのままにしておこう。
(……起きたら霊夢といい感じになってんだぜ……なんか嫌だなぁ)
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「紫様、瑛須が」
「そう、ギーツになったのね」
見開かれた目が多数ある空間、スキマに声が響く。幻想郷を作った張本人、八雲紫とその式神八雲藍である
「如何しましょう?紫様」
「‥‥様子見ね、それに彼女の子よ?危険性は低いと思うわ」
藍に監視を命じ、下げさせる
(もしかしたら本当に貴方の生まれ変わりみたいね?永鈴《えいす》?)
次回 日常 お楽しみに
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