ヒンメルはもういないじゃない【完結】   作:HAJI

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第五話 「遺物」

「お初にお目にかかります。閣下」

 

 

そう膝を突き、頭を下げながら来客が挨拶をしてくる。貴族を前にしての振る舞い。自分にとっては見慣れた光景だが、それに目を奪われてしまう。その所作にではなく、その容姿に。

 

白銀の髪を二つ結びにし、白い肌をしている。一見すれば小柄な少女のような出で立ち。しかし一番特徴的なのがその耳だった。それが尖っている。彼女が人間ではない、エルフであることの証。五十年近く生きている自分も初めて見る。それほど希少な存在。何よりも目の前の彼女はエルフの中でもさらに際立った、文字通り生ける伝説なのだから。

 

 

「構わん。それより堅苦しいのは無しにしよう。フリーレン。お前から見れば儂など赤子のようなものだろう」

 

 

かつて魔王を倒した、勇者一行の魔法使い。葬送のフリーレン。それが目の前にいる。それに比べれば、自分の名声、立場など霞んでしまう。むしろ敬わなくてはならないのはこちらの方だろう。グラナト家は勇者一行に恩がある。何より、エルフは長命だ。それに比べれば、五十年ほどしか生きていない儂など赤子のようなもの。だが

 

 

「いえ。魔王討伐の旅立ちの時、痛い目にあったので」

 

 

それをフリーレンは固辞してくる。魔王討伐の旅立ちの時、か。それだけで八十年近く前になる。やはり自分たちとは生きている時間の感覚が違うのだろう。そんなフリーレンであっても、王族、貴族に対する礼節には苦労させられたらしい。ならそれを強いるのも迷惑か。何よりも、彼女が纏っている空気がそれを示している。どこか近寄りがたい、そう、冷たさを感じるような雰囲気。

 

 

「なら本題に入るとしよう。フリーレン。お前がここに来たのは、フリージアに向かうためか?」

 

 

恐らくはそちらが望みなのだろう。四の五の抜きに本題に入ることにする。フリーレンが自分に謁見を求めてきた理由。それがフリージアにあるのは明白だったのだから。もはや聞くまでもないようなこと。

 

 

「はい。フリージアへ向かうには、ここグラナトを通る必要があるので」

 

 

それに淡々と、まるで通り道だったからだとばかりに答えてくるフリーレン。それ自体が不敬にあたるような物言い。しかしそれは本音ではないのだろう。嘘ではないが、本当のことを言っていない。

 

 

「観光などではあるまい……狙いはアウラの首か」

「仰る通りです。閣下。私の二つ名はご存知かと」

 

 

あえてそれを口にする。そう、目の前の彼女がただフリージアに行くなどあり得ない。彼女は葬送のフリーレンなのだから。その二つ名が何を意味するのか。八十年が経ち、人々が忘却しかけていても、魔族と対している者たちはそれを忘れることなどない。その二つ名の恐ろしさを、畏敬を持って。

 

 

「なるほど。儂に面会したかったのは、その協力を要請するためか?」

 

 

それがこの謁見の目的なのだろう。フリージアに対抗するために。それに敵対している隣国であるグラナトに協力を要請するため。八十年前、先代のグラナト家が勇者一行にその力を借りたように。だがそれを

 

 

「いえ、閣下の手を煩わせる気はありません。断頭台のアウラの討伐は、私たち勇者一行の役目です。あいつを逃がしてしまったのは、私たちの不手際ですので」

「そのようなことは……」

 

 

フリーレンには否定されてしまう。どころか自分だけで十分だと言わんばかり。それは自分たちを侮っているからではない。どうやらフリーレンはかつてアウラを撃退してくれたことを、取り逃がした失態だと思っているらしい。その後始末、尻拭いをしにきた感覚なのか。儂らからすれば感謝してもしきれない恩だというのに。むしろここまでアウラを野放しにしてしまっているのは自分たちの失態に他ならない。

 

しかしそれはフリーレンには関係ないのだろう。その瞳が儂を射抜いてくる。表情はない。全くの無表情。どこか人形のように見えてしまうほど。だがその瞳には確かな意志の光がある。

 

 

「いや、それはいい。だが情勢は複雑になっていてな。このまま大手を振ってお前を送り出すわけにはいかんのだ」

 

 

それに知らず気圧されながらも、平静を装いながらそう宥める。そう、まるで獲物を前にして飛び出していきかねない猟犬を鎮めるように。冷たい汗が背中を伝うのを感じる。

 

八十年前であればそれでも良かった。しかし今は時代が、情勢が違う。もしこのまま目の前の魔法使いを解き放てば、どんな結果になるか分からないほどに。

 

 

「重々承知です。私が閣下にお会いしたかったのは、フリージアの情報をお聞きしたかったからです。恥ずかしながら、私はここ最近の世情に疎いので」

 

 

しかしそれは杞憂だったのか。いや、恐らくそれがフリーレンがここにやってきた本当の理由だったのだろう。情報収集。ある意味、誰よりも彼女は冷静なのだ。冷徹、と言い換えてもいいほどに。アウラを討伐するために必要なこと。

 

それを断る理由など自分にはない。すぐさま執事に命じ、ここ最近のフリージアに関する資料を用意させる。それを前にするなり、フリーレンは無言のままそれを読み漁っていく。凄まじい集中力だ。儂の存在などないかのように。一字一句見逃すまいとするように。それはさながら研究者のそれだ。きっとそれが彼女が葬送と呼ばれている理由。魔族を葬るためであれば、どんな準備も怠らない。慎重さであり、臆病さでもある。でなければ、ここまで生き延びることはできないのだろう。

 

 

「これがその教典だ。フリージアではアウラ教と呼ばれているらしい」

 

 

邪魔にならないよう一度席を外し、しばらく置いてから再び入室しながら、一冊の本を差し出す。執事が持ち出し損ねていたフリージアの教典。そんな自分の声にやっとフリーレンも反応を示す。どうやら大方の情報収集は済んだらしい。教典を受け取り、それを捲りながら目を通していくも、すぐにそれは止まってしまう。

 

 

「……悪趣味ですね。反吐が出ます」

 

 

そう言いながら、フリーレンは初めてその表情を変える。人形のように端正だったそこに、明らかな嫌悪が見て取れる。きっと生理的なものなのだろう。儂ら以上に、フリーレンにとってはその教典の内容は理解できないものなのだろう。アウラ教などと、魔族が宗教の真似事をしているのだから。悪趣味という言葉が相応しい。しかし

 

 

「明らかに八十年前の奴らとは手口が違う。小競り合いはあるが、大きな争いには至っていない。つい先日はこちらが放った間諜を無傷で返してきた。普通の魔族ならあり得んことだ」

 

 

それは戯れの域を大きく超えている。ごっこ遊びではない。事実、それがここ北側での脅威となっているのだから。正確には、表立った脅威になっていないことの方が問題だった。

 

アウラがこの地にフリージアを興してから、明らかに魔族連中が大人しくなってしまった。アウラを恐れ、それに下る者たちが増えたからだ。ここ二十年ほどは小競り合いはあるものの、大きな衝突には至っていない。

 

人間たちもそれは同じだ。平和と平等。フリージアの謳い文句によって多くの難民たちがそこへ向かっている。その影響力は甚大だ。魔族の討伐から、食料の給付まで。フリージアはまるで慈善活動のような動きをみせ、周辺国を懐柔しようとしている。

 

 

「加えて、和睦の申し出があった。必要であれば、使者を送ってもよいと。グラナト側もそれを受け入れるか否か、協議しておるところだ」

 

 

極めつけといえるのが狙ったようなタイミングでの和睦の提案だった。それはグラナト側でも協議していた内容だったのだから。息子からの提案でもあった。贔屓目もあるが、あれは出来の良い息子だ。早く家督を継いで自分を楽にさせてやると生意気なことを言っているほど。本当ならそうしてもいいのだが、如何せん、フリージアとの間に何かしらの決着を見てからになるだろう。

 

息子はフリージアとの抗戦を訴える側であり、間諜を放ち、その実情を探ってもいた。実際に戦士でもあり、前線に赴いている者たちからすれば当然だろう。それとバランスを取るために、儂は対話を模索している。正確にはそう演じている。息子もそれは承知の上だ。でなければ、国が二分してしまいかねない。

 

しかし、もう数年もこの均衡は持たないのは明らかだった。世論もこの状況に疲弊し、和睦を求める声が大きくなっている。それを無視することはできない。今回の間諜の件が大きな契機でもあった。皮肉だが、その天秤が大きく傾くほどの。だがそれは

 

 

「悪手ですね。魔族との対話なんて無駄な行為なのに」

 

 

目の前の、葬送の魔法使いによって無慈悲に、冷徹に否定されてしまった。

 

 

「あいつらは言葉の通じない猛獣です。生かす理由がない」

 

 

そこにはまるで感情がなかった。思わずこちらが身震いしてしまうような視線と空気。部屋の温度が下がってしまったかのように。言葉の通じない猛獣。それが魔族の正体。それは間違いではないのだろう。他ならぬ、葬送のフリーレンがそう断じるのだから。疑う理由はない。

 

だというのに、何故それを恐れているのか。見えてしまうのか。そう、目の前にいる彼女の方がまるで

 

 

「……耳が痛いな。だが、言い訳をするようだが、人質を取られているようなものでな。迂闊に手を出せんのだ」

 

 

脳裏に浮かびかけたものを抑え込むように、そう吐露する。自分たちが招いてしまった失態を。フリーレンのことは言えない。あまりにも自分たちも動くのが、気づくのが遅すぎたのだ。今やフリージアはその名の通り国家となり、容易に手を出すことができない存在となってしまった。よしんばアウラを討伐できたとしても、かの国が崩壊すれば、周辺国も道連れとなってしまう。負けたに等しい被害を被ってしまう。

 

まだ信仰集団、小さな村の規模の内に叩くことができていれば良かったのだが、後の祭りだ。実際に実害が出ていなかったこと、女子供などの弱い存在が主であったことから手を出すことができなかったのもある。

 

いや、それでも初期の頃に周辺国のいくつかが討伐隊、先遣隊のような部隊を差し向けたこともあったらしいが、その全てが行方不明になってしまった。フリージアの仕業かと勘繰られたが、何の痕跡も残されていなかったこと、表向きにすることができないことだったからか、それ以降武力によるフリージアへの侵攻は行われていない。

 

 

「大陸魔法協会にも協力を要請しているのだが、返事は色よくない。同じような理由だろう」

 

 

それでも手をこまねいていたわけではない。魔族に対する対抗組織であり、団体でもある大陸魔法協会。それにフリージアへの対抗するために協力を幾度も要請しているが、上手くいっていない。のらりくらりとかわされてしまっている。恐らくはフリージアと事を構えるつもりはないのだろう。あまりにもフリージアが大きくなりすぎたからか、それとも政治的な理由か。何にせよ頭の痛い話だ。しかし

 

 

「大陸魔法協会、ですか?」

 

 

思っていたのとは違う意味で、フリーレンは困惑している。いや、理解していないのか。先ほどまでと同一人物とは思えないほどに。

 

 

「? 知らぬのか? 大魔法使いゼーリエが管理している魔法使いの団体だ。同じエルフなら面識ぐらいはあるかと思っていたが」

「…………いえ」

 

 

どうやら、フリーレンは大陸魔法協会そのものを知らなかったらしい。魔法使いだというのに、そんなことがあるのか。世情に疎い云々は謙遜かと思っていたが、そうではなかったのか。エルフというのはそういうものなのか。かの大魔法使いゼーリエも同じエルフなので、面識があるか思っていたが、反応を見るにそうでもなさそうだ。

 

 

「話が逸れたが、それが今のアウラの力だ。巷では第二の女神、魔王だと噂されるほどの」

 

 

一度目を閉じた後、そう結論付ける。今のフリージアという、国家を持つアウラの脅威を。フリージアでは女神扱いされ、それ以外の国からは第二の魔王だと恐れられている存在。

 

 

「そんな相手にたった一人でどうやって挑むつもりだ?」

 

 

それを相手に、目の前の魔法使いは一人で挑もうとしている。狂気の沙汰だ。いくら伝説の魔法使いであってもそれは敵わないだろう。かつての魔王軍と同じだ。人類が一丸となり、勇者一行がいたからこそ、人類は勝利することができた。だというのに

 

 

「正面から戦うような愚かな真似はしません。逃げる、隠れる、不意打ちする。いくらでもやりようはあるので」

 

 

恐れることなく、憚ることもなくそうフリーレンは告げる。およそ伝説の魔法使いとは、人類とは思えないようなことを。魔法使いとしてだけではない。戦う者としての誇りも何もない、卑怯者と罵られるであろう戦い方を。まるで魔族のような言葉を。

 

きっとそれが彼女の本当の姿なのだ。お伽噺で伝えられているような魔法使いではない。葬送のフリーレン。それに圧倒されてしまう。いや、これは恐れ、不安だ。自分は目の前の彼女のことは何も知らない。だというのに

 

 

「もし、勇者ヒンメルがいれば……」

 

 

そう思ってしまった。もし勇者ヒンメルがいれば、こんなことにはなっていないのではないか。そんな心からの本音。勇者を見たことも、会ったこともないのに。そう漏らしてしまうほどに。

 

 

「……いや、失言だった。済まない」 

 

 

そこでようやく自分が愚かなことを口走ってしまったことに気づいた。どれだけ恥知らずなのか。彼女を前にしてそれを口にするなど。最大限の侮辱に等しい。その瞬間、物別れになって当然の失言。だというのに

 

 

「いいえ。私もそう思っているので」

 

 

それに激昂することも、落胆することもなく。呟くようにフリーレンはそう漏らすだけ。どころか懐かしんでいるかのように。それを前にして、かける言葉を自分は持ちえない。

 

 

「でも、もうヒンメルたちはいません。だからこそ、私はここに来ました」

 

 

勇者たちはもういない。他ならぬその魔法使いが口にする。それがどんな意味を持つのか。もはや問うまでもない。

 

 

「今回は先延ばしにしないと決めています。最近はそれで痛い目を見ているので」

 

 

止まる気はない。止める気はない。それは意思表明だった。恐らくはこちらをけん制する意味も兼ねた物。儂らに止められるのを見越していたのだろう。それは事実だ。悪戯にフリージアを刺激するのであれば、危険があるならば拘束も辞さない。そのために屋敷には衛兵たちを待機させている。やはり自分たちは彼女に比べれば赤子なのだろう。それを捕らえることもできない。だが、彼女の言葉には一理あった。

 

先延ばし。自分たちにも言えること。結局はそれがこの事態を招いているのだ。それを続けても、事態は好転しない。長い年月を生きているエルフだからこその言葉。

 

 

「閣下の心配ももっともですが、私にも考えがあります。アウラを殺さずに、無力化する算段も」

 

 

こちらの思惑、心の内も見抜かれてしまっているのだろう。そうフリーレンは加えてくる。その危惧を察しての物。それが本当なのか、嘘なのか。儂に見抜くことはできない。魔族よりも、遥かに嘘をつくのが上手いのだから。

 

 

「そうか。ならもはや止めまい。その代わり、お前に依頼したいことがある」

「依頼、ですか?」

 

 

フリーレンを止めることはできない。そもそも止める権利は自分にはない。その尻拭いをさせようとしている自分たちには。だがそれでも、この領地を治める領主として。いや、一人の人間として。目の前のエルフの魔法使いにできることを。

 

 

「そうだ。儂らの代わりに、フリージアを、アウラを見定めてきてほしい。報酬も用意しておこう。何がいい?」

 

 

それはいらぬお節介だった。言葉遊びだ。アウラの討伐ではなく、それを見定めてきてほしい。その目で、自分たちの代わりに。初めて会う儂ですら気づくほどに、何かに急かされ、焦っている先人を諫めるために。

 

褒美など方便だ。生きてここに戻ってくるように。このまま行かせれば、そのまま消えてしまうのではないか。そんな気配を感じ取れたからこそ。まるで渡り鳥のように。

 

 

「…………なら、魔導書を。ここグラナトを覆っている防護結界の」

 

 

それをどう受け取ったのかは分からない。だが、少し思案した後、フリーレンはそう望んでくる。これで少しは落ち着きを取り戻してくれれば。しかし魔導書か。報酬としては珍しい物を欲しがるものだ。ある意味、彼女らしいのかもしれない。

 

 

「防護結界の魔導書、か。確かにそれはあるが、残念ながら偽物でな。防護結界については口伝により継承されておる。なら」

 

 

もっとも、その魔導書は残念ながらフリーレンの望むような物ではない。偽物でしかない。正確には防護結界の魔導書は存在しないのだから。あれに記されているのは虚偽の内容。本物のそれは口伝でグラナト家に継承されている。ならそれを伝えるべきかと思案するも

 

 

「百も承知です。閣下。フランメは私の師なので」

 

 

フリーレンはそれこそが求めている物なのだと明かしてくる。それで全てを理解した。

 

フランメの著書に本物無し。

 

大魔法使いフランメの残したとされる著書は多くあれど、その中に本物はない。それほどに偽物ばかりが出回っている。ここグラナトに残されている魔導書もそうだ。しかし、それは内容だけの話。そう、あの魔導書は間違いなく、フランメ自身が書き残した物、遺物なのだから。フリーレンにとっては師の形見になるのか。本当に人類には理解できないスケールの話だ。

 

 

「そうか。なら用意しておこう」

 

 

なら是非もない。いや、これは褒美などではない。こうして、あるべき者の元へ、返すために引き継がれてきたのだろう────

 

 

 

「本当なら大々的に送り出したいのだが」

「構いません。そういうのはあまり好きではないので」

 

 

翌日。門の近くで、フリーレンを見送ることとなった。もう少し休んでいってもいいだろうに。先延ばし云々の話は本当なのだろう。その表情を窺うことはできない。頭からフードを被っているからだ。まるでお尋ね者のように。どこにフリージアに繋がる者の目があるとも限らない。その対策のためだろう。

 

かつての勇者一行が、身を隠しながら動かなくてはならない。そしてそれを良しとしてしまっている自分たち。本当なら大々的に送り出したいのだが、それも叶わない。これが時代の流れなのか。かつての英雄に対して、あまりにも無慈悲だろう。

 

それを感じさせず、あっさりとその身を翻しながらエルフの魔法使いは去っていく。たった一人で。振り返ることなく。その背中が、後姿が小さく、儚く見えてしまうのは、きっと気のせいではないのだろう。故に

 

 

「────フリーレン。お前に勇者ヒンメルの加護があらんことを」

 

 

その手に剣を持ちながら、そう礼を取る。それは勇者の剣ではない。だが自分にとってはそれに等しい、息子が御前試合で陛下から賜ったもの。女神の加護ではない。彼女にとってはきっと、勇者のそれが相応しい。そんな敬意であり、余計なお世話。

 

 

「…………言ったでしょ。私、そういうのあまり好きじゃないんだよ」

 

 

一度足を止め、迷惑そうにこちらを一瞥した後、彼女は去っていく。ここグラナトに訪れてから、初めて素の顔を見せながら。

 

 

葬送はようやく辿り着く。未だその名の意味を知らぬ、親愛の国(フリージア)へと────

 

 

 

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