幸せな幻想   作:おど・はわーど

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ちょっと就職やら何やらあってかなり期間空いちゃって本当にすいません……それはそれとして始の続きです。
ちなみに"幸せな幻想"としては一旦の区切り的な感じになってます。(コレ含めて3話しか投稿してないのに何をとは思うけれど)
こんなで良ければどうぞお読み下さい。


幸せな幻想 終

「んーぅ、しょっと…もう、退けても退けてもキリが無い上に寒いったらありゃしないわね…」

 

そう愚痴を立ててスコップを雪に突き刺し一息付いているのは、この神社の主である紅白の巫女――博麗霊夢。

全くだな、と君はそんな彼女の言葉に同意しながらシャベルで参道の雪を別方向へとのける。

―しかしまぁ実際、あちらこちらに降り積もったこの雪は何とも厄介でしかない。

昨晩、君が霊夢と一緒の布団で眠りこけてる間に、静かに積もった雪に君たち二人は頭を悩まされていた。

こうも雪が降り積もっていては危険だし、何よりこうも参道が歩けない状況であれば参拝客が来ない――元からあまり来ないのではというのは抜きに――ので朝食も早めに君と霊夢は雪掻きに勤しんでいた。

 

「せめても参道の雪は避けておきたいんだけども…ねっ!」

 

霊夢がそう言いながらザクリと雪にスコップを突き立て、雪をどける。

君も同じように雪を除けていくが、全く減る気配を見せない。

もしや異変の類ではなかろうか、なんて君が笑ってみせると「また幽々子のやつが春集めでもしてるのかしら」と返ってくる。

まぁ、時期で言えば1月中盤。

まだ雪が多いのも、風がひどく冷たいのも道理なのだが。

 

「でもね、今年はあなたが手伝ってくれてるだけマシよ。前まではずぅーっと一人だったもの」

 

と、軽い態度でひらひらと手を振って、心なしか何処か無理したように朗らかに霊夢はそう言った。

―ならば自分も一層頑張らねばなるまい。

そんな事を言って君は胸を叩くと、くすくすと鈴の転がるような笑いを溢す霊夢。

さてと、と君は止まっていた雪かきの作業を再開すべく、突き立てていたスコップを引き抜き参道の雪をどかしていく。

そうしてその作業を続けていると、不意に先程霊夢が言っていた言葉が頭に浮かぶ。

 

『前まではずぅーっと一人だったもの。』

 

君は手を止め、改めて境内の中を見渡す。

だだっ広いなどと言うのは大袈裟であろうとも、それでも一人で住むには広い、黙ってしまえば微かな虫の声や、風が葉を揺らす音しか聞こえなくなる静かな神社。

君が霊夢と知り合い、こうした仲になるまでたかが数年。

何やかんやあって君がここに同居するまで、彼女はずっとこの広く、静かな神社で生活してきたのだろう。

親も誰も居ない、たった一人で。

妖怪退治に行って、博麗の巫女としての役目を果たし、境内の掃除をしたり、雪が降れば雪かきをして…。

果たして、どんな気持ちで過ごしていたのだろうか―…。

なんて、益体の無い事を考える辺り集中が途切れていたらしい。

 

「……と!ねぇ、ちょっと!」

 

その声にびくりと肩を跳ねさせて霊夢の方を見やる。

 

「手止めて急に怖い顔しちゃって…大丈夫?」

 

そう心配そうに覗き込んでくる霊夢に君は、大丈夫、少しボーッとしてしまっただけだと手を振って応える。

そうして今度こそ雪かきを再開する。

少なくとも、今君が考えるべき事ではないのだ。

ひとまずこの積もりに積もった雪を何とかしてからまた考えようと、雪を除け―…。

―あ。

と、君は唐突に声を上げた。 

 

「…? 今度はどうしたの?」

 

そう問いかけてくる霊夢に君は、恐る恐る答える。

―鈴奈庵から借りていた本の期限、今日ではなかっただろうか。

 

「…あっ。」

 

その答えに今度は霊夢がそう声を漏らす番だった。

 

 

 

 

 

「そうだったわ、うっかりしてたぁ…。どうしよ…」

 

うー…と唸る霊夢を見て苦笑する君。

ある時、鈴奈庵の看板娘に推理小説とやらを進められて読んでみたのが始まりらしい。

その結果まぁ見事に推理小説にハマった霊夢は、今や煎餅片手に読むのが日課になっていた。

分からない時は君と一緒に犯人は誰だ、殺害方法はこうだ、などと考えるのも楽しみの一つになっている。

…たまに本の内容が面白すぎて三日三晩ぶっ続けで読んだ結果体調を崩したり、夜更かしして読んでいた次の日には寝不足のせいか、クマが出来ていたり髪の毛があちこち跳ねていたりするのは御愛嬌だろう。

 

「また期限過ぎちゃうと延滞金取られちゃう…小鈴ちゃんああ見えて怒ると怖いのよねぇ」

 

…霊夢が怒られている姿というのをあまり想像出来ないが、彼女がそう言うのならばそうなのだろう。うん。

ひとまずそういう事ならばすぐにでも返しに行った方が良いのでは、と君は提案するが何やら浮かない顔をする霊夢。

君ははてと首を傾げどうかしたのかと、その表情の理由を問うてみる。

 

「行きたいのはやまやまなんだけど…それでもコレをあなた一人に任せておく訳にもいかないじゃない」

 

ああと俄然がいった。

なるほど確かに、君一人でこの境内の雪を片付けるのは骨が折れるだろう。

だが延滞してしまったら怒られるのは霊夢であるし、延滞料金だって取られたらただでさえ潤ってるとは言えない財布の中身が更に寒くなる。

君はさてどうしたものかと腕を組み―…。

 

 

『前まではずぅーっと一人だったもの。』

 

 

――雪かきは自分が請け負おう。

 

「…えっ?」

 

驚いたようにこちらを見やる霊夢に君は言う。

なに、自分は男なのだ。

この程度でへこたれるような体力ではないし、それに特段寒さに弱いという事もない。

だから、この場は自分に任せて行ってきても大丈夫だ。

 

「でも雪、大分量あるわよ?流石に一人じゃ…」

 

まぁ確かに全部は無理だろうが、少なくとも参道の雪くらいなら自分だけでも全て除けられるだろう。多分。…きっと。

せめてもそれくらいはやってみせるさ、と君は霊夢に対して笑ってみせた。

もし帰ってきた時にまだ終わっていなければ、一度休憩なりしてまた雪かき作業に取り掛かれば良い話なのだ。

 

「んー…分かった。本当に頼んで良いのね?」

 

―任せておけ、と君は胸を張った。

 

 

 

 

 

それからおおよそ数十分以上経った頃だろうか。

―君は自分の発言を後悔していた。

 

マフラーを霊夢の首に巻いてやり、借りていた多数の本を風呂敷に包み、空を飛んでいった霊夢を見送った君は雪かきを再開した。

―…のだが。

除けども除けども単純に量が多いのか、はたまた下の雪が冷え固まったせいなのか、まるで進まない。

霊夢にああは言った手前、少しでも雪を片付けようとしたのだがこれでは情けないことこの上ない。

―霊夢はいつもこんな物を一人で片付けていたのだろうか。

不意に浮かんだそんな考えを君はええいと頭を振って散らす。

君の悪い癖だ。一人で居るといつも変な事ばかり考えてしまう。

まったくと独りごち、とにかく霊夢が帰ってくるまでに少しでも何とか除けておかなければとシャベルを雪に突き立てようとし―…。

刹那、異様な気配を背後に感じた。

何度感じても慣れぬその気配に、君が咄嗟に後ろを振り返ると同時に何も無いはずの空間が"裂ける"。

そしてその裂けたおどろおどろしい空間から一人の女性が現れた。

大きなリボンを付けた白い帽子を被り、フリルの付いた紫色のドレスに身を包み、どこかひどく老けて見えるようでいて、まるで年端もいかぬ少女の様にも見える女性。

―妖怪の賢者、八雲紫その人であった。

 

 

 

「お久しぶりね。元気にしていたかしら?」

 

えぇまぁ、と君は曖昧に返事をする。

そもそも君自身、妖怪と対話した事が少なく、加えて紫さんの何を考えているのか分からない微笑が少しばかり苦手だった。

―しかし何故貴女がここに?

確か霊夢が紫さんは冬は冬眠をしている、なんて話をしていた気がするのだが…。

 

「本当はそのつもりだったのだけれど、ちょっと色々野暮用が起きちゃってね。」

 

眠い所を叩き起こされたのよ、と紫さんは君の問いへあくび混じりにそう答えた。

―野暮用?

 

「そう、野暮用。とは言ってももう既に解決してきたのだけどね。今からまた冬眠に入る所よ」

 

ふむん。成程。

―しかし、それなら尚更何故博麗神社に?

その野暮用とやらが既に解決しているのであれば冬眠へ戻れば良いのでは…。

そこまで言いかけて、ああと君は手を叩いた。

―霊夢の方に用だろうか?

それならば説明は付くのだが、その肝心の霊夢がまだ帰ってきていない。

そろそろ帰ってくる筈だとは思うのだが…。

 

「いいえ、今日は霊夢に用があって来た訳じゃないのよ」

 

君へ手を振ってそう否定する紫さん。

はて、なら何故―…?

 

「少し。そう、ほんの少しばかり。貴方と話をしようと思ってね」

 

―自分と?

 

「そう、貴方と」

 

そう言って彼女は妖しげな笑みを浮かべた。

最も、その目を見る限りその笑みが真の物とは思えなかったが。

 

 

「―括りつけられた風船は二度と空へは戻らない。」

 

先程の声と打って変わった、その抑揚の無い声に君はドキリとする。

 

「そうして、日に日に萎んでゆく」

 

「誰の事か…分からないとは言わせないわ」

 

―君の脳裏には、里へ向かった霊夢の姿が思い浮かぶ。

 

「博麗の巫女は」

 

「全てに対して平等であらねばならない」

 

「好意も敵意も親近感も拒否感も憐憫も侮蔑も示さない」

 

「そして人間が妖怪になる大罪を防ぎ、あるいは殺す」

 

「たとえそれが親しい友人や大切な人間だったとしても」

 

「敵に備え常に判断し続け、異常を過剰に嗅ぎ取る」

 

「この幻想を隔てる結界を管理し、人を魔の手から護る」

 

「―人間と妖怪のバランサーで在らねばならない」

 

 

その威圧的な低い声に、つぅと冷や汗が首を伝う。

 

 

「しかし、ここ最近そうではなくなりつつある」

 

「あの子は平等では居られなくなっている」

 

「貴方が現れてから。貴方という存在を霊夢が認知し始めてから」

 

 

空気がぴりぴりとして、何処か息苦しく感じるのは君の気の所為なのだろうか。

 

 

「いつもより表情が目まぐるしく変わるようになった」

 

「ええ、ええ。それはとても良い事ですわ」

 

「けれども霊夢は貴方を大切な人だと思うようになってきている」

 

「…いえ、もうとっくに」

 

「そして人間というものは、寄り添っていた場所が、モノが、崩れてしまえば崩壊してしまう、そんな存在」

 

「こんな事は言いたくありませんが、もし。貴方が"そう"なってしまったら。」

 

「…あの子も壊れてしまう」

 

 

紫さんの浮かべていた筈の微笑みは既に消え去り、その瞳は真っ直ぐ君を見据えていた。

 

 

「…あの子には、霊夢には人間を守る英雄で居てもらわなければならないの」

 

「そうしてここまで貴方に話した上で、改めて、貴方にこう問いましょう。」

 

 

 

 

「―貴方には"博麗霊夢"の隣に居る覚悟はありますか?」

 

 

 

 

 

 

放たれるプレッシャーは意図的かはたまた無意識か。

震えそうになるのを堪え、その息苦しさに微かに息を吐く。

まぁ、どちらにせよ当然の事なのだろう。

君の愛すべき人は幻想郷に必要な"博麗の巫女"であり、下手をすればこの地の存亡を左右する存在なのだから。

―この程度で慄くなら霊夢の隣には相応しくない、という事だろうか。

目の前では紫さんが生半可な答えは許さない、と言わんばかりのその目が君を見ている。

君はそれへとどう言葉を紡ぐべきか、思考を巡らせようとし――…。

 

―刹那、脳裏に霊夢の笑顔が浮かんだ。

 

君は静かに息を吐き、目の前の妖怪の賢者を見据えた。

なに、難しい事を言う必要など無い。

ただ君の偽りなき本心を臆せず言えば良い。

覚悟を決め、目の前の賢者を見据えると君は告げた。

 

―無論だ、と。

 

確かに、霊夢は博麗の巫女だ。

人を魔の手から祓い、闇を切り開くその赤光はあらゆる妖怪を滅してきたその存在の証明であり、時には人妖となった存在を残酷に、無慈悲に消滅させてきたのだろう。

だが、それ以上に。

博麗霊夢もまた、ただの人間であり、少女であるという事も君はよく知っていた。

妖怪退治の時の感情を映さない冷徹な表情ではなく、くだらない話をして笑い合い、何かしら嬉しい事があれば年頃の少女らしく喜び、たまに些細な事での喧嘩で怒る事も。

―そして、自分は博麗の巫女だからと何もかもを抱え込んで一人で泣いている事も。

彼女は博麗の巫女だ。だから人間を危機に晒さぬようずっと動き続ける。

例えそれが、自分に化け物めと罵るような奴らだったとしても。

いつだったか、霊夢が帰ってくるなりいきなり君の胸に飛び込んできた理由も今なら分かる。

あの時の君は素直に霊夢の言う事を信じていたが後日、被害が出た里の人間からお前のせいだと心無い罵倒を受けていたのだと知った。

あの日の霊夢はきっと、辛かったのだろう。

誰かに縋りたかったのだろう。

―でなければ。

 

 

『……ぎゅっとして』

 

 

―…あんな泣きそうな顔などすまい。

そんな心無い罵倒をするような奴らを殴りつけてやりたいと思う。

外面だけ見て決め付けているような奴の胸ぐらを掴んで、彼女はお前達が思うような化物なんかじゃ決してないと怒鳴りつけてやりたいと思う。

だが。

君がすべき事は"そんな事"ではない。

―"そんな事"ではないのだ。

そんな事はそれこそ誰かに任せれば良い。

君は霊夢に誓ったのだ。

突然霊夢の側から離れたりしないと。

ずっと霊夢の隣に居続けると。

霊夢が望むまでいつまでも愛し続けると。

確かに、人というものは寄り添っていたモノが崩れてしまえば壊れてしまうのだろう。

だが、人は機械ではない。

硬い木は折れるというように、吐き所無く何もかも独りで抱え込み続ければ、同じ様に壊れてしまう。

だから。

君は霊夢の側に居てやりたいと思う。

少なくとも君の側に居る間は"博麗の巫女"としてではなく"博麗霊夢"として、ただの一人の少女として在れるように。

彼女が心の底から幸せだと想えるように。

"博麗霊夢"を、ずっと愛してやりたい。

そう、君は思うのだ。

そうして、そこまで君の話を黙って聞いていた賢者が口を開いた。

 

「いつか、霊夢が死んでしまったら?」

 

そう問われた君はなに、と微かに笑った。

―人は、死ぬものだ。

森羅万象、どんな者であれ、生きているなら必ずいつか終わりは来るものだ。

例え、それがどんな結果だったとしても。

―その上で、その限られた時間の中、想い人と共にその人生を過ごせたならばそれは幸せな事だと、君は思う。

そうなったとしても、君はただ霊夢を愛し続けるだけだ。

いつかそうなったとしてもその想いは変わらずに在りたいと、そう思う。

そんな君に分からないとばかりに賢者は問いかける。

 

「…何故、貴方はそれ程までに覚悟を決めていられるの?」

 

それに対し君は笑って、たった一つの単純な答えだと述べた。

―霊夢が好きだからだ。

それ以下でもそれ以上でもない。

異変解決時の感情を見せぬ冷徹な顔も、時たま見せる愛らしい笑顔も、その表裏が無い性格も、それら全て引っ括めて博麗霊夢という一人の人間で。その全てが好きで。

全てがとても愛おしくて。

幸せにしてやりたいと思ったから。

大切にしてあげたいと思えたから。

そして、彼女は君が隣に居ることを許してくれた。

なら君がやる事は決まっている。

ただ、それだけの話だ。たった、それだけの話なのだ。

 

そんな君の言葉に、賢者は何を思うのか、その瞳にどんな感情が映っているのかさえも分からないその目で君を見ている。

汗が冷えたらしく、どこか肌寒い。

 

「―もし」

 

―もし?

 

「もし、貴方が霊夢を泣かせるような事があったとしたらどうする?」

 

君はそうだなと口に手を当て、一拍間を置いて考えると、言った。

ーその時はいっそ死んだら無限地獄にでも落ちようか。

今度は、目の前の賢者にほんの僅か驚愕の色が浮かんだ。―…ような気がした。

冗談で言ったつもりも、生半可な覚悟で言ったつもりも無い。

なに、霊夢を泣かせるならばその程度の罰は必要だろうと君は大真面目に言った。

泣く事自体は必要ではあるが、何があろうと泣かせる側に立ってはならないと君は決めている。

 

「…そう。」

 

そう呟くと鳥居の方をチラリと見、何がおかしいのやら、くすりと目の前の賢者は微笑んだ。

その様子に訝しげに君が首を傾げると、

 

「いえ、何でもないですわ」

 

という言葉と共に妖しげな笑みが帰ってくる。

すると、不意に紫さんがその妖しげな笑みを崩し柔和な笑顔を浮かべた。

 

「ごめんなさいね、どうしても此等は確認しておきたくて」

 

その刹那、何故だろうか。

どうしてかその笑顔が、嬉しそうでいて、何処か寂しそうなひどく幼い少女のものに感じたのだ。

 

「貴方には話せないけれど、それでも聞かねばならなかった。良い答えを聞けて安心したわ」

 

ありがとうねと言う彼女からは、いつの間にか感じていた息苦しさは消え去っており、君は静かに息を吐くとこちらこそと応じた。

貴女のお陰で改めて決意を新たにする事が出来たのだ。

寧ろ感謝すべきはこちらの方だろう。

そんな君に紫さんは微かに微笑むと、おもむろにスキマを開いた。

 

「そんな貴方に一つ、プレゼントがあるの」

 

プレゼント、という言葉に君が首を傾げると同時に紫さんがスキマから何か棒のような物を取り出した。

―否。

それは棒などではない、一振りの湾刀だ。

使い込まれてこそいるが、特に何かしら特別な装飾が付けられている訳でもなく、何かしら真の力が秘められている、という様にも見えない。

言ってしまえば、ただの鉄の刀にしか見えないそれを紫さんはしゃりんと鞘の音を伴って刃を引き抜く。

雲の間から差し込む陽の光を反射して、白く剣呑な輝きを見せるその刃。

その刀身も銘が掘られている訳でもなく、何か細工がしてあるわけでもない、特に変わらぬように見えた。

しいて言うのならば、その"刀身の真中に僅かな刃毀れが見える"

程度で―…。

 

「この刀は」

 

刹那、飛んできた紫さんの言葉に顔を向ける。

 

「無銘、ですわ。貴方と同じ。」

 

ですが、と目の前の賢者は一度言葉を区切り、口を開いた。

 

「―"折れず"、"曲がらぬ"、"良い刀"ですわ」

 

そう言うと同時に刃が音もなく鞘の中へと納められる。

 

「別に最強になれとも、妖怪を斬れるようになれなどとも言いません」

「貴方が霊夢を護るべき相手は、貴方自身が一番良く知っているでしょうから」

 

ですからと、紫さんは言う。

 

「出来る限りでいい、霊夢を護ってやってください」

「いつまでも変わらず、この刀の様に在ってくださいな」

 

そう言うと、紫さんは近くへと寄り、その無銘の業物を君へと差し出した。

君は一瞬躊躇し、言われたその言葉を頭で反復した。

―この刀のように、か。

君は両手でその湾刀を掴み、確かに受け取った。

ズシリと重いその刀を左に持ち、君は繰り返し目の前の賢者へと礼を述べた。

 

「いいえ、お気になさらず。その刀も私が持っているより貴方が持っていた方が収まりが良さそうですもの」

 

紫さんはそうくすりと笑い、ふと君が雪へ突き立てていたスコップへと目を向けた。

 

「ふむ……では、コレは長話に付き合わせたお礼、ね」

 

紫さんがそう言って指を鳴らした刹那。

君の周りの、否、博麗神社を白く染めていた全ての雪が掻き消えた。

それと同時に雪に突き刺さっていた二つのスコップがガランと音を立てて地面へと転がる。

―!?

さしものこれには驚きを隠せず周りを見渡した。

あり得ない。

―君が瞬きをしたその一瞬で境内の雪が全て消えてしまったのだ!

凄いでしょう?と妖しげに微笑む紫さんに対し、君は成程、雪が積もった時にはとても便利な力だと正直に述べた。

クスクスと風の音のように笑う紫さん。

流石は妖怪の賢者、なのだろう。

姿形が幼い少女のようであれ、途轍もない力を持った存在なのだと改めて君は思い知らされた。

 

「さて、私はそろそろ冬眠へと戻るわね。もうさっきから眠くって眠くって…」

 

そう言ってどこかわざとらしく欠伸をする賢者。

君は重ね重ね、本当にありがとう御座いましたと、頭を下げた。

別れの言葉も何も聞こえず、頭を上げようとしたその瞬間。

 

「―どうか、霊夢の事をお願いね」

 

その言葉が耳に入ると同時に君が頭を上げた後には、既にいつもの静かな境内に一人になっており。

妖怪の賢者は、忽然とその姿を消していたのだった。

 

 

 

 

 

果たして君が一人で雪掻きをしていた時からどれ程経ったのか。

何分か、何刻か。

君は努めて深く息を吸い、吐いてを何度か繰り返し、ふと右の掌を見やった。

―全く、と君は小さく呟く。

わずかに震える君の掌にはじっとりと汗が滲んでおり、何やかんや思おうともやはり緊張していたのか、気付けば心臓も微かに高鳴っていた。

妖怪の賢者相手にあんな見栄を張っておきながらこのザマだ。

全く、と君は繰り返しボヤいてみせる。

―まだまだ道半ばだ。

大きく息を吐き―左手に握っている湾刀に目を向けた。

君は何を思うわけでもなく、その湾刀を鞘からゆっくりと引き抜く。

ただの、無銘の刀。

陽の光を反射して鈍い銀色に煌く刃を見ながら、先程言われた言葉を思い返す。

 

『貴方が霊夢を護るべき相手は、貴方自身が一番良く知っているでしょうから』

『出来る限りでいい、霊夢を護ってやってください』

 

ふっと君は息を漏らすと、ぱちりと刀を鞘へと納めた。

―頑張らねばなるまい。

その期待に応えられるように。

霊夢を護ってやれるように。

そうして、さてと君は辺りを見渡した。

―コレをどう説明したものか。

君の握っているその湾刀も、辺り雪で真っ白に染まっている世界から一部、不自然に切り取られたかのように雪が消えた博麗神社も。

君はひとまず湾刀を縁側へと置くと、地面に転がっている二つのスコップを拾い上げた。

まぁ何はともあれ、雪は片付いたのだ。

長い間外にいたせいか、それとも先程の話の途中で搔いた冷や汗が冷えたのか、酷く寒い。

道具やらを片付けて帰ってくる霊夢を待とうと決め、本殿の隣にある倉庫へとスコップをしまう。

そうしながら、君はふと鳥居の方へと視線を向けた。

そろそろ霊夢が帰ってきてもいい時間帯なのだが…。

本を返してくるだけのハズなのにここまで時間がかかるものなのだろうか。

もしやと悪い考えが浮かびそうになり、君は頭を振ってその思考を散らす。

この癖も直さねばならないなと息を吐き―…。

 

「ただいまぁ」

 

不意に聞こえたその声に君は跳ねるように顔を上げ、顔を綻ばした。

その馴染み深い赤い巫女服に身を包み、頭に大きなリボンを付けた少女―霊夢が帰ってきたからだ。

君は慌ててお帰り、と声をかけながら駆け寄る。

そんな君にくすりと笑みを溢す霊夢。

 

「ごめんね、ちょっと色々あって遅くなっちゃって……ほら、貴方の好きなみたらし団子買ってきたから一緒に食べましょ?」

 

そう言って右手に持っていた袋を掲げる霊夢。

君は頬を緩めて礼を述べ、その袋を受け取った。

 

「所で…その…」

 

その困惑した声と辺りを見渡す霊夢の視線で想像は付いた。

―さて、この有り様をどう説明しようか。

少なくとも一言で説明出来るようなものではないし、縁側に置いてある湾刀の事も話さねばなるまい。

君は、ひとまず何か答えようと口を開き―…。

 

―?

 

そして、君は気付いてしまった。

気が付かなければ良かった事に。

それを後で後悔するとも知らずに。

その言葉は、口からぽろりと溢れるように、紡がれた。

 

―その涙の痕はどうしたんだ?

 

君は、見てしまった。

霊夢に薄っすら残っている涙の痕を。

 

「え?あ、いやこれはっ…」

 

慌てて目元を拭う霊夢。

 

「違うの!これはその…泣いたとかそんなんじゃなくて…!」

 

近年稀に見るその慌てぶりにも驚いたが、君にとっては最早それすらも思考の外だった。

 

―里で何か言われたのか?それか、何かされたか?

 

先程自分で言ったことすらも忘れて君はそう問いかける。

 

「ちが……そ、その……」

 

言いづらそうにそう言い渋る霊夢に対し、お願いだと言い募る君。

冷静でいようと思っていた筈なのにどうしてか、感情が出て来てしまう。

少しの間言い渋っていた霊夢だったが、やがて根負けしたかのように口を開いた。

 

「…分かった、本当に言って大丈夫なのね?」

 

そう言われて君は、一度大きく息を吸って吐いてその熱くなりかけた気持ちを落ち着かせた。

そうして取り乱した事を詫び、改めて霊夢へと向き直る。

 

「…怒らないで聞いてね?」

 

どこか恐る恐るそう言う霊夢に君がこくりと頷くのを見ると、ぽつぽつと話し始めた。

 

「その…ね。鈴奈庵で本も返してきて、ついでにと思ってお土産も買ってきて…半刻前にはもう神社の近くまで帰ってきてたのよ」

 

半刻…と言うと丁度紫さんが現れた頃だろうか。

 

「それでその…帰ってきて声かけようとしたら貴方が紫と話してる所を見ちゃって、思わず鳥居の陰に隠れてたんだけど…」

 

―うん?

それは、つまり。あの時、君と紫さんとの話の近くに居たという事で―…。

 

「それで出るにでられなくて…その内貴方と紫の話が聞こえてきちゃって…」

 

恥ずかしいのか、頬を赤くしながら霊夢は言葉を続ける。

 

「その…貴方の話を聞いてすごく嬉しくなって…そうしたら、何でだか分からないけど一緒に目頭も熱くなってきちゃって、止めようとしたんだけれど…ね…」

 

そこまで聞いて、君は思わず天を仰いだ。

―なんたる!

それはつまり、君が紫さんに話した霊夢への想いを全て本人に聞かれていた、という事で。

そこでようやく泣かせたら云々の話で、紫さんが鳥居を見て微笑んでいた理由へと結び付いた。

気付いていた、のだろう。そうして、その内で話を続けたのだろう。

流石の君とて顔がひどく熱い。

本人に聞かれていないと思って人へ――妖怪か?――胸の内の思いをぶち撒けていたらそれら全て、その本人に聞かれていたのだ。

これで恥ずかしくない訳があるまい。

―しかも。しかもだ。

何があっても泣かせる立場には立ってはならないと君は決めている、などと豪語しておきながらこの有り様だ。

そんな恥ずかしさとショックで膝を付きそうな君の耳朶を、くすくすと霊夢の鈴を転がすような笑い声が擽る。

 

「嬉し泣きだから泣かせた、って事にはカウントされないはずよ。…多分。」

 

もし泣かせた判定にされても地獄行きなんて私がさせないわと、胸を張ってそう言う霊夢。

それにと、霊夢は言葉を区切る。

 

「…これからも、私が死んだ後も、私のことをただの"霊夢"として、ずっと愛してくれるんでしょう?」

 

それに対し君は、恥ずかしさの冷めきらぬ赤い顔で、しかしハッキリと「勿論だ」と言ってやった。

その言葉に霊夢はとても嬉しそうな顔をして、

 

「期待してるからね?」

 

旦那様っ、と桜が咲くかのような笑顔を、君に見せたのだった。

 

 

 

ひとまず、紫さんから貰った湾刀は何故か倉庫にあったらしい刀掛けを持ってきて置いてある。

いつかあの刀を振るえるように努力せねばと、心に刻みつける。

いくら業物を貰い受けたとしてもいきなり自在に振るえる訳もない。

あくまで君は、ただの何の能力も無い人間でしかないのだから当たり前ではあるのだが。

一応力仕事はそれなりにしている為、握る事は出来るが振るうとなればそうはいかない。

道は果てしなく遠いが、しかしそれでもまだ道半ば。

未熟など当然。遠けれど確かに道はある。

ならば愛すべき人の為、頑張るのみだと君はそう静かに決心する。

―さて、その肝心の愛すべき人はというと―…。

 

「〜〜♪」

 

君の膝の上に乗り、何が楽しいのか霊夢を抱き締めている君の手の指をその一回り小さな手で弄んでいる。

何故、こうなったのかと言うと―…。

 

つい先程まで炬燵に二人して入りながら、霊夢が買ってきたみたらし団子を食べつつ、さっきの事を彼女にいじられつつ談笑していると突然、「あ、そうだ!」と霊夢が声を上げた。

何かを思いついたらしい霊夢は、炬燵を出て何故かこちらへ向かってくる。

何をするのかと君が疑問符を浮かべると同時に、「よいしょっと」霊夢が炬燵にかけてある布団をめくり、君の膝の上へと座ってきた。

 

「これで完璧!背中も暖かいわ!」

 

フフっと嬉しそうに言うとちらりとこちらを見、「…ね?」と可愛らしい表情で言ってきた。

いきなりの事や、霊夢の可愛らしい仕草、愛おしい表情、近くで伝わる温もりに、君の心臓がうるさく鼓動を鳴らしている。

 

―そうして現在に至る。

 

「今更これしきの事でなーに動揺してるのよ。紫の前じゃあんなに見栄張ってたのに」

 

そんな君を振り返って上目遣いにニヤニヤと見やる霊夢。

君はええいと人差し指で霊夢の額をほんの軽くつつく。

それへ霊夢は、大して痛くもないだろうに「いたぁい」なんて笑いながら額を撫でている。

そんな霊夢を見ながら君は微かに笑みを浮かべた。

―幸せだなぁ。

霊夢とこんなじゃれ合いで笑っていられるのも、こうして身を寄せ合えているのも。

とてもとても、幸せな身だと、君は思う。

そんな君の想いを知ってか知らずか、不意に霊夢が「…ねぇ?」と口を開く。

それに対して君は何だろうかと首を傾げた。

 

「…さっきの紫に言ってた事、私にも聞かせてくれない?」

 

途端、ギョッとする君へと身体をも向ける霊夢。

 

「紫に話してたのは聞いていたけど、それでも改めてちゃんとこっち見て言って欲しいなぁ〜って…」

 

そう求めてくる霊夢に君は、だが、とかしかし、だとか反論を試みるが君を見る、そのジト目に耐えられず思わず目を逸らす。

 

「あら、泣かせたらちゃんと責任取ってくれるんでしょう?」

 

ええい、話が変わっているではないか。

そもそも、そもそもだ。

 

―自分だけ言うというのも不公平ではないか。

 

それを聞いた霊夢の顔には、僅かに顔を赤くした猫のような笑顔と、くすくすとした笑い声。

 

「ふぅん…私の口からも聞きたいんだ?」

 

半ばヤケクソ気味な君は、そうだと頷く。

 

「仕方ないわねぇ…い、一回だけしか言わないからよく聞きなさいよ?」

 

霊夢はそう言うと君から少しだけ身を離すと、真正面から君を見据えて、口を開こうとし―…。

 

「わっ、わた、しは………その…」

 

そうして急速に顔を紅一色に染め、言い淀んだ。

流石に真正面から目を見て、愛してるだの何だのと言うのが恥ずかしくなったのだろう。

そんな霊夢の様子を君はとても愛おしく思いながらも、別に恥ずかしかったらいいんだぞ、と言葉をかけた。

暫く「うー…」だの「あー…」だのと呻いていた霊夢だったが、刹那、覚悟を決めたかのようにその真っ赤な顔のままこちらをキッと睨む。

そして君の身体をぎゅっと抱き締め、言い慣れていないせいか拙く、けれどハッキリと告げた。

 

「私はっ、幻想郷の誰よりも貴方の事を、愛していますっ!」

 

―――。

刹那、君の思考がピタリと停止した。

 

「……ちょ、ちょっと、言ったんだから何か言いなさ……って顔凄い真っ赤じゃない!」

 

―君はうるさいと思わず視線を逸らした。

 

それもともかく、今の君の顔は霊夢に負けず劣らず、赤くなっていたからだ。

 

「耳まで真っ赤にしちゃって……ふふ、カワイイこと」

 

―現在進行系で林檎みたいになっている霊夢には言われたくない。

君はそうボヤくと、その顔を見られぬように霊夢を自分の胸へと抱き締め返す。

 

「じゃあ、ほら」

 

―うん?

 

「うん?じゃなくて、私が言ったんだからあなたからも、その…ちゃんと聞かせて?」

 

やはりそうなるか、と君は暫く天を仰ぎ、そして覚悟を決める。

―一回だけだぞ。

 

「いいから、ほら」

 

そうして君は静かに息をつき、霊夢の目を見て言った。

 

―この世の誰よりも、霊夢を愛してる。

他の誰でもない、霊夢を。これからも、ずっと。

何年、何十年経とうと、君を愛し続けよう。

 

それを聞いた霊夢は。

 

「―…ッ!」

 

眺めてて面白い程に、先程よりも更に顔を真っ赤に染めると君の胸へと顔をうずめる。

―耳まで真っ赤っ赤だぞ。

 

「……うるさぁぃ」

 

先程の君と全く同じ状況で、君の胸の中で小さく悶えている霊夢の頭を優しく撫でる。

そうして、暫く霊夢の頭を撫で続けていると霊夢が口を開く。

 

「…やっぱり真正面から言ったり、言われたりするのって中々に恥ずかしいわね」

 

全くだな、と君は真っ赤な霊夢の耳を優しくなそる。

それに対し、でもと霊夢は言葉を続ける。

 

「上手く言葉に出来ないけれど…嬉しいって感情で一杯になって、自然と顔がニヤけちゃうの」

 

そう言ってふと、霊夢が顔を上げる。

 

「…これってさ、夢…じゃないわよね?」

 

嬉しさと、どこか不安を綯い交ぜにしたような視線を君に向けて問う霊夢。

そんな霊夢に、君は苦笑すると少しばかり強く、けれども痛くないように加減して、霊夢を抱き締めた。

―自分はずっと此処にいる。

 

「―あ。」

 

それに夢じゃないかと言うなら自分の方こそ、だ。

ただの人間でしかない自分が、幻想を浮かぶ彼女をこうして抱き締めている事こそが、君からすれば幻想でしかなかったのだから。

 

「…そっか」

 

そうして、今度こそ心から安堵したらしい霊夢がくしゃりとした笑みを見せる。

 

「えへ、へへへぇ」

 

にへらと幸せに満ちた笑顔で、まるで猫のように顔を君の胸へぐりぐりと押し付ける霊夢。

そんなとても愛おしい霊夢を、君は抱き締めながらゆっくりと、優しく撫でてやる。

―そうし続けて不意に、霊夢が言った。

 

「…ね」

 

―うん?

 

「キス、していい?」

 

―勿論。

そうして、どちらかともなく二人の唇が近付いていき―…。

ちゅっ、と触れる。

初めは啄ばむかのような口づけを交わし、段々と食むかの如く互いに求めるように。

長いようでいて短く、しかし二人にとってはとても愛おしい時間で。

 

「…んぅっ……ふふ、続きは夜、ね?」

 

そうして離れた唇を意味もなく目で追う君の右頬へと霊夢の手が触れる。

 

「もう、そんな名残惜しそうな顔しないの」

 

君も霊夢もくすりと笑い、そうして霊夢の手へ自分の手を重ねる。

ふと、コツンとお互いの額をくっつけた。

意味など無い、ただ互いにそうしたかったから。

 

「―ねぇ」

 

―うん。

 

「私ね、今とーっても幸せ」

 

―自分も、だ。

 

「…えへへ」

 

そしてその幸せにどちらかかともなく、笑い合う。

―これから、いつか喧嘩する事があるかもしれない。

いつか試練が降りかかるかもしれない。

何か辛い事が起きるやもしれない。

それでも霊夢とならば必ず乗り越えられるだろうと、そう思う。

君はいつまでもいつまでも、この幸せが続きますようにと、願うのだった。

 

 

 

 




ここまで読んで頂き、本当にありがとう御座いました。
"幸せな幻想"としては一旦終わりにするんですが、次からはその番外編みたいなの書いていければ良いな―って思ってます。この話のその後の霊夢さんと"君"のお話だとか、まだ付き合い始めのツンツンしてた時の霊夢さんとか。いつか霊夢さんが巫女を辞めて人里で"君"と自分の子供と一緒に仲良く暮らす所まで書くのが最終目標。…頑張ろう。
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