特に人前だと絶対に使いたくない。今世ではまだ7歳、人生終了は早すぎる。
前世ではそこそこの変態としてあっさり死んだ自分はよくあるファンタジーな世界に転生した。
剣や魔法が大活躍。
そこそこに発展している王国の貧乏貴族に俺は生まれた。
どんなに不思議なことも可能にする夢の技術である魔法。
それをある日、俺は発現した。
魔法は技術として体系化されており、様々な属性に分類される。
体中に血液のように満ちる魔力を図式や言葉として練り上げる。
それが魔法だ。
うん それまでなら俺としてもワクワクしたままで居られたんだ。
「水神よ 小さき我が手に恵みを
今日も一人部屋で魔法の練習をする。
最もメジャーな詠唱 簡単な呪文
されど水球は出てこない。
「アランお坊ちゃま掃除に来ましたよ。開けてもいいですか?」
アラン・テルミヒトそれが今世での俺の名前だ。
声の主はこの屋敷の数少ないメイドの一人。
体の線は細いのに軍人として戦っていたこともある父さんよりも身長が高い。
そんな黒髪のこの人はミダルという。めちゃくちゃ美人だ。
了承の意を伝え掃除をしに部屋に入ってもらう。
「失礼します」
自分はまだ魔法の練習にいそしむ。
とはいえずっと先ほどの失敗が続いているので成功した時のことを再現してみた。
その時は確かミダルのスカートの裾を握っていたはずだ。すると…
「お坊ちゃn…んもおぉお…う…ぅう…っだあめぇ…ぇぇ!」
なんて喘ぎ声で詠唱をかき消しながら体液で水たまりを作った。
俺が魔法で作った水たまりとあわせて二つだ。
ふざけんなやボケが。
俺が魔法を使うのには条件がある。
絶頂している女に触れること。
布越しでも構わない
女ならどんな状態でもいい…そんな一握りの望みを抱いて母さんや町の同年代の子で試したけど駄目だった。は?なんで?
知った当時はメチャクチャ荒れた。ハッキリしない前世の記憶、なんとか今世を楽しもうと手を出した魔法。それに致命的な弱点があったのだから。
俺はこの事を真っ先に父親に相談した。
魔法のことは知らないとだけ返された。いろいろ納得がいかないが仕方ないと納得するしかなかった。
魔法を使う技術…魔術と体系化されてるとはいえ謎が多い学問だ。特定の種族しか扱えないものもあるらしい。
じゃああの触れただけで絶頂する恐ろしい女は?
「あれはなあ…父さんの古い知り合いでな…魔法の腕は確かだが少年趣味が行き過ぎてそのうち変なことしでかしそうだからウチで雇うって形で見張ってるんだよ」
最近はそういう書物を集めることも、町の少年に変な視線を向けることもなかったからだいぶ変え善されてると思ったんだけどなあと申し訳なさそうに続ける。
後でミダルさんを問いただしたところ
「申し訳ございませんでした…本当はいけない事だと分かっていて…でも…」
長年我慢してた性癖があふれ出てしまったという旨をガチ泣きされながら謝られた。もうどうしようもないし許すしかなかった。
俺の魔法童貞は5歳の頃この人で捨ててしまった。魔法が使える条件をなんとなく掴ませてくれたこの人には頭が上がらない。それはそれとしてドン引きだ。いくら俺の前世が変態だからって言っても許容量ってのがあるじゃん。
5歳の男の子が服越しに触れただけで絶頂する女がメイドやってる屋敷だよ?
エロトラップダンジョンじゃん。
エロ女がトラップとして出てくるダンジョンじゃん。
一応この魔法の特性にもメリット3つほどある。というか死に物狂いで探した。
一つは触媒が必要ないこと。
魔法の触媒とは発動を促進させる為の道具だ。熟達した魔法使いなら必要ないがそれでも杖やペンダント、指輪等の道具を介するとかなり安定するが俺には必要ない。あっても使えない。必要なのは絶頂する人間1人。
それさえあれば威力や持続時間の調節は魔力の許す限り高いレベルで行うことが出来る。
一つは適性のない魔法でも使うことが出来る。
これはミダルさんと練習する内に分かったことだ。
水球以外の他の魔法を使いたかった俺は動物と会話する魔法を使うことが出来た。その魔法を知らなかったのにだ。これはミダルさんの一族に伝わる固有の魔法であり、俺はミダルさんを介することでその魔法を使うことに成功したのだ。魔法の内容を意識すると媒介発動の成功率は向上した。
一つは魔力が尽きても魔法が使えること。
正直これが1番大きいメリットだと個人的には思う。
魔法発動に自分含めて最低2人は必要ではあるものの魔力を肩代わりさせる事も出来るのだ。これもミダルさんとの練習で発覚した事だ。まだ子供で魔力量は低い俺が大人顔負けのコントロールを獲得できたのは無尽蔵の魔力を持ってたミダルさんのおかげで魔法を使いまくれたのが大きい。
なんでこんなに優秀な人なのに致命的なまでに変態なんだ…
俺は来年の春から8年間学校に行くことになっている。
貴族としての教養、そして魔法の腕を向上させる為だ。
お付きの人間は1人までという義務教育期間の遠足を彷彿とさせる決まりがある。俺は父さんを説得してミダルさんについて来てもらう事にした。というか現状この人がいないと魔法使えない。最悪だよ。色んな意味で。
しかし俺は諦めない。
諦めてなるものか。
まだまだ歩み始めたばかりの魔法道。
酷い条件付きとはいえ才能もメチャクチャある!
俺は絶対に魔法を極めて誰もが知る偉大な魔法使いになってやる。
そうすればお金も稼ぎやすくなって家も領民助かるからね。
貧乏ながらに大切に育ててくれた両親、食料を生産してくれる領民。自分を構成するその全てに報いたい。
最初の目標は目指せ学校主席入学だ。
燃えてきたぞ!ガハハ!