作者です。読者の皆様のおかげで無事作品を完結させることができました。たくさんの感想と評価、本当にありがとうございました。
まずは最終話について。エピローグということもあって、あえて詳しい描写はせず、想像の余地を残しています。特にフリーレンサイドは二次創作だからこそできる内容になっています。ヒンメルの伝言についても同じです。ヒントを出すなら、原作でのフリーレンとハイターの天国に関するやり取りでしょうか。色々と想像してもらうのも面白いかもしれません。
次にこの作品の成り立ち、コンセプトについて。
最初の段階では勘違い物に近い、言うならばポンコツのアウラが生き残るために奮闘するギャグものになっていました。それが紆余曲折を経て、現在の形に。結果的にそれで正解だったと思っています。
本作には色々なテーマがありましたが、その中でも一番大きかったのが『欺くこと』でした。嘘つきである魔族のアウラが主人公であること。何よりも魔族が人の心を持つことができると読者を騙すことができるか。それが大きなテーマでした。原作通りなら、魔族は決して人間と分かり合えません。それは原作のマハトがこれ以上なく証明しています。例え服従の魔法を使っても、五十年一緒に暮らしたとしてもそれは変わらない。それでもこの作品のアウラなら分かり合えるかもしれない。そう読者の方に思わせることができるか。騙すことができるか。それがこの作品の根底でした。
もう一つが人類と魔族の共存。異種族間の友情。相互理解。これについては作品の当初で触れたように『寄生獣』という作品のオマージュを多く取り入れています。その中で登場する
次に作品の構成、裏話について。プロットの段階でアウラがヒンメルに服従させられること。ヒンメルとの別れから死別。フリーレンとの再会までが明確に決まっていました。作者は始まりと終わり。絶対に描きたいシーンを先に決めて、それを肉付けしていくタイプなので。実はソリテールは最初は登場しない予定でした。それもあり百十三話「アウラ」が実質最終回にもあたります。
連載を開始して、一番最初の壁がヒンメルがアウラの
次に、十三話「孤独」。ソリテールがアウラに「ヒンメルはもういないじゃない」と突きつけるシーン。実はあの台詞は直前までない台詞でした。書いている中で思いついたもので、そのおかげで一気に物語が明確になった気がします。
章単位で言えば、第五章の葬送のフリーレン。何よりもフリーレンというキャラクターを描くのに一番苦労しました。正確にはそのヘイトコントロールです。この作品はアウラが主人公兼ヒロインであるため、どうしてもフリーレンにそれが行きがちになってしまうのは分かり切っていたからです。事実、感想欄でもそういった傾向が見られて、それが過熱しすぎないようにこの第五章でフリーレンに禊を済ませてもらう意味合いがありました。そのおかげもあったのか、良い意味合いでのイジりぐらいには抑えられた気がします。
そしてこの作品において作者が一番投稿するのに緊張したのが第三十四話「人間」でした。タイトル通り、アウラが完全に魔族を逸脱し、人間に近づく、寄り添うエピソードです。それまでは何とか魔族なりの思考で言い訳できる範囲だったのですが、この回はそれを完全に超えてしまうものでした。それが読者に受け入れられるかそうでないか。騙すことができるか。この作品の分水嶺でもありました。
作者個人としては第十一章の生ける魔導書の予言が一番気に入っています。章単位で一番バランスが取れていること。プロットの段階ではアウラはこの章のレベルの人間への理解で留まる予定だったからです。ですが結果は見ての通り。作者の想像を超えるレベルで魔族を超えて行きましたが。感想欄で何人かの方が触れられていた魔族という人類という概念があってこそでした。
一つ心残りがあるとすれば、フリージア建国からの過去編をダイジェストにしたことです。以前触れたように、それを描いてしまうとどうしても中弛みしてしまうこと、切りのいいところでそのまま最終章に入りたかったこと、何よりも作者自身のモチベーションの問題でもありました。ですがこうして完結できたことから判断は間違っていなかったと思っています。そのお詫びではありませんが、描かれなかった過去編や後日談をまた投稿したいと思っています。具体的には
「もっと子供らしくしなさい」蒼月草を継ぐ者フェルン。
「私をお姉ちゃんと呼びなさい!」リーニエのお姉ちゃん奮闘記。
「私と友達になりましょう、アウラ?」二人の共犯者によるフリージア建国記。
「やっぱり魔族は駄目だね」フリーレン一行のフリージア滞在記。
「好きな魔法を言ってみろ」千年振りの生きた魔導書による葬送の個人面談。
以上のような内容になっています。全てではなく、不定期にはなるかもしれませんが楽しみにしてもらえると嬉しいです。
長くなりましたが、本当にここまでお付き合いいただきありがとうございました。久しぶりにSSを書いていて、楽しい時間でした。最後にアニメ二期制作決定が決まってテンションも最高潮になりました。どこまでやるかは分かりませんが、アニメでマハトやソリテールが見れるのが楽しみです。それでは。