ルビーちゃんは知っています。   作:ブラウンドック

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ロリコン

 

ルビーちゃんは知っています。

 

遂にルビーちゃんの明確な敵が現れた事を知っています。ロリ先輩です。重曹を舐める天才子役のロリ先輩です。

再会してしまったのは陽東高校の受験日です。ロリ先輩に会うまでのルビーちゃんは物凄くご機嫌でした。受験が終わった事への開放感と、確かな手応えがあったからです。

これもぜんぶぜんぶ、ルビーちゃんが"ちょーぜつテンサイ"だったから――なんてことは残念ながら違いまして、お兄ちゃんが熱心に勉強を教えてくれたからです。もうっ、お兄ちゃんはいつもルビーちゃんの心を鷲掴みにして離してくれないんです。

 

もしや、相思相愛なのでは?

 

そんなことを考えてしまうルビーちゃんを誰が責められましょうか?…責める人がいるなら、ちょっと校舎裏か屋上でお話します。大丈夫です、ルビーちゃんにだって鉄バットは扱えます。なんなら"名状しがたいバールのようなもの"だって聖剣のごとく操ってみせますとも。

 

 

――閑話休題(お話が逸れました)

 

なんて恐ろしいのでしょう。ロリ先輩は潜在的にお兄ちゃんに好意を向けていたです。ロリ先輩の癖に一丁前に恋愛だとか、ナマイキです。

 

初めましては十年以上前でしょうか?ママぁの映画初出演のときにいた子です。才能に浮かれて周りを見下すタイプでしたが、今となってはその雰囲気もなりを潜めています。

心做しかあの時よりも態度が丸くなったロリ先輩は、再会したお兄ちゃんに期待と羨望の眼差しを向けていました。ぶっころしたいです。

 

いえ、別に構いませんとも。

 

ロリ先輩がどれだけお兄ちゃんにラブラブチュッチュな好意を向けたとしても、モーマンタイです。アリさんがゾウさんを惨たらしくぶち殺せる程度の可能性しかありません。

 

だって、ルビーちゃんは知っています。お兄ちゃんの好みは年上……………………………あ。

 

ルビーちゃんは気付いてしまいました。お兄ちゃんがゴローせんせーだった頃、既にママぁ最推しオタクさんだったらしいです。ママぁは十代ですし、ゴローせんせーは二十代後半から三十代だったハズです。なら、もしかして…お兄ちゃんは()()()()()()()()()()!?

つまり、ロリ先輩はお兄ちゃんにとって"ちょうぜつドストライク"である可能性があります。

 

由々しき事態です。ルビーちゃんだって現状中学三年生でして、妖艶美女な見た目を考慮しないのであれば、世間一般ではロリコンの対象内に含まれます。

ですが、それでもロリ先輩がお兄ちゃんの好みどストライクな危険因子である事実には慄きを隠しきれません。

 

ルビーちゃんとしたことが、選択を誤ってしまいました。

 

少し前まではお兄ちゃんの好みを年上だとおもっていました。だから体の成長を待っていたのですが…違いました、逆でした。

幼い体を使って誘惑するべきだったのです。『あっは〜ん♡』『うっふ〜ん♡』ではなく幼さゆえの天真爛漫無邪気さをアピールするべきだったのです。

 

 

よって、偶然釣り場で見かけた夜逃げ社長さんに相談したのですが、マジギレされて追い返されました。相変わらずサングラスをしていました。

 

まあ、社長さんについてはどーでも良いのです。ルビーちゃんとお兄ちゃんに関わらないのであれば、敵でも味方でもありません。

 

今の問題はロリ先輩です。あのロリ先輩め、受験が終わったあともお兄ちゃんに付きまとって連絡先を交換しやがりました。汚物は消毒したいです。

どうやら、受験終わりのお兄ちゃんはその足でルビーちゃんのもう一人のライバルである監督さんの家に行っていたようです。放っておいた理由は至極単純で、怨敵とライバルが共倒れしてくれたら嬉しいからです。

 

ですが帰ってきたお兄ちゃんは、ロリ先輩に誘われてネットドラマに出演すると言い出すではありませんか。

 

このヤロウ!そんなにロリ先輩と接点が持ちたいか!なーにが原作に興味があっただ!!部屋に全巻揃えてニヤケ面で読んでる写真をばら蒔いてやろうか!!

 

……いけません、取り乱しました。

 

冷静になりましょう。ルビーちゃんは俯瞰が大得意です。他人事のように考えてしまいましょう。

 

まず、です。お兄ちゃんがドラマや映画に出演するのは、実の所、珍しい事でもないのです。大体が端役でワーワーやってるだけですが、実践の場で学ぶという点に関してはこれ以上なく理にかなっています。

お兄ちゃんが役者を目指しているのは知っています。今は一時的に自信をなくして裏方志望とか言っていますが、お兄ちゃんにとって演者になるということは大好きなママぁを継ぐという事に等しいのです。

 

そんなお兄ちゃんがドラマに出ると言うのですから、そこに難しい心情なんてきっとありません。お兄ちゃんらしい思考をトレースするなら…そうですね、誰かと繋がりたいという事でしょう。

きっと恋愛系ではありません。コネクションですね、お兄ちゃんならば。演者としての大成か、はたまた何かの目的について執念によって突き動かされているのか。分かりませんが、お兄ちゃんは考え無しのボンクラではないのは確かです。

 

お兄ちゃんの態度からして、ロリ先輩に興味を持っていたワケでもなさそうです。再会した時は顔も忘れていたくらいですので。

 

つまり、まとめるとこうなります。

 

現状ではロリ先輩は怨敵にはなれどもライバルではありません。蹴り飛ばせる小石です。ドラマ出演にしても、ロリ先輩の意図は知りませんが…お兄ちゃんが惹かれることは絶対にないです。お兄ちゃんは秀才です。ヒデサイではなくシューサイです。なので想像もつかないような真意が隠されているハズです。

 

ルビーちゃんはお兄ちゃんを信用しているのですから。

 

――――――――――――――――――

 

ルビーちゃんは知っています。

 

卵かけご飯にはごま油という世界の真理を知っています。本当に凄いです、人類が誕生したのと同じレベルでヤバいです。エジソンが発明した白熱電球も全く同じ領域です。

そもそもごま油の筆舌に尽くし難い香ばしさはわかめスープと卵かけご飯のためにあると言っても過言ではありません。

 

ルビーちゃんの食事に革命が起こってしまいました。それに、です。ごま油は満腹中枢を刺激し食べ過ぎを防ぐ効果が期待できるんです。 ごま油に含まれるオレイン酸は体内でオレオイルエタノールアミドと呼ばれる食後満足感誘導物質に変化するらしいのです。

Google先生が言っていました。Google先生はルビーちゃんに嘘をつかないので、きっとごま油にはダイエット効果があるのでしょう。

 

カロリーは………はい、ルビーちゃんはまだまだ若者なので。カロリーなんて気にしてられません。

 

どうにかして卵かけご飯――TKG×ごま油の偉大さを全国に示したいです。ルビーちゃんの正義心が疼いているのです。

TKG×ごま油を知らない人が哀れです。きっとアカシックレコードにもごま油の偉大さについて大々的に記されているハズです。

 

あのお兄ちゃんも頬を綻ばせるくらい美味しいのです。仏頂面のお兄ちゃんが美味しいと言うのですから、世界一美味しいです。もう確定です。異論は認めません。

更にルビーちゃんは追い打ちをかけましょう。何と世界一美味しいTKG、炒めると黄金チャーハンになるのです。醤油を最後にちょっとだけ入れれば、香ばしい焦げ醤油が食欲を誘います。

つまり卵かけご飯が最強。黄金チャーハンは卵かけご飯と言って良いのか疑問ですが、元が卵かけご飯なので実質卵かけご飯です。つまり最強。誰もが信じ崇めてるまさに最強で無敵のご飯です。

 

……ここでルビーちゃんが長々しく語るよりも、きっとTKG×ごま油を試した方が手っ取り早く分かり易いハズです。

 

結論、ルビーちゃんのマイブームはごま油卵かけご飯です。

 

――――――――――――――――――

 

ルビーちゃんは知っています。

 

ルビーちゃんが無事に陽東高校に通えることを知っています。と言いますか、普通に受験に受かりました。さすがルビーちゃんです、お兄ちゃんからの熱いベーゼが欲しいです。

お兄ちゃんも当然ですが、一般科に受かってました。まー、秀才のお兄ちゃんが落ちるなら他のみんなも落ちている筈なのですが。

 

受験合格ということは即ち――()()()()()()

 

祝勝会を開きます。お兄ちゃんとルビーちゃんだけのルームパーティを開きます。賢いルビーちゃんはミヤえもんが忙しい時間帯を見極めて、お兄ちゃんと二人っきりになれるタイミングを作り出しました。

ミヤえもんのお手伝いをして、お小遣いも貰いました。それでジュースやお菓子を買って、部屋をご機嫌に飾り付けました。飾りにハートを多用したのはルビーちゃん的なアピールです。鈍感お兄ちゃんはきっと気づかないのでしょうが。

 

かくして、何の問題も起こらずに乗り気ではないお兄ちゃんを巻き込んで祝勝会を開きました。

 

……………………はい、そして終わりました。

 

おかしいです。ルビーちゃんはちょっとだけ薄着になってセンシティブを醸し出したり、頻繁に恋バナをして察してちゃんになってみたり、ミヤえもんが隠していたブランデーチョコを摘んで酔ったフリもしてたのに。

お兄ちゃんは()()()()()()。ほんの少しだけでも頬を紅くしてくれたら嬉しかったのに、ずっと仏頂面です。もう顔面を蹴って物理的に紅く染めてしまおうかとも考えました。嘘ですけれども。

 

兎に角、あのお兄ちゃんは妹を女の子だと認識してないのです。薄着の女の子に『風邪ひくぞ』だなんて言う奴が本当に存在したのです。……いえ、世の中に妹を恋愛対象と見て女扱いする輩が多ければタイヘンな事態になりかねませんが。

それでも!お兄ちゃんだけはそう在って欲しいのです。そもそもの話、お兄ちゃんとルビーちゃんの精神は本物の兄妹ではありません。体はそうだとしても、前世がありますので。

 

つまり物心ついたのは前世でもあり、他の兄妹みたいに最初から身近にいる慣れ親しんだ異性ではないと言えます。

 

だから不純なのだとしても、反応して欲しいと願うルビーちゃんは間違っているのでしょうか?この恋心は前世からのモノです。ルビーちゃんの気持ちは絶対に不純ではないと神にも誓えます。

ルビーちゃんは知っています。別に、お兄ちゃんは何も間違っていないのだと。世の中では兄妹間の恋愛は良いものとして扱われません。

ルビーちゃんが好きだった兄妹間の恋愛を描いた作品も、兄妹が付き合い、そして最後には潔く別れています。それに文句はありません。世界を構築した神さま(作者)がそうだと言ったのであれば、その決断を疑うのはファンの風上にも置けない行為です。

 

ルビーちゃんはこう考えます。

 

漫画や小説などの創作物で『何故こうなった?』と疑う人がいます。こんなのはリアリティに欠ける、こうするのが正解だったのではないか、と。でも、違うでしょう?それは『こうなる世界』だからです。

リアリティも理論も噛み合わない会話も、()()()()()()()と一蹴してやります。何故、そうなった世界観やストーリーを受け入れず否定するのか。

 

この話題は、ルビーちゃんとお兄ちゃんに関係がないように思えて、実の所、無関係ではないのです。

 

ルビーちゃんはお兄ちゃんが好きです。結婚したいですし、倫理的におかしいと言われても子供だって欲しい。

それに対して『何故?』『変じゃない?』なんて言葉は気持ちが悪いだけです。ルビーちゃんがお兄ちゃんが好き、という事実だけが大切です。そこに否定や肯定すらも要らない。ルビーちゃん以外の意見なんてゴミです。

 

結局、ルビーちゃんの世界を構築するのはルビーちゃんの意見だけです。世界一大切で大好きなお兄ちゃんでも、それを変えようとするのであれば――許しません。

 

それがルビーちゃんの――『私』の臆病性の発露なのだとしても、関係がない。『私』はルビーちゃんによって、ルビーちゃんのみで構成されているのだから。他は邪魔だ。

 

 






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