ヒンメルはもういないじゃない【完結】   作:HAJI

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第三十五話 「告白」

ただ月明りだけが辺りを照らしている。もう日付は変わってしまっただろうか。時間の感覚も分からない。独り、草むらに座り込んだまま月を見上げている。いつもなら魔力の鍛錬に勤しんでいるはずなのに、そんな気も起きない。ただ何をするでもなく呆けている。いつからそうしていたのか。

 

 

「…………服従の魔法(アゼリューゼ)

 

 

知らず、その手に天秤を生み出しながら告げる。己の魔法の名を。それに応えるように私の魂は天秤に載せられる。だがそれだけ。もう片方には何も載っていない。それを示すように天秤は私の魂の方へ傾く。本当なら発動するであろう魔法も意味はない。比べる対象がいないからではない。服従の魔法(アゼリューゼ)によって隷属させられている私にはそれを発動させることはできない。できるのはこうしてその真似事をするだけ。そう、今の私のように。

 

ふと顔を上げる。そういえばここはあそこに似ている。クヴァールが封印されているあの場所に。今になってようやく気付く。どうやら私は無意識にあの場所に似たここを選んでいたらしい。笑い話だ。こんな無様を、醜態を晒すぐらいならクヴァールのように封印されていた方が良かったのかもしれない。

 

そんな中、物音が、人の気配が近づいてくる。振り返る必要なんてない。何故なら

 

 

「星が綺麗だね。こんなにいい場所があるなんて知らなかったな」

 

 

こんな場所に、こんな時間にやってくる馬鹿なんてこいつ以外にいるわけないのだから。

 

 

「……よくここが分かったわね」

「アイゼンに教えてもらったのさ。きっと君はここにいるだろうってね」

「……本当にお喋りなドワーフね。あいつは」

 

 

顔を合わせることなく、そう尋ねるもヒンメルの答えに呆れるしかない。魔力探知ができないヒンメルがこんな夜中に私を探し当てられるなんて妙だと思ったのだが、そういえばあいつはこの場所を知っていた。すっかり忘れてしまっていた。本当にお喋りな奴だ。あの生臭坊主とは違う意味で厄介な奴。

 

 

「隣いいかい?」

「好きにすればいいわ」

 

 

どうも、と言いながらヒンメルは当たり前のように私の隣に腰かける。本当にこいつはいつも変わらない。羨ましいと思うぐらいに。何を言っても変わらない、それが勇者なのだろう。

 

 

「それで、今度は何の用? またリーニエのこと? お説教ならもう――」

 

 

淡々と、要件を尋ねる。聞くまでもない。そのためにこんなところまでやってきたのだろう。本当に物好きなことだ。何度言われても無駄なことを。そんな意味を込めた返事をしようとした瞬間

 

 

「ごめん、アウラ。僕のせいで君に辛い思いをさせてしまって」

 

 

それは今まで聞いたことのないような声色のヒンメルの言葉によって遮られてしまった。

 

 

「……? 何であんたが謝るわけ? 意味が分からないわ」

 

 

ただ困惑するしかない。何でそこでこいつが謝ってくるのか。そもそも謝られるようなことをされた覚えがない。人間からすれば私の行動の方が責められる物だったはず。一体何を言っているのか。

 

 

「僕が君に家族を、母親役を押し付けてしまったことだよ。魔族(きみ)たちには理解できないことだって分かっていたのに。僕の我儘のせいで、君を苦しめてしまった。本当にすまない」

 

 

どこか噛みしめるように、ゆっくりとヒンメルはそう告げてくる。それを私は心ここにあらずといった風に聞き入るしかない。その内容もだが何よりも

 

 

「……本当にあんたヒンメル? 誰かが化けてるんじゃないの?」

「……空気を読みなさい。僕だってらしくないことは分かってるんだから」

 

 

あの自意識の塊のような自信家がこんなにしおらしくなるなんて信じられなかった。もしや誰かが魔法で成りすましているのではないかと疑うレベル。それに自覚はあったのか、肩を落としながらヒンメルも呆れている。どうやら偽物ではないらしい。

 

 

「……そう。でも意外だったわ。あんた、私が魔族だってこと忘れてなかったのね」

「当然さ、って言いたいところだけど……最初からそうじゃなかったんだ。覚えてるかな。一年前、今と同じように村の森の広場で君は僕に魔族らしい言葉をくれたんだ」

「……? 何よ、それ?」

 

 

私が魔族であることを覚えていたこともだが、それ以上に全く身に覚えがないことに首を傾げるしかない。一年前ということは、服従させられたばかりの頃か。何か言っただろうか。魔族らしい言葉なんて言われても分かるわけがない。私にとっては当たり前の言葉なのだから。それを感じ取ったのか

 

 

「『私はフリーレンじゃないわ』ってね。やっぱり覚えていなかったんだね。今だから言うけど、結構傷ついたんだよ、僕」

 

 

苦笑いしながらヒンメルはその答えを明かしてくる。そこでようやく思い出す。確かにそんなことを言った気もする。言われるまですっかり忘れてしまっていた。だがその言葉通り、ヒンメルにとってはそれは堪えるものだったのだろう。

 

 

「ああ、そんなことも言ったわね。でも自業自得でしょ? 私とあのエルフは別人よ。そんなことすら理解してないあんたのせいじゃない。あんたの感傷なんて知ったことじゃないわ」

 

 

だがそれを言われても知ったことではない。あのエルフと私を同一視していたこいつが悪い。ヒンメルとあのエルフの関係も、ヒンメルがあのエルフをどう思っているかなど知る由もなかったのだから。もっとも知っていたとしても言っていただろうが。結局は自業自得だろう。

 

しかしそんな私の答えの何が気に入ったのか。ヒンメルは含み笑いをしている。意味が分からない。

 

 

「……何が可笑しいのよ?」

「いや、お互い変わったなと思ってね。でもその言葉のおかげで僕も魔族(きみ)についてもっと知ることができたんだ。もっとも、それを教えてくれたのは村長だったんだけどね」

「村長……? 何でそこであいつが出てくるのよ?」

 

 

いきなり出てきた村長という言葉。一体何なのか。あいつがどうしてここで出てくるのか全く見当がつかない。

 

 

「村長は元々神父をされていたからね。僕の迷いに答えてくれたのさ。そこで教えてもらったんだ。君たちには悪意がない。だからこそ、君は人間(ぼく)たちのことは理解できないだろうって。どんなに教えようと、一緒にいようと、これから先もずっと。僕もそう思う」

 

 

しかしヒンメルの言葉によってその理由を理解する。なるほど、確かにあの村長は神父だった。それらしい質問をされたことも一度や二度ではない。あの生臭坊主よりもよっぽど神父らしかった。それによってヒンメルはもう理解していたらしい。魔族である私とは理解し合えないという、子供でも分かるような事実に。ヒンメルらしくない、悲観的な捉え方。だからこそ余計に分からない。

 

 

「……そう。なら何で今もそんな無駄なことをしてるわけ? 魔族(わたし)たちと理解し合えないって分かってるのに」

「君のおかげだよ。君はそれでも人間(ぼく)たちのことを知ろうとしてくれた。それが嬉しかったんだ。それに浮かれて、こんなことになってしまったんだけどね」

「意味が分からないわ。もっと分かるように言葉にしなさい。アイゼンじゃないんだから」

 

 

それでもそんな無駄なことを今も続けているヒンメルの意図。それにさらに理解できないことを口にしてくる。いつ私がそんなことをしたのか。要領を得ない、抽象的な答え。一体何なのか。アイゼンといい、こいつらはわざとしているのではないかと思えるぐらい回りくどい。

 

 

「そうだね。どこから話したものか……うん、やっぱり最初からかな。アウラ、僕が君を助けたのはどうしてか覚えてるかな?」

「馬鹿にしてるの? 覚えてるに決まってるじゃない。私に償いをさせたいんでしょう?」

 

 

そんな私の空気を感じ取ったのか、ヒンメルは困ったようにしながらも今度はこちらにそう尋ねてくる。本当に今更な質問。もしや私をからかっているのか。他でもないこいつ自身が言っていたこと。償い。それを私にさせることがヒンメルの目的だったはず。そのせいで私は振り回されているのだから。なのに

 

 

「その通り。でも今は違う。僕はもう君に償ってもらおうとは思ってないんだ」

「は?」

 

 

その大前提を覆すようなことを、平然とこの勇者様は明かしてきた。

 

 

「……何よそれ? 聞いてないわよ?」

「そうだったかな。さっきも言っただろう。魔族(きみ)たちには悪意が、罪悪感がない。だから償うことはできない。でもそれは君が魔族だからだ。君が悪いわけじゃない。家族や母親だってそうだ。なのに僕はそれを強いてしまった。だから謝りたかったんだ」

 

 

問い詰めたいのを必死に堪えながら、私はじっとヒンメルの言葉を聞き続ける。それはさっきの村長との話の続きだった。そこでこいつは私に償いをさせることが無駄であることをもう理解していたらしい。それだけではない。家族や母親という概念も私には理解できないと。だからこそ分からない。ならヒンメルは一体何のためにこんなことをしているのか。その理由を

 

 

「だから償いたかったのは僕の方なんだ。君を救うことで、僕は許されたかった」

 

 

私は理解できないが知っていた。あの生臭坊主の、いらないお世話のせいで。

 

 

「少し長くなるけど、聞いてくれるかい?」

「嫌だって言っても勝手に話すんでしょ。さっさとしなさい」

 

 

きっとヒンメルはそのことを知らないだろう。本当ならそんなこと知ってると断ってもよかった。でもそれを私はしなかった。もしかしたら生臭坊主が、筋肉馬鹿が言っていたことが本当だったのか知りたかったのかもしれない。無駄なことだとしても、こいつの口から直接。

 

だがすぐにそれを後悔する。それは聞き及んでいた内容と大差がなかったのだから。愚かな魔族の子供から始まった愚かな結末。それに巻き込まれてしまった勇者一行の無駄な後悔。ただそれを語る、いつもと違う表情のヒンメルを見る羽目になっただけ。

 

 

「そう……長かった割には中身がないわね。無駄なことばかり考えてるわね」

「無駄、か……君らしいね。でも本当にさっきのリーニエには肝が冷えたんだ。状況は違うけど、あの時の魔族の子供と同じだったからね。君のおかげで助かったけど、本当は僕の方が逃げ出したかったんだ」

 

 

そう言われて改めて気づき、驚くしかない。なるほど、確かにリーニエの行動はその魔族の子供と本質的には全く同じ物。ヒンメルにとっては古傷を抉られたようなものだったのだろう。だが驚いたのはそこではない。

 

 

「あんたが? そんなわけないでしょ」

「嘘じゃないさ。君と同じで、僕も弱いんだ。みんなのおかげで強くなれるだけで。みんなには内緒にしておいてくれよ」

 

 

こいつが、そんな弱音を吐いたこと。逃げ出したかった、だなんて。ヒンメルからは最も程遠いものではないのか。だがそれが嘘ではないことが私には分かる。魔族の私でも、服従の魔法を使わなくてもそれぐらい分かる。こいつは私には嘘をつかない。その意味を。

 

 

「だから僕は僕のために君を利用してたんだ。償いっていう無駄な自己満足のために。そのために僕は君の自由を奪い、心も傷つけている。許されることじゃないけど、それを謝りたかったんだ」

 

 

それを示すように、ヒンメルは己の心の内を曝け出す。それは告白だった。恐らくは勇者一行にも晒したことがないであろう本音。魔族である私だからこそ、それを明かしたのだろう。

 

 

「……結局そうなるわけね。それで何であんたが謝るわけ? あんたは私に勝って私を従えた。それを利用して何が悪いのよ。謝られてもこっちが迷惑だわ」

 

 

だからこそ私には理解できない。その意味が。そもそも私には償うという行為が理解できない。それに当てはめてもヒンメルには償うべき罪などない。私に謝る理由も。勝手に償いをし、勝手に謝られても迷惑でしかない。

 

 

「そうだね……君ならきっとそう言うだろうね」

 

 

きっと魔族(わたし)がそう答えることも分かっていたのだろう。ヒンメルはどこか遠くを見ながらそう答える。ただその横顔に目を奪われる。一体ヒンメルは何処を見ているのか。その先に何があるのか。

 

 

「じゃあ、僕も答えるよ。どうして僕が君を助けたのか。どうしてまだそれを続けてるのか」

 

 

その瞳がこちらを見つめてくる。さっきまでの空気はない。あるのはいつもの空気。私の知っているヒンメルの気配。それを纏いながら

 

 

「楽しかったんだ」

 

 

今までの中で、一番理解できないことをヒンメルは口にした。

 

 

「……は?」

 

 

それを前にして、ただ呆然とするしかない。言葉の意味が理解できない。魔族だからではない。こんな経験生まれて初めてだった。今自分がどんな顔しているか、全く気付かないほど。

 

 

「何が?」

「君と一緒に暮らすのが、さ。最初は本当に大変だったんだ。君がどんな行動に出るか分からなかったからね。気づいていたかい? しばらく僕はほとんど寝てなかったんだよ。他人の気も知らずに君は安眠してたけどね」

 

 

そんな私の心境など全く気にせず、ヒンメルは続ける。それはそう、まるで日記だった。

 

 

「君の隣を歩くのもそうさ。いつ君が村の人たちに危害を加えるか冷や冷やしてたんだ。傷つけるっていうのは体だけのことじゃないからね。でも、それは杞憂だった。君も、村の人たちも僕が心配する必要なんてなかった」

 

 

いつも夜にしたためている日記。自伝だのなんだの言っていたが、やはり日記でしかない。その内容をそのまま口にしているかのように、ヒンメルは独り言のように読み上げていく。

 

 

「毎日食事を一緒にするのが楽しかったんだ。僕の好物のルフオムレツを作ってくれるのも、僕が作ったアップルパイを食べてくれるのも」

 

 

本当に下らない、無駄な日常を。何も気に留めることもないようなただの毎日。

 

 

「好きだったんだ。君がシュトロやリリーと一緒に遊んでいるのを見るのが。君が部屋で本を読んでいるのを眺めるのが」

 

 

それがヒンメルにとってはそうではなかったのだと。嘘偽りない言葉で。魔族のように相手を欺くためではない、相手に気持ちを伝えるための言葉。違うのは

 

 

「嬉しかったんだ。花畑の魔法で白い花を見せてくれたのが。君にとっては何でもないことだったんだろうけど、僕にとっては違ったんだ。本当に綺麗だった」

 

 

それを、人間を理解できない魔族(わたし)に向かってしているということだけ。伝わらないと、理解されないと分かっているのに。そんな無駄なことを。

 

 

「――――僕はね、本当に楽しかったんだ。あの時、君を手にかけないで本当に良かった」

 

 

本当にこの人間は、楽しんでいたらしい。本当に自分勝手な、子供のような理由。それが私を赦し、私と一緒にいるヒンメルの答え。

 

それを見せつけるように、ヒンメルはその掌をかざしてくる。そこには銀の花があった。見間違うはずのない、私がずっと探してた、失くしてしまっていた物。

 

 

「……あんた、それ」

「アイゼンが見つけてくれたのさ。リーニエも一緒に探してくれてね。本当は僕が見つけたかったんだけど、やっぱりアイゼンには敵わないね」

 

 

種明かしをするようにヒンメルは笑みを浮かべながらそう告げてくる。それに呆気にとられるしかない。どうやらあの後、アイゼンたちと一緒に探してくれたのだろう。それはいい。今はただ

 

 

「……あんた、本当に勇者なわけ?」

「どうかな。僕も最近自信がなくなって来たんだ」

 

 

それを持っていながら、今の今までそれを隠していたこの性悪勇者についてだけ。自覚があるのか、ヒンメルはそう自信満々に答える。本当に癪に障る奴。

 

しかしヒンメルは何故かそのままアクセサリと共に手を握りこんでしまう。一体どうしたのか。てっきりそのまま渡してくるかと思っていたのに。そんな私の困惑を見ながら

 

 

「僕たち人間には花言葉ってものがあるんだ。花の種類によって贈った相手に気持ちを伝えるんだ」

 

 

真っすぐ私を見つめながら、ヒンメルは告げる。半年前のあの時の再現。ただ違うのは、その意味を直接伝えようとしていることだけ。贈り物だけではない。

 

 

「この花の名前はフリージア。花言葉は」

「いいわ」

 

 

それを明かす前に、そう遮った。聞くまでもない。半年前からそんなこと知っていたのだから。何よりも、それ以上聞いてはいられなかった。

 

 

「それならもう知ってるから。いちいち言わないで頂戴」

「そうか。言葉で伝えた方がいいって前言っていたからね。お気に召さなかったかな」

「馬鹿じゃないの」

 

 

どこか残念そうに、こっちをからかうようにヒンメルは笑っている。本当に良い性格をしている。きっと、最初から分かっていたに違いない。だからこんなことを。いつかの私の言葉への意趣返しなのだろう。本当に、馬鹿な奴。

 

 

そのままヒンメルは座っている私の前に屈みこむ。それは王都で見た、王を前にした謁見の時のよう。そう、忠誠を誓う騎士のように。そのままヒンメルはその手にアクセサリを持ったまま、私の頭からそれをかけてくる。半年前と同じように。違うのは

 

 

「――――アウラ、僕と友達になってほしい」

 

 

それに、言葉を加えていること。花言葉だけでは伝わらない、自らの想いを伝えるように。命令ではなく、お願いなのだろう。馬鹿にしている。そこまでしないと私には伝わらないと思っているのか。私よりも伝えなくてはいけない相手がいるだろうに。

 

 

「そう。家族じゃなくていいわけ?」

「それは魔族(きみ)には合わないからね。友達なら分かってくれるだろう?」

 

 

お返しとばかりにそう煽るも何のその。どうやらそのぐらいは想定内だったらしい。いつかのアイゼンの見立て通りにはならないらしい。

 

 

「そうね。でもどうするの。私はあんたを騙すかもしれないわよ。服従の魔法で確かめてみたら?」

「そんなことはしないさ。嘘つきなのも含めて君だからね」

 

 

それは最後通告。魔族と人間。それが相容れることも、理解し合うこともできない。それでもいいのか、と。それに自信満々にヒンメルは応える。本当に馬鹿な人間(やつ)。ならいいだろう。

 

 

「――――いいわ。あんたと友達になってあげる。あんたが飽きるまでね」

 

 

それは契約だった。いや、こいつに合わせるなら約束か。それが本当か嘘か。真実か、偽りか。それは私にも分からない。きっとそれが分かるのは服従の魔法(わたし)だけだろう。ならその時まで付き合ってやろう。途中で勇者が飽きるかもしれない。あきらめるかもしれない。途中で私が欺くかもしれない、逃げ出そうとするかもしれない。だがそれでいい。

 

 

きっとそれが私とヒンメルの関係なのだから。

 

 

それが長い夜の夜明け。一年前の続き、そして新たな始まりだった――――

 

 

 

 

 

 

 

「ところで……あんた、あのエルフにも同じようなことしてるんじゃないの」

「……っ!? そ、それは……」

「どうなの?」

「…………指輪を、贈りました」

「……そう。私もだけど、あのエルフも絶対に意味が分かってないわ。今度会ったら言葉で伝えること。いいわね?」

「…………はい」

 

 

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