タグにヤンデレを追加しました。ついでにあらすじにも加筆しました。
そしてイカの姿フライを食べました。つまりイカの姿フライが至高の嗜好という志向的な思考です。
ルビーちゃんは知っています。
入学式には睡眠作用があることを知っています。
正確には校長先生のお話です。ルビーちゃんが思うに、長くてクドイ割りには中身がスカスカでして、話している内容も五分後には忘れてしまいます。
テンプレートから外れないのです。少しだけ違うコトなのかもしれませんが、ルビーちゃんとお兄ちゃんが中学生のとき、新しく学校に来た先生の挨拶が全校集会でありました。
その先生は絵が大得意らしく、自分の似顔絵を描いた大きな紙を全校生徒に見せていました。
だからこそ興味を引かれまして、未だに印象に残っているんです。
ですが校長先生のお話にはそんな魅力を感じません。まあ、校長先生は学校のトップなのですから。否応にも真面目なお話をせざるを得ないのでしょう。
分かってはいますが、だからこそテンプレートの域を出ないのもまた事実です。
ルビーちゃんとお兄ちゃんは本日をもって陽東高校に入学しましたが、そんなところは他の学校とあんまり変わらないようです。ちょっとだけ期待していた分、ガッカリしてしまいました。
重曹を舐める泥棒子猫ことロリ先輩が言うに、数少ない芸能科のある高校だとしてもカリキュラムは殆ど変わらないらしいのです。
でも芸能活動による遅刻を認めてくれて、その辺の調節が効くらしいです。ルビーちゃんはまだ一般ピーポーでして、未アイドルです。なので仕事による遅刻も他人事なのですが。
将来的にはお兄ちゃんにママぁよりも輝いていると言われるために、さいきょーのアイドルになります。なので当然、いつかは『仕事で遅れました☆』と言いながらドヤ顔で教室に入る日が来るわけです。
そういえば、です。
ルビーちゃんにお友達が出来ました。Gカップでグラビアアイドルをしている寿みなみちゃんです。Gカップです。Gカップってことは、Gカップってことです。チョモランマでした。
似非関西弁でした。色々と属性持ちのみなみちゃんですが、やはり芸能科でして、他のみんなと同様に顔面偏差値からプロポーションまで高水準です。まあ、ルビーちゃんも負けていないつもりですが。
……とてもじゃありませんが、お兄ちゃんには紹介出来ません。………………いえ、まあ…結果的には紹介したのですが。というかみなみちゃんと学校探検をしている際に出会してしまいました。
どうやらお兄ちゃんはボッチになっているらしく。時には冷酷無比な決断をするルビーちゃんと言えども、ボッチお兄ちゃんを無視することは出来ませんでした。
お兄ちゃんを慰めて、みなみちゃんにお兄ちゃんはルビーちゃんのモノなのだとアピールしながらお昼ご飯を食べました。
その時に不知火フリルちゃんとも親交を持ちましたが、それもまた別のお話です。
まあ、結果だけを言えば…お兄ちゃんが二人の女の子と知り合ってしまったのです。恋愛には発展しないと思いますが…みなみちゃんのGカップはヤバいです。いかにお兄ちゃんがドM男色ロリコンな変態さんでも、あのGカップは危険です。
なんたってGカップなのですから。Gカップは男を狂わせるとルビーちゃんの本能が叫んでいましたので。
つまり、お兄ちゃんが変態だというお話です。
はい、それでもルビーちゃんは寛大に受け止めて受け入れます。最終的には黒く染め上げるのですから、その途中に赤でも青でも好きに塗られてください。
たとえ白く染まったとしても、ルビーちゃんがお兄ちゃんを黒く塗り固めて一生離しません。
お兄ちゃんは――せんせーは言いました。約束したんです、『
約束したのであれば、お兄ちゃんにはそれを守る義務があります。ですがルビーちゃんも鬼ではありません。
嫌がるお兄ちゃんを自分のモノにしようだなんて思いませんとも。なので――
きっと、その時にお兄ちゃんはこう思います。『ああ、幸せだ…』と。
ええ、当然です。それを幸せと思えないなら、
そこに赤も、ピンクも、黒紫すら必要ない。在るのは黒だけで、どんなに派手な色でもルビーちゃんが塗り潰すんです。
ああ…きっと、それは楽園なのでしょう。夢が叶った先にある虚無は、ルビーちゃんにとっては幸せな惰性となって、ルビーちゃんが消えてしまうと刻まで揺蕩うのでしょう。
想像した幸せは、酷く寂しくて…だからこそルビーちゃんもお兄ちゃんも共依存するのです。それが正しいのか、間違っているのか、
ルビーちゃんに染まったお兄ちゃんなら、きっと肯定してくれます。ルビーちゃんはルビーちゃんの幸せしか望まないのです。
他人の幸せで自分が不幸になるなんて、馬鹿げています。ルビーちゃんの望みはルビーちゃんとお兄ちゃんが盲目的に愛し合う世界でして。別に誰かの不幸を願うこともなければ、逆に幸せを望むこともありません。
はい、ルビーちゃんは至極単純なガールです。
幸せになりたい。その一心で歩みますし、他に余所見なんてしません。たったそれだけです。
恋する乙女が猪突猛進するのは古い少女漫画からの形式美みたいなモノなのです。だからルビーちゃんは普通です、おかしくなんかありません。
だからルビーちゃんは変わらず進み続けるのです。
――――――――――――――――――
ルビーちゃんは知っています。
ほんの少しだけお歌が上達したことを知っています。
前までは『ボエボエ〜』だったのに対して、今は『ボエボエ〜♪』になりました。変わっていないように思えまして、実のところ大進歩なのです。音符が付きましたので。
お歌が音楽の末端としてギリギリ成り立つようになりました。事実、前までもカラオケの採点でも辛うじて七十点には届いていました。
ですが、JOYSOUNDで歌えば歌唱力貧弱雑魚虫でも七十後半は届くハズです。ですが、ルビーちゃんの歌唱力を甘くみてはいけません。本気で歌っても音域バラバラの聞くに絶えないナニカが口から発せられます。
結果、今でも七十程度の腕前…喉前?…声前です。最強のアイドルを目指す上では致命的です。
まあ、辛うじて人前で歌える程度なのでしょう。
……はい、進歩はしています。
日進月歩と言います。そして継続は力なり、です。ルビーちゃんに出来るのは漫画の主人公みたいな覚醒なんかではなく、地道な努力でママぁの才能を飛び越えるコトです。
ルビーちゃんはママぁの努力と才能を知っています。ママぁは人を騙して魅了する才能がありました。簡単に言えば目立つ才能、ちょっとだけ言葉を足すなら、精神の幼さと完成された嘘の狭間から醸し出される妖艶さが才能の根幹なのでしょう。
でもママぁは才能に溺れず、むしろ才能の行き届かないダンスや発声練習、体力等を努力で補っていました。
ママぁは最高で最強のアイドルでしたが、万能な完璧超人ではありませんでした。その最たるが精神の幼さがです。あの歳で子持ちで、その事に関してはママぁも思う所がないらしいかったのです。
倫理観に問題がありました。そしてママぁがお星様になった日、玄関のチェーンが閉められていませんでした。よって危機感も欠けていました。
芸能歴が少なくないのに対して、ママぁの雰囲気は芸能人特有のモノではありません。
少し話が逸れましたが、詰まる話、努力が大切ということです。もちろん、努力だけでママぁを越えられるならこの世界はヤバいコトになっているので、才能を活かす事が鍵になるのは確かです。
さて、ルビーちゃんの才能はなんなのでしょう?ダンスでしょうか?それとも大嫌いな嘘?俯瞰はルビーちゃんと違い『私』が目を背け続けるので、『私』の才能とは言い難いです。
才能……お歌の才能がないのは分かります。ルビーちゃんがママぁの娘でお兄ちゃんの妹なので無才ではないと思うのですが、やはり自分ですとそーゆーのは分からないモノです。
お兄ちゃんが良い例です。お兄ちゃんは演技の才能こそ平々凡々でして、それを努力で磨いていました。でもルビーちゃんが思うに、お兄ちゃんの才能は現場内での演出です。
努力で培った技術を最も効率良く、そしてどう魅せるのかを計算して。それを実現出来るのがお兄ちゃんです。"今日あま"での演出が分かりやすく結果に繋がっています。
そんな結果が出てもお兄ちゃん自身は無意識なのですから、やはり自分の才能というのは思考や自覚によって捉えれるものではなく、感覚で理解するモノなのでしょう。
難しいです。"自分"を理解して使いこなすのはとても難しいです。お兄ちゃんにも出来ていないのですから、ルビーちゃんも努力が必要です。
お歌の努力もいつか報われると信じて。ルビーちゃんは今日も今日とてお兄ちゃんをカラオケに引っ張って行くのです。
――――――――――――――――――
ルビーちゃんは知っています。
眠気には打ち勝てないことを知っています。
さて、眼前には宿題があります。数学の、決して難しくはない宿題です。数学の先生は中学生の頃の復習だと言っていました。
ええ、終わらせるのは簡単です。二十分も机に向かえば終わるでしょう。ですが――
脳が睡眠しろと訴えています。それに従ってベッドに横たわれば二分と掛からずドリームのワールドへゴーすることでしょう。
それくらい眠いです。もう明日提出の宿題なんて知らぬ存ぜぬで寝たいですが、困るのは自分自身です。宿題なんて早起きしてからやればいいとも言われますが、ルビーちゃんの朝は忙しいのです。
朝はシャワーも浴びたいですし、高校生ともなれば軽いお化粧もします。それに加えて朝ご飯もたべるのですから、もう大忙しです。
――よって、寝ます!
もう明日のことなんて知りません。どーとでもなれ、です。ルビーちゃんは眠いのです。何も考えられないくらい眠いのです。
既にこの自問自答も四、五回目です。はい、眠過ぎて思考がまとまらないのです。なので寝ます。誰ななんと言おうとも寝ます。
次の朝、ルビーちゃんは昨日のルビーちゃんをめちゃくちゃ恨みました。